介護保険法 第197条(報告の徴収等)
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- 厚生労働大臣又は都道府県知事は、市町村に対し、保険給付の効果に関する評価のためその他必要があると認めるときは、その事業の実施の状況に関する報告を求めることができる。
- 2.厚生労働大臣は、都道府県知事又は市町村長に対し、当該都道府県知事又は市町村長が第五章の規定により行う事務に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。
- 3.都道府県知事は、市町村長(指定都市及び中核市の長を除く。以下この項において同じ。)に対し、当該市町村長が第五章の規定により行う事務に関し必要があると認めるときは、報告を求め、又は助言若しくは勧告をすることができる。
- 4.厚生労働大臣又は都道府県知事は、医療保険者に対し、納付金の額の算定に関して必要があると認めるときは、その業務に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。
- 5.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
報告の徴収等とは何ですか?
定義報告の徴収等とは、介護保険法第197条に定められた規定で、「厚生労働大臣又は都道府県知事は、市町村に対し、保険給付の効果に関する評価のためその他必要があると認めるときは、その事業の実施の状況に関する報告を求めることができ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第197条(報告の徴収等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第197条の条文原文は「厚生労働大臣又は都道府県知事は、市町村に対し、保険給付の効果に関する評価のためその他必要があると認めるときは、その事業の実施の状況に関する報告を求めることができ…」で始まります。
- 介護保険法第197条は第十三章 雑則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第197条の前の条は介護保険法第196条です。
- 介護保険法第197条の次の条は介護保険法第197条の2です。
- 介護保険法第197条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第197条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第197条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/197
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法197条は、国・都道府県が市町村に報告を求め、助言・勧告できると定める。立入検査ができるのは、納付金算定に関する医療保険者への実地検査だけである。
Q · 国は市町村の介護保険に立入検査できるの?
できない。報告と助言・勧告まで、実地検査は医療保険者だけ
介護保険法197条1項〜3項により、厚生労働大臣や都道府県知事が市町村に対してできるのは、事業実施状況の報告を求めること、第五章の事務について報告を求め助言・勧告をすることまでです。立入検査の権限はありません。一方、4項により、健康保険組合などの医療保険者に対しては、納付金の算定に関して報告を徴し、職員に実地検査をさせることができます。検査には身分証提示義務と犯罪捜査目的の否定(5項による24条3項・4項の準用)が及びます。
解説
毎月、厚生労働省が「介護保険事業状況報告」という統計を公表している。市町村ごとの要介護認定者数、給付費、保険料。その数字を吸い上げている管が、この条文である。ただし構造をよく見てほしい。国や都道府県が市町村にできるのは、報告を求めること、そして第五章(事業者の指定と指導監督)に関して助言・勧告をすることまでで、立入検査の権限はない。一方、四項では医療保険者、つまり健康保険組合や協会けんぽに対して、納付金の算定に関し職員が実地に検査に入れる。同じ一本の条文の中で、自治体には踏み込めず、金を出す保険者には踏み込める。この非対称は偶然ではない。一九九九年の地方分権一括法で機関委任事務が廃止され、国が自治体を上から監督する仕組みが解体された結果である。助言も勧告も、従う法的義務はない。
法的な位置づけ
介護保険法第197条は、国及び都道府県による介護保険事業への関与を定める規定である。市町村に対する事業実施状況の報告徴収、第五章の事務に関する報告徴収・助言・勧告、医療保険者に対する納付金算定に関する報告徴収及び実地検査を内容とし、検査には身分証提示義務と犯罪捜査目的の否定(第24条第3項・第4項の準用)が及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知文書の根拠条項を特定する 届いた文書が197条の何項に基づくかを確認する。1項〜3項なら報告・助言・勧告のみで立入権限はなく、4項なら医療保険者への報告徴収または実地検査である。根拠が不明確なら発出元に書面で照会する
- 2.提出資料の範囲を納付金算定に限定して整理する 4項の検査は納付金の額の算定に関して必要な範囲に限られる。加入者数・標準報酬等の算定根拠資料を揃え、算定と無関係な個人情報は物理的に分けて保管する
- 3.検査当日の冒頭で身分証と目的を確認する 職員の到着時に身分証明書の提示を求め(5項・24条3項準用)、氏名・所属・根拠条項・対象範囲を記録する。犯罪捜査のための権限ではない(24条4項準用)ことも確認しておく
- 4.検査記録を保存し事後対応を文書化する 提示・提出した資料の一覧、指摘事項、回答内容を記録として保存する。助言・勧告を受けた場合は、従うか否かとその理由を必ず文書に残す
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法197条とは?
