介護保険法 第83条(報告等)
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- 市町村長は、必要があると認めるときは、指定居宅介護支援事業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項において「指定居宅介護支援事業者であった者等」という。)に対し、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、指定居宅介護支援事業者若しくは当該指定に係る事業所の従業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者等に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定居宅介護支援事業者の当該指定に係る事業所、事務所その他指定居宅介護支援の事業に関係のある場所に立ち入り、その帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第二十四条第三項の規定は、前項の規定による質問又は検査について、同条第四項の規定は、前項の規定による権限について準用する。
この条文の基本情報
報告等とは何ですか?
定義報告等とは、介護保険法第83条に定められた規定で、「市町村長は、必要があると認めるときは、指定居宅介護支援事業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第83条(報告等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第83条の条文原文は「市町村長は、必要があると認めるときは、指定居宅介護支援事業者若しくは指定居宅介護支援事業者であった者若しくは当該指定に係る事業所の従業者であった者(以下この項に…」で始まります。
- 介護保険法第83条は第四節 指定居宅介護支援事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第83条の前の条は介護保険法第82条の2です。
- 介護保険法第83条の次の条は介護保険法第83条の2です。
- 介護保険法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法83条は、市町村長が指定居宅介護支援事業者や元事業者・元従業者に報告や帳簿書類の提出を命じ、職員に質問・立入検査をさせる権限を定める。
Q · 市町村からケアマネ事業所に検査の連絡が来たら、拒否できるの?
拒否できず、拒めば指定取消事由になりうる
介護保険法83条1項により、市町村長は必要と認めるとき、指定居宅介護支援事業者に報告や帳簿書類の提出を命じ、職員に立入検査や質問をさせることができます。令状や事業者の同意は要件とされていません。検査の拒否・妨害や虚偽報告は84条の指定取消事由に当たりえます。ただし2項により、職員は身分証を提示する必要があり、この権限は犯罪捜査のためのものではないとされています。
解説
役所から一本の電話が入る。「来週、事業所に伺います。過去二年分の給付管理票とサービス担当者会議の記録を揃えておいてください」。介護保険法83条が、その電話の背後で動いている。市町村長は必要があると認めるときに、指定居宅介護支援事業者へ報告や帳簿書類の提出を命じ、職員を事業所へ立ち入らせ、関係者に質問させることができる。令状はいらない。裁判所の許可もいらない。ここで見落とされやすいのが射程だ。条文は現役の事業者だけでなく「指定居宅介護支援事業者であった者」「当該指定に係る事業所の従業者であった者」を名指ししている。廃業した法人の元代表も、三年前に辞めた元ケアマネジャーも、出頭を求められる対象に入る。事業を畳めば追及が止まると考えているなら、その前提は条文の段階ですでに崩れている。
法的な位置づけ
介護保険法83条は、指定居宅介護支援事業者に対する市町村長の報告徴収・立入検査権限を定める規定である。対象には現在の事業者と従業者に加え、元事業者と元従業者も含まれ、報告命令、帳簿書類の提出・提示命令、出頭要求、質問、事業所への立入検査が認められる。2項は24条3項・4項を準用し、身分証の携帯・提示義務と、犯罪捜査のための権限ではないことを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.連絡の法的根拠を書面で確認する 市町村から連絡が来たら、83条1項に基づく監査(報告徴収・立入検査)なのか、行政指導である運営指導なのかを確認し、日時・担当者・対象期間・持参書類を書面かメールで受け取る。
- 2.対象期間の記録を棚卸しする 居宅サービス計画、サービス担当者会議の記録、モニタリング記録、給付管理票などを完結日から遡って揃える。欠落がある場合は後から作成せず、欠落として一覧にまとめる。
- 3.市町村条例の保存期間を確認する 指定居宅介護支援の運営基準は市町村条例で定められる。記録の保存期間が二年か五年かを確認し、提示範囲と照合する。
- 4.検査当日は身分証を確認し、答弁範囲を整える 職員に身分証の提示を求めたうえで対応する。記憶が確かな事実だけを答え、不確かな点は「確認して書面で回答する」と伝える。応答内容は自分でも記録する。
- 5.処分の可能性があれば弁護士に依頼する 聴き取りが特定の利用者や月に絞られ、指定取消しや返還の話が出たら、聴聞(行政手続法13条)に備えて速やかに弁護士に相談する。
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法83条とは?
