介護保険法 第118条の4(照合等の禁止)
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前条第一項の規定により匿名介護保険等関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名介護保険等関連情報利用者」という。)は、匿名介護保険等関連情報を取り扱うに当たっては、当該匿名介護保険等関連情報の作成に用いられた介護保険等関連情報に係る本人を識別するために、当該介護保険等関連情報から削除された記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。)で作られる記録をいう。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)若しくは匿名介護保険等関連情報の作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名介護保険等関連情報を他の情報と照合してはならない。
この条文の基本情報
照合等の禁止とは何ですか?
定義照合等の禁止とは、介護保険法第118条の4に定められた規定で、「前条第一項の規定により匿名介護保険等関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名介護保険等関連情報利用者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第118条の4(照合等の禁止)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第118条の4の条文原文は「前条第一項の規定により匿名介護保険等関連情報の提供を受け、これを利用する者(以下「匿名介護保険等関連情報利用者」という。」で始まります。
- 介護保険法第118条の4は第七章 介護保険事業計画に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第118条の4の前の条は介護保険法第118条の3です。
- 介護保険法第118条の4の次の条は介護保険法第118条の5です。
- 介護保険法第118条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第118条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第118条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/118_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法118条の4は、匿名介護データの利用者が本人識別のために削除情報や加工方法を取得すること、他の情報と照合することを禁じる。特定できたかどうかは問われない。
Q · 国から提供された匿名の介護データを、自社の顧客データと突き合わせてもいいの?
本人識別が目的なら、特定できなくても照合した時点で違反
介護保険法118条の4は、匿名介護保険等関連情報の利用者が、本人を識別するために他の情報と照合することを禁じています。禁止されているのは照合という行為そのもので、実際に本人を特定できたかどうかは問われません。また、元データから削除された氏名などの記述等や、匿名化に用いた加工方法に関する情報を識別目的で取得することも同じく禁止されています。分析環境を分離し、分析目的を記録に残す設計が実務上の防御になります。
解説
匿名化された介護データを研究や商品開発のために受け取った者に対し、この条文は「やってはいけないこと」を三つ名指しで禁じている。削除された記述等(氏名・被保険者番号など、本人を特定できる情報として元データから消された一切の事項)の取得、加工方法に関する情報(どのルールで匿名化したかの手口)の取得、そして他の情報との照合。あなたが大学の研究者でも、介護ソフトのベンダーでも、シンクタンクの分析担当でも同じである。注意すべきは、この条文が「本人を特定してはならない」ではなく「照合してはならない」と書いている点だ。特定に成功したかどうかは問われない。自社が別ルートで持っている顧客名簿と突き合わせた、その行為の時点で線を越えている。結果ではなく行為そのものが禁止対象であるため、「結局誰だか分からなかった」という弁明は成り立たない。
法的な位置づけ
介護保険法第118条の4は、匿名介護保険等関連情報利用者に課される照合等の禁止規定である。利用者は、情報の作成に用いられた介護保険等関連情報に係る本人を識別する目的で、削除された記述等を取得すること、加工の方法に関する情報を取得すること、及び当該情報を他の情報と照合することを禁じられる。識別の成否を要件としない行為規制である。
手順
- 1.利用申出前に分析環境の分離を設計する 匿名介護保険等関連情報を置く分析環境と、自社の顧客データベースや他の保有データを物理的・論理的に分離する設計図を作る。同じ BI ツールやデータウェアハウスに読み込まない構成にする
- 2.分析目的と手法を文書化する 何を明らかにする分析なのか、どの粒度で集計するのかを申出書と社内記録の両方に明記する。識別目的でないことを事後に説明できる根拠を先に作っておく
- 3.取扱者全員への教育と誓約 データに触れる担当者全員に、禁止される三つの行為(削除情報の取得、加工方法の取得、照合)を説明し、誓約書を取る。共同研究先がある場合は契約条項にも落とし込む
- 4.アクセスログを継続保存する 誰がいつどのデータにアクセスし、どの処理を実行したかのログを利用期間中ずっと保存する。照合を疑われたときに行為がなかったことを示せる唯一の材料になる
- 5.利用終了時に消去と記録整備 利用期間の終期に合わせてデータを消去し、消去の記録とあわせて利用期間中のログを整理して保管する
よくある質問 AI による整理
Q1匿名介護保険等関連情報とは?
