介護保険法 第172条(報告の徴収等)
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- 厚生労働大臣又は都道府県知事は、機構又は第百六十一条の規定による委託を受けた者(以下この項及び第二百七条第二項において「受託者」という。)について、介護保険関係業務に関し必要があると認めるときは、その業務又は財産の状況に関する報告を徴し、又は当該職員に実地にその状況を検査させることができる。ただし、受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る。
- 2.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
- 3.都道府県知事は、機構につき介護保険関係業務に関し医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法第三十九条の規定による処分が行われる必要があると認めるとき、又は機構の役員につき介護保険関係業務に関し同法第十四条第三項若しくは第四項の規定による処分が行われる必要があると認めるときは、理由を付して、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
この条文の基本情報
報告の徴収等とは何ですか?
定義報告の徴収等とは、介護保険法第172条に定められた規定で、「厚生労働大臣又は都道府県知事は、機構又は第百六十一条の規定による委託を受けた者(以下この項及び第二百七条第二項において「受託者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第172条(報告の徴収等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第172条の条文原文は「厚生労働大臣又は都道府県知事は、機構又は第百六十一条の規定による委託を受けた者(以下この項及び第二百七条第二項において「受託者」という。」で始まります。
- 介護保険法第172条は第九章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第172条の前の条は介護保険法第171条です。
- 介護保険法第172条の次の条は介護保険法第173条です。
- 介護保険法第172条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第172条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第172条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/172
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法172条は、厚生労働大臣と都道府県知事が支払基金と受託者に報告徴収・実地検査を行えると定める。受託者への検査は受託業務の範囲内に限る。
Q · 国や都道府県は、社会保険診療報酬支払基金の中身を検査できるの?
できる。ただし受託者は受託業務の範囲内に限る
介護保険法172条1項により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、介護保険関係業務に関し必要があると認めるとき、支払基金に業務・財産状況の報告を求め、職員に実地検査をさせることができます。161条の受託者への検査は受託業務の範囲内に限られます。検査職員は身分証明書の携帯・提示が必要で(24条3項準用)、検査権限は犯罪捜査のためのものと解してはなりません(同条4項準用)。知事は処分の必要を認めれば、理由を付して大臣に通知する義務を負います。
解説
介護保険の請求は、事業所が直接市町村に出すのではなく、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)という組織を通る。あなたの母親のデイサービス代も、あなたの会社が天引きしている介護保険料も、その巨大なパイプの中を流れている。介護保険法172条は、そのパイプ自体を国と都道府県が開けて中を見る権限を定める。厚生労働大臣と都道府県知事は、支払基金や161条で業務委託を受けた民間事業者に対し、業務・財産状況の報告を求め、職員を送り込んで実地検査ができる。ここであなたが押さえるべきは二点。一つ、委託を受けた者への検査は「受託業務の範囲内に限る」という但書がある。委託先の会社全体を丸裸にはできない。二つ、都道府県知事は支払基金や役員の処分が必要だと考えたとき、理由を付して厚生労働大臣に通知する義務を負う。「できる」ではなく「しなければならない」。現場の知事が見つけた不正を、握りつぶす裁量は法文上与えられていない。
法的な位置づけ
介護保険法172条は、社会保険診療報酬支払基金及び同法161条に基づく受託者の介護保険関係業務に対する行政監督を定める規定である。厚生労働大臣又は都道府県知事に報告徴収権と実地検査権を付与し、受託者への検査を受託業務の範囲内に限定するとともに、都道府県知事に対し、処分の必要を認めた場合に理由を付して厚生労働大臣へ通知する義務を課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検査職員の身分証明書を確認する 検査開始時に、検査職員が身分を示す証明書を携帯しているかを確認し、提示を求める。172条2項が準用する24条3項に基づく手続であり、確認した氏名・所属を記録しておく
- 2.受託者は検査範囲を冒頭で確認する 161条の受託者である場合、本日の検査対象が受託業務の範囲内であることを冒頭で確認し、可能であれば書面で記録する。範囲外の資料要求には172条1項但書を根拠に範囲の確認を求める
- 3.報告・資料提出は正確に行い控えを残す 業務または財産の状況に関する報告や資料の提出は、事実に即して正確に行う。報告拒否・虚偽報告は207条2項の罰則対象となり得るため、提出資料の控えと質疑応答の記録を保管する
- 4.指摘事項への対応を整理する 検査後の指摘事項を整理し、改善措置と期限を社内で決定する。都道府県知事が処分の必要を認めた場合は厚生労働大臣へ通知される構造であることを踏まえ、早期に是正する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法172条とは?
