介護保険法 第89条の2(都道府県知事等による連絡調整又は援助)
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- 都道府県知事又は市町村長は、指定介護老人福祉施設の開設者による第八十八条第五項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該指定介護老人福祉施設の開設者及び他の指定介護老人福祉施設の開設者その他の関係者相互間の連絡調整又は当該指定介護老人福祉施設の開設者及び当該関係者に対する助言その他の援助を行うことができる。
- 2.厚生労働大臣は、同一の指定介護老人福祉施設の開設者について二以上の都道府県知事が前項の規定による連絡調整又は援助を行う場合において、当該指定介護老人福祉施設の開設者による第八十八条第五項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該都道府県知事相互間の連絡調整又は当該指定介護老人福祉施設の開設者に対する都道府県の区域を超えた広域的な見地からの助言その他の援助を行うことができる。
この条文の基本情報
都道府県知事等による連絡調整又は援助とは何ですか?
定義都道府県知事等による連絡調整又は援助とは、介護保険法第89条の2に定められた規定で、「都道府県知事又は市町村長は、指定介護老人福祉施設の開設者による第八十八条第五項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該指定介護老人…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第89条の2(都道府県知事等による連絡調整又は援助)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第89条の2の条文原文は「都道府県知事又は市町村長は、指定介護老人福祉施設の開設者による第八十八条第五項に規定する便宜の提供が円滑に行われるため必要があると認めるときは、当該指定介護老人…」で始まります。
- 介護保険法第89条の2は第一款 指定介護老人福祉施設に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第89条の2の前の条は介護保険法第89条です。
- 介護保険法第89条の2の次の条は介護保険法第90条です。
- 介護保険法第89条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第89条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第89条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/89_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法89条の2は、特養の開設者が入居者のために行う便宜提供が円滑に進むよう、都道府県知事・市町村長が連絡調整や援助を行える権限を定める。
Q · 特養が閉鎖することになったら、行政は入居者の転居先探しを手伝ってくれるの?
手伝える権限はあるが、動かすには書面での申し入れが有効
介護保険法89条の2により、都道府県知事や市町村長は、特養の開設者が88条5項に基づいて行う便宜提供(他施設との連絡調整など)が円滑に進むよう、関係者間の連絡調整や助言その他の援助を行うことができます。複数の都道府県にまたがる法人なら厚生労働大臣も広域調整に入れます。ただし「できる」規定のため、家族や施設側から条文番号を示して書面で要請することが実務上の起点になります。
解説
特別養護老人ホームが「もう続けられません」と閉鎖を決めたとき、そこに入居している数十名の高齢者はどこへ行くのか。この問いに答えているのが、介護保険法88条5項と、それを動かすための本条である。88条5項は、指定を辞退したり取り消されたりする施設の開設者に対し、入居者が引き続き必要なサービスを受けられるよう、他の施設との連絡調整その他の便宜を提供する義務を課している。ただし義務があるだけでは動かない。潰れかけの施設に、他施設への転居先を探す余力はほとんどない。そこで本条は、都道府県知事と市町村長に「関係者相互間の連絡調整」「助言その他の援助」という権限を与えた。さらに2項は、同じ開設者が複数の都道府県にまたがって施設を持つ場合、厚生労働大臣が知事同士の調整に入ることを認めている。全国展開する社会福祉法人が経営破綻したとき、県境で調整が止まらないための仕組みだ。あなたの親が入居している施設に何かあったとき、行政が動ける法的根拠がここにある。
法的な位置づけ
介護保険法89条の2は、指定介護老人福祉施設の開設者が負う便宜提供義務(同法88条5項)の円滑な履行を確保するため、都道府県知事または市町村長に関係者相互間の連絡調整および助言その他の援助を行う権限を付与し、同一開設者について二以上の都道府県知事が関与する場合には、厚生労働大臣に広域的見地からの連絡調整・援助の権限を付与する規定である。
手順
- 1.施設に便宜提供の内容を書面で照会 閉鎖や指定辞退の情報を得たら、施設の開設者に対し、介護保険法88条5項に基づく便宜提供の具体的内容(転居先候補、調整状況、スケジュール)を書面で照会する
- 2.市町村・都道府県に調整を要請 施設の回答が曖昧または不十分な場合、市町村の介護保険担当課と都道府県の高齢者福祉担当課に、介護保険法89条の2第1項に基づく連絡調整・援助を求める旨を書面で申し入れる
- 3.運営法人の他県施設を確認し広域調整を検討 介護サービス情報公表システム等で運営法人が他の都道府県にも施設を持っているか確認し、該当すれば厚生労働省老健局に89条の2第2項の広域調整を申し入れる
- 4.ケアマネジャー・地域包括支援センターと代替策を複線で確保 行政・施設の調整と並行して、ケアマネジャーや地域包括支援センターに状況を共有し、他の特養、老健、有料老人ホーム、在宅サービスなどの選択肢を確保しておく
よくある質問 AI による整理
Q1介護保険法89条の2とは?
