保険業法 第96条の5(組織変更株式交換)
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- 組織変更をする相互会社は、組織変更に際して、組織変更株式交換(組織変更をする相互会社が組織変更をするのと同時に組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社に取得させることをいう。以下この款において同じ。)をすることができる。
- 2.組織変更株式交換をする場合には、組織変更をする相互会社は、組織変更株式交換完全親会社(組織変更株式交換に際して組織変更後株式会社の株式の全部を取得する株式会社をいう。以下この款において同じ。)との間で、組織変更株式交換契約を締結しなければならない。
- 3.会社法第四百四十五条第五項(資本金の額及び準備金の額)の規定は組織変更株式交換に際して資本金又は準備金として計上すべき額について、同法第七百九十一条(第一項第一号及び第三項を除く。)(吸収分割又は株式交換に関する書面等の備置き及び閲覧等)の規定は組織変更株式交換を伴う組織変更をする相互会社について、同法第三百九条第二項(各号を除く。)(株主総会の決議)、第三百二十四条第二項(各号を除く。)(種類株主総会の決議)及び第五編第五章第二節第二款第一目(第七百九十五条第四項第一号及び第二号、第七百九十六条第二項第一号ロ、第七百九十九条第一項第一号及び第二号、第八百条並びに第八百一条第一項、第二項、第三項第一号及び第二号並びに第五項を除く。)(株式会社の手続)の規定は組織変更株式交換完全親会社について、同法第八百六十八条第一項(非訟事件の管轄)、第八百七十条第二項(第二号に係る部分に限る。)(陳述の聴取)、第八百七十条の二(申立書の写しの送付等)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)(即時抗告)、第八百七十二条の二(抗告状の写しの送付等)、第八百七十三条本文(原裁判の執行停止)、第八百七十五条(非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条(最高裁判所規則)の規定はこの項において準用する同法第七百九十八条第二項の規定による申立てについて、それぞれ準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
組織変更株式交換とは何ですか?
定義組織変更株式交換とは、保険業法第96条の5に定められた規定で、「組織変更をする相互会社は、組織変更に際して、組織変更株式交換(組織変更をする相互会社が組織変更をするのと同時に組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社に取得…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第96条の5(組織変更株式交換)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第96条の5の条文原文は「組織変更をする相互会社は、組織変更に際して、組織変更株式交換(組織変更をする相互会社が組織変更をするのと同時に組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社に取得…」で始まります。
- 保険業法第96条の5は第二款 相互会社から株式会社への組織変更に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第96条の5の前の条は保険業法第96条の4の3です。
- 保険業法第96条の5の次の条は保険業法第96条の6です。
- 保険業法第96条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第96条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/96_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法96条の7は、相互会社が組織変更と同時に組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社に取得させる組織変更株式交換を定め、完全親会社との契約締結を要件とする。
Q · 相互会社が株式会社になるとき、契約者は必ずその会社の株主になれるの?
いいえ。株式が全部他社に渡る道もあります
保険業法96条の7は「組織変更株式交換」を定めています。組織変更と同時に、組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社(組織変更株式交換完全親会社)に取得させる手法です。この道を選ぶと、株式会社になった瞬間に保険会社は他社の完全子会社となり、元の社員である契約者の手元に来るのは親会社の株式または金銭です。手続には組織変更株式交換契約の締結が必要で、同条3項が会社法の書面備置き・特別決議・反対株主の買取請求・価格決定の非訟手続を準用します。
