介護保険法 第61条の4(特例特定入所者介護予防サービス費の支給)
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- 市町村は、次に掲げる場合には、特定入所者に対し、特例特定入所者介護予防サービス費を支給する。
- 一特定入所者が、当該要支援認定の効力が生じた日前に、緊急その他やむを得ない理由により特定介護予防サービスを受けた場合において、必要があると認めるとき。
- 二その他政令で定めるとき。
- 2.特例特定入所者介護予防サービス費の額は、当該食事の提供に要した費用について食費の基準費用額から食費の負担限度額を控除した額及び当該滞在に要した費用について滞在費の基準費用額から滞在費の負担限度額を控除した額の合計額を基準として、市町村が定める。
この条文の基本情報
特例特定入所者介護予防サービス費の支給とは何ですか?
定義特例特定入所者介護予防サービス費の支給とは、介護保険法第61条の4に定められた規定で、「市町村は、次に掲げる場合には、特定入所者に対し、特例特定入所者介護予防サービス費を支給する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第61条の4(特例特定入所者介護予防サービス費の支給)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第61条の4の条文原文は「市町村は、次に掲げる場合には、特定入所者に対し、特例特定入所者介護予防サービス費を支給する。」で始まります。
- 介護保険法第61条の4は第四節 予防給付に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第61条の4の前の条は介護保険法第61条の3です。
- 介護保険法第61条の4の次の条は介護保険法第62条です。
- 介護保険法第61条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第61条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第61条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/61_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法61条の4は、要支援認定の効力発生前に緊急でショートステイを利用した低所得の要支援者に、食費・滞在費の負担軽減分を市町村が後から支給できると定める。
Q · 要支援認定の申請前に緊急で使ったショートステイの食費や滞在費は戻りますか?
要件を満たせば、市町村に請求して差額が戻る場合がある
介護保険法61条の4により、要支援認定の効力が生じた日より前に緊急その他やむを得ない理由でショートステイを利用した場合でも、負担限度額の要件を満たす人であれば、市町村が必要と認めるときに食費・滞在費の基準費用額と負担限度額の差額を基準とした額が支給されます。現物給付ではなく償還払いのため、領収書を添えて本人側から市町村に請求する必要があり、請求権は2年で時効消滅します(200条1項)。
解説
要支援認定は、申請した日にさかのぼって効力を生じる(32条7項)。だから申請さえ出しておけば、結果を待っている間に使ったショートステイの食費と滞在費は、原則型の61条の3で処理される。ところが介護は、申請書を書く時間がない日に始まる。支えていた家族が倒れた、退院を突然告げられた、夜に一人にしておけなくなった。その「申請より前」の緊急利用だけが、制度の網から落ちる。61条の4はその落ち口に張られた当て布だ。あなたが負担限度額の要件を満たす居宅要支援被保険者であれば、市町村は食費と滞在費について、基準費用額から負担限度額を引いた差額を後から支給できる。ただし現物給付ではない。いったん全額を払い、自分から市町村に請求して初めて戻る。請求しない限り、市町村から「戻せますよ」と連絡が来ることはない。
法的な位置づけ
特例特定入所者介護予防サービス費とは、介護保険法第61条の4に基づき、要支援認定の効力が生じた日より前に緊急その他やむを得ない理由で特定介護予防サービスを受けた特定入所者に対し、市町村が必要と認める場合に支給する給付である。額は食費・滞在費の各基準費用額から各負担限度額を控除した合計額を基準として市町村が定める。
手順
- 1.緊急利用の当日に認定申請の日付を確保 緊急でショートステイを依頼したら、同じ日のうちに市町村へ要支援認定の申請ができないか確認する。申請日が利用日以前になれば、特例ではなく原則型(61条の3)で処理できる
- 2.内訳つきの領収書を受け取る 事業所にサービス費・食費・滞在費を分け、単価と日数を明記した領収書と利用明細の発行を依頼する。内訳がないと差額を計算できない
- 3.負担限度額認定を申請する 市町村に負担限度額認定を申請し、緊急利用日が認定の対象期間にかかるかを確認する。配偶者の所得や非課税年金も判定対象になる点に注意する
- 4.特例特定入所者介護予防サービス費を請求する 市町村に支給申請を行い、申請前に利用せざるを得なかった理由を書面化して添付する。同時に54条の特例介護予防サービス費(サービス費本体)の請求漏れがないか確認する
- 5.不支給なら審査請求を検討する 不支給決定に納得できない場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に介護保険審査会へ審査請求を行う
よくある質問 AI による整理
Q1特例特定入所者介護予防サービス費とは何ですか?
