保険業法 第63条(非社員契約)
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- 相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の内閣府令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。
- 2.前項の定款には、同項の定めをする保険契約の種類のほか、内閣府令で定める事項を定めなければならない。
- 3.相互会社が行う第一項の保険契約に係る保険の引受けは、内閣府令で定める限度を超えてはならない。
- 4.相互会社は、第一項の保険契約に係る保険の引受けをする場合には、内閣府令で定めるところにより、当該保険契約に係る経理を、社員である保険契約者の保険契約に係る経理と区分してしなければならない。
- 5.商法第三編第七章(海上保険)の規定は、第一項の保険契約(海上保険契約に該当するものに限る。)について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
- 6.前各項に定めるもののほか、第一項の保険契約に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
この条文の基本情報
非社員契約とは何ですか?
定義非社員契約とは、保険業法第63条に定められた規定で、「相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の内閣府令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第63条(非社員契約)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第63条の条文原文は「相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の内閣府令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。」で始まります。
- 保険業法第63条は第十款 雑則に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第63条の前の条は保険業法第62条の2です。
- 保険業法第63条の次の条は保険業法第63条の2です。
- 保険業法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法63条は、相互会社が剰余金の分配のない保険契約の契約者を社員としない旨を定款で定められると規定する。非社員契約の引受けは内閣府令の限度内に限られる。
Q · 相互会社の保険に入ったら、必ずその会社の社員になるんですか?
無配当型は定款の定めで社員にならない場合がある
保険業法63条1項により、相互会社は剰余金の分配のない保険契約その他内閣府令で定める種類の契約について、その契約者を社員としない旨を定款で定めることができます。この定めがあれば、加入しても社員ではなく、総代会の議決権も剰余金の分配もありません。ただし非社員契約の引受けは内閣府令の限度を超えられず(3項)、経理も社員契約と区分されます(4項)。自分がどちらかは、証券の「有配当・無配当」と会社の定款で確認できます。
解説
日本生命、明治安田生命、住友生命。これらが「相互会社」であり、保険契約者がそのまま会社の社員(株式会社でいう構成員、オーナー側の立場)になるという建付けを、契約者本人が意識している例はまずない。63条は、その建付けに例外の穴を開ける条文である。剰余金の分配のない保険契約、つまり無配当型の契約について、会社は定款で「この契約者は社員としない」と定めることができる。社員でなければ、総代会の議決権もない、剰余金の分配もない、将来その会社が株式会社に組織変更したときの株式の割当てもない。あなたが払う保険料は同じように会社へ入っていくのに、立場は最後まで「客」のままだ。ただし会社側も無制限ではなく、非社員契約の引受けは内閣府令の限度内に抑えられ(3項)、経理も社員契約と区分される(4項)。相互会社という器を空洞化させないための歯止めである。裏返せば、あなたがどちら側に置かれているかは、加入した商品の「有配当」「無配当」という一語で、すでに決まっていた。
法的な位置づけ
保険業法63条は相互会社における非社員保険契約を定める規定であり、剰余金の分配のない保険契約その他内閣府令で定める種類の契約について、当該契約者を社員としない旨を定款で定めうることを認める。あわせて引受限度と区分経理を義務づけ、相互会社の相互性が実質的に失われることを防ぐ枠組みを構成する。
よくある質問 AI による整理
Q1非社員契約とは何ですか?
相互会社の保険契約のうち、定款の定めにより契約者が社員とならないものです。保険業法63条1項が根拠で、無配当型など内閣府令で定める種類の契約が対象になります。
Q2相互会社の社員とはどういう立場ですか?
株式会社の株主に相当する構成員の立場です。総代会を通じて会社の意思決定に関与し、剰余金の分配や組織変更時の割当てを受ける地位を持ちます。
Q3無配当保険は必ず非社員契約になりますか?
なりません。会社が定款で「社員としない」と定めて初めて非社員になります。定めがなければ無配当でも社員です。定款の確認が必要です。
Q4自分が社員かどうか確認する方法は?
保険証券と契約のしおりで有配当か無配当かを確認し、会社のディスクロージャー資料にある定款で63条1項の定めの有無を見ます。総代の選挙権の有無で聞くのが確実です。
Q5非社員契約はいくらでも引き受けられますか?
