介護保険法 第24条の3(指定都道府県事務受託法人)
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- 都道府県は、次に掲げる事務の一部を、法人であって厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正に実施することができると認められるものとして都道府県知事が指定するもの(以下「指定都道府県事務受託法人」という。)に委託することができる。
- 一第二十四条第一項及び第二項に規定する事務(これらの項の規定による命令及び質問の対象となる者の選定に係るもの並びに当該命令を除く。)
- 二その他厚生労働省令で定める事務
- 2.指定都道府県事務受託法人の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 3.指定都道府県事務受託法人の役員又は職員で、当該委託事務に従事するものは、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
- 4.都道府県は、第一項の規定により事務を委託したときは、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
- 5.第二十四条第三項の規定は、第一項の規定により委託を受けて行う同条第一項及び第二項の規定による質問について準用する。
- 6.前各項に定めるもののほか、指定都道府県事務受託法人に関し必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
指定都道府県事務受託法人とは何ですか?
定義指定都道府県事務受託法人とは、介護保険法第24条の3に定められた規定で、「都道府県は、次に掲げる事務の一部を、法人であって厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正に実施することができると認められるものとして都道府県知事が指定す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第24条の3(指定都道府県事務受託法人)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第24条の3の条文原文は「都道府県は、次に掲げる事務の一部を、法人であって厚生労働省令で定める要件に該当し、当該事務を適正に実施することができると認められるものとして都道府県知事が指定す…」で始まります。
- 介護保険法第24条の3は第一節 通則に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第24条の3の前の条は介護保険法第24条の2です。
- 介護保険法第24条の3の次の条は介護保険法第25条です。
- 介護保険法第24条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第24条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第24条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/24_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法24条の3は、都道府県が24条の調査事務の一部を指定法人に委託できると定める。対象者の選定と命令は委託できず、受託職員は刑法上公務員とみなされる。
Q · 介護保険の調査に来た民間法人の職員に、帳簿の提示を命じる権限はあるの?
ない。命令と対象者の選定は都道府県に残る
介護保険法24条の3第1項1号は、都道府県が24条1項・2項の調査事務を指定都道府県事務受託法人に委託できるとしつつ、「命令及び質問の対象となる者の選定」と「当該命令」を委託対象から明示的に除いています。受託法人の職員ができるのは質問と報告の受領等に限られます。一方で、受託職員は刑法等の罰則の適用上は公務員とみなされ(3項)、身分証明書の携帯・提示義務も負います(5項による24条3項の準用)。
解説
あなたの事業所に訪ねてきた調査員が、都道府県の職員とは限らない。介護保険法24条の3は、24条の調査事務を民間法人に外注できる仕組みを用意している。ただし外注できる範囲には明確な壁がある。誰を調べるかを選ぶ権限と、報告や帳簿の提示を「命じる」権限は都道府県の手元に残り、受託法人に渡るのは質問と報告の受領までだ(1項1号の括弧書き)。つまり受託法人の職員が「提示を命じます」と言ってきたら、それは委託の外にある。その一方で、同じ職員は刑法の適用上は公務員とみなされる(3項)。突き飛ばせば公務執行妨害、金品を渡せば贈賄。職務上知った秘密を漏らせば1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(205条2項)で、この義務は職を離れた後も消えない。民間法人の名刺を持った相手が、同時に公務員の顔を持っている。
法的な位置づけ
指定都道府県事務受託法人とは、介護保険法24条の3に基づき、厚生労働省令で定める要件に該当し、事務を適正に実施できると認められるものとして都道府県知事が指定する法人をいう。24条の調査事務のうち、対象者の選定と命令を除く部分を受託し、その役職員は守秘義務を負い、罰則の適用上は公務員とみなされる。
手順
- 1.調査通知が届いたら公示を確認 都道府県の公報やホームページで、委託の公示(24条の3第4項)を確認し、受託法人名と委託事務の範囲を把握する
- 2.当日、身分証明書の提示を求める 名刺交換の直後に、受託法人職員の身分証明書の提示を求める。5項による24条3項の準用で、提示は法律上の義務である
- 3.質問と命令を切り分けて対応 質問には正確に答弁し、即答できない事項は後日回答とする。提示の命令を受託職員から受けた場合は、都道府県への確認を依頼する
- 4.経緯を記録して保存 調査の日時、相手方、質問内容、回答内容、範囲外と思われた要求をその日のうちに記録し、後の弁明の機会に備える
よくある質問 AI による整理
Q1指定都道府県事務受託法人とは?