国・都道府県が市町村に介護保険事業の報告を求め、助言・勧告できると定める条文です。医療保険者には納付金算定に関する実地検査も認めています。
Q2介護保険事業状況報告とは何ですか?
厚生労働省が公表する介護保険の統計で、市町村ごとの要介護認定者数や給付費などが載っています。市町村からの報告がその元データです。
Q3介護給付費納付金とは何ですか?
医療保険者が第2号被保険者(40〜64歳)の介護保険料を、社会保険診療報酬支払基金を通じて拠出するお金です。197条4項の検査対象はこの算定です。
Q4指定都市・中核市はなぜ県の勧告対象外なの?
指定都市・中核市は事業者指定など第五章の事務を都道府県と同等に担うためです。197条3項は県から市長への助言・勧告の対象から明文で除いています。
Q5介護保険料が高い理由を調べる方法は?
厚生労働省の介護保険事業状況報告で近隣市町村の給付費や認定率を比べ、市の介護保険事業計画と策定資料を情報公開請求で確認するのが近道です。
Q6197条の報告徴収に期限はありますか?
条文自体に期限の定めはありません。実際の提出期限は国や県が出す通知・照会文書で個別に指定されるため、文書の記載を必ず確認してください。
Q7197条の実地検査で職員は身分証を見せる必要がある?
あります。5項が24条3項を準用し、検査する職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q8197条の報告要求や勧告に不服申立てはできる?
報告要求や助言・勧告は原則として処分性がないため、審査請求や取消訴訟の対象になりにくいとされます。争い方は個別に弁護士へ相談が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国から「勧告」が来たら、市は従わなきゃいけないんですか?
従う法的義務はない。二項・三項の助言・勧告は行政指導であり、地方自治法二百四十五条の四の技術的助言・勧告と同じ系譜に立つ。ただし従わなかった記録は、是正の要求など次の関与段階の材料になる。実務のポイント:正式な勧告の前には、ほぼ必ず事務連絡や照会という非公式の調整段階がある。そこで折り合えば文書は出ない。裏を返せば、勧告が文書で出た時点で水面下の交渉はすでに決裂している。受け取った側がまずやるべきは反論ではなく、どこで調整が切れたのかの確認である
Q2役所の立入検査って、令状なしでも拒否できないんですか?
四項の検査は行政調査であり、裁判所の令状は要らない。ただし五項が準用する二十四条四項は、この権限を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと定め、刑事手続への流用を条文レベルで遮断している。憲法三十五条の令状主義が行政調査にどこまで及ぶかは、川崎民商事件(最大判昭和四七・一一・二二)が判断枠組みを示している。実務のポイント:この「犯罪捜査のためではない」という一文があるからこそ、検査で得た資料が後に刑事事件へ流れた場合に争点化できる。検査の冒頭で目的を尋ね、記録に残すのはそのためである
間違えやすい点 AI による整理
- 「国の勧告に法的拘束力はない」ところまでは知られている。深刻なのはその先である。勧告は地方自治法上の「関与」の入口であり、無視したという事実そのものが記録として残り、是正の要求など次段階の関与を正当化する材料になる。拘束力がないことと、コストがないことは別の話だ。
- 「市町村は国に検査されない側」という理解は、半分しか当たっていない。介護保険法七条は市町村(国民健康保険)を「医療保険者」の一つとして定義している。介護保険の保険者という帽子をかぶっている限り立入検査は及ばないが、医療保険者という帽子に持ち替えた瞬間、四項の実地検査の対象に変わる。どちらの立場で呼ばれているかを取り違えると、断れるはずの場面で開示し、断れない場面で揉める。
- 助言・勧告は行政指導だから行政手続法の手続保障が働く、と考えるのは前提が違う。行政手続法四条一項は、国の機関や地方公共団体がその固有の資格で名あて人となる処分・行政指導を適用除外にしている。行政指導の書面交付を求める規定(同法三十五条)も、原則としてこの場面では使えない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 197条:市町村・都道府県知事・市町村長、及び医療保険者 | 24条:介護サービスを行った者、介護給付等を受けた被保険者等 76条:指定居宅サービス事業者等 |
| 行使主体 | 厚生労働大臣・都道府県知事 | 厚生労働大臣・都道府県知事 都道府県知事・市町村長 |