できません。保険業法63条3項により、非社員契約の引受けは内閣府令で定める限度を超えてはならないとされ、相互会社の空洞化を防ぐ天井が設けられています。
Q6区分経理とは何ですか?
保険業法63条4項に基づき、非社員契約に係る経理を社員である契約者の契約に係る経理と分けて行うことです。剰余金の帰属を混同させないための会計上の壁です。
Q7非社員契約者は総代会に参加できますか?
できません。総代会は社員が議決権を行使する場であり、定款で社員としないとされた契約者は選挙人名簿にも載らず、議決に関与する経路がありません。
Q8保険業法63条5項の海上保険の準用とは?
非社員契約が海上保険契約に該当する場合、商法第3編第7章(海上保険)の規定が準用されるという定めです。必要な技術的読替えは政令で定められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分が社員なのかどうか、どこを見ればわかるんですか?
まず保険証券と契約のしおりで有配当か無配当かを確認する。次に会社の定款を見る。63条1項の定めは定款に置かれ、社員としない保険契約の種類も定款の記載事項だからである(同条2項)。定款はディスクロージャー資料や会社サイトで公開されている。実務のポイント:コールセンターに「私は社員ですか」と聞いても即答が返らないことがある。「総代の選挙権がありますか」と聞き方を変えると、担当者は正確に調べにいく。
Q2無配当の保険って保険料が安いって聞きますけど、それだけの話ですか?
保険料の割安さは、将来の剰余金分配を受け取らない前提で計算されていることの裏返しである。相互会社ではさらに、63条1項の定款規定があると社員資格そのものが付かない。議決権も分配請求権も最初から存在しない。実務のポイント:無配当であることと非社員であることは本来別の話で、無配当なら必ず非社員になるわけではない。定款が定めて初めて非社員になる。この区別はパンフレットにはまず書かれない。
Q3非社員の契約ばかり増やして、相互会社が実質的に株式会社みたいになることはないんですか?
そこを止めるのが3項と4項である。3項は非社員契約の引受限度を内閣府令に委ね、4項は社員契約と経理を区分することを義務づけている。相互性の空洞化を防ぐ歯止めであり、逸脱すれば業務改善命令など監督上の措置の対象になりうる(保険業法132条)。実務のポイント:限度の計算方法は内閣府令にあり、各社のディスクロージャー誌をたどれば非社員契約がどの程度の規模かを外部から追える。
Q45項の海上保険って何ですか。生命保険の話に急に船が出てきて意味がわかりません
相互会社が非社員契約として海上保険を引き受ける場合に限り、商法第3編第7章の海上保険の規定(815条以下)が準用される、という規定である。海上保険は企業間取引を前提とした詳細な規律で、技術的な読替えは政令に委ねられている。実務のポイント:63条は生命保険の相互会社だけを想定した条文ではなく、損害保険を営む相互会社も射程に入れている。条文中の一見場違いな準用規定は、その法人形態が想定している事業の幅を示す痕跡であることが多い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「相互会社の保険に入れば自動的に社員になる」と理解されているが、63条1項の定款規定があれば、無配当契約者は加入時から社員ではない。加入イコール社員という等式は、条文上そもそも成り立たない
- 無配当型について「配当がもらえないだけ」と理解している人は多い。だが失っているのは配当だけではない。総代会の議決権、社員として会社の意思決定に関与する経路、組織変更時の株式の割当て。会社の所有者側から丸ごと外れているという深刻度に、多くの契約者は気付いていない
- あなたから見れば、毎月保険料を払い続ける長期の重要な取引相手である。だが法律から見れば、非社員契約者は会社の構成員ではなく、外部にいる契約相手にすぎない。この落差が、会社の重要な意思決定の場に一度も呼ばれない理由であり、不満を言う先すら見つからない理由でもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保険業法63条:非社員契約を定款で定める権限と限度 | 保険業法2条:相互会社および保険業の定義 保険業法4条:免許申請と定款・事業方法書の審査 |
| 契約者の地位 | 定款の定めにより社員とならない(外部の契約相手) | 相互会社は保険契約者を社員とする社団という原則を前提 定款の内容が免許審査の対象となる段階 |
| 歯止めの仕組み | 内閣府令の引受限度(3項)+区分経理(4項) | 法人形態そのものの定義による枠付け 免許段階での事前審査 |
