介護保険法 第91条の2(勧告、命令等)
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- 都道府県知事は、指定介護老人福祉施設が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定介護老人福祉施設の開設者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号に定める措置をとるべきことを勧告することができる。
- 一その行う指定介護福祉施設サービスに従事する従業者の人員について第八十八条第一項の都道府県の条例で定める員数を満たしていない場合当該都道府県の条例で定める員数を満たすこと。
- 二第八十八条第二項に規定する指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定介護老人福祉施設の運営をしていない場合当該指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準に従って適正な指定介護老人福祉施設の運営をすること。
- 三第八十八条第五項に規定する便宜の提供を適正に行っていない場合当該便宜の提供を適正に行うこと。
- 2.都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定介護老人福祉施設の開設者が同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
- 3.都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた指定介護老人福祉施設の開設者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該指定介護老人福祉施設の開設者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
- 4.都道府県知事は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。
- 5.市町村は、保険給付に係る指定介護福祉施設サービスを行った指定介護老人福祉施設について、第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を当該指定介護老人福祉施設の所在地の都道府県知事に通知しなければならない。
この条文の基本情報
勧告、命令等とは何ですか?
定義勧告、命令等とは、介護保険法第91条の2に定められた規定で、「都道府県知事は、指定介護老人福祉施設が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定介護老人福祉施設の開設者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号に定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第91条の2(勧告、命令等)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第91条の2の条文原文は「都道府県知事は、指定介護老人福祉施設が、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定介護老人福祉施設の開設者に対し、期限を定めて、それぞれ当該各号に定…」で始まります。
- 介護保険法第91条の2は第一款 指定介護老人福祉施設に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第91条の2の前の条は介護保険法第91条です。
- 介護保険法第91条の2の次の条は介護保険法第92条です。
- 介護保険法第91条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第91条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第91条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/91_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法91条の2は、特養が人員・運営基準等に違反する場合に都道府県知事が勧告でき、期限内に従わなければ公表、正当な理由なく措置をとらなければ命令できると定める。
Q · 特養の人手不足や基準違反は、どこに言えば行政が動くの?
市町村に申し出れば、知事への通知義務が生じる
介護保険法91条の2第5項により、市町村は特養が人員基準(88条1項)、設備運営基準(88条2項)、便宜提供義務(88条5項)のいずれかに違反すると認めたとき、都道府県知事に通知しなければなりません。知事は期限付きで勧告し、従わなければ公表、正当な理由なく措置をとらなければ命令・公示できます。日付や人数など、各号に当てはまる具体的事実を添えて申し出ることが重要です。
解説
特別養護老人ホームで職員が足りていない。あなたの親が入居しているその施設で、夜勤帯に一人しかいない。家族会で指摘しても「基準は満たしています」と返される。だが介護保険法91条の2は、都道府県知事に三段階の武器を与えている。第一段が勧告、第二段が「従わなかった事実の公表」、第三段が命令と公示である。ここで見落とされているのが第5項だ。市町村は、保険給付の対象となった施設に人員不足や運営基準違反があると認めたとき、都道府県知事に通知しなければならない。義務である。つまりあなたが市役所の介護保険課に具体的な事実を持ち込めば、市町村は握りつぶせない建て付けになっている。都道府県庁は遠いが、市役所は近い。その距離の差が、この条文の使い道を決める。
法的な位置づけ
介護保険法91条の2は、指定介護老人福祉施設に対する都道府県知事の是正権限を定める規定である。人員基準の未達、設備運営基準違反、指定辞退時の便宜提供の不適正を事由として期限付きの勧告を行い、期限内の不従時の公表、正当な理由のない不履行への命令とその公示を段階的に定め、市町村に知事への通知義務を課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事実を日付単位で記録する 面会日時、その時間帯の職員数、対応の遅れや内容を記録する。人員基準(1号)、設備運営基準(2号)、便宜提供(3号)のどれに当たる事実かを意識して整理する
- 2.施設の苦情窓口に書面で申し出る まず施設の苦情受付窓口に具体的事実を示して改善を求め、回答を書面で求める。施設内で是正されれば行政手続に進む必要はない
- 3.市町村の介護保険担当課へ申し出る 改善がなければ市町村の介護保険担当課に、日時・人数などの事実を添えて申し出る。市町村は第1項各号の該当を認めれば、第5項により都道府県知事へ通知する義務を負う
- 4.別経路の救済を並行して検討する 国民健康保険団体連合会の苦情処理(法176条)を並行して利用する。虐待の疑いがある場合は高齢者虐待防止法に基づく通報に切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1特養の人員基準違反とは何ですか?
都道府県の条例(介護保険法88条1項)で定める従業者の員数を満たしていない状態です。91条の2第1項1号の勧告事由となり、知事は員数を満たすよう勧告できます。
Q2特養の勧告・命令の公表はどこで見られますか?
勧告不従時の公表(第2項)や命令の公示(第4項)は、施設所在地の都道府県が行います。都道府県の介護保険担当部署のウェブサイトや公報を確認するのが基本です。
Q3特養への勧告に期限はありますか?
あります。第1項は知事が「期限を定めて」勧告すると規定しています。期限は個別の勧告書で定められ、期限内に従わなければ第2項の公表が可能になります。
Q4特養の基準違反を市役所に通報できる?
できます。市町村は保険者として、第1項各号の該当事実を認めたとき都道府県知事へ通知する義務を負います(第5項)。具体的な日時・人数を添えると判断されやすくなります。
Q5特養が勧告を無視したらどうなる?
期限内に従わなければ知事は施設名等を公表でき(第2項)、正当な理由なく措置をとらなければ命令できます(第3項)。命令は公示され、さらに92条の取消等につながり得ます。
Q6特養の命令に不服があるときは?
第3項の命令は行政処分として審査請求や取消訴訟の対象になり得ます。審査請求は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内です。
Q7特養の指定取消は何条ですか?
介護保険法92条です。91条の2の勧告・命令は是正を促す段階の措置であり、指定の取消や効力停止は別条に定められた最終段階の処分です。
Q8特養の便宜提供義務違反とは?
88条5項が定める、指定辞退時に入所者が必要なサービスを継続して受けられるよう連絡調整等を行う義務を怠る場合です。第1項3号の勧告事由になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1施設に苦情を言うと、親への対応が悪くなりませんか?
だからこそ第5項の経路がある。市町村への申し出は施設への直接対決ではなく、行政の内部手続として処理される。介護保険法91条の2第5項は市町村に都道府県知事への通知義務を課しており、申出人が前面に出る構造ではない。実務のポイント:市町村の実地指導は事前通知型が原則だが、通報を端緒とする監査は無通告で入ることがある。申し出の際に「特定の日の勤務実態」を挙げると、監査の日取り選定に効くことがある
Q2勧告されたって公表されなければ意味ないですよね?
公表は第2項で「勧告に期限内に従わなかったとき」に発動する。つまり勧告自体が施設側にとって時限装置である。従えば公表されず、従わなければ施設名が出る。実務のポイント:介護業界では県サイトの公表欄をケアマネジャーが実際に見ている。居宅介護支援事業所がその施設への紹介を止めるため、入居率が落ちる速度は