介護保険法 第69条の28(秘密保持義務等)
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- 指定試験実施機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。次項において同じ。)若しくはその職員又はこれらの職にあった者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 2.試験事務に従事する指定試験実施機関又はその職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
秘密保持義務等とは何ですか?
定義秘密保持義務等とは、介護保険法第69条の28に定められた規定で、「指定試験実施機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第69条の28(秘密保持義務等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第69条の28の条文原文は「指定試験実施機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。」で始まります。
- 介護保険法第69条の28は第二款 登録試験問題作成機関の登録、指定試験実施機関及び指定研修実施機関の指定等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第69条の28の前の条は介護保険法第69条の27です。
- 介護保険法第69条の28の次の条は介護保険法第69条の29です。
- 介護保険法第69条の28には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第69条の28 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第69条の28(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/69_28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法69条の28は、ケアマネ試験を担う指定試験実施機関の役職員と退職者に守秘義務を課し、試験事務の従事者を罰則の適用上みなし公務員とする規定である。
Q · ケアマネ試験を運営する民間団体の職員が情報を漏らしたり賄賂を受け取ったりしたら、罪になるの?
なる。漏示は罰則対象、賄賂は収賄罪。退職後も同じ
介護保険法69条の28第1項により、指定試験実施機関の役員・職員は、退職後も含めて試験事務で知り得た秘密を漏らしてはならず、違反すれば1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です(205条2項)。さらに同条2項により、試験事務の従事者は刑法その他の罰則の適用上は公務員とみなされるため、金品を受け取れば収賄罪(刑法197条)、試験監督への暴行は公務執行妨害罪(刑法95条)が成立しえます。
解説
介護支援専門員実務研修受講試験、いわゆるケアマネ試験を実際に運営しているのは都道府県庁ではない。多くは県から指定を受けた社会福祉協議会や福祉人材センターといった民間法人である(69条の27第1項)。そこで働いているのは公務員ではなく、普通の団体職員だ。ところが本条は、その職員に二つの枷をはめる。第一に、試験事務で知った秘密を漏らせば、たとえ退職後であっても1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(205条2項)。第二に、刑法その他の罰則の適用については公務員とみなされる。つまり受験者から「合格させてほしい」と現金を受け取れば、民間人であっても収賄罪(刑法197条)が成立する。あなたがその機関に勤めているなら、名刺の肩書きは民間でも、刑法上の立ち位置はすでに公務員と同じ側にある。
法的な位置づけ
介護保険法69条の28は、都道府県知事が介護支援専門員実務研修受講試験の事務を行わせるために指定した指定試験実施機関について、その役員・職員およびこれらの職にあった者に試験事務上の守秘義務を課し、試験事務に従事する者を刑法その他の罰則の適用上、法令により公務に従事する職員とみなす規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1みなし公務員とは何ですか?
公務員の身分はないが、法律の規定により刑法その他の罰則の適用上は公務員として扱われる者です。収賄罪や公務執行妨害罪の対象になります。
Q2指定試験実施機関とはどこですか?
都道府県知事がケアマネ試験の事務を行わせるために指定した法人です(介護保険法69条の27)。社会福祉協議会などが指定される例が多くあります。
Q3ケアマネ試験の受験者情報が漏れたらどこに相談?
機関を指定した都道府県の介護保険担当課へ申し出るのが近道です。知事は監督命令(69条の29)や立入検査(69条の30)の権限を持ちます。
Q4介護保険法205条の罰則はどのくらい重い?
205条2項は、69条の28第1項などの守秘義務違反に1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を定めています。前科が付く刑事罰です。
Q5試験監督員に暴力をふるったら公務執行妨害になる?
なりえます。試験事務に従事する機関職員は本条2項で公務員とみなされるため、職務中の監督員への暴行・脅迫は刑法95条の対象になりえます。
Q6試験事務の守秘義務はいつまで続く?
条文は「これらの職にあった者」も対象とし、期限を定めていません。退職から何年経っても、在職中に知った試験事務上の秘密は漏らせません。
Q7ケアマネ試験の合否を電話で教えてもらえる?
公表前の合否は試験事務上の秘密にあたりうるため、本人以外への回答は期待できません。本人確認の手続も機関の規程に従うのが通常です。
Q8派遣社員でも試験事務の守秘義務はある?
