保険業法 第63条の2(会社法の準用)
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会社法第八百二十四条(会社の解散命令)、第八百二十六条(官庁等の法務大臣に対する通知義務)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第十号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第四号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)、第八百七十六条(最高裁判所規則)、第九百四条(法務大臣の関与)及び第九百三十七条第一項(第三号ロに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は相互会社の解散の命令について、同法第八百二十五条(会社の財産に関する保全処分)、第八百六十八条第一項、第八百七十条第一項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十一条、第八百七十二条(第一号及び第四号に係る部分に限る。)、第八百七十三条、第八百七十四条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)(不服申立ての制限)、第八百七十五条、第八百七十六条並びに第九百五条及び第九百六条(会社の財産に関する保全処分についての特則)の規定はこの条において準用する同法第八百二十四条第一項の申立てがあった場合における相互会社の財産の保全について、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
会社法の準用とは何ですか?
定義会社法の準用とは、保険業法第63条の2に定められた規定で、「会社法第八百二十四条(会社の解散命令)、第八百二十六条(官庁等の法務大臣に対する通知義務)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第十号に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第63条の2(会社法の準用)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第63条の2の条文原文は「会社法第八百二十四条(会社の解散命令)、第八百二十六条(官庁等の法務大臣に対する通知義務)、第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項(第十号に…」で始まります。
- 保険業法第63条の2は第十款 雑則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第63条の2の前の条は保険業法第63条です。
- 保険業法第63条の2の次の条は保険業法第64条です。
- 保険業法第63条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第63条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第63条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/63_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法63条の2は、会社法824条の解散命令を相互会社に準用する。裁判所は公益上その存立を許せないと認めるとき、法務大臣や社員である保険契約者の申立てにより解散を命じられる。
Q · 加入している生命保険会社を、契約者が裁判所に解散させることってできるんですか?
条文上は可能。ただし要件は極端に厳しい
保険業法63条の2は会社法824条を相互会社に準用します。相互会社の社員とは保険契約者ですから、契約者も解散命令の申立権者に含まれます。ただし要件は「公益を確保するため会社の存立を許すことができない」という極端な水準で、裁判所は会社の申立てにより相当の担保提供を命じることができます(会社法824条2項)。経営不安そのものへの対処は、保険業法241条の業務停止・保険管理人ルートが実務上の本流です。
解説
条文の見た目は会社法の条番号の羅列で、読む気を削ぐ。だがこの羅列が意味することは一つ、相互会社は裁判所の一撃で消滅しうる、ということだ。会社法824条が準用される結果、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認められれば、裁判所は相互会社に解散を命じられる。しかも申立てができるのは法務大臣だけではない。株主、社員、債権者その他の利害関係人である。そして相互会社の社員とは、保険契約者のことだ。生命保険に入っているだけのあなたは、条文上、解散を申し立てられる側ではなく申し立てる側に名前が載っている。もっとも会社側は担保提供命令(824条2項)で応戦でき、裁判所は命じる前に会社の陳述を聴かなければならない(870条1項10号)。潰す装置であると同時に、濫用を止める装置でもある。末尾の「技術的読替えは政令で定める」の一行が、この移植手術の縫合部にあたる。
法的な位置づけ
保険業法63条の2は、会社法の解散命令に関する規定群を相互会社に準用する規定である。裁判所による解散命令(会社法824条)、官庁等の法務大臣に対する通知義務(826条)、財産に関する保全処分(825条)、陳述の聴取、即時抗告、法務大臣の関与などが相互会社にも及び、必要な技術的読替えは政令で定められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.会社法824条1項のどの類型かを先に確定する 不法な目的での設立、正当な理由なく1年以上の事業休止・不開始、業務執行者が刑罰法令に触れる行為等を継続し法務大臣の書面警告後も改めない、の三類型のどれに当てはめるかを最初に決める。類型が決まらないまま集めた事実は申立書に載せられない
- 2.管轄裁判所と申立権者の地位を確認する 会社法868条1項の準用により、非訟事件は会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に属する。相互会社の社員である保険契約者として申し立てるなら、保険証券など社員たる地位を疎明する資料を揃える
- 3.申立てと同時に財産保全処分を打つ 会社法825条の準用により、申立てがあった場合の会社財産の保全処分を同時に求める。審理は長期化するため、管理人選任を初動で取れるかどうかが結論より先に実質を決める
- 4.担保提供命令に備えて資力を確保する 社員・債権者が申し立てた場合、裁判所は会社の申立てにより相当の担保を立てるよう命じることができる(会社法824条2項)。ただし会社側は申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない(同条3項)ため、申立ての合理性を示す資料を先に固めておく
- 5.行政ルートと並走させ、目的に合う制度を選び直す 契約の継続を望むなら、金融庁への情報提供および保険業法241条の業務停止・保険管理人ルートを並走させる。解散命令は器を消す制度であり、保障の維持という目的とは方向が逆になることを途中で必ず検算する
よくある質問 AI による整理
Q1相互会社とは何ですか?