特養が指定を辞退する際、開設者の便宜提供が円滑に進むよう、都道府県知事・市町村長が関係者間の連絡調整や援助を行える権限を定めた条文です。
Q2特養 閉鎖 入居者 どうなる?
開設者には他施設との連絡調整などの便宜提供義務(介護保険法88条5項)があり、行政も89条の2に基づき調整・援助に入れます。家族だけで抱え込む必要はありません。
Q3特養 閉鎖 相談先はどこ?
市町村の介護保険担当課と都道府県の高齢者福祉担当課が窓口です。複数県で施設を運営する法人の場合は厚生労働省老健局も対象になります。
Q4特養の閉鎖は何か月前に知らされる?
指定の辞退には介護保険法91条で1か月以上の予告期間が必要です。この期間が転居調整の実質的なタイムリミットになります。
Q5行政が動いてくれないのは違法?
89条の2は「行うことができる」という裁量規定のため、不作為を直ちに違法と争うのは難しいです。書面での具体的な要請が現実的な手段です。
Q6特養の便宜提供義務とは?
指定を辞退する開設者が、サービス継続を希望する入居者のために他施設との連絡調整などを行う義務です(介護保険法88条5項)。
Q7厚生労働大臣が調整に入るのはどんなとき?
同一の開設者について二以上の都道府県知事が連絡調整・援助を行う場合で、広域的な調整が必要と認めるときです(89条の2第2項)。
Q8特養 閉鎖 家族ができることは?
施設に便宜提供の内容を書面で照会し、不十分なら市町村・都道府県に89条の2に基づく調整を書面で要請します。ケアマネジャーとの情報共有も並行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入っている特養が潰れそうだと聞きました。行政に相談したら本当に動いてくれるんですか?
本条は都道府県知事・市町村長に連絡調整と助言その他の援助の権限を与えているが、「行うことができる」という裁量規定であり、必ず動く義務とまでは書かれていない。まず動くべきは施設の開設者で、88条5項が便宜提供を義務付けている。実務のポイント:行政が裁量を発動するかどうかは、記録に残る形の申し入れがあるかで実務上かなり変わる。電話相談だけでは担当者のメモで終わるが、書面で条文番号を挙げて照会すると、庁内で決裁を通さざるを得なくなる。
Q2施設側が『次の施設は各自で探してください』と言ってきました。これは違法ですか?
88条5項は開設者に対し、引き続き必要な介護サービスを受けられるよう、他の施設との連絡調整その他の便宜提供を義務付けている。「各自で探せ」という突き放しは、この義務を果たしていない疑いがある。実務のポイント:この場面で効くのは家族個人のクレームではなく、指定権者(都道府県または市町村)への通報である。指定介護老人福祉施設は指定権者の監督下にあり、義務違反は指導・監査の対象になる。「家族が困っている」ではなく「88条5項の義務履行に疑義がある」という言い方をすると、担当課の受け止め方が変わる。
Q32項の厚生労働大臣の調整って、実際に発動することあるんですか?
同一の開設者について二以上の都道府県知事が調整を行う場合が要件なので、全国または複数県で施設を展開する法人が破綻・撤退する場面が典型である。単一県内の一施設の閉鎖では対象にならない。実務のポイント:法人の運営施設一覧は各都道府県の指定事業者情報公表システムや法人の現況報告書で確認できる。親の入っている施設の運営法人が他県にも施設を持っていると分かれば、1項ではなく2項の土俵に乗せる交渉ができる。この事実確認を先にやっておくかどうかで、交渉の入り口が変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「施設が閉鎖されたら家族が次を探すしかない」と多くの人が信じているが、そもそも問いの立て方が違う。法律上の第一義務者は施設の開設者(88条5項)であり、行政は調整と援助の権限を持つ。家族が最初にすべきことは「次の施設を探す」ではなく「開設者の便宜提供義務が果たされているかを確認し、果たされていなければ行政に動いてもらう」ことである。
- 行政が介入してくれることは知っていても、「行うことができる」という文言の意味の軽さを見落としている人が多い。これは裁量権限であって、法的な作為義務ではない。行政が動かないこと自体を直ちに違法と争うのは難しい。だからこそ、家族や施設側からの具体的な申し入れ、記録に残る形での要請が、裁量を実際に動かす唯一の現実的な手段になる。
- 本条を「施設向けの行政手続規定で、利用者には関係ない」と読み飛ばす人が多い。だが行政が持つ権限の一覧は、そのまま市民が行政に要求できることの一覧でもある。条文に書かれていない援助を役所に求めても断られるが、書かれている援助を求めれば、役所は「権限がない」とは言えなくなる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰の規定か | 89条の2:都道府県知事・市町村長(2項は厚生労働大臣)の権限 | 88条5項:施設開設者の便宜提供義務 91条:開設者による指定の辞退 |