介護保険の給付や要介護認定などの情報を、本人を識別できないよう加工したデータです。厚生労働大臣が研究等の目的で第三者に提供します(介護保険法118条の3)。
Q2介護保険法118条の4で禁止されている行為は?
本人を識別する目的での三つの行為です。削除された記述等の取得、加工方法に関する情報の取得、そして他の情報との照合が禁止されています。
Q3匿名介護データ 照合禁止 違反するとどうなる?
厚生労働大臣による報告徴収や是正命令の対象となり、命令に違反すると罰則が科されえます。データ提供の停止など、その後の利用にも影響します。
Q4介護DB 匿名データ 誰が使える?
厚生労働大臣への利用申出が承諾された研究機関、自治体、民間事業者などです。承諾された目的と期間の範囲内でのみ利用できます。
Q5匿名介護データ 公開統計と比較するのは違法?
本人識別が目的でない一般的な比較なら直ちに違反とはなりません。ただし小さな母集団での細かいクロス集計は識別に近づくため注意が必要です。
Q6照合禁止は本人を特定できなかった場合も違反?
違反になりえます。本条は識別目的の照合という行為を禁じる構造で、特定に成功したかどうかは要件になっていません。
Q7匿名介護データ 利用期間が終わったらどうする?
利用の必要がなくなったデータは遅滞なく消去する義務があります。照合禁止違反がなかったことを示すログや記録も、消去と並行して整えておくのが安全です。
Q8匿名介護データと個人情報保護法の匿名加工情報は同じ?
別の制度です。個人情報保護法の匿名加工情報は一般法、介護保険法の匿名介護保険等関連情報は国が提供する特別の仕組みで、それぞれに識別禁止規定があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他の情報と照合しちゃダメって、公開されてる統計データと比べるのもダメなんですか?
条文が禁じるのは「本人を識別するために」照合する行為である(118条の4)。地域の高齢化率など公表統計との一般的な比較検討は識別目的ではないため、直ちに違反とはならない。問題は目的と粒度で、母集団が小さい市町村単位の分析は識別可能性が跳ね上がる。実務のポイント:実務では「識別目的だったか」は後付けで判断されるため、分析目的を申出書と分析ログに明記しておくことが最大の防御になる
Q2うちの会社が契約してるんだから、担当者個人が責任問われることはないですよね?
条文の名宛人は「提供を受け、これを利用する者」であり、実際に取り扱う個人も義務の射程に入る(118条の4)。是正命令は利用者に向けて出され、命令違反には罰則規定がある。実務のポイント:法人が処分を受けたとき、社内では誰が線を踏んだかの特定作業が必ず走る。その場で自分を守れるのはアクセスログと作業記録だけで、記憶や証言は後回しにされる
Q3匿名化の方法を知りたいだけなんですが、それも聞いちゃいけないんですか?
