介護保険法 第84条(指定の取消し等)
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- 市町村長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定居宅介護支援事業者に係る第四十六条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
- 一指定居宅介護支援事業者が、第七十九条第二項第三号の二から第四号の二まで、第八号(同項第四号の三に該当する者のあるものであるときを除く。)又は第九号(同項第四号の三に該当する者であるときを除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
- 二指定居宅介護支援事業者が、当該指定に係る事業所の介護支援専門員の人員について、第八十一条第一項の市町村の条例で定める員数を満たすことができなくなったとき。
- 三指定居宅介護支援事業者が、第八十一条第二項に規定する指定居宅介護支援の事業の運営に関する基準に従って適正な指定居宅介護支援の事業の運営をすることができなくなったとき。
- 四指定居宅介護支援事業者が、第八十一条第六項に規定する義務に違反したと認められるとき。
- 五第二十八条第五項の規定により調査の委託を受けた場合において、当該調査の結果について虚偽の報告をしたとき。
- 六居宅介護サービス計画費の請求に関し不正があったとき。
- 七指定居宅介護支援事業者が、第八十三条第一項の規定により報告又は帳簿書類の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 八指定居宅介護支援事業者又は当該指定に係る事業所の従業者が、第八十三条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定に係る事業所の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定居宅介護支援事業者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
- 九指定居宅介護支援事業者が、不正の手段により第四十六条第一項の指定を受けたとき。
- 十前各号に掲げる場合のほか、指定居宅介護支援事業者が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
- 十一前各号に掲げる場合のほか、指定居宅介護支援事業者が、居宅サービス等に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
- 十二指定居宅介護支援事業者の役員等のうちに、指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に居宅サービス等に関し不正又は著しく不当な行為をした者があるとき。
- 2.市町村長は、保険給付に係る指定居宅介護支援又は第二十八条第五項の規定により委託した調査を行った指定居宅介護支援事業者(他の市町村長が第四十六条第一項の指定をした者に限る。)について、前項各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該他の市町村長に通知しなければならない。
この条文の基本情報
指定の取消し等とは何ですか?
定義指定の取消し等とは、介護保険法第84条に定められた規定で、「市町村長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定居宅介護支援事業者に係る第四十六条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第84条(指定の取消し等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第84条の条文原文は「市町村長は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該指定居宅介護支援事業者に係る第四十六条第一項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは…」で始まります。
- 介護保険法第84条は第四節 指定居宅介護支援事業者に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第84条の前の条は介護保険法第83条の2です。
- 介護保険法第84条の次の条は介護保険法第85条です。
- 介護保険法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法84条は、人員基準割れや不正請求など13の事由に該当した指定居宅介護支援事業者について、市町村長が指定の取消しまたは期間を定めた効力停止をできると定める。
Q · ケアマネ事業所が指定取消しになるのはどんなとき?
人員基準割れや不正請求など法定13事由に該当したとき
介護保険法84条1項は、指定居宅介護支援事業者が介護支援専門員の員数を満たせなくなったとき(2号)、運営基準どおりに運営できなくなったとき(3号)、居宅介護サービス計画費の請求に不正があったとき(6号)、報告命令や立入検査を拒んだとき(7号・8号)など13の事由を定めています。いずれかに該当すると、市町村長は指定の取消しか、期間を定めた効力の全部または一部の停止を選べます。取消しを受けると原則5年間は再指定を受けられません。
解説
十三個の号が縦に並ぶ長い条文だが、事業者にとっての意味は一つ、市町村長があなたの事業所の指定を消せる引き金が十三本あるということだ。人員基準を割った(2号)、運営基準どおりに運営できなくなった(3号)、居宅介護サービス計画費の請求に不正があった(6号)、立入検査を拒んだ(8号)。どれか一本でも引かれれば、市町村長は指定取消しか、期間を定めた効力の全部または一部停止かを選ぶ。この二択の差が決定的で、取消しなら第79条第2項の欠格に落ち、原則5年間は再び指定を受けられない。効力停止なら指定そのものは生き残る。さらに12号は、あなた自身が何もしていなくても、前5年以内に居宅サービス等に関し不正または著しく不当な行為をした人物を役員に迎えただけで該当すると書いてある。引き金は、あなたの手の届かない過去にも仕込まれている。
法的な位置づけ
介護保険法第84条は、指定居宅介護支援事業者に対する行政処分の根拠規定であり、同条第1項各号に列挙された13の事由のいずれかに該当する場合、市町村長が第46条第1項の指定を取り消し、または期間を定めて指定の全部若しくは一部の効力を停止できる旨を定める。第2項は他市町村長が指定した事業者に関する通知義務を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1居宅介護支援事業所の指定取消しとは?
市町村長が介護保険法84条に基づき、ケアマネ事業所の指定を失わせる処分です。取消し後は介護保険の居宅介護支援として報酬を請求できなくなります。
Q2ケアマネ事業所の指定取消し 誰が決める?