条文上の「職員」に派遣・委託スタッフが含まれるかは争点になりえます。契約段階で本条と205条2項の適用範囲を書面で確認しておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ケアマネ試験って、県がやってるんじゃないんですか?
都道府県知事は、指定した者に試験事務を行わせることができると定められています(69条の27第1項)。実際には社会福祉協議会や福祉人材センターが担うことが多い。ただし試験問題の作成は別枠で、登録試験問題作成機関の仕事です(69条の11)。実務のポイント:試験事務と試験問題作成事務は条文上はっきり分かれ、守秘義務も69条の28と69条の17で別建て。流出を疑ったとき、どちらの機関の話かで申し出る先も引く条文も変わる
Q2「公務員とみなす」って、具体的に何が変わるんですか?
最大の効果は収賄罪(刑法197条以下)の適用です。民間法人の職員でも、試験事務に関して金品を受け取れば収賄罪、渡した側は贈賄罪(刑法198条)。試験監督への暴行が公務執行妨害罪(刑法95条)になりうるのも同じ理屈です。実務のポイント:みなし公務員でも、国家公務員法や地方公務員法の懲戒処分が及ぶわけではない。身分上の処分は雇用主の就業規則が根拠。刑法だけが越境してくる非対称な構造になっている
Q3辞めた後にうっかり話したら、本当に罪になるんですか?
条文は「これらの職にあった者」を対象に含め、退職による区切りを置いていません。違反すれば1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(205条2項)。実務で立件に至るのは流出の規模が大きい事案や対価が動いた事案が中心です。実務のポイント:刑事が不起訴でも終わりではない。元職員個人への損害賠償請求(民法709条)と、機関側の使用者責任(715条)は別軌道で動き、そちらは示談金が現実に飛ぶ
Q4そもそも、どこからが「秘密」なんですか?
一般には、まだ公になっていない事実で、かつ保護に値する利益があるものとされます。試験問題の内容、受験者の氏名や実務経験、合否の内訳が典型。すでに公表された合格者番号は秘密性を失います。実務のポイント:205条1項にある「正当な理由がなく」の限定が69条の28第1項には置かれていない。実務上は法令に基づく開示で違法性が阻却されると解されているが解釈に委ねられており、迷う場面では口頭でなく書面で指示を仰ぐことが唯一の防御になる
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務があること自体は知っていても、その深刻度を取り違えている人が多い。条文は「これらの職にあった者」を対象に含め、期間の上限を一切置いていない。辞めて10年経っても、漏らせば1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(205条2項)という同じ射程の中にいる
- 「民間団体の職員だから、公務員法の守秘義務は自分には関係ない」という問いの立て方そのものがずれている。本条は国家公務員法や地方公務員法を借りてきているのではなく、介護保険法が独自に義務と罰則を用意している。公務員法の条文をいくら調べても、この義務の根拠は出てこない
- あなたから見れば親切心からの情報提供でも、法律が見るのは「漏らした」という結果である。205条1項が審査会委員等について置いている「正当な理由がなく」という限定文言は、69条の28第1項には書かれていない。実務上は法令に基づく開示など正当業務行為で違法性が阻却されると解されているが、この点は解釈に委ねられており、条文の文面だけを見れば逃げ道は狭い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 69条の28:指定試験実施機関の役員・職員・元役職員 | 69条の17:登録試験問題作成機関の役員・職員・元役職員 69条の37:介護支援専門員本人 |
| 守秘の対象 | 試験事務(受付・実施・合否処理等)に関して知り得た秘密 | 試験問題作成事務に関して知り得た秘密 業務上知り得た利用者等の秘密 |
| みなし公務員規定 | あり(2項:罰則の適用上公務員とみなす) | 同趣旨の規定あり(問題作成機関の役職員) なし(守秘義務のみ) |
| 違反時の罰則 | 205条2項:1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 205条2項:同上 205条2項:同上 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個別法ごとのみなし規定ではなく、刑法総則で「依法委託され公共事務に従事する者」を公務員と定義する一般条項方式をとる
韓国も委託機関の役職員を「벌칙 적용에서 공무원으로 본다」とする個別規定を多用し、日本と同型の立法技術をとる