「匿名介護保険等関連情報の作成に用いられた加工の方法に関する情報」の取得は明文で禁止されている(118条の4)。加工手口が分かれば逆算による復元が可能になるためである。実務のポイント:データの質を評価したい研究者は、加工方法そのものではなく、厚生労働省が公表する一般的な匿名加工基準やガイドラインを参照する。この迂回ルートを知らずに担当者へ直接問い合わせると、相手を困らせるうえ自分も危ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「匿名化されているのだから自由に使える」と理解されがちだが、匿名化はスタート地点であって免罪符ではない。提供を受けた後も、照合禁止という継続的な義務が利用期間中ずっと付いて回る
- 照合禁止は知っていても、その射程の広さを見落としている人が多い。禁止対象は照合だけではなく、削除された記述等の「取得」と、加工方法に関する情報の「取得」も含まれる。元データの匿名化ルールを厚生労働省の担当者から雑談で聞き出す行為も、条文の文言上は取得に当たりうる
- 「本人が特定できなければセーフ」という問いの立て方自体が条文とずれている。条文は結果犯ではなく行為を禁じる構造で書かれている。特定の成否を基準に自己判断すると、判断枠組みごと外れる
- 組織として契約しているのだから責任は法人にある、と考えている担当者は多い。だが条文は「提供を受け、これを利用する者」を名宛人としており、実際にキーボードを叩く個人も義務の射程に入る。あなたから見れば会社の仕事でも、法律から見ればあなたが利用者である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 介護保険法118条の4:提供を受けた利用者の識別目的行為 | 介護保険法118条の3:厚生労働大臣による匿名データの提供 介護保険法118条の6:利用者の安全管理措置 |
| 義務の性質 | 三つの行為の禁止(不作為義務) | 提供の根拠と要件(提供側の規律) 漏えい防止などの体制整備(作為義務) |
| 実務での現れ方 | 他データとの突き合わせ、加工手口の問い合わせをしない | 利用申出と承諾の手続 アクセス制限、保管場所の管理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では健康・医療に関する個人資料を特種個人資料として原則利用を制限する。国が匿名化した介護データを第三者に提供し、利用者に照合禁止を課す専用規定は確認できない
韓国は仮名情報の処理者に対し、特定の個人を識別する目的での処理を禁止する。識別目的の行為を禁じる構造は日本の本条と近い
ドイツは法定医療保険データを研究データセンター経由で提供し、利用者による再識別を禁じる枠組みを持つ。介護データを含む範囲や最新改正は要確認
米国 HIPAA は Limited Data Set の受領者に Data Use Agreement を結ばせ、個人の識別や接触を禁止する。法律ではなく契約で担保する点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 介護ソフトベンダーの分析担当として匿名介護保険等関連情報の提供を受けた。手元には自社サービスの利用者データベースもある。両方を同じ BI ツールに読み込み、地域・年齢・要介護度でクロス集計した瞬間、それは「照合」に当たりうる。分析環境の物理的分離を最初に設計していなければ、意図せず線を踏む
- 大学院生が修士論文のために匿名データを使っている。指導教員が「この外れ値、どういう人か気になるね。自治体の公開統計と突き合わせてみたら」と言った。もしその突き合わせが本人識別を目的としていたら、指示に従った学生が禁止行為の主体になる
- もし、退職する分析担当者が匿名データを個人の USB に入れて持ち出したとしたら? 利用者としての義務は組織だけでなく、取り扱う個人にも及ぶ。厚生労働大臣による是正命令(118条の5)、命令違反には罰則が待っている
- 利用申出から承諾まで数か月、そして利用期間には終期がある。期間満了後のデータ消去と、それまでに照合禁止違反がなかったことの記録整備、この二つを同時に走らせる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:自分が本人(介護保険の被保険者)として不安を持った場合、まず厚生労働省が公表する匿名介護保険等関連情報の提供実績・利用者一覧を確認する。特定の利用者に照合の疑いがあると考えるなら、厚生労働省の担当部局に情報提供する。厚生労働大臣は是正命令を出す権限を持つ(118条の5)。また匿名化前の自分の情報の取扱いについては、個人情報保護法に基づく行政機関等への開示請求が別ルートとして使える
訴えられた側:照合を疑われた場合、まず立証すべきは「行為がなかったこと」であり、「特定できなかったこと」ではない。アクセスログ、分析環境の権限設定、データの保存場所の記録を時系列で揃える。ログが残っていない環境で作業していた場合、否認の材料そのものが存在しない。厚生労働大臣からの報告徴収・是正命令の段階で誠実に応じるかどうかが、その後の公表や利用停止の判断を左右する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。是正命令(118条の5)に違反した場合の罰則について公訴時効が問題となるほか、本人に損害が生じた場合の民事責任には一般の消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される。実務上は利用期間の終期とデータ消去報告の期限管理が最も強い時間的制約となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)により、介護保険等関連情報の第三者提供の仕組みとあわせて新設されたとされる。令和2年(2020年)10月施行。施行日・条番号の変遷は e-Gov で要確認
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