介護保険法 第5条(国及び地方公共団体の責務)
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- 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならない。
- 2.都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。
- 3.都道府県は、前項の助言及び援助をするに当たっては、介護サービスを提供する事業所又は施設における業務の効率化、介護サービスの質の向上その他の生産性の向上に資する取組が促進されるよう努めなければならない。
- 4.国及び地方公共団体は、被保険者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、保険給付に係る保健医療サービス及び福祉サービスに関する施策、要介護状態等となることの予防又は要介護状態等の軽減若しくは悪化の防止のための施策並びに地域における自立した日常生活の支援のための施策を、医療及び居住に関する施策との有機的な連携を図りつつ包括的に推進するよう努めなければならない。
- 5.国及び地方公共団体は、前項の規定により同項に掲げる施策を包括的に推進するに当たっては、障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携を図るよう努めるとともに、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めなければならない。
この条文の基本情報
国及び地方公共団体の責務とは何ですか?
定義国及び地方公共団体の責務とは、介護保険法第5条に定められた規定で、「国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第5条(国及び地方公共団体の責務)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第5条の条文原文は「国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制の確保に関する施策その他の必要な各般の措置を講じなければならな…」で始まります。
- 介護保険法第5条は第一章 総則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第5条の前の条は介護保険法第4条です。
- 介護保険法第5条の次の条は介護保険法第5条の2です。
- 介護保険法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法5条は、国に介護・医療・福祉の提供体制を確保する措置を、都道府県に助言・援助を義務づけ、国と自治体に地域包括ケアの推進と障害福祉との連携を努力義務として課す規定。
Q · 介護保険法5条を根拠に、自治体に介護サービスを増やせと言えるの?
直接は訴えられないが、計画やパブコメで行政に問う根拠になる
介護保険法5条は国と地方公共団体の責務・努力義務を定める規定で、住民が特定のサービス整備を裁判で請求できる権利は生じません。ただし4項の地域包括ケアの理念は、市町村介護保険事業計画(117条)と都道府県介護保険事業支援計画(118条)の方向性を規定します。整備目標と実績の差を示し、計画改定時のパブリックコメントや議会陳情で5条を引いて意見を出すことが、実務上の有効な使い方です。
解説
介護保険法5条は、一見すると「国と自治体は頑張ります」と書いただけの飾り条文に見える。だが実務では違う使われ方をしている。親のケアプランに納得がいかない、地域に空いている特養が一つもない、要介護認定が思ったより軽く出た。そういうとき、市町村や都道府県の窓口に対して「5条4項の包括的推進の責務に照らして、この地域の資源整備はどうなっているのか」と聞ける根拠がここにある。4項が掲げる「住み慣れた地域で」「自立した日常生活」という文言は、地域包括ケアシステムという国の設計思想そのものであり、介護保険事業計画(117条、118条)の内容を縛る。つまりこの条文は、あなたが直接何かを請求できる権利条文ではないが、自治体の計画・予算・整備目標を評価する物差しとして機能する。パブリックコメントや議会陳情で行政と対峙するとき、感情論ではなく法律の言葉で話せるかどうかが、扱われ方を変える。
法的な位置づけ
介護保険法5条は、介護保険制度における国及び地方公共団体の責務を定める規定である。国には提供体制確保のための措置義務、都道府県には助言・援助の義務と事業所の生産性向上を促進する努力義務を課し、さらに国及び地方公共団体に対し、地域包括ケアの包括的推進、障害者福祉施策等との連携、地域共生社会の実現への努力義務を課している。
手順
- 1.市町村の介護保険事業計画を入手する 自治体の公式サイトまたは介護保険担当課で、現行の市町村介護保険事業計画(117条)を入手する。施設・サービス種別ごとの整備目標数と見込量のページを確認する
- 2.整備目標と実態の差を数字で整理する 計画上の整備目標と、実際の事業所数・待機状況を比較し、不足しているサービス種別を具体的に書き出す。ケアマネジャーから聞いた空き状況もメモしておく
- 3.パブリックコメントや策定委員会で意見を出す 計画改定前年度のパブリックコメント募集や策定委員会の公募委員募集を確認し、5条4項と117条を引用しつつ、不足サービスの整備を求める意見を書面で提出する
- 4.市町村が動かなければ都道府県に相談する 市町村の対応が進まない場合、都道府県の高齢福祉主管課に対し、5条2項の助言・援助の責務を根拠に、市町村への支援状況を文書で照会する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法5条とは何を定めた条文ですか?
国・都道府県・市町村が介護保険をきちんと回すために負う責務を定めた条文です。提供体制の確保、助言・援助、地域包括ケアの推進などが柱です。
Q2地域包括ケアシステムの法的根拠は何条ですか?
