介護保険法 第72条
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- 介護老人保健施設又は介護医療院について、第九十四条第一項又は第百七条第一項の許可があったときは、その許可の時に、当該介護老人保健施設又は介護医療院の開設者について、当該介護老人保健施設又は介護医療院により行われる居宅サービス(短期入所療養介護その他厚生労働省令で定める居宅サービスの種類に限る。)に係る第四十一条第一項本文の指定があったものとみなす。ただし、当該介護老人保健施設又は介護医療院の開設者が、厚生労働省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。
- 2.前項の規定により指定居宅サービス事業者とみなされた者に係る第四十一条第一項本文の指定は、当該指定に係る介護老人保健施設又は介護医療院について、第九十四条の二第一項若しくは第百八条第一項の規定により許可の効力が失われたとき又は第百四条第一項、第百十四条の六第一項若しくは第百十五条の三十五第六項の規定により許可の取消しがあったときは、その効力を失う。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第72条は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第72条の条文原文は「介護老人保健施設又は介護医療院について、第九十四条第一項又は第百七条第一項の許可があったときは、その許可の時に、当該介護老人保健施設又は介護医療院の開設者につい…」で始まります。
- 介護保険法第72条は第二節 指定居宅サービス事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第72条の前の条は介護保険法第71条です。
- 介護保険法第72条の次の条は介護保険法第72条の2です。
- 介護保険法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法72条は、老健・介護医療院の開設許可があった時に、短期入所療養介護等の指定居宅サービス事業者の指定があったものとみなす。許可が失効・取消されると指定も失効する。
Q · 老健を開設したら、ショートステイの事業者指定は別に申請しないといけないの?
申請不要。許可と同時に指定があったものとみなされる
介護保険法第72条第1項により、介護老人保健施設または介護医療院の開設許可があった時に、短期入所療養介護その他厚生労働省令で定める居宅サービスについて、指定居宅サービス事業者の指定があったものとみなされます。不要なら厚生労働省令に従い別段の申出で辞退できます。一方、第2項により、開設許可が更新されずに失効した場合や取り消された場合は、このみなし指定も同時に効力を失います。
解説
介護老人保健施設の開設許可証が届いた日、あなたはもう一つ、申請した覚えのない資格を同時に手にしている。第72条第1項は、第94条第1項または第107条第1項の許可があったその瞬間に、短期入所療養介護など厚生労働省令で定める居宅サービスについて、指定居宅サービス事業者の指定があったものとみなすと定める。申請書も審査もない。裏を返せば、やる予定がなくても指定事業者として名簿に載り、運営基準と指導監査の射程に入る。だからただし書は、厚生労働省令に従った別段の申出による辞退を用意した。そして本当に効いてくるのは第2項である。許可が6年ごとの更新を逃して失効した瞬間、あるいは取消処分を受けた瞬間、ショートステイと通所リハの指定も同時に消える。施設本体を止める処分は、在宅で暮らす利用者の通いと泊まりまで一緒に止めてしまう。
法的な位置づけ
介護保険法第72条は、いわゆる「みなし指定」を定める規定である。介護老人保健施設または介護医療院の開設許可があった時点で、開設者に対し短期入所療養介護等の居宅サービスに係る指定居宅サービス事業者の指定があったものとみなし、別段の申出による辞退と、許可の失効・取消に連動した指定の失効を併せて規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.開設許可申請前にみなし指定の要否を決める 短期入所療養介護・通所リハビリテーション等を実際に提供する人員と体制があるかを棚卸しし、提供しないサービスについては別段の申出を出すかどうかを許可前に決めておく
- 2.不要なサービスについて別段の申出を提出 厚生労働省令で定めるところにより、みなし指定を受けない居宅サービスについて都道府県知事に別段の申出を行う。様式や提出時期は所管の都道府県に事前確認する
- 3.加算算定に必要な体制届出を別途行う みなし指定を残すサービスについては、算定したい加算の体制に関する届出を別途提出する。指定があることと報酬を請求できることは別の手続である
- 4.6年更新の期限をカレンダーで管理する 開設許可の有効期間満了日から逆算し、少なくとも数か月前に更新申請の準備を開始する。更新漏れはみなし指定の同時失効につながるため、居宅サービスの運営基準の自主点検も同時に行う
- 5.処分の可能性が生じたら利用者移行計画を用意する 許可取消し・効力停止の可能性が出た段階で、72条2項による居宅サービス指定の同時失効を前提に、ケアマネジャーと連携して短期入所・通所リハ利用者の代替事業所を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険のみなし指定とは何ですか?