| 手段の強さ | 自治体には報告と助言・勧告のみ、医療保険者には実地検査まで | 報告・帳簿書類の提出等の命令、質問 報告・帳簿書類の提出命令、出頭要求、質問、立入検査 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は税財源中心の長期照顧制度で社会保険方式ではないため、保険者への実地検査という構造はなく、主管機関による長照機構の監督・評鑑が中心となる。
韓国は国民健康保険公団が単一保険者として長期療養保険を運営し、日本のような市町村保険者と医療保険者の二層構造をとらない。
ドイツは介護金庫(Pflegekasse)が疾病金庫に付設され、連邦・州の保険監督(Aufsicht)が法的監督として及ぶ。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣町より介護保険料が月千円高いのはなぜか? 市の窓口は「県内平均並みです」と答える。その平均の元になった市町村別データは、この条文で集められ、誰でも見られる場所に置かれている。
- 健康保険組合の事務長として、厚生労働省から納付金算定に関する報告徴収の通知を受け取った。提出期限まで二週間。さらに後日、当該職員が実地に検査へ入る可能性がある。五項が準用する二十四条三項により職員は身分証の提示義務を負い、同条四項により検査は犯罪捜査のために使ってはならない。どこまで開示し、どこから断れるのか、その線引きを期限内に詰めないと、当日の現場で判断することになる。
- あなたの自治体が指定した介護事業者に不正請求の疑いが出た。都道府県知事から「指導体制について報告を求める」文書が届き、続いて勧告が出る。勧告に従う法的義務はない。だが従わなかった記録は残り、地方自治法上の是正の要求といった次の段階への材料として積み上がっていく。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 厚生労働省の「介護保険事業状況報告」で、自分の市町村と近隣の給付費・要介護認定率・第一号保険料を並べる2. 差の理由が読めなければ、市町村の情報公開条例で介護保険事業計画の策定資料と、国・県への報告の控えを請求する3. 事業者の指定や指導に疑問があるなら、権限元が市町村か都道府県かを先に確認する。地域密着型サービスは市町村長、居宅サービスや施設系は都道府県知事(指定都市・中核市はその市長)。宛先を間違えると、それだけで数週間を失う
訴えられた側:1. 届いた文書が報告徴収なのか実地検査なのか、根拠が何項かを書面で確認する。四項の検査以外に立ち入る権限はない2. 検査当日は冒頭で身分証の提示を求め、対象範囲と根拠条項を記録に残す(五項・二十四条三項準用) 3. 提出物は求められた範囲に限定し、納付金の算定と無関係な個人情報は物理的に切り分ける4. 助言・勧告を受けた場合、従わないという判断もありうるが、その理由を必ず文書化して残す。次の関与段階で効いてくるのはその記録である
時効(請求できる期限):本条に固有の期限規定はない。報告徴収・助言・勧告には処分性がないため、審査請求や取消訴訟の入口自体が原則として存在しない点に注意(期限以前に土俵がない)。関連する時間の圧力としては、保険料その他この法律による徴収金を徴収する権利の消滅時効が二年(介護保険法二百条、最新の改正状況をご確認ください)、情報公開請求に対する開示決定は請求から原則三十日以内(行政機関の保有する情報の公開に関する法律十条、自治体は各情報公開条例による)
学説
通説(関与の法定主義):1999年の地方分権一括法による機関委任事務廃止後、国の自治体への関与は法律の根拠と必要最小限度が求められる。197条が市町村に対する手段を報告と非拘束的な助言・勧告に限定するのはこの枠組みに沿ったものと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により、国・都道府県による報告徴収等の関与規定が置かれた。各項の文言はその後の改正で変動しうるため、現行条文は e-Gov で要確認。
- 介護保険法 第24条身分証提示義務と犯罪捜査流用禁止、五項の準用元
- 介護保険法 第7条医療保険者の定義、四項の名宛人の範囲を画定
- 介護保険法 第5条国及び地方公共団体の責務、助言・援助の一般規定
- 介護保険法 第76条指定事業者への報告徴収・立入検査、第五章の監督権限(現行効力を要確認)
- 介護保険法 第200条保険料等の徴収権の消滅時効二年(現行効力を要確認)
- 地方自治法 第245条の4技術的な助言及び勧告、本条の関与類型の一般法
- 地方自治法 第245条の3関与の基本原則、必要最小限度の限定
- 行政手続法 第4条自治体を名宛人とする行政指導の適用除外
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