保険業法に基づく保険会社専用の法人形態で、保険契約者がそのまま社員(構成員)になります。株式会社の株主に相当する地位を、契約者が自動的に持つ点が最大の特徴です。
Q2保険会社の解散命令の根拠条文はどれですか?
相互会社については保険業法63条の2が会社法824条を準用します。実体要件は会社法824条1項、手続は会社法868条以下と非訟事件手続法が規律します。
Q3解散命令と免許取消しは何が違いますか?
免許取消し(保険業法133条)は金融庁による行政処分で、不服申立ては行政ルートです。解散命令は裁判所の裁判で、不服申立ては即時抗告になります。主体も要件も別系統です。
Q4解散命令の申立ては誰ができますか?
会社法824条1項により、法務大臣のほか株主、社員、債権者その他の利害関係人が申し立てられます。相互会社の社員は保険契約者なので、契約者も申立権者に含まれます。
Q5財産保全処分とは何ですか?
解散命令の申立てがあった場合に、裁判所が審理中の会社財産の流出を防ぐために管理人選任などを命じる処分です(会社法825条を本条が準用)。
Q6法務大臣は解散命令にどう関与しますか?
会社法904条の準用により、法務大臣は裁判所に意見を述べることができ、裁判に対して自ら即時抗告することもできます。監督官庁とは別ルートの関与です。
Q7相互会社が解散したら保険契約はどうなりますか?
会社という器が消えれば、保険契約も清算手続に向かいます。契約の継続を目的とするなら、解散命令ではなく保険業法241条の保険管理人による管理ルートが対応する制度です。
Q8相互会社に解散命令が出た実例はありますか?
公表された相互会社への解散命令の例は確認できていません。会社解散命令自体が極めて例外的な制度で、保険会社の危機対応は行政ルートが先に動くのが通常です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社が危ないって噂を聞いたんですけど、契約者が裁判所に潰してくれって言えるんですか?
条文上は言えます。準用される会社法824条1項の申立権者には社員が含まれ、相互会社の社員とは保険契約者だからです。ただし裁判所は会社の申立てにより担保提供を命じることができ(同条2項)、要件も「公益を確保するため存立を許すことができない」という極端な水準です。実務のポイント:経営不安の局面で実際に動くのは保険業法241条の業務停止・保険管理人ルートです。解散命令は器を消す制度、241条は契約という中身を守る制度で、狙う結果が正反対。相談先を間違えると半年失う
Q2解散命令が出たら、その日から会社は終わりなんですか?
終わりません。準用される会社法873条本文により即時抗告には執行停止の効力があり、告知から2週間の不変期間内に抗告すれば命令の効力は止まります(非訟事件手続法の定め、最新の改正状況をご確認ください)。904条準用で法務大臣も抗告できる立場にいます。実務のポイント:先に効いてくるのは825条準用の財産保全処分のほうです。管理人が付いた時点で経営権は事実上動き、抗告で勝っても戻る椅子が残っていないことがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険会社が潰れるかどうか」を金融庁の話だと思って調べ始める人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。行政による免許取消し(保険業法133条)と裁判所による解散命令(本条が準用する会社法824条)は、発動主体も要件も不服申立てのルートも別系統だ。どちらの土俵の話かを決めないまま集めた情報は、実務では一行も使えない
- 申立権が保険契約者にもあることは、条文を読めば分かる。分かっていないのはその重さのほうだ。社員が申し立てる場合、裁判所は会社の申立てにより相当の担保を立てるよう命じることができる(会社法824条2項)。ただし会社側は、その申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない(同条3項)。ハードルは一方通行ではなく、双方に置かれている
- 契約者から見れば解散命令は経営陣への制裁だが、法律から見れば消えるのは会社という器であり、器が消えれば保険契約という中身も清算手続へ向かう。制裁を求める行為が、同時に自分の長期保障を畳む行為でもある。この落差を計算に入れないまま勝つと、勝った瞬間に困るのは申立人のほうだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動主体 | 裁判所(保険業法63条の2が準用する会社法824条) | 金融庁(保険業法133条・免許取消し) 金融庁(保険業法241条・業務停止と保険管理人による管理) |
| 発動できる者・きっかけ | 法務大臣、株主・社員・債権者その他の利害関係人の申立て | 行政庁の職権 行政庁の職権 |
