介護保険法 第115条の38(秘密保持義務等)
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- 指定調査機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。次項において同じ。)若しくはその職員(調査員を含む。同項において同じ。)又はこれらの職にあった者は、調査事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2.指定調査機関及びその職員で調査事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密保持義務等とは何ですか?
定義秘密保持義務等とは、介護保険法第115条の38に定められた規定で、「指定調査機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第115条の38(秘密保持義務等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第115条の38の条文原文は「指定調査機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。」で始まります。
- 介護保険法第115条の38は第十節 介護サービス情報の公表に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第115条の38の前の条は介護保険法第115条の37です。
- 介護保険法第115条の38の次の条は介護保険法第115条の39です。
- 介護保険法第115条の38には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の38 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の38(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/115_38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法115条の41は、指定調査機関の役員・職員・調査員とその退職者に調査事務で知った秘密の漏えいを禁じ、調査従事者を刑法上の公務員とみなす規定である。
Q · 介護サービス情報の調査員に手土産を渡したら犯罪になるの?
受け取れば収賄罪、渡せば贈賄罪になりうる
介護保険法115条の41第2項により、指定調査機関とその職員で調査事務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用について公務員とみなされます。そのため職務に関する商品券や菓子折りを受け取れば収賄罪(刑法197条)、渡した側は贈賄罪(刑法198条)の問題になりえます。その場でお茶を出す程度の儀礼的な応対で直ちに犯罪になるとは考えにくいものの、持ち帰り品や金品は渡さないのが安全です。
解説
介護事業所に「調査員」が来る日、現場は記録ファイルを机に積み上げ、苦情対応の記録、職員研修の記録、利用者のケア記録まで見せる。そこで見られた内容がどこへ行くのか、気にしたことはあるだろうか。介護保険法115条の41は、都道府県から調査事務を任された指定調査機関(知事の指定を受けて、介護サービス情報が事実どおりかを確かめる民間の法人など)、その役員、職員、調査員に対し、調査で知った秘密を漏らすことを禁じている。対象は「これらの職にあった者」にも及ぶ。つまり退職しても義務は消えない。さらに2項では、調査に携わる者を刑法上「公務に従事する職員」とみなす(みなし公務員)。民間人でも、賄賂を受け取れば収賄罪、渡した側は贈賄罪になる。あなたが事業所側なら、調査員は「見せても守られる相手」であり、同時に「菓子折り一つで刑事事件になりうる相手」でもある。
法的な位置づけ
介護保険法第115条の41は、介護サービス情報の公表制度において都道府県知事の指定を受けて調査事務を行う指定調査機関(法人の場合はその役員)、その職員および調査員ならびにこれらの職にあった者に対し、調査事務に関して知り得た秘密の漏えいを禁止し、調査事務に従事する者を刑法その他の罰則の適用上、法令により公務に従事する職員とみなす規定である。
手順
- 1.漏えいの痕跡を即時に保全 自社や利用者の情報が調査経由で漏れた疑いがあれば、流出した内容、時期、広まった経路(SNS 投稿、第三者の発言)をスクリーンショットや記録で保存する。投稿は削除される前に URL と日時も控える
- 2.漏えい元の調査を特定 流出した情報が、いつの、どの指定調査機関の調査で提示した資料に含まれていたのかを、調査日程や提示資料の控えと照らし合わせて特定する
- 3.都道府県の介護保険担当課に申し入れ 特定した調査と漏えいした内容を示し、指定調査機関を監督する都道府県の担当課に事実確認と対応を求める。申し入れは書面で行い、控えを残す
- 4.刑事告発と損害賠償請求を検討 介護保険法205条の罰則による刑事告発と、指定調査機関および本人への損害賠償請求(民法709条、715条)を弁護士と並行して検討する。利用者の個人情報が含まれる場合は、利用者と家族への説明方針を先に固める
よくある質問 AI による整理
Q1指定調査機関とは何ですか?
介護サービス情報の公表制度で、都道府県知事の指定を受け、事業所が報告した情報が事実どおりかを調べる機関です。調査員が事業所を訪れて記録を確認します。
Q2みなし公務員とは?