ドイツは公務のために特別に義務づけられた者を刑法総則で定義し、正式な義務づけ手続(Verpflichtung)を経た者に贈収賄・秘密漏示罪を及ぼす
米国連邦法は政府のために、または政府に代わって行動する者を public official に含め、民間受託者にも贈収賄罪が及びうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 試験実施機関の事務局で名簿処理を担当している。合格発表まであと5日という日に、大学時代の友人から「うちの職員が受けたんだけど、受かってる?」とLINEが届く。ここで「たぶん大丈夫」と返した瞬間、それは試験事務に関して知り得た秘密の漏示になりうる。相手が善意でも、条文は「漏らしてはならない」としか書いていない
- もし試験会場で受験者が騒ぎ出し、制止に入った試験監督員に殴りかかったら? その監督員は民間法人の職員だが、本条2項により公務員とみなされる。成立しうるのは傷害罪だけでなく、公務執行妨害罪(刑法95条)だ
- 印刷業者に受験者名簿を渡す。名簿には住所と生年月日が並んでいる。業務上必要な範囲を超えていれば、その時点であなたは「漏らした」側に立っている
- 10年前に試験実施機関を辞めた元職員が、同窓会の席で当時の受験者の話を持ち出す。本条は「これらの職にあった者」を名指しで対象に含めており、退職しても義務に期限はない。転職先の同業者に話したとなれば、なおさら悪質と見られる
- 不正受験の疑いが持ち上がった。指定試験実施機関は、知事に代わって合格取消しの職権を行使できる(69条の31第2項)。だが調査で知った受験者の事情は、処分の告知まで外に一言も出してはならない。処分前に流出すれば、処分そのものの適法性まで攻撃材料にされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の受験情報が外に出たと気付いたら、誰から、いつ、どの情報を聞いたかをメモとスクリーンショットで固定する2. 指定した都道府県の介護保険担当課へ申し出る。知事は監督命令(69条の29)と報告徴収・立入検査(69条の30)を発動できる3. 刑事は205条2項、民事は不法行為(民法709条)による慰謝料請求という二本立てで組む4. 個人だけでなく機関の法人にも使用者責任(民法715条)を問える。回収可能性は法人側の方が高い
訴えられた側:1. まず自分が条文上の「役員」「職員」「これらの職にあった者」のどれにあたるかを確定させる。派遣や業務委託の身分だと、この線引き自体が争点になる2. 漏らしたとされる情報が「試験事務に関して知り得た秘密」か、すでに公表済み、あるいは別ルートで知った情報かを切り分ける。非公知性が崩れれば秘密性も崩れる3. 法令に基づく提供や本人の同意があったなら正当業務行為を主張する4. 刑事手続と並行して機関内の懲戒手続が動く。両者は別軌道なので、供述内容の整合を弁護人と先に詰める
時効(請求できる期限):法定刑は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(205条2項)。長期1年の罪であるため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)、起算点は漏示行為の終了時。民事の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)
学説
一般的理解:みなし公務員規定は身分上の公務員化ではなく、刑罰法規の適用範囲だけを拡張する技術である。国家公務員法・地方公務員法上の懲戒は及ばず、身分上の処分は雇用主の就業規則による。
実務上の解釈:69条の28第1項には「正当な理由がなく」の文言がないが、法令に基づく開示や本人同意に基づく提供は正当業務行為として違法性が阻却されると解されている。ただし解釈に委ねられる部分が残る。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)改正、平成18年(2006年)施行 介護支援専門員の登録制と資格更新制の法定化に伴い、第5章第1節に69条の2から69条の39までの枝番条文群が一括新設された。それまで省令レベルで運用されていた試験実施体制が法律上の制度となり、指定試験実施機関(69条の27)とその役職員の守秘義務・みなし公務員規定である本条も、このとき新設された
改正の年表
- 1.平成17年(2005年)改正、平成18年(2006年)施行 新設:介護支援専門員の登録制・資格更新制の法定化に伴い、69条の2以下の枝番条文群が新設された。指定試験実施機関(69条の27)とその役職員の守秘義務・みなし公務員規定である本条も、このとき設けられた。
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