介護保険法24条の3に基づき、都道府県知事が指定し、介護給付に関する調査事務の一部を委託される法人です。命令権や対象者の選定権は持ちません。
Q2介護保険法24条の3委託できる事務の範囲は?
24条1項・2項の調査事務のうち、対象者の選定と命令を除いた部分と、厚生労働省令で定める事務です。質問等は委託できますが、提示命令はできません。
Q3事務受託法人の職員はみなし公務員?
はい。委託事務に従事する役職員は、刑法その他の罰則の適用上、法令により公務に従事する職員とみなされます(24条の3第3項)。
Q4事務受託法人の守秘義務 退職後も続く?
続きます。2項は「これらの職にあった者」も対象としており、退職後に委託事務で知った秘密を漏らせば処罰対象になります。
Q5受託法人がどこか 調べる方法は?
都道府県は委託したときに公示する義務を負います(4項)。県の公報やホームページで受託法人名と委託事務を確認できます。
Q6事務受託法人の調査員に身分証の提示を求められる?
求められます。5項が24条3項を準用しているため、受託法人職員も身分証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。
Q7事務受託法人の質問を拒否したらどうなる?
委託範囲内の質問は県職員による質問と同様に扱われ、答弁拒否や虚偽答弁は罰則の対象になりえます。範囲外の要求かどうかは公示で確認を。
Q8介護保険の調査 民間委託は違法じゃない?
違法ではありません。介護保険法24条の3が明文で委託を認めています。ただし選定と命令という判断の核心は都道府県に残す設計です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査に来たのが県の職員じゃなくて民間の法人だったんですが、ちゃんと答える義務ありますか?
あります。委託された範囲の質問であれば、県職員への答弁と同じ扱いです。虚偽の答弁をすれば事業者は10万円以下の過料(213条1項)、給付を受けた本人は30万円以下の罰金(208条)。実務のポイント:委託できるのは質問と報告の受領までで、誰を調べるかの選定と提示を命じる権限は都道府県に残っています(1項1号括弧書き)。命令口調で帳簿の提出を求められたら、それは委託の外です
Q2受託法人の職員って結局は民間の会社員ですよね。守秘義務なんて実効性あるんですか?
刑法の適用上は公務員とみなされます(3項)。委託事務で知った秘密を正当な理由なく漏らせば、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(205条2項)で、義務は退職後も続きます。実務のポイント:この規定は縛るだけでなく守りもします。調査員に暴行すれば公務執行妨害罪(刑法95条)、便宜を求めて金品を渡せば贈賄罪(刑法198条)。現場で感情的になった側が想定外の刑事責任を負うのは、こちらの経路です
Q3どの法人にどこまで委託されているか、外から調べられるんですか?
調べられます。都道府県は委託したときに公示しなければならず(4項)、公示の方法は厚生労働省令で定められているため、通常は県の公報やホームページで確認できます。実務のポイント:調査当日に慌てて尋ねるより、通知が届いた時点で公示を押さえる方が効きます。公示された範囲と当日の要求にずれがあれば、その場で論戦するより記録に残し、後の弁明機会で示す方が交渉上は強い
Q4身分証を見せてくださいって言ったら、逆に心証が悪くなりませんか?
条文上の権利です。第5項が24条3項を準用しており、受託法人の職員も身分証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。求めること自体は違法でも非礼でもありません。実務のポイント:24条4項の「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」は5項の準用対象に入っていません。もっとも権限の性質は24条1項、2項から引き継がれるため、委託後も行政調査であることに変わりはないと解されています
間違えやすい点 AI による整理
- 「受託法人だから権限が弱い、県職員だから権限が強い」という問いの立て方そのものが外れている。強弱を決めるのは相手の所属ではなく委託された事務の範囲だ。質問の場面では受託法人職員も県職員と同等で、虚偽答弁への罰則も同じように働く。逆に提示の「命令」は、どちらの名刺であろうと受託法人職員にはできない
- 守秘義務があること自体は誰でも知っている。見落とされるのはその射程の深さだ。義務は在職中に限られず「これらの職にあった者」にも及び、違反すれば1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(205条2項)。退職後の転職先での雑談一つが、刑事事件の構成要件を満たしうる
- みなし公務員規定(3項)は受託法人職員を縛るための足かせだと受け取られがちだが、同時に彼らを守る盾でもある。調査に腹を立てて突き飛ばせば、相手が民間法人の社員であっても公務執行妨害罪(刑法95条)が成立する。縛られているのは調査員だけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 委託する主体 | 24条の3:都道府県 | 24条:委託なし(厚生労働大臣または都道府県知事が自ら実施) 24条の2:市町村 |