平成30年4月以降は市町村長です。それ以前は都道府県知事の権限でしたが、平成26年改正で市町村へ移譲されました。
Q3指定取消し 何年 再指定できない?
取消しの日から原則5年間は再指定を受けられません(介護保険法79条2項の欠格事由)。役員個人にも同じ制限が及ぶ点に注意が必要です。
Q4介護支援専門員が退職したら指定取消しになる?
直ちに取消しではありませんが、条例で定める員数を満たせない状態が続くと84条1項2号に該当します。速やかな補充と市町村への相談が必要です。
Q5効力停止と指定取消しの違いは?
効力停止は期間を定めて指定の全部または一部を止める処分で、指定自体は残ります。取消しは指定が消え、5年間の欠格に直結します。
Q6指定取消しは公表される?
指定の取消しや効力停止をしたときは、市町村長がその旨を公示する運用がとられています。事業所名が公になるため利用者離れに直結します。
Q7指定取消し前に反論できる?
できます。取消処分の前には行政手続法13条1項1号イにより聴聞が行われ、事業者は意見を述べ、証拠書類を提出できます。
Q8役員の過去の不正で指定取消しになる?
なり得ます。84条1項12号は、役員等に処分しようとする時点の前5年以内に居宅サービス等に関し不正または著しく不当な行為をした者がいる場合を定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実地指導と監査って、結局なにが違うんですか?
実地指導は改善を促す行政指導の場、監査は不正の疑いを前提に事実を確定しに来る手続で、指導の途中で著しい問題が出れば当日でも監査に切り替わる。84条の取消しにつながるのは監査ルートだ。実務のポイント:実地指導で任意に出した資料は、そのまま監査の証拠として使われる。最初の一枚から事実に忠実にしておくことが最大の防御で、第83条第1項の虚偽報告は7号で単独の取消事由になる
Q2取消しの話が出た時点で、もう終わりということですか?
処分の前に聴聞(行政手続法第13条第1項第1号イ)がある。実質的な勝負はそこで、処分後は審査請求3か月、取消訴訟6か月で争えるが、公示された事業所に利用者は戻ってこない。実務のポイント:聴聞では行政手続法第18条の文書閲覧請求ができ、行政側の証拠と処分理由を事前に読める。これを請求しないまま当日に臨み、何に反論すべきか分からず終わる事業者が非常に多い
Q3取消しになるか効力停止で済むかは、誰がどう決めるんですか?
市町村長の裁量。1項柱書が「取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止する」と選択肢を並べており、組織的関与の有無、継続期間、金額、返還の状況、改善の実効性で分かれる。実務のポイント:全面否認で押し切るより、事実は認めたうえで組織的関与がないことと再発防止体制を具体的に示す方が、一部効力停止に落ちやすい。争点は有罪無罪ではなく処分の重さの側にある
間違えやすい点 AI による整理
- 「悪質でなければ取り消されない」という問いの立て方そのものがずれている。1項が並べているのは悪質性の程度ではなく、状態と行為の類型だ。2号の人員基準割れのように、誰も騙していなくても該当する号がある。問うべきは「うちは悪質か」ではなく「十三本のどれに今触れているか」である
- 指定取消しが重い処分であることは誰でも知っている。だが重さの正体を知る人は少ない。取消しは第79条第2項の欠格に直結し、原則5年間は再指定を受けられず、その5年は法人だけでなく役員個人にも張り付く。事業所を一つ畳んで別法人で再起する、という出口設計が同時に塞がれる
- あなたから見れば、検査の場で調査員に食ってかかったのは職員個人の失態だ。だが8号は、その行為を事業者の行為として扱う。但書で切り離せるのは、相当の注意及び監督を尽くした証拠を出せた場合だけ。個人の一日の感情が法人の生死に変換される、この落差が事業者を潰す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 介護保険法84条:指定後の事後的な取消し・効力停止 | 介護保険法79条:指定の申請段階での欠格事由 介護保険法83条:報告徴収・立入検査などの調査権限 |
| 発動のタイミング | 指定を受けた後に13号のいずれかに該当したとき | 新規指定・更新の審査時 市町村長が必要と認めたとき(処分の前段階) |
| 事業者への効果 | 指定の消滅または期間を定めた全部・一部停止 | 指定を受けられない(取消し後は原則5年) 報告・出頭・検査に応じる義務(拒否は84条7号・8号へ) |
| 両条文のつながり | 1号が79条2項の欠格事由を取消事由として引用 | 84条の取消しが次の申請時の欠格事由になる 83条の手続違反そのものが84条の取消事由になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では長照機構の設立許可と罰則を長照服務法が一元的に規律し、主管機関が停業・廃止許可などの処分を行う。日本のような居宅介護支援の独立した指定制度はない
韓国の老人長期療養保険は日本の介護保険を参考に設計され、長期療養機関の指定取消し・業務停止を市長・郡守・区庁長が行う構造も類似する