要支援認定の効力発生前に緊急でショートステイを使った低所得の人に、食費・滞在費の軽減分を後から支給する介護保険の特例給付です(介護保険法61条の4)。
Q2要支援でもショートステイの食費は軽減されますか?
負担限度額認定の要件を満たせば軽減されます。対象は介護予防短期入所生活介護と介護予防短期入所療養介護の食費・滞在費です(61条の3)。
Q3負担限度額認定の申請方法は?
市町村の介護保険担当窓口に申請書と預貯金等の資産を確認できる書類(通帳の写し等)を提出します。認定されると負担限度額認定証が交付されます。
Q4特例の補足給付はいつまで請求できますか?
保険給付を受ける権利は2年で時効消滅します(介護保険法200条1項)。償還払いのため、実務上は費用を支払った日の翌日から数えるのが一般的です。
Q5認定前のショートステイ費用は償還払いで戻せる?
戻せる場合があります。緊急その他やむを得ない理由があり、市町村が必要と認めれば、食費・滞在費の差額分が償還払いで支給されます。
Q6補足給付の所得・資産要件はどう決まりますか?
市町村民税非課税世帯であること、預貯金等が一定額以下であることなどが要件で、配偶者の所得や非課税年金も考慮されます。具体的な基準は政省令・告示で定められます。
Q7特例補足給付を不支給にされたら不服申立てできる?
できます。都道府県の介護保険審査会に審査請求できます(183条1項)。期限は処分を知った日の翌日から原則3か月です。
Q8緊急ショートステイは介護保険で使える?
認定申請後であれば、認定の効力が申請日に遡るため原則どおり使えます。申請前の利用は特例(54条・61条の4)で後から救済される余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認定が下りる前に使った分は全額自己負担だと窓口で言われたんですが、本当ですか?
申請の後に使ったなら違います。要支援認定は申請した日にさかのぼって効力を生じるので(32条7項)、認定待ちの期間に使った食費と滞在費は原則型の61条の3で処理されます。全額自己負担が問題になるのは申請より前の利用で、そこを救うのが61条の4です。実務のポイント:窓口の担当者も「申請日」と「認定日」を混同して説明することがある。申請書の受付日が入った控えを必ずもらっておくと、後から日付一つで押し返せる
Q2親は要支援なのに、施設の居住費は戻らないと言われました。なぜですか?
予防側の補足給付が対象にするのは介護予防短期入所生活介護と介護予防短期入所療養介護、つまりショートステイだけだからです(61条の3第1項)。要支援では介護保険施設に入所できないため、条文も居住費ではなく滞在費と書いています。実務のポイント:それでも「施設に入っている」なら、実態は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅で、家賃は保険外という構図が多い。その場合の勝負どころは補足給付ではなく、自治体独自の家賃助成や住宅扶助の側にある
Q3預貯金を少なめに書いたら、実際どうなるんですか?
補足給付だけは制裁が重く設計されています。偽りその他不正の行為で特例特定入所者介護予防サービス費を受けたときは、給付の価額の返還に加えて、支給を受けた額の200% 以下の金額を上乗せして徴収できます(22条1項)。最大で受け取った額の3倍です。実務のポイント:市町村は官公署や年金保険者だけでなく、銀行等に直接報告を求める権限を持っている(203条1項)。通帳を出さなければ分からない、という前提がそもそも成り立たない
間違えやすい点 AI による整理
- 「認定が下りるまでは全額自己負担」は半分正しい。だが半分を取り違えると数万円を捨てることになる。要支援認定は申請日に遡って効力を生じる(32条7項)ので、認定待ちの期間に使った分は原則型の61条の3で拾える。あなたが諦めるべき範囲は、思っているよりずっと狭い
- 「施設の居住費は戻りますか」という問いは、すでに立て方がずれている。要支援では介護保険施設に入所できないため、予防側の対象は介護予防短期入所生活介護と介護予防短期入所療養介護の二つだけ(61条の3第1項)。条文が使う語も居住費ではなく滞在費である。施設の居住費を問題にしている時点で、見るべきは51条の3と51条の4の側にある
- 条文に書いてあるのだから請求すれば出る、とは限らない。1項1号は「必要があると認めるとき」、2項は額を「市町村が定める」。裁量が二重に入っている。あなたから見れば当然の権利でも、市町村から見れば個別判断の案件だ。だから救急搬送の記録、入院証明、ケアマネの経過記録といった「申請前に使わざるを得なかった証拠」が、条文そのものより効く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる利用時期 | 61条の4:要支援認定の効力発生日前の緊急利用 | 61条の3:要支援認定の効力発生後(申請日以降)の利用 54条:認定効力発生前等の緊急利用(サービス費本体) |