| 法的性格 | 「行うことができる」裁量権限 | 「行わなければならない」作為義務 1か月以上の予告期間を要する手続 |
| 入居者・家族にとっての使い方 | 行政に連絡調整・援助を要請する根拠 | 施設に転居先調整を求める根拠 調整に使える時間の目安を知る根拠 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも長期照顧機構の停業・歇業時に入住者の安置を求める仕組みがあり、主管機関が関与する点で日本と問題意識を共有する
韓国では長期療養機関の廃業時に申告義務と受給者の権益保護措置が定められ、自治体が確認に関与する
米国ではナーシングホーム閉鎖時に管理者が事前通知と入居者移転計画を提出し、州が移転を監督する仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が入っている特養から「来年度末で閉鎖します」という通知が届いた。残された時間で次の施設を探すのは家族の仕事だと思い込んでいないか。施設側には88条5項の便宜提供義務があり、都道府県には本条に基づく連絡調整の権限がある。家族が単独で奔走する前に、まず県の介護保険担当課と市町村の介護保険課に「88条5項の便宜提供は適切に行われているか」と照会する。この一言で行政側の対応の温度が変わる。
- もしあなたが特養を運営する社会福祉法人の理事で、資金繰りが限界に来ているとしたら? 指定辞退を申し出る前に、都道府県に本条の援助を求めるルートがある。行政は「勝手に潰れるな」とは言えるが、同時に調整の実働も担う建前になっている。相談の順番を間違えると、指定取消という不名誉な形になり、理事個人の責任追及の可能性が上がる。
- 複数県にまたがって特養を運営する法人が経営破綻。A 県と B 県で対応方針がバラバラになり、入居者の転居先確保に温度差が出た。2項はこの場面のためにある。家族側から厚生労働省の老健局に「二以上の都道府県にまたがる案件として89条の2第2項の対象ではないか」と申し入れる選択肢がある。
- 自治体の介護保険担当に配属された初年度の職員。施設から「辞退したい」と相談が来た。何ができて何ができないか。本条は援助の権限を与えるが、義務とは書いていない。「行うことができる」という文言の重さを、その場で理解しているかどうかで、入居者の行き先が決まる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 閉鎖・指定辞退の情報を得たら、施設に対し88条5項の便宜提供の具体的内容(転居先候補、調整状況、スケジュール)を書面で照会する2. 回答が曖昧または不誠実なら、市町村の介護保険担当課と都道府県の高齢者福祉担当課に、本条に基づく連絡調整・援助を求める旨を書面で申し入れる3. 法人が複数県で施設を運営している場合は2項を明示し、厚生労働省老健局への申し入れも検討4. 並行してケアマネジャーと地域包括支援センターに状況を共有し、代替サービス(他の特養、老健、有料老人ホーム、在宅サービス)の選択肢を複線で確保しておく
訴えられた側:1. 開設者として指定辞退や廃止を検討する段階で、正式な届出の前に都道府県へ事前相談し、本条の援助を要請する2. 88条5項の便宜提供は義務であり、これを怠ると指定取消事由や社会福祉法人としての指導監査上の問題になりうる。入居者ごとの転居調整の記録を残す3. 他法人への事業譲渡、施設の引き受け手探しは、行政の連絡調整を通した方が候補が広がる4. 職員の雇用問題(労働契約承継、解雇予告)は別軸で同時進行する。入居者対応だけに集中すると労働法上のリスクが後から来る
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし指定介護老人福祉施設の指定辞退は原則として予告期間が必要であり(介護保険法91条、施設の廃止・休止の届出は原則1か月前まで、介護保険法92条1項)、この期間が実質的な調整のタイムリミットになる。行政の不作為を争う場合は、行政不服審査法の審査請求期間(処分を知った日の翌日から3か月)や行政事件訴訟法の出訴期間(6か月)が関係するが、本条の援助は処分性が認められにくい点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
- 介護保険法 第88条5項の便宜提供義務が本条の発動前提
- 介護保険法 第91条指定の辞退、本条が想定する局面
- 介護保険法 第92条施設の廃止・休止等の届出義務
- 介護保険法 第92条指定の取消し・効力停止の事由
- 老人福祉法 第20条特別養護老人ホームの設置根拠と措置権
- 社会福祉法 第62条社会福祉施設の設置認可と監督
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