厚生労働大臣と都道府県知事に、支払基金とその受託者への報告徴収・実地検査の権限を与え、知事に大臣への通知義務を課す監督規定です。
Q2支払基金への立入検査は誰ができる?
厚生労働大臣又は都道府県知事です。実際には、その指示を受けた当該職員が実地に業務・財産の状況を検査します(172条1項)。
Q3支払基金の検査を拒否したらどうなる?
報告をしない、虚偽の報告をする、検査を拒むなどの行為は、207条2項の罰則の対象となり得ます。最新の条文で要件を確認してください。
Q4検査職員は身分証を見せる必要がある?
必要です。172条2項が24条3項を準用し、検査職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q5172条の検査は犯罪捜査に使える?
使えません。172条2項が24条4項を準用し、本条の検査権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないとしています。
Q6都道府県知事の通知は義務?
義務です。処分の必要があると認めたときは、理由を付して厚生労働大臣に通知「しなければならない」と172条3項が定めています。
Q7支払基金の介護保険関係業務とは何?
医療保険者から納付金を徴収し、市町村に介護給付費交付金等を交付する業務などです。根拠は介護保険法160条です。
Q8172条の受託者とは誰のこと?
161条の規定により、支払基金から介護保険関係業務の一部の委託を受けた者です。検査はその受託業務の範囲に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1支払基金って結局なんの組織なんですか?
社会保険診療報酬支払基金法に基づく特別民間法人で、医療のレセプト審査支払と、介護保険では市町村から委託された介護給付費の審査支払(介護保険法160条以下)を担っています。国の機関ではありません。実務のポイント:国の機関でないからこそ、監督は172条のような個別の法律の授権でしか及びません。逆に言えば、条文に書かれていない範囲には行政も手を出せない、という防御線でもあります。
Q2業務委託を受けた民間会社にも、役所は自由に立入検査できるんですか?
できません。172条1項但書が「受託者に対しては、当該受託業務の範囲内に限る」と明記しています。受託業務と無関係な部門の財務や人事まで検査対象にはなりません。実務のポイント:この但書は実務上、検査当日の現場で効きます。検査の冒頭で範囲確認を求めるかどうかで、その後どこまで資料を出すことになるかが変わってきます。
間違えやすい点 AI による整理
- 支払基金は国の機関だと思われがちだが、社会保険診療報酬支払基金法に基づく民間の特別法人である。国の一部ではないからこそ、172条のような外部からの報告徴収・検査権限をわざわざ法律で用意する必要があった。
- 監督権限があることは知っていても、その射程の狭さを見落としている人が多い。161条の受託者に対する検査は「当該受託業務の範囲内に限る」。民間企業が公的業務を受託した瞬間に、行政が社内すべてを覗けるようになるわけではない。この但書は受託者側の防御線として実務上効く。
- 「都道府県知事は支払基金を処分できる」と読み違える人がいるが、条文はそう書いていない。知事にできるのは検査と、厚生労働大臣への通知まで。処分権は厚生労働大臣側にある。知事に苦情を持ち込んでも直接の処分は出ない、その代わり通知は義務である、この構造を理解しているかで期待値が変わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 172条:支払基金及び161条の受託者(受託者は受託業務の範囲内) | 24条:介護給付等に係るサービスを行った者等 207条:報告拒否・虚偽報告・検査拒否等をした者 |
| 権限の中身 | 業務・財産状況の報告徴収と実地検査 | 報告・帳簿書類の提出等の命令と質問 刑事罰による履行の担保 |