ドイツでは行政処分ではなく、介護金庫と事業者の間の供給契約(Versorgungsvertrag)の解約という契約法的構成をとる点が日本と異なる
米国の Medicare/Medicaid では、民事制裁金、新規入所者への支払停止、参加資格の終了など段階的な enforcement remedies が用意されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実地指導の通知が届き、資料の提出期限まであと10日。過去2年分の給付管理票とサービス提供票の突合を求められたとしたら、何から手をつける? 6号の請求の不正は、詐取の意図がなくても算定要件を満たさない加算の積み上げで認定されうる。しかも返還だけでは終わらず、第22条第3項により返還額の4割が上乗せされる
- 主任介護支援専門員が辞めた。後任が決まらないまま2か月が過ぎた。2号の人員基準割れは、その日から静かに進行している
- 立入検査の当日、古株の職員が調査員に「その記録は見せられない」と言い放った。8号の引き金が引かれる。ただしこの号にだけ但書があり、日頃の研修記録と指示文書で相当の注意及び監督を尽くしたと示せれば、事業者は射程から外れる。証拠は事件が起きた後には作れない
- 別法人で介護報酬の不正請求に関わった人物を、営業力を買って取締役に迎えた。登記した瞬間、12号の状態が完成する。介護事業所を買収する側なら、財務デューデリジェンスより先に役員の処分歴を洗うべき理由がここにある
- 担当の介護支援専門員が、系列のデイサービスばかりをケアプランに並べてくる。利用者の家族が市町村の介護保険担当課に伝えると、第81条第6項の義務違反や11号の著しく不当な行為として調査の端緒になる。その事業所が隣の市の指定でも、2項により指定した市町村長へ通知が回る
取るべき行動
被害を受けた側:利用者または家族として囲い込みや不適切なケアプランに気付いた場合、1. 担当者会議の記録、サービス提供票、変更を求めた際のやり取りを日付付きで残す2. 市町村の介護保険担当課(指定権者)へ事実を時系列で伝える。第81条第6項違反や11号の該当性は行政が判断する3. その事業所が他市町村の指定でも、2項により指定権者へ通知が回るので、まず自分の市町村に出せばよい4. 過払いや不正請求が疑われるなら、返還と第22条第3項の加算金は保険者が動かす領域であり、あなたは事実の提供に集中する
訴えられた側:1. 監査通知を受けたら、事実と異なる辻褄合わせを絶対にしない。第83条第1項の虚偽報告は7号でそれ自体が独立の取消事由になり、本体の疑いより先に致命傷になる2. 十三号のどれを前提にした調査かを担当者に確認し、該当号ごとに反証の材料を分ける3. 従業者の行為が問題なら、8号但書に賭けて研修記録と監督体制の資料を整える4. 聴聞通知が来たら行政手続法第18条で文書閲覧を請求し、争点を先に把握する5. 交渉の実質は有罪無罪ではなく、取消しか一部効力停止かの分岐である
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはないが、12号は処分をしようとするときから前5年以内の行為を拾う。処分を受けた後は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法第18条第1項)、取消訴訟が6か月(行政事件訴訟法第14条第1項)。執行停止の申立ては訴え提起後でなければできない(同法第25条第2項)。取消しを受けると第79条第2項により原則5年間は再指定を受けられない
学説
通説:本条の処分選択は市町村長の裁量に委ねられるが、違反の程度に比して過大な処分は裁量権の逸脱・濫用として違法となり得る(行政事件訴訟法30条)。取消しと効力停止の選択にあたっては比例原則が働く
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成30年(2018年)4月1日施行 居宅介護支援事業者の指定および指定取消しの権限が都道府県知事から市町村長へ移譲され、本条の処分権者が市町村長となった。あわせて2項の他市町村長への通知の仕組みが機能する構造になった。号の追加・整理を含む他の改正履歴は未照合のため、改正回数は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 新設:介護保険法制定(平成9年法律第123号)。指定居宅介護支援事業者の指定取消しの規定が設けられた。施行は平成12年(2000年)4月1日
- 2.平成26年(2014年) 改正:居宅介護支援事業者の指定・指定取消しの権限を都道府県知事から市町村長へ移譲。平成30年(2018年)4月1日施行
- 介護保険法 第46条取消しの対象となる指定の根拠
- 介護保険法 第79条1号が引用する欠格事由の本体
- 介護保険法 第81条2号から4号が違反を測る基準
- 介護保険法 第83条報告徴収と立入検査、7号8号の前提
- 介護保険法 第22条不正請求の返還と4割の加算金
- 行政手続法 第13条取消処分前の聴聞の実施義務
- 行政手続法 第18条聴聞における文書閲覧請求権
- 行政事件訴訟法 第25条取消訴訟提起後の執行停止
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