| 狙う結果 | 会社という器の消滅(清算へ) | 保険業の免許を失わせる 契約という中身の維持・移転 |
| 不服申立てのルート | 即時抗告(会社法872条4号準用、執行停止の効力あり) | 審査請求・取消訴訟(行政ルート) 審査請求・取消訴訟(行政ルート) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関による命令解散と裁判所による裁定解散を分けて置く。保険業については主管機関の監督処分ルートが実務上の中心で、日本と同じく司法による解散は例外的
韓国も会社の解散命令を商法に置き、利害関係人または検事の請求により裁判所が命じる構造をとる。日本の会社法824条と近い系譜にある
ドイツは公共の福祉を危殆化する場合の解散訴訟を株式法に置き、相互保険会社(VVaG)は保険監督法が別途規律する。行政と司法の役割分担は日本と類似
米国は保険会社の危機対応を州の receivership(rehabilitation / liquidation)に集約し、会社解散そのものより契約処理の枠組みが前面に出る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入している相互会社の経営陣が刑罰法令に触れる行為を繰り返し、法務大臣から書面で警告を受けてもなお止めないとしたら、契約者であるあなたに何ができるか。答えは会社法824条1項3号の準用にある。契約者は社員として、裁判所に解散を命じるよう申し立てられる。ただし担保提供命令を覚悟したうえで、金融庁への情報提供と並行して走らせるのが実務の順序になる
- 相互会社の役員として、ある朝、解散を命じる裁判の告知を受け取る側に回る。抗告できるのは告知から2週間の不変期間だけ。即時抗告には執行停止の効力があるため(873条本文準用)、この2週間で抗告状を出せるかどうかが会社の存続そのものを決める。しかも904条準用で法務大臣が意見を述べ、自ら抗告もできる立場にいることを見落とすと、抗告審で足をすくわれる
- 別件の税務調査で、担当官が相互会社の設立目的の不法性に気付く。会社法826条の準用により、その官庁には法務大臣へ通知する義務が発生する。監督官庁が動かなくても、情報は別の配管を通って法務省に届く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事実を会社法824条1項の三類型(不法目的の設立、1年以上の事業休止、警告後も継続する違法行為)のどれに当てはめるかを先に決める2. 金融庁への情報提供と並行し、825条準用の財産保全処分を申立てと同時に出す3. 担保提供命令(824条2項)に備えて資力を確保し、会社側が悪意の疎明を要すること(同条3項)を主張材料に置く4. 別件の訴訟や調査があるなら、826条準用の通知義務ルートを意識して事実を記録に残す
訴えられた側:1. 告知を受けたら2週間の不変期間を真っ先にカレンダーへ、即時抗告には執行停止の効力がある(873条本文準用) 2. 870条1項10号準用の陳述聴取が反論の本番、書面と資料を事前に固める3. 904条準用で法務大臣の意見と抗告権が介在するため、裁判所対応と法務省対応を同時に設計する4. 825条準用の保全処分が先に出ると経営権は実質的に移る、保全段階の防御を最優先に置く
時効(請求できる期限):解散命令の申立てそのものに出訴期間の定めはない。裁判に対する即時抗告は、裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内(非訟事件手続法の定め、最新の改正状況をご確認ください)。会社法824条1項2号の事由は「成立の日から1年以内に事業を開始しない」または「引き続き1年以上休止」が起算の基準となる
学説
一般的理解:解散命令は法人格を消滅させる最終手段であり、行政監督など他の手段で是正可能な限り発動されないと理解されている。相互会社では社員が保険契約者であるため、解散が保障の清算を招く点が発動をさらに抑制する方向に働く
改正沿革 AI による整理
- 会社法(平成17年)施行に伴う整備 従前の商法準用から会社法準用へ組み替えられた系譜にある条文だが、本条が新設されたのか既存条文の文言改正なのか、また各号の引用範囲がその後どの改正で動いたかは条文沿革の実地確認を要する(要検証)
改正の年表
- 1.平成17年から18年(2005年から2006年) 改正:会社法の制定および施行に伴い、従前の商法準用から会社法準用へ引用が組み替えられた系譜にある。本条が現在の形になった時期および各号の引用範囲の変遷は、条文沿革の実地確認を要する(要検証)
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