| 受託者の名称 | 指定都道府県事務受託法人 | 該当なし(当該職員が質問) 指定市町村事務受託法人 |
| 命令権の所在 | 都道府県に残る(1項1号括弧書き) | 厚生労働大臣または都道府県知事 市町村側に残る設計 |
| 受託者への統制 | 守秘義務・みなし公務員・公示・身分証提示 | 職員の身分証携帯・提示(24条3項) 守秘義務・みなし公務員・公示 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は行政手続法の一般規定で民間への権限委託を認め、受託者を国家賠償上の公務員とみなす。日本のように個別法ごとに委託範囲を切り分ける方式とは構造が異なる
ドイツでは介護施設の質審査を Medizinischer Dienst が担う。行政本体ではなく専門機関に審査機能を持たせる点で、日本の委託モデルと比較できる
米国の Medicare では、請求の監査を民間の Recovery Audit Contractors に委託している。給付の適正化を民間の執行力で補う発想は共通している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし訪問してきた調査員が「帳簿を出してください、これは命令です」と言ったら、どうなる? 委託を受けた法人の職員に「命じる」権限はない。1項1号の括弧書きが、命令と選定を委託対象から明示的に外している。求められるのは質問への答弁と報告であって、提示命令ではない。その場で「委託の範囲を確認させてください」と一言返せるかどうかで、その後の力関係が変わる
- ヘルパーの利用実態について電話で聞き取りがあった。相手は県ではなく受託法人の職員。それでも虚偽の答弁をすれば30万円以下の罰金だ(208条)
- 受託法人の調査員として働いていたあなたが退職し、同業他社に転職した。前職で見た特定事業所の請求データを、新しい上司に聞かれて口にする。条文は「これらの職にあった者」と書いており、守秘義務は退職で切れない。違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(205条2項)。「もう辞めたので関係ない」は法的には通らない
- 調査の通知が届き、訪問まであと5日。確認すべきは「誰が来るか」ではなく「何が委託されているか」だ。都道府県は委託したときに公示する義務を負う(4項)ので、県の公報やホームページで受託法人名と委託事務の範囲を事前に照合できる。当日その場で調べる余裕はない
- 身分証明書の提示を求めたら、相手が渋った。第5項が24条3項を準用しているため、受託法人の職員にも携帯義務があり、関係人の請求があれば提示しなければならない。渋られた時点で、その調査の進め方を記録に残す十分な理由ができる
取るべき行動
被害を受けた側:事業所や利用者の情報が受託法人から漏れた疑いがある場合:1. 漏えいの日時、経路、誰から誰へ伝わったかを記録し、出所を特定する2. 委託元の都道府県に公示内容と委託事務の範囲を照会し(4項)、監督責任の所在を確定する3. 2項違反は205条2項の罪で親告罪ではないため、告訴期間の制約なく告訴、告発できる4. 並行して民法709条の損害賠償を検討する。委託元の都道府県に国家賠償法1条で及ぶかは委託事務の性質次第で、実務上の評価が分かれる
訴えられた側:調査対象として質問を受けた場合:1. まず身分証明書の提示を求める(5項による24条3項の準用) 2. 「質問」と「命令」を切り分ける。受託法人職員に提示命令の権限はない(1項1号括弧書き) 3. 答弁は正確に。虚偽答弁は事業者側で10万円以下の過料(213条1項)、給付を受けた本人は30万円以下の罰金(208条)と重さが違う4. 即答できない事項は推測せず「確認して後日回答する」と述べ、その旨を記録に残す。その場の当て推量が後に虚偽答弁と評価される事態を避ける
時効(請求できる期限):本条に固有の期間制限はない。守秘義務違反(2項違反)は205条2項の罪で法定刑の上限が拘禁刑1年のため、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条)
学説
行政法の一般的理解:公権力を伴う事務の民間委託には法律の根拠が必要であり、本条は委託範囲の限定、守秘義務、みなし公務員化、公示という統制手段を法定することで、委託の正統性を担保していると整理される
- 介護保険法 第24条委託対象となる調査権限の本体
- 介護保険法 第24条の2市町村版の事務受託法人制度
- 介護保険法 第205条守秘義務違反に対する刑事罰
- 介護保険法 第208条受給者の虚偽答弁に罰金
- 介護保険法 第213条事業者の虚偽答弁に過料
- 刑法 第95条みなし公務員への公務執行妨害
- 刑法 第197条みなし公務員への収賄罪の適用
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