民間人でも、刑法などの罰則を適用する場面に限って公務員として扱われる人のことです。介護の調査員は介護保険法115条の41第2項によりこれにあたります。
Q3介護サービス情報公表の調査は拒否できる?
報告をしない、調査を受けない、調査を妨げるといった場合、都道府県知事から命令などの行政上の措置を受けえます(115条の35)。調査員には守秘義務があるため、必要な資料は提示するのが原則です。
Q4介護の調査員が秘密を漏らしたら罰則はある?
あります。115条の41第1項に違反して秘密を漏らすと、介護保険法205条の刑事罰の対象になります。具体的な刑の内容は最新の条文で確認してください。
Q5公表システムに載っている情報を話すのも違反?
違反にはあたりにくいです。介護サービス情報公表システムで公開済みの情報は、もはや「秘密」とはいえないためです。問題になるのは、調査で知った非公開の内情です。
Q6調査員が調査票を紛失したら守秘義務違反?
条文が禁じるのは秘密を「漏らす」ことで、罰則は原則として故意がある場合に適用されます(刑法38条)。過失による紛失がそのまま処罰されるとは言いにくいものの、指定調査機関の情報管理体制は問われます。
Q7介護の調査員への妨害は犯罪になる?
調査員はみなし公務員なので、暴行や脅迫で調査を妨害すると公務執行妨害罪(刑法95条)の問題になりえます。口頭で強く抗議するだけでは通常あたりません。
Q8この守秘義務は介護事業所の職員にも適用される?
適用されません。本条の対象は指定調査機関の関係者です。事業所の職員は、各サービスの運営基準にある秘密保持義務や個人情報保護法によって、別に規律されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査に来た人にお茶とお菓子を出すのもダメなんですか?
その場でお茶を一杯出す程度の儀礼的な応対で直ちに犯罪になるとは考えにくいです。ただ、調査員は刑法上みなし公務員(115条の41第2項)なので、持ち帰り用の菓子折りや商品券は職務に関する利益供与と見られる危険があります。実務のポイント:多くの指定調査機関は、調査員に「飲食物も含め一切受け取らない」内規を課しています。断られても気を悪くせず、最初から出さないのが相手のためでもある
Q2調査員に苦情記録や事故報告書まで見せて大丈夫ですか?
調査で知った秘密は漏らしてはならず(115条の41第1項)、違反すれば刑事罰の対象です(205条)。公表システムに載るのは、調査で事実確認された項目の結果であり、記録の中身そのものではありません。実務のポイント:見せる前に、利用者の氏名など調査項目の確認に不要な部分を伏せられないか調査員に相談するとよい。多くの場合、記録が「存在し、運用されていること」を確認できれば足りる
Q3指定調査機関を辞めたら、もう何を話してもいいんですよね?
いいえ。条文は「これらの職にあった者」も対象にしており、退職後も期限なく秘密保持義務が続きます。違反すれば205条の罰則の対象になりえます。実務のポイント:一方で2項のみなし公務員の扱いは「調査事務に従事する者」に限られるため、退職後に受けた接待は収賄罪の問題にはなりにくい。ただし在職中の職務に関する謝礼を退職後に受け取る形なら事後収賄(刑法197条の3第3項)の論点が出てくる。刑法上は「在職中の口約束」が危ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「調査員は民間会社の人だから、公務員ほど厳しいルールはない」と思われがちだが、2項により刑法の適用では公務員とみなされる。収賄罪、贈賄罪に加え、調査を暴力や脅迫で妨害すれば公務執行妨害罪(刑法95条)の問題にもなる
- 守秘義務があることは知っていても、それが退職後も期限なく続くことを知る人は少ない。条文は「これらの職にあった者」と明記している。転職先で前職の知識を「業界の常識」として話した一言が、罰則の対象になりうる
- 「漏らされたら事業所も困るから、調査では最低限しか見せない」という発想は順序が逆だ。守秘義務と罰則は、事業所がきちんと資料を見せることを前提に作られている。資料を出し渋れば、報告内容の是正命令(115条の35第4項)など行政上の措置につながりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 115条の41:調査員側の守秘義務とみなし公務員 | 115条の35:事業所の情報報告と都道府県による調査 205条:守秘義務違反などへの刑事罰 |
| 義務を負う者 | 指定調査機関の役員・職員・調査員と、その職にあった者 | 介護サービス事業者 115条の41第1項などに違反した者 |