中心的な根拠は介護保険法5条4項です。住み慣れた地域での自立生活を支えるため、医療・介護・予防・住まい・生活支援を一体で推進するよう国と自治体に求めています。
Q3介護保険の保険者は国ですか市町村ですか?
保険者は市町村と特別区です(介護保険法3条)。国は制度設計と財政負担、都道府県は助言・援助と事業者指定などを担い、5条がその役割分担の理念を示しています。
Q4都道府県は介護保険で何をする役割ですか?
5条2項で市町村の介護保険事業への助言・援助を担い、3項で事業所の業務効率化や質の向上など生産性向上の取組を促進するよう努めます。事業所の指定・指導も多くを担います。
Q5介護保険事業計画はどこで見られますか?
市町村の介護保険事業計画は、多くの自治体が公式サイトで公開しています。「市町村名 介護保険事業計画」で検索するか、介護保険担当課で閲覧・入手できます。
Q6介護保険事業計画は何年ごとに見直されますか?
3年を1期として策定されます(介護保険法117条)。改定前年度に策定委員会やパブリックコメントが行われるため、意見を出すならこの時期が最も効果的です。
Q7努力義務規定に違反したら違法になりますか?
努力義務は結果の達成を法的に強制するものではなく、違反を理由に直接の損害賠償や義務付けを求めるのは困難とされます。ただし行政運営を評価する基準にはなります。
Q8地域共生社会とは介護保険法のどこに書いてありますか?
介護保険法5条5項です。地域住民が互いに人格と個性を尊重し合い、参加し、共生する地域社会の実現に資するよう努めることを国と自治体に求めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1近所に特養が足りないのは市役所の責任ですか? 訴えられますか?
5条は努力義務・責務規定であり、これを直接の根拠に損害賠償や整備の義務付けを求める訴訟はほぼ通らない。戦う土俵は訴訟ではなく計画(117条)である。実務のポイント:市町村介護保険事業計画には施設種別ごとの整備目標数と実績が載っており、多くの自治体でウェブ公開されている。「目標に達していない理由」を文書で問うと、担当課は回答義務が生じる質問として扱う。この一手を知っているかどうかで、窓口での扱いが変わる
Q23項の「生産性の向上」って、要は人減らしのことでは?
条文は業務の効率化、介護サービスの質の向上その他の生産性向上に資する取組を並列で挙げており、質の向上と一体で読む構造になっている。実務上、ICT・介護ロボット導入や記録業務の削減が中心で、人員配置基準(運営基準を定める厚生労働省令)自体は別途の議論である。実務のポイント:この項を根拠にした補助メニューは都道府県ごとに名称も要件も違う。県の高齢福祉課と介護保険課は担当が分かれていることが多く、片方に聞いて「ない」と言われても、もう片方に同趣旨の事業があるケースは珍しくない
Q3障害福祉サービスを使っていた子が65歳になったら、介護保険に切り替わるんですか?
原則として介護保険が優先される(障害者総合支援法7条の介護保険優先原則)が、介護保険に相当するサービスがない場合や支給量が不足する場合は障害福祉サービスを併給できる。5条5項の有機的連携はこの運用の理念的根拠である。実務のポイント:この切替で支援が細る問題は厚生労働省通知で繰り返し是正が促されており、自治体ごとの運用差が大きい。「一律に介護保険に移行させる運用は通知に反する」と指摘できるかどうかで結論が変わることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「理念規定だから読む価値がない」と飛ばされがちだが、問題はその軽視の深刻さのほうにある。5条4項の文言は介護保険事業計画(117条、118条)の策定指針に直結し、その計画が地域の特養・グループホーム・訪問介護の整備数を決め、結果としてあなたの親が在宅を続けられるかどうかを決める。読まないという選択は、上流を他人任せにするという選択である
- 「介護保険は市町村の仕事だから、県は関係ない」という理解は前提そのものがずれている。2項と3項で都道府県には助言・援助の責務があり、さらに事業所の指定・指導監督権限(70条以下)の多くは都道府県にある。市町村に言っても動かない話が、県に言うと動くことがあるのは、この権限配分のためだ
- あなたから見れば「うちの地域にサービスがないのは運が悪い」だが、法律から見れば「国及び地方公共団体が4項の努力義務を十分に果たしていない可能性がある」という評価の問題になる。この視点の落差が大きいほど、あなたは黙って我慢する側に回りやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 介護保険法5条:国・都道府県・地方公共団体 | 介護保険法4条:国民 介護保険法117条:市町村 |
| 義務の性質 | 措置義務(1項)・助言援助義務(2項)と努力義務(3〜5項) | 健康保持・能力維持向上と費用の公平負担の努力義務 3年1期の事業計画策定義務 |
| 住民にとっての使い方 | 行政の計画・予算を評価する理念上の物差し | 予防・自立に取り組む自分側の心構え 整備目標と実績を数字で確認できる具体的な文書 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は社会保険方式ではなく税財源の長照2.0を採用し、中央・地方主管機関の掌理事項として長照資源の整備を規定する。日本の保険者(市町村)中心の構造とは財源設計が異なる