| 補填する費用 | 食費・滞在費の基準費用額と負担限度額の差額 | 食費・滞在費の基準費用額と負担限度額の差額 介護予防サービスの費用(保険給付分) |
| 支給方法 | 償還払い(本人が請求) | 原則として現物給付(事業所に直接支払い) 償還払い(本人が請求) |
| 市町村の裁量 | 「必要があると認めるとき」+額も市町村が定める | 要件を満たせば支給(額は告示の基準による) 「必要があると認めるとき」+額は市町村が定める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税財源の長照制度で、喘息服務(レスパイト)を給付項目とし、低収入・中低収入世帯の自己負担を軽減する。認定前利用の遡及救済という日本型の特例規定は置かれていない
韓国は日本を参照した社会保険方式で、短期保護(ショートステイ)を給付とし、低所得者の本人負担を減免する。食材料費は原則として非給付とされる
ドイツでは短期介護の宿泊・食事費は原則自己負担で、支払能力がない場合は社会扶助の介護扶助が補う。保険内の差額補填ではなく扶助で吸収する構造
米国には公的介護保険がなく、低所得者向けの Medicaid の州別プログラムでレスパイトケアが提供され得る。遡及給付の扱いは州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 同居して母を見ていたあなたが、認定の申請書を出す前日に階段で足を折ったとしたら? 母はその週のうちに緊急でショートステイへ入り、申請日は3日後になった。利用日が申請日より前にずれたその数日分の食費と滞在費が、まさに61条の4の射程にある。領収書を捨てれば、そのまま消える
- 入院していた夫が急に退院を告げられた。妻は要支援だが、家に介護する人がいない。その日から入った介護予防短期入所生活介護の食費と滞在費、認定申請はまだ出していない
- あなたが地域包括支援センターのケアマネで、認定申請前の緊急ショートを手配した側だとする。家族には反射的に「認定前なので全額自己負担です」と説明した。だがこの利用者が負担限度額の要件を満たすなら、差額は後から市町村に請求できる。あなたのその一言が、家族の数万円を決めている
- 窓口で「必要があると認めるとき、としか書いていないので前例がありません」と言われた。支給の可否は確かに市町村の裁量だが、裁量には理由が要る。不支給決定に納得できなければ介護保険審査会へ審査請求できる(183条1項)。ただし動けるのは処分を知った日の翌日から3か月、迷っているうちに窓は閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 領収書と利用明細を確保し、食費・滞在費が分けて書かれているか確認2. 負担限度額の認定を申請し、緊急利用日にかかるかを市町村に確認3. 市町村の介護保険担当に特例特定入所者介護予防サービス費の支給申請、申請前に使わざるを得なかった理由を書面化して救急記録や入院証明を添付4. 同時に54条の特例介護予防サービス費(サービス費本体)の請求漏れも確認5. 不支給なら介護保険審査会へ審査請求(183条1項)
訴えられた側:事業者やケアマネとして受け入れる側なら、1. 緊急利用の受付時に「認定前だから全額自己負担」と言い切らず、後日の償還可能性を記録に残す2. 領収書はサービス費・食費・滞在費を分け、単価と日数を明示して発行3. 市町村に事前照会し、老人福祉法10条の4の措置で受けるか保険給付で受けるかを整理する(ルート選択で利用者の負担額が変わる) 4. 資産や所得の申告に虚偽があれば支給額の最大3倍が徴収される(22条1項)と、家族に事前に伝えておく
時効(請求できる期限):保険給付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効消滅する(介護保険法200条1項)。償還払いなので起算点は費用を支払った日の翌日として扱われるのが実務。不支給決定への介護保険審査会に対する審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:介護保険法等の一部を改正する法律(平成17年法律第77号)により、施設等の食費・居住費の保険外化と補足給付の創設、介護予防給付の新設が行われ、その一環として本条が置かれた
- 介護保険法 第61条の3原則型の補足給付、特定入所者と対象サービスの定義元
- 介護保険法 第54条同じ緊急利用におけるサービス費本体の特例
- 介護保険法 第32条要支援認定の申請日への遡及効、本条の射程を画する
- 介護保険法 第22条本条を名指しした不正受給の最大3倍徴収
- 介護保険法 第200条保険給付を受ける権利の2年時効
- 老人福祉法 第10条の4やむを得ない事由による措置という別ルート(現行効力を要確認)
- 生活保護法 第15条の2介護扶助との適用調整、第1段階該当者の処理
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