| 違反した場合 | 205条の罰則、2項により収賄罪・贈賄罪なども適用 | 都道府県知事による命令などの行政上の措置 刑事罰そのもの(具体的な刑は最新の条文で確認) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は、国や地方自治体の機関から法に基づき委託され公共事務に従事する者を「受託公務員」として刑法上の公務員に含める。日本のように個別法ごとにみなし規定を置く方式とは異なり、刑法の総則で一括して定義する
ドイツでは介護施設の品質調査を Medizinischer Dienst が担う。公的任務のために特に義務を課された者(besonders Verpflichtete)は、刑法上の守秘義務と収賄罪の対象になる
米国ではメディケア・メディケイドに関わるナーシングホームを州の調査機関が調べる。日本のようなみなし公務員の一般規定はなく、贈収賄は連邦法・州法の公務員規定で個別に規律される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 調査が終わった帰り際、施設長が「遠いところありがとうございました」と商品券入りの封筒を調査員に渡そうとした。調査員はみなし公務員である。職務に関する謝礼なら、受け取った側は収賄罪(刑法197条)、渡した側は贈賄罪(刑法198条)の問題になる
- 指定調査機関を辞めて、同じ地域の介護事業所に転職した元調査員。前職で見た競合施設の人員配置の弱点や苦情件数を、新しい職場の会議で「実はあそこは…」と話し始めた。退職後でも1項の義務は続いており、刑事罰の対象になりうる
- もし、調査員が居酒屋で「あのデイサービス、虐待っぽい記録があってさ」と友人に話し、それが SNS で広まったら、どうなる? 事業所は風評で利用者を失い、記録に名前がある利用者のプライバシーも傷つく。漏らした本人には刑事罰、指定調査機関には民事上の責任が問題になる
- 来週、調査が入る予定だ。事業所の管理者であるあなたは、どこまで記録を見せればいいのか迷っている。調査員には秘密保持義務と刑事罰が課されている。この仕組みを理解していれば、必要な資料を落ち着いて見せられる
- 調査員が自分のノートパソコンに調査票を保存したまま、カフェに置き忘れた。故意に「漏らした」わけではないが、指定調査機関の情報管理体制は都道府県から問われることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社や利用者の情報が調査経由で漏れた疑いがあれば、流出した内容、時期、広まった経路(SNS 投稿、第三者の発言)をスクショや記録で即時に保全2. 都道府県の介護保険担当課に、どの指定調査機関のどの調査で知りえた情報かを示して申し入れる3. 刑事告発(介護保険法205条の罰則)と、指定調査機関および本人への損害賠償請求(民法709条、715条)を並行して検討4. 利用者の個人情報が含まれるなら、利用者と家族への説明方針を先に固める
訴えられた側:1. 漏えいを疑われたら、自分が話した相手、内容、時期を記録にまとめ、所属先への報告を先延ばしにしない2. 話した内容が調査で知った秘密なのか、公表済みの情報や独自に知った公知の事実なのかを切り分ける。公表システムに載った情報は秘密に当たらない3. 謝礼や贈答を受け取ってしまった場合は、すぐに返還し、経緯を所属機関に報告する4. 捜査機関から連絡があれば、供述の前に弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):秘密漏えい罪(介護保険法205条)は公訴時効3年(刑事訴訟法250条2項6号)、収賄罪(刑法197条1項前段)は5年(同項5号)で、いずれも犯罪行為が終わった時から起算する。民事の損害賠償は損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。秘密保持義務そのものには期限がない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:みなし公務員規定は、公的な性質の事務を担う民間人の職務の公正と、それに対する社会の信頼を守るため、刑法上の公務員と同じ規律を及ぼすもの。公務員としての身分を与えるものではなく、罰則の適用場面に限られる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:介護保険法の改正(平成17年法律第77号)で介護サービス情報の公表制度が創設され、あわせて指定調査機関の秘密保持義務とみなし公務員の規定が設けられた。条番号はその後の改正で移動している可能性がある。
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