| 契約者が確認すべき書面 | 定款の非社員契約の種類の定め+保険証券の有配当・無配当 | 会社の法人形態(相互会社か株式会社か) 事業方法書・ディスクロージャー資料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾にも相互保険組織の規律は存在するが、実務上は株式会社形態が主流であり、非社員契約という形での例外規定は日本ほど明確に条文化されていない点が異なる
韓国保険業法も相互会社制度を設け保険契約者を社員とする構成を採るが、実際に営業する相互会社は限定的で、非社員契約の運用実態は日本と大きく異なる
ドイツでは相互保険社団が非会員取引(Nichtmitgliedergeschäft)を行いうるが、定款で定めることと事業規模の制限がかかる点で、日本の63条の構造と発想が近い
米国は州法ごとに相互保険会社を規律し、ポリシーホルダーが自動的にメンバーとなるのが一般だが、非参加型(non-participating)契約の扱いは州法および定款に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 加入中の生命保険が相互会社の無配当型だとして、総代選挙の案内が一度も届かないのはなぜか。答えは会社の定款にある。あなたが非社員契約者であれば、そもそも選挙人の名簿に載らない。毎年届く「ご契約内容のお知らせ」に総代会の話が一言も出てこないのは、忘れられているのではなく、最初から対象外だからだ。
- あなたが保険募集人で、「相互会社ですからお客様も会社のオーナーです」と説明して無配当型を販売した。その商品が定款上の非社員契約なら、その説明は事実に反する。募集時の情報提供義務(保険業法294条)の問題として指摘されうる。
- 加入している相互会社が株式会社への組織変更を発表した。組織変更計画が公告され、社員に対する株式や金銭の割当てが示される。自分の契約が有配当か無配当か、定款上どちらに分類されるかを確認できる時間は数週間しかない。証券がどこにあるか思い出せない状態から始めると、手続の節目に間に合わない。
- 親が亡くなり、相互会社の保険契約を引き継ぐことになった。有配当契約なら社員としての地位も問題になるが、非社員契約なら会社との関係は純粋な契約関係だけで完結する。窓口で受ける説明の中身が、そこで分かれる。
- 法人契約の管理を任されている経理担当のあなた。契約者は会社で、商品は無配当の団体保険。定款で非社員契約とされていれば、法人は社員ではなく、総代会の招集通知も来ないし、保険会社の意思決定に一票も投じられない。「大口契約者なのに何の発言権もない」のは担当者の力不足ではなく、条文の構造による。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と「ご契約のしおり・約款」で有配当か無配当かを確認する2. 会社サイトのディスクロージャー資料から定款を開き、社員としない保険契約の種類の定め(63条1項、2項)を探す3. 該当するなら総代の選挙権はない。会社に問い合わせるときは「私は御社の社員ですか」ではなく「総代の選挙権がありますか」と聞くと担当者が正確に調べる4. 社員としての地位が必要なら有配当契約を検討する。加入後に社員資格だけを取得する道はない
訴えられた側:1. 非社員契約を扱うなら、定款の定めと契約種類の記載(1項、2項)、内閣府令の引受限度(3項)、区分経理(4項)の三点が揃っているか点検する2. 募集資料で「契約者は会社の社員です」という相互会社の一般説明を無配当商品にそのまま流用していないか確認、情報提供義務(保険業法294条)の問題になりうる3. 限度超過のおそれがあれば早期に当局と協議し、業務改善命令(同132条)に先んじて是正計画を用意する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし社員資格の有無が総代会決議の効力に絡む場面では、決議取消しの訴えのように決議の日から3か月という短い期間制限が働きうる(相互会社への会社法の準用規定の確認が必要)。募集時の誤説明による損害賠償を問う場合は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 平成20年(2008年)保険法制定に伴う整備 保険法の制定により商法から保険契約の一般規定が切り出された結果、5項が準用する対象が海上保険の章に整理されたと解されるが、改正年次と改正内容の対応は人的検証が必要
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