保険業法 第336条
クイックジャンプ
- 機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。
- 一第二百六十五条の二十二の規定に違反して、同条に規定する名簿を公衆の縦覧に供しないとき。
- 二第二百六十五条の四十五第二項又は第三項の規定による命令に違反したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第336条は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第336条の条文原文は「機構の役員は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 保険業法第336条は第六編に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第336条の前の条は保険業法第335条です。
- 保険業法第336条の次の条は保険業法第337条です。
- 保険業法第336条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第336条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第336条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/336
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法336条は、保険契約者保護機構の役員が会員名簿を公衆の縦覧に供しないとき、または監督命令に違反したときに、五十万円以下の過料を科すと定める規定である。
Q · 保険契約者保護機構が会員名簿を見せてくれないとき、何か罰則はあるの?
機構の役員個人に50万円以下の過料が科されます
保険業法265条の22は、保険契約者保護機構に会員名簿を作成して公衆の縦覧に供する義務を課しています。これを怠ると、同法336条1号により機構の役員個人が五十万円以下の過料に処せられます。また同条2号は、金融庁長官等が265条の45第2項・第3項に基づいて出した監督命令に役員が違反した場合も、同じ過料の対象とします。刑罰ではなく行政上の秩序罰であり、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定します。
解説
保険会社が潰れたら、契約はどうなるのか。日本では保険契約者保護機構が引き受け、生命保険なら原則として責任準備金の九割までが補償される(高予定利率契約は削減幅が大きい)。では、あなたが今入っている会社はその機構の会員なのか。それを確かめる手段が、法律で保障されている。保険業法二百六十五条の二十二は、機構に会員名簿を作成して公衆の縦覧に供することを義務づけ、三百三十六条はそれを怠った機構の役員個人に五十万円以下の過料を科す。名簿を見せない自由は、機構の側にない。二号はさらに、金融当局が機構に出した監督上の命令に役員が従わない場合も同じ過料の対象とする。セーフティネットを運営する側にも、外から見えるようにする義務と当局の指示に従う義務が課されており、その担保は役員個人の財布を直撃する形で置かれている。
法的な位置づけ
保険業法336条は、保険契約者保護機構の役員に対する過料の規定である。会員名簿を公衆の縦覧に供しない場合(265条の22違反)、および内閣総理大臣等による監督上の命令(265条の45第2項・第3項)に違反した場合に、五十万円以下の過料を科す。制裁対象は法人ではなく役員個人であり、刑罰ではなく行政上の秩序罰である。
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法336条とは何ですか?
保険契約者保護機構の役員に対する過料規定です。会員名簿の公衆縦覧義務違反(265条の22)と監督命令違反(265条の45)の2類型で、五十万円以下の過料が科されます。
Q2保険契約者保護機構の会員名簿はどこで見られる?
生命保険契約者保護機構・損害保険契約者保護機構が公衆の縦覧に供する義務を負っています(保険業法265条の22)。各機構の公表資料で会員となっている保険会社を確認できます。
Q3過料は誰が払うのですか?
機構という法人ではなく、機構の役員個人が支払います。機構の財産は契約者保護の原資であるため、そこを削らずに規律を働かせる設計です。
Q4過料と罰金の違いは?
過料は行政上の秩序罰で前科がつかず、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定します。罰金は刑罰で前科がつき、刑事訴訟手続によります。
Q5共済は保険契約者保護機構の会員ですか?
共済や少額短期保険業者は機構の会員ではありません。会員名簿に名前がないため、破綻時の責任準備金補償の対象外となります。
Q6保険会社が破綻したら契約は消える?
消えません。救済保険会社や承継保険会社へ契約が移転され、機構が資金援助します。生命保険では責任準備金の原則90% まで補償されます。
Q7監督命令違反で過料になるのはどんなとき?
内閣総理大臣等が保険業法265条の45第2項・第3項に基づき機構に出した業務改善等の命令に、役員が従わなかった場合です(336条2号)。
Q8過料の決定に不服があるときはどうする?
過料の裁判に対しては即時抗告ができます。不服申立期間が短いため、裁判所からの決定通知を受け取った日を起点にすぐ動く必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って罰金と同じですか?前科ってつくんですか?
違います。過料は行政上の秩序罰で刑罰ではないため、前科はつきません。手続も刑事裁判ではなく、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定を出します(保険業法336条、非訟事件手続法119条以下)。実務のポイント:前科がつかないからと軽く扱う人がいますが、過料の決定は金融当局が役員の適格性を見るときの材料になります。効いてくるのは金額ではなく、記録が残ることの方です
Q2自分の保険会社が機構の会員かどうか、どこで見られますか?
生命保険契約者保護機構と損害保険契約者保護機構が、それぞれ会員名簿を作成して公衆の縦覧に供する義務を負っています(保険業法265条の22)。怠れば役員個人に50万円以下の過料です(同336条1号)。実務のポイント:名簿に載らない事業者、つまり少額短期保険業者や共済には破綻時の補償が及びません。募集資料に保障と書いてあっても、会員かどうかが本当の分かれ目です
Q3保険会社が破綻したら、契約はどうなってしまうんですか?