市町村長が居宅介護支援事業者(ケアマネ事業所)に報告や帳簿書類の提出を命じ、立入検査や質問を行う権限を定めた条文です。
Q2ケアマネ事業所の立入検査は事前に通知されますか?
条文上、事前通知は要件ではありません。実務上は通知されることが多いものの、不正の疑いが強い場合は予告なしに行われることもあります。
Q3監査で帳簿を出さないと違法?
帳簿書類の提出・提示命令に従わないことは、84条の指定取消事由に当たりえます。罰則規定が適用される可能性もあります。
Q4廃業した居宅介護支援事業所も検査される?
対象です。83条1項は「指定居宅介護支援事業者であった者」を明記しているため、廃業後も報告命令や出頭要求を受けることがあります。
Q5退職したケアマネも出頭を求められる?
求められることがあります。「当該指定に係る事業所の従業者であった者」が対象に含まれ、条文上、退職後の期間制限は定められていません。
Q6立入検査の職員は身分証を見せる義務がある?
あります。2項で準用する24条3項により、職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があれば提示しなければなりません。
Q7ケアマネ事業所の監査は誰が行う?
2018年4月以降は市町村長です。居宅介護支援事業者の指定権限が都道府県から市町村に移ったため、窓口は市町村の介護保険担当課になります。
Q8監査の結果どうなる?
問題がなければ終了します。不正や基準違反があれば、勧告・命令、報酬の返還(22条)、指定の取消しや効力停止(84条)に進むことがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1運営指導と監査って、何がどう違うんですか?
運営指導(旧実地指導)は助言が中心の行政指導であるのに対し、監査は83条1項の報告徴収・立入検査権の行使で、84条の指定取消しや効力停止の前段階に位置する。実務のポイント:運営指導の途中で不正の疑いが濃くなると、その場で監査へ切り替わる。聞き取りが特定の利用者や特定の月に絞られ始めたら切替のサインなので、「これは監査でしょうか」と確認する。答えが変わった瞬間が、弁護士に連絡すべきタイミングである。
Q2帳簿って、何年分用意しておけばいいんですか?
基準省令では記録の保存は完結の日から二年間だが、指定居宅介護支援の基準は81条により市町村の条例に委ねられており、五年と定める自治体も多い。まず自分の市町村の条例を確認すること。実務のポイント:不正請求分の返還は公法上の債権として五年の時効で追える。省令の二年に合わせて廃棄していると、返還額を争う側の反証材料だけが先に消えた状態になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「検査を断れるのか」という問いの立て方そのものがずれている。83条は令状も相手方の同意も要求していない。事業者側が実際に設計できるのは、拒むかどうかではなく、提示する帳簿書類の範囲をどう画定するか、そしてどの時点で助言から権限行使へ切り替わったかを把握することの二点である。
- 報告拒否に罰則があることは多くの管理者が知っている。だが本当に効くのは罰金ではなく84条の指定取消しの方だ。報告命令に従わない、虚偽の報告をする、質問に答弁しない、検査を拒み妨げ忌避する。これらは取消事由としてそのまま列挙されており、罰金の額を基準に軽く見積もると、失うものの桁を読み違える。
- 現場から見れば「毎年恒例の運営指導」でも、法律から見れば83条の権限行使に切り替わった瞬間から性質が変わる。同じ職員が同じ部屋で質問を続けていても、指導は助言であり、監査は不利益処分の準備である。この落差に気付かないまま話し続けた内容が、後に処分の理由として並ぶことになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 83条:指定居宅介護支援事業者、元事業者、元従業者 | 76条:指定居宅サービス事業者等 24条:居宅サービス等を行った者等(介護給付等に関する調査) |
| 権限主体 | 市町村長 | 都道府県知事または市町村長 厚生労働大臣または都道府県知事 |
| 手続上の保障 | 24条3項・4項を準用(身分証提示、犯罪捜査目的の否定) | 同趣旨の準用規定あり 3項・4項そのものの規定 |
| 拒否した場合の帰結 | 84条の指定取消し・効力停止事由 | 77条の指定取消し・効力停止事由 罰則等(個別規定を要確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は税財源中心の長照制度で、主管機関が長照機構に対して検査・資料提出要求を行う枠組み。社会保険方式の日本とは財源構造が異なる。
韓国の老人長期療養保険は日本の介護保険を参考に2008年施行。長期療養機関への報告要求・検査の規定があり、構造は日本に近い。