解説
生命保険会社の多くは、かつて「相互会社」という形態だった。契約者が同時に社員(オーナー)である組織である。それが株式会社に姿を変えるとき、通常は元の契約者に株式が配られる。ところが本条が用意しているのは、まったく別の出口だ。組織変更と同時に、生まれたばかりの株式会社の株式を「全部」他の会社に取得させる。つまり、株式会社になった瞬間、その会社は他社の完全子会社として誕生する。あなたがその保険会社の契約者だったなら、手に入るのは自社株ではなく、親会社の株式または現金である。持分の価値が何に化けるのかを決めるのが組織変更株式交換契約であり、その内容を承認するのは総代会(契約者代表の会議)だ。招集通知の分厚い添付書類の中に、あなたの持分がいくらに評価されたかが書いてある。読まずに捨てた人と、読んで反対の意思表示をした人では、その後に使える手札の数が違う。
法的な位置づけ
組織変更株式交換とは、保険業法96条の7が定める手法であり、相互会社が株式会社へ組織変更するのと同時に、組織変更後株式会社の株式の全部を他の株式会社に取得させる行為をいう。株式を取得する側は組織変更株式交換完全親会社と呼ばれ、両者間で組織変更株式交換契約の締結が要求される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.組織変更計画と同時実行の設計を固める 組織変更をする相互会社側で、組織変更と株式交換を同時に行う設計であることを計画書上で明確にする。96条の7第1項の「組織変更をするのと同時に」の要件を満たす日程表を作る
- 2.組織変更株式交換契約を締結する 完全親会社となる株式会社との間で、組織変更株式交換契約を締結する(2項)。交換比率、対価の種類(親会社株式か金銭か)、効力発生日を契約に落とし込む。決議より契約締結が先という順序を崩さない
- 3.書面等を備え置き、閲覧に応じる 3項が準用する会社法791条に従い、契約内容・交換比率の算定根拠等を記載した書面を本店に備え置く。社員(契約者)および関係者からの閲覧・謄本交付請求に応じられる体制を整える
- 4.総代会・株主総会の決議を取る 相互会社側は総代会の決議、完全親会社側は会社法309条2項の特別決議(種類株式があれば324条2項の種類株主総会も)を経る。3項で除外されている条文に該当しないかを事前に確認する
- 5.反対株主の買取請求と価格協議に対応する 反対株主からの買取請求を受け付け、価格を協議する。協議不調の場合は会社法798条2項の価格決定申立てとなり、非訟事件として裁判所で審理される。算定の前提条件を説明できる資料を保全する
- 6.施行令の読替表と突き合わせて最終点検 3項末尾が政令に委任する技術的読替えについて、保険業法施行令の読替表を条文ごとに突き合わせ、不要な手続を踏んでいないか、必要な手続を落としていないかを最終確認する
よくある質問 AI による整理
Q1組織変更株式交換とは何ですか?
相互会社が株式会社へ組織変更するのと同時に、その株式の全部を他の株式会社に取得させる手法です。保険業法96条の7が根拠で、完全親会社との契約締結が必要です。
Q2組織変更株式交換完全親会社とは誰のことですか?
組織変更株式交換に際して、組織変更後株式会社の株式の全部を取得する株式会社を指します。取得の瞬間から保険会社の完全親会社となります。
Q3組織変更株式交換に契約書は必要ですか?
必要です。保険業法96条の7第2項は、組織変更をする相互会社と完全親会社との間で組織変更株式交換契約を締結しなければならないと定めています。
Q4組織変更株式交換で会社法のどの規定が準用されますか?
資本金・準備金の計上(445条5項)、書面等の備置き閲覧(791条)、株主総会・種類株主総会の特別決議(309条2項・324条2項)、完全親会社の手続(第5編第5章第2節第2款第1目)などです。
Q5組織変更株式交換に反対する方法はありますか?
3項が準用する会社法の反対株主の株式買取請求の枠組みによります。決議前の反対通知と期間内の買取請求という二段構えが基本で、具体的期限は通知書記載を確認してください。
Q6買取価格に納得できない場合はどうなりますか?
協議が調わないときは裁判所への価格決定の申立てになります。3項は会社法798条2項の申立てについて非訟事件の管轄・陳述の聴取・即時抗告などを準用しています。
Q7組織変更株式移転とはどう違いますか?
株式交換は既存の株式会社が株式全部を取得する形、株式移転は新設会社が取得する形です。保険業法では96条の7と96条の8が対比類型として並びます。
Q8技術的読替えはどこで確認できますか?
保険業法96条の7第3項の末尾が政令に委任しているため、保険業法施行令の読替表を突き合わせて確認します。条文を直読みするだけでは手続を誤ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約者なんですけど、これって保険の内容が変わるってことですか?