契約は消滅せず、救済保険会社や承継保険会社へ移転され、機構が資金援助を行います(保険業法265条の28)。ただし生命保険では責任準備金が原則90%まで補償にとどまり、予定利率も引き下げられます。実務のポイント:破綻報道で慌てて解約すると早期解約控除がかかり、移転を待つより手取りが減ることがあります。解約と待機のどちらが有利かは、契約の予定利率で決まります
間違えやすい点 AI による整理
- 保護機構があるから保険会社が破綻しても保険金は守られる、という知識自体は広く共有されている。だが深刻なのはその中身だ。補償されるのは原則として責任準備金の九割であって、契約している保険金額の九割ではない。しかも予定利率そのものが引き下げられるため、長期の貯蓄性商品ほど実質的な目減りは大きい。ここを取り違えたまま破綻後の生活設計を立てると、数百万円単位でずれる
- どの保険会社が安全かという問いから入る人が多いが、名簿が答えているのはそこではない。名簿が答えるのは、この事業者が破綻したとき、そもそも機構の土俵に乗っているかどうかである。共済、少額短期保険業者、無登録の互助的な仕組みは、安全性を比較する以前に土俵の外にいる。問いの立て方を変えない限り、名簿は何の役にも立たない
- 五十万円以下の過料と聞くと制裁として軽く見えるが、効いているのは金額ではなく宛先である。法人ではなく役員個人に科され、前科はつかないものの、非訟事件手続で裁判所が決定を出し、当局の記録に残る。機構の財産を削らずに規律だけを効かせるために、この宛先が選ばれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 違反する実体義務 | 保険業法336条:名簿の公衆縦覧義務違反・監督命令違反 | 保険業法265条の22:会員名簿の作成と公衆縦覧の義務そのもの 保険業法265条の45:機構に対する監督上の命令の根拠 |
| 制裁の名宛人 | 機構の役員個人 | 義務主体は機構(法人) 命令の名宛人は機構(法人) |
| 法的性質 | 行政上の秩序罰(過料)、前科なし | 作為義務の定め、それ自体に制裁なし 行政処分(監督命令) |
| 手続 | 非訟事件手続法による裁判所の過料決定、即時抗告可 | 機構の内部手続・情報公開実務 行政手続法・行政不服審査法・行政事件訴訟法の系統 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険安定基金による破綻処理制度を持つが、基金役員個人への過料という形式ではなく、主管機関による行政罰鍰と監督処分が中心
韓国は預金保険公社が保険契約も含めて保護する統合型。日本のように保険専用機構を置く構成とは異なる
ドイツは生命保険・健康保険について保障基金を設け、連邦金融監督庁(BaFin)が監督。情報開示義務の担保手法は日本と異なる
米国は州ごとの保険保証協会制度。連邦統一機構はなく、加入保険会社の一覧は各州協会が公開する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社の経営不安がニュースになったら、まず何を見る? 解約窓口に電話する前に、機構の会員名簿でその会社が会員かを確認する。会員であれば破綻しても契約は救済保険会社へ移転され、責任準備金の原則九割は残る。慌てて解約返戻金を受け取る方が手取りで損になる場面は珍しくない
- あなたが機構の役員に就任し、サイト改修のミスで名簿の公衆縦覧を半年止めてしまった。法人が叱られて終わる話ではない。過料が向かう先は役員個人であり、機構の顧問弁護士が守ってくれる領域の外側にある
- 共済の勧誘を受けた。掛金は保険会社より明らかに安い。だが機構の名簿に、その共済の名前はない
- 破綻手続に入った保険会社から契約条件変更の同意を求める通知が届き、回答期限まであと二週間。補償範囲と引き下げ後の予定利率を知らずに判断すると、これから数十年分の受取額がその一枚で確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 生命保険契約者保護機構または損害保険契約者保護機構の公表資料で会員名簿を確認、見当たらなければ機構へ書面で縦覧を求める2. それでも開示されなければ金融庁の相談窓口へ事実を伝える、二百六十五条の四十五の監督命令の端緒になる3. 並行して、契約先が少額短期保険業者や共済でないかを証券と募集資料で確認する4. 過料は国庫に入る制裁であって、あなたへの賠償にはならない。狙いは金ではなく情報を引き出すことだと割り切る
訴えられた側:1. 過料は刑事罰ではなく行政上の秩序罰であり、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定する。まず検察官からの通知か裁判所からの通知か、手続の段階を確認する2. 決定の前に陳述の機会がある、縦覧停止の期間・原因・復旧措置を時系列の記録で提出する3. 過料の裁判に不服があれば即時抗告ができる、期間が短いので通知受領日を起点に即動く4. 監督命令違反が争点なら、命令の文言と履行状況を一対一で並べた対応表を先に作る
時効(請求できる期限):本条の過料に公訴時効のような明文の期間制限はない。縦覧を怠った状態、あるいは命令を履行しない状態が続く限り、裁判所の過料決定はなされうる。実務上の起算点は縦覧を停止した日、または命令の履行期限を徒過した日。過料の裁判が確定した後の徴収債権は、国の金銭債権として会計法三十条により五年で時効にかかると解される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成10年(1998年)前後の保険契約者保護機構制度創設 保険会社の破綻処理制度として保険契約者保護機構が創設され、機構の情報開示義務と監督命令に対応する罰則群が整備された。本条固有の新設年・その後の改正履歴は未検証であり、人的確認を要する
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める