ドイツは医療保険の医療審査機関(Medizinischer Dienst)等が介護施設の品質審査を行う。行政庁の直接検査より品質保証の枠組みが中心。
米国は州のサーベイ機関がMedicare/Medicaidの認証基準に基づき施設を調査し、違反には制裁金や認証取消しが科される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、来週の立入検査までにサービス担当者会議の記録が三か月分見当たらないと分かったら、どうする? 残り五日。慌てて作成して提示すれば、それは虚偽の帳簿書類の提示となり、84条の指定取消事由に直接ぶつかる。ない記録は「ない」と申告する方が、結果として傷は浅い。
- 二年前に退職した元管理者のもとへ、市町村から出頭の依頼が届く。当時の給付管理の経緯を聞きたいという。転職先には関係のない話だが、83条1項の条文上、あなたは対象者に含まれている。
- 母のケアマネジャーが、実際には訪問していない月の記録を作っていた形跡がある。家族であるあなたが市町村の介護保険担当課へ情報提供すると、83条の報告徴収と立入検査が動き出すことがある。通報者の氏名は原則として事業者に開示されないが、情報の中身から誰が出したか推測されうる点は、動く前に家族で共有しておく必要がある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 疑わしい請求や未実施サービスは、日付と内容をメモに残し、サービス利用票・提供票の写しを確保する2. 市町村の介護保険担当課へ情報提供する。83条の権限者は市町村長なので、窓口は都道府県ではなく市町村である3. 支払済み費用の返還を求めたい場合は、22条1項の不正利得の徴収が適用されるか市町村に確認する4. 通報者名は原則非開示だが内容から特定されうるため、家族で方針を揃えてから動く
訴えられた側:1. 連絡が来たら根拠が83条1項の検査か運営指導かを確認し、日時・出席者・持参書類を書面で受け取る2. 記録は完結日から遡って揃え、欠落は欠落のまま申告する。後付けの作成は84条の取消事由である虚偽報告に直結する3. 答弁は記憶が確かな範囲に限り、不確かな点はその場で断定せず後日書面で回答すると述べる4. 監査へ切り替わったら、聴聞(行政手続法13条)を見据えて弁護士に着手を依頼する
時効(請求できる期限):83条の権限行使そのものに法定の期限はない。ただし記録の保存義務が遡及できる範囲を事実上決めており、基準省令では完結の日から二年、市町村条例で五年と定める自治体も少なくない。不正請求分の返還は公法上の債権として五年(地方自治法236条)。検査の結果として指定取消処分を受けた場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から三か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は六か月以内(行政事件訴訟法14条)。
学説
行政調査論(通説的理解):行政調査は刑事手続ではないが、実質上刑事責任追及の資料収集に直結する作用を一般的に有する場合には、憲法35条・38条の保障が及びうる。83条2項が24条4項を準用して犯罪捜査目的を否定するのは、この緊張を条文上で調整するためとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成30年(2018年)4月1日施行 居宅介護支援事業者の指定・監督権限が都道府県知事から市町村長へ移譲され、本条の権限主体も市町村長となった。窓口と条例基準が自治体ごとに分かれる状態はここから始まっている
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定(平成9年法律第123号、2000年4月施行)により、指定居宅介護支援事業者に対する報告徴収・立入検査の規定として設けられた。
- 2.平成26年(2014年) 改正:居宅介護支援事業者の指定・監督権限を都道府県知事から市町村長へ移譲(2018年4月1日施行)。本条の権限主体が市町村長となった。
- 介護保険法 第24条2項が準用する身分証提示義務と犯罪捜査否定
- 介護保険法 第84条報告拒否・虚偽報告・検査忌避が指定取消事由
- 介護保険法 第83条の2検査後の勧告・命令へ接続する段階(現行効力を要確認)
- 介護保険法 第76条指定居宅サービス事業者に対する同趣旨の報告等
- 介護保険法 第22条検査で判明した不正請求分の返還と加算徴収
- 行政手続法 第13条指定取消し等の不利益処分に必要な聴聞手続
- 個人情報の保護に関する法律 第27条法令に基づく提示は本人同意不要とする根拠
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