保険契約そのものは組織変更後の株式会社に承継され、保障内容や保険料が本条によって直接変わることはない。変わるのは、あなたが持っていた社員としての地位が消え、対価に置き換わる点である。実務のポイント:契約内容が変わらないという説明ばかりが前面に出る一方、持分の対価がいくらかは添付書類の奥にある。説明会で聞くべき質問は「私の持分は何円と評価されましたか」の一問である
Q2なんでわざわざ他社の子会社になる形にするんですか?普通に株式会社になればいいのに
持株会社の傘下に一気に入れる、あるいは資本提携先に経営権を渡す場面で、二段階(組織変更してから株式交換)を踏まずに一回で終えられるからである。本条1項が「組織変更をするのと同時に」と定めているのはそのためだ。実務のポイント:二段階だと間に株式が分散する期間が生じ、その隙に反対勢力が株式を集める余地が出る。同時実行はその隙を消す設計でもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「相互会社が株式会社になれば、契約者は自動的にその会社の株主になる」と理解されていることが多いが、本条を使う場合は逆で、株式は全部が完全親会社に渡る。契約者の手元に来るのは親会社株式か金銭であり、元の保険会社の議決権は一切残らない
- 組織変更株式交換を「保険業法だけで完結する手続」と思うと足元をすくわれる。本条3項は会社法の資本金計上規定、書面備置き、株主総会の特別決議、種類株主総会、さらに非訟事件の管轄・即時抗告まで束で準用している。争うときに読むべき条文は保険業法ではなく、準用先の会社法である
- 契約者から見れば「保険契約はそのまま続くのだから、組織の形が変わっても自分に影響はない」と映る。だが法律から見れば、あなたが持っていた社員としての持分は消滅し、対価に置き換わる財産権の移転が起きている。この落差に気付かないと、対価の評価を争う唯一の期間を何もせずに終える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 組織変更後の株式の行き先 | 96条の7:株式の全部を既存の他の株式会社が取得(完全子会社化) | 68条:組織変更の原則(株式は元の社員に割り当てられるのが基本形) 96条の8:組織変更株式移転(新設会社が株式全部を取得) |
| 必要な契約・計画 | 組織変更株式交換契約の締結(2項) | 組織変更計画の作成 組織変更株式移転計画の作成 |
| 決議要件 | 総代会決議+完全親会社側の特別決議(3項が会社法309条2項等を準用) | 86条:組織変更計画の総代会特別決議 総代会決議(新設会社側に既存株主なし) |
| 契約者・株主が価格を争う手段 | 3項準用の反対株主の買取請求+会社法798条2項の価格決定申立て | 組織変更に伴う持分の取扱いに関する規律で争う 同様に準用される買取請求・価格決定の枠組み |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は相互保険会社の例が限られ、改制よりも企業併購法の股份轉換(株式転換)で完全子会社化する枠組みが実務の中心となる
韓国保険業法も相互会社から株式会社への組織変更を定めるが、日本のように組織変更と株式交換を一回で行う専用類型を明示する構造は確認を要する
ドイツは相互保険会社(VVaG)の組織変更を VAG と組織変更法(UmwG)の組合せで処理し、保険監督法と一般会社法の役割分担という点で日本と発想が近い
米国は州ごとに相互会社の株式会社化(demutualization)を規律し、契約者への対価配分の公正性を保険監督官の認可と公聴会で審査する点に特色がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約している生命保険会社から「総代会招集ご通知」と分厚い書類が届いた。中身は組織変更と株式交換の議案。あなたが総代でなくても、備置書面の閲覧請求(会社法791条準用)はできる。交換比率の算定根拠、第三者算定機関の意見書、そこにあなたの持分が何円と評価されたかが書いてある
- 外資系金融グループが日本の相互会社を傘下に入れる、というニュースが流れた。株式を市場に出さず、いきなり完全親会社の子会社にする手法がこれである。上場もしないので株価という物差しがない。だからこそ交換比率の妥当性が唯一の争点になる
- 親会社側の株主だったらどう見えるか。あなたの会社が保険会社を丸ごと取得する。原則は株主総会の特別決議が必要だが、簡易手続(会社法796条2項の準用部分)に当たれば決議なしで進むこともある。決議なしで進む案件ほど、反対株主の買取請求(同797条)が唯一の抵抗手段になる
- 議案に反対したい。だが期限は短い。総代会の決議前に反対の通知を出し、決議後20日以内に買取請求をする、この二段構えを外した瞬間、価格を争う土俵から降りることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 総代会の招集通知が届いたら、議案に「組織変更株式交換」の語があるか確認する2. 本店に備え置かれた書面(本条3項が準用する会社法791条)の閲覧・謄本交付を請求し、交換比率と算定機関の意見書を入手する3. 対価に納得できなければ、決議の前に反対の意思を書面で通知する4. 決議後は、買取請求または価格決定申立ての期間内に手続を取る。期間は準用される会社法の規定によるため、通知書記載の期限を必ず確認すること
訴えられた側:1. 会社側として進める場合、本条2項の組織変更株式交換契約の締結が先で、決議はその後という順序を崩さない2. 3項の準用によって除外されている条文(会社法795条4項1号2号、796条2項1号ロ、799条1項1号2号、800条、801条の一部)を読み違えると、不要な手続を踏むか、必要な手続を落とす3. 技術的読替えは政令に委任されているため、保険業法施行令の読替表を必ず突き合わせる4. 交換比率の算定は第三者機関に委ね、算定書と取締役会の判断過程を記録に残す
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間規定はない。反対株主の買取請求、価格決定の申立て、備置書面の備置期間はいずれも3項が準用する会社法の規定(797条、798条等)に従うため、招集通知および公告に記載された具体的な期限が起算点となる。組織変更無効の訴えは本法の別条による期間制限があるので併せて確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
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