別途の指定申請をしなくても、他の許可や指定を受けたことで介護保険の事業者指定があったものと扱われる仕組みです。老健・介護医療院については介護保険法72条が根拠です。
Q2老健のみなし指定の対象になる居宅サービスは?
短期入所療養介護その他厚生労働省令で定める種類に限られます。通所リハビリテーション等が該当しますが、対象の範囲は施行規則で最新の定めを確認する必要があります。
Q3みなし指定を辞退する方法は?
厚生労働省令で定めるところにより、開設者が都道府県知事に別段の申出をします。申出をすればその居宅サービスについてのみなし指定は生じません。
Q4老健の開設許可の有効期間はいつまで?
開設許可は6年ごとに更新を受けなければ効力を失います(介護保険法94条の2第1項)。介護医療院は108条第1項で同様です。更新漏れはみなし指定の失効にも直結します。
Q5老健の許可が取り消されたらショートステイはどうなる?
介護保険法72条2項により、許可の取消しと同時に短期入所療養介護等のみなし指定も効力を失います。以後の利用は保険給付の対象外となりうるため、利用者の移行が必要です。
Q6介護医療院もみなし指定の対象ですか?
対象です。2018年4月施行の改正で介護医療院が本条に加わり、107条第1項の開設許可があった時に短期入所療養介護等の指定があったものとみなされます。
Q7みなし指定でも運営基準は適用される?
適用されます。みなし指定であっても指定居宅サービス事業者である以上、人員・設備・運営基準や都道府県等による指導監査の対象になります。
Q8介護サービス情報の報告を怠ると許可取消になる?
介護保険法115条の35第6項により、報告命令等に従わない場合は開設許可の取消し等がありえます。取消しがあれば72条2項でみなし指定も同時に失効します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1老健を開設したら、ショートステイの指定申請は本当に出さなくていいんですか?
出さなくて構わない。第72条第1項により、開設許可の時点で短期入所療養介護等について第41条第1項の指定があったものとみなされる。ただし対象は厚生労働省令が定める種類に限られ、訪問介護や福祉用具貸与は含まれない。実務のポイント:みなし指定でも加算を算定するには体制に関する届出が別途必要で、出さなければ一円も付かない。「指定されている」と「請求できる」は全く別の話である。
Q2別段の申出を出してショートステイの指定を断ることに、何かメリットはあるんですか?
実施予定がないまま指定事業者として残ると、運営基準の適用と実地指導の射程に入り続ける。第72条第1項ただし書は、厚生労働省令の定めに従った申出でこの自動付与を外せるとする。実務のポイント:あえて外さない施設も多い。指定が残っていれば空床型ショートステイを短期間で立ち上げられ、申請待ちのない機動力が手に入るからである。将来の即応力と現在の管理負担、どちらを買うかの選択になる。
間違えやすい点 AI による整理
- みなし指定なのだから更新もみなしで自動だろう、と思われている。逆である。みなし指定には独立した有効期間がなく、母体である開設許可の6年更新に完全に寄生している。更新を落としたとき、失うのは施設許可だけだと思い込んでいると、居宅サービスの指定も同時に消えていたことに請求段階で初めて気付く。
- 別段の申出が単なる事務手続だということは多くの管理者が知っている。だが、その一枚の重さを測れている人は少ない。申出をしない限り、実際に一件もサービスを提供していなくても指定事業者として存在し続け、運営基準の適用と情報報告義務と実地指導の対象であり続ける。やっていない事業の体制を説明する立場に自分を置くかどうか、それを決める分岐点である。
- あなたから見れば老健の許可取消は「その施設の問題」だが、法律から見れば地域の在宅サービス供給者が一つ消滅する出来事である。ケアマネジャーが組んだケアプランは一斉に組み直しになり、在宅で暮らす利用者の生活は施設の不祥事と無関係に崩れる。この落差こそが、本条第2項が処分に与えている本当の重さだ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 指定の発生根拠 | 介護保険法72条:老健・介護医療院の開設許可があった時にみなし指定 | 介護保険法70条:事業者の申請に基づき都道府県知事が指定(申請主義) 介護保険法71条:病院等の保険医療機関等の指定に伴うみなし指定 |
| 対象サービス | 短期入所療養介護その他厚生労働省令で定める居宅サービス | 申請した居宅サービスの種類ごと 居宅療養管理指導など厚生労働省令で定める居宅サービス |