| 手続上の保障 | 24条3項・4項を準用(身分証提示、犯罪捜査目的の否定) | 24条3項・4項が直接規定 刑事手続による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は社会保険方式の介護保険を導入しておらず、税財源の長照制度で主管機関が長照機構を監督する。保険財政の中継機関に対する検査という本条の構造は直接の対応物がない
韓国の長期療養保険は国民健康保険公団が保険者として運営し、保健福祉部長官が監督する。日本のように民間法人の中継機関を別途監督する構造とは異なる
ドイツでは介護金庫(Pflegekassen)など社会保険主体が自治団体として運営され、国家監督(Rechtsaufsicht)に服する。自治と監督の均衡という点で本条と問題意識が共通する
米国 Medicare では請求処理を民間の Medicare Administrative Contractors に委託し、CMS が契約を通じて監督する。民間主体への公的業務委託と監督という点で比較可能
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 介護ソフト会社に勤めるあなたの会社が、支払基金から審査支払業務の一部を受託した。ある日、都道府県の職員が実地検査に来る。ここで確認すべきは但書だ。検査対象は受託業務の範囲内に限られる。受託と無関係な自社の他事業の帳簿まで見せる法的義務はない。
- 居宅介護支援事業所を運営していて、介護報酬の審査結果に納得がいかない。支払基金の審査基準そのものがおかしいのではと感じたとき、あなたが向かうべきは基金へのクレームだけではない。都道府県知事には基金の業務を検査する権限があり、知事への情報提供は制度上のルートとして存在する。
- 都道府県の介護保険担当課に配属されたばかり。支払基金の理事に関する不適切な事案の報告が上がってきた。あなたに裁量はあるか。172条3項は「通知しなければならない」と定める。判断できるのは必要性の有無までで、必要と認めた後に止める権限はない。
- もし検査に来た職員が身分を示す証明書を提示しなかったら、どうなる? 172条2項は24条3項を準用し、検査職員は身分証明書の携帯と関係人への提示を義務づけられている。提示がない検査に、その場で応じる義務はない。
取るべき行動
被害を受けた側:支払基金の業務運営そのものに問題を感じる事業者は、1. 個別の審査結果への異議(再審査請求)と、業務運営上の構造問題とを分けて整理する2. 後者は都道府県の介護保険主管課へ、時系列と客観資料を添えて文書で提出3. 172条1項の検査権限と3項の通知義務に言及し、業務運営上の問題として調査を求める旨を明記4. 個別の給付費請求に関する不服は介護保険審査会への審査請求(183条)が別ルートとして存在する、混同しないこと
訴えられた側:検査を受ける支払基金または受託者は、1. 検査職員の身分証明書提示を確認(172条2項が準用する24条3項) 2. 受託者の場合、検査対象が受託業務の範囲内かを冒頭で確認、範囲外の資料提出要求には但書を根拠に範囲確認を求める3. 検査は犯罪捜査のために認められたものと解してはならない(24条4項準用)、この趣旨を踏まえ対応4. 提出資料は控えを保管し、質疑応答の記録を残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限規定はない。ただし3項の通知は「必要があると認めるとき」に義務として発生し、都道府県知事に先延ばしの裁量はない。検査に対する報告拒否・虚偽報告には207条2項の罰則が用意されている(最新の改正状況をご確認ください)
- 介護保険法 第160条支払基金の介護保険関係業務の根拠
- 介護保険法 第161条本条の受託者を生む業務委託の根拠
- 介護保険法 第24条身分証提示義務と捜査目的転用禁止の準用元
- 介護保険法 第207条報告拒否・虚偽報告等に対する罰則
- 介護保険法 第183条給付費請求への不服は審査請求という別ルート
- 社会保険診療報酬支払基金法 第29条本条3項が前提とする基金への監督処分
- 社会保険診療報酬支払基金法 第11条理事長・理事・監事に対する処分の根拠
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