韓国は国と地方自治体の責務を明文化するが、保険者は国民健康保険公団に一元化されており、市町村保険者の日本とは運営主体が異なる
ドイツは介護提供を国・州・自治体・介護金庫等の共同責任と位置づけ、州に介護施設インフラの整備責任を課す。日本の介護保険の主要な参照モデル
米国には公的介護保険がなく、州・地域の高齢者支援機関を通じた在宅支援サービスが中心。長期介護費用は Medicaid と私的保険に依存する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が要介護3になり在宅を希望したが、地域に小規模多機能も定期巡回も一つもなく、事実上「施設に入るか家族が辞めるか」の二択を迫られた。これは5条4項が掲げる地域包括ケアの理念と、市町村介護保険事業計画(117条)の整備実態のズレである。計画書は公開されており、整備目標と実績の差を数字で指摘できる
- 介護事業所を経営していて、県の集団指導で実地指導の指摘を受けた。ここで効いてくるのが3項。2023年改正で入った「生産性の向上に資する取組の促進」は、都道府県の助言・援助が単なる規制監督ではなく、業務効率化支援の方向も向くべきだと定めている。ICT 導入補助や介護ロボット補助の根拠を議論する土俵がここにある
- もし、あなたが身体障害のある子と要介護の親を同時に抱えたら、窓口はどこになる? 障害福祉と介護保険は別制度で、担当課も別。5条5項が「障害者その他の者の福祉に関する施策との有機的な連携」を明記しているのは、まさにこのたらい回しを想定しているからだ
- 市町村が次期介護保険事業計画のパブリックコメントを募集している。締切まであと2週間。多くの住民は存在すら知らない。あなたが5条と117条を引いて意見を出せば、それは形式上必ず公表・回答の対象になる。無記名の要望書とは扱いが違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 個別の給付・認定への不服は、まず要介護認定なら都道府県の介護保険審査会への審査請求(183条、処分を知った日の翌日から3か月以内)で戦う。5条は個別不服の根拠にはならない2. 地域に資源そのものがない問題は、市町村の介護保険事業計画(117条)を入手し、整備目標と実績の乖離を数字で確認3. 次期計画のパブリックコメント・策定委員会の公募委員に応募4. 市町村が動かない場合、都道府県の高齢福祉主管課へ2項の助言・援助の責務を根拠に相談
訴えられた側:事業者として都道府県・市町村から指導や改善勧告を受けた場合、1. 指摘が運営基準(厚生労働省令)のどの条項に基づくかを必ず特定させる2. 3項の生産性向上支援の趣旨を踏まえ、単なる是正命令ではなく改善のための助言・支援を求める3. 指定取消・効力停止は行政処分(役所があなたの事業に直接下す具体的決定)なので、弁明の機会または聴聞の手続が必要(行政手続法13条) 4. 処分に不服なら審査請求または取消訴訟(処分を知った日から6か月以内、行政事件訴訟法14条)
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。関連する期限として、要介護認定等の処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(介護保険法183条、行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。介護保険事業計画は3年を1期として改定される(117条)ため、計画への意見反映を狙うなら改定前年が勝負(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:5条は国及び地方公共団体の責務を定める規定であり、1項・2項は義務、3項以下は努力義務の形式をとる。いずれも住民に具体的な請求権を付与するものではなく、介護保険事業計画や施策立案の指針として機能すると解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により、国及び地方公共団体の責務規定として新設
- 2.令和5年(2023年) 改正:都道府県が助言・援助に当たり、介護サービス事業所等の業務効率化・質の向上その他の生産性向上に資する取組を促進するよう努める旨の規定(現3項)を追加
- 介護保険法 第1条法目的、尊厳保持と自立支援の宣言
- 介護保険法 第2条保険給付の基本理念、本条の責務が向かう先
- 介護保険法 第4条国民の努力義務、責務の対向規定
- 介護保険法 第117条市町村介護保険事業計画、本条責務の実装手段
- 介護保険法 第118条都道府県介護保険事業支援計画の根拠
- 社会福祉法 第6条福祉サービス提供体制確保に関する一般法の責務規定
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第7条介護保険優先原則、5項の連携が問題化する場面(通称 障害者総合支援法)
- 高齢者の医療の確保に関する法律 第1条医療施策との有機的連携の相手方制度
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