| 辞退・失効 | 別段の申出で辞退可。開設許可の失効・取消で同時失効 | 指定の更新・取消しは指定自体の規定に従う 別段の申出で辞退可。保険医療機関等の指定の取消し等に連動 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は長照機構の設立許可制を採るが、施設許可に連動して在宅サービスの指定を自動付与する日本型のみなし指定規定は確認できない
韓国は長期療養機関の指定制を採り、施設と在宅サービスの指定関係は同法の体系で個別に規律される
ドイツは介護金庫との供給契約(Versorgungsvertrag)による認可方式で、行政許可連動のみなし指定とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、老健の開設許可の更新期限が1か月後に迫っているのに、添付書類の不備に今日気付いたとしたら? 更新を受けないまま6年の期間が経過した瞬間、許可は効力を失い(第94条の2第1項)、同時に短期入所療養介護と通所リハビリテーションの指定も本条第2項で消える。翌日からの受け入れは保険給付の対象外になりうる。残された時間は30日、書類を揃える作業と並行して、利用者の移行先を今日から押さえておく必要がある。
- 介護サービス情報の報告を求められたまま、現場の忙しさに紛れて放置していた。都道府県知事は第115条の35第6項により、報告義務違反を理由に開設許可そのものを取り消せる。取り消された瞬間、報告義務とは何の関係もないショートステイ利用者の行き場が一斉に消える。
- 開設のとき、あなたの老健にショートステイまで回す人員の余力はなかった。それでも許可が下りた瞬間、指定居宅サービス事業者として登録され、一件も提供していないサービスについて事業者の立場を背負うことになる。厚生労働省令に従って別段の申出を出せばこの自動付与は外せるが、出さなかったという選択は、数年後の実地指導の場で「なぜ実績ゼロなのか」という形で返ってくる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 利用中の老健や介護医療院が処分を受けたと聞いたら、都道府県の指定事業者一覧で短期入所療養介護と通所リハビリテーションの指定が生きているか確認する2. 失効していればその日以降の利用は保険給付の対象外になりうる。全額自己負担の請求が来る前にケアマネジャーへ連絡し、代替事業所の確保を依頼する3. 処分前後の利用記録と請求書は必ず保管する。後日の過誤調整や返還請求の場面で、自分の負担区分を守る唯一の材料になる
訴えられた側:1. 取消や効力停止の話が出た時点で、失うのが施設許可だけでなく本条第2項によりショートステイと通所リハの指定まで同時に消えることを前提に被害想定を組む2. 不利益処分の前には行政手続法第13条の聴聞がある。ここが実質的な最後の反論機会で、弁明の質が処分の軽重を分ける3. 処分が出たら審査請求3か月、取消訴訟6か月の期限が走る4. 並行して利用者の移行先を確保する。利用者保護の実績は情状として記録に残る
時効(請求できる期限):本条自体に消滅時効はない。実務上効いてくる期限は三つ。①開設許可は6年ごとの更新(第94条の2第1項、第108条第1項)で、更新を受けずに期間が経過した瞬間にみなし指定も失効する ②許可取消等の処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法第18条第1項) ③取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法第14条第1項)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)改正、平成30年(2018年)4月1日施行 介護医療院の創設に伴い、本条に「又は介護医療院」および第107条第1項の許可が追加され、みなし指定の対象施設が拡張された。第2項の失効事由にも介護医療院関係の条文が組み込まれた
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法(平成9年法律第123号)の制定により設けられた。制度の施行は平成12年(2000年)4月1日
- 2.平成29年(2017年) 改正:介護医療院の創設に伴い、みなし指定の対象に介護医療院と第107条第1項の許可が加えられ、第2項の失効事由にも介護医療院関係の条文が組み込まれた(平成30年4月1日施行)
- 介護保険法 第41条指定居宅サービス事業者の指定の本体規定
- 介護保険法 第70条指定の申請主義、本条はその特例
- 介護保険法 第71条保険医療機関等に係る並行のみなし指定
- 介護保険法 第94条老健の開設許可、みなし指定の発生原因
- 介護保険法 第107条介護医療院の開設許可、同じく発生原因
- 行政手続法 第13条許可取消前の聴聞を義務づける一般法
- 行政不服審査法 第18条取消処分に対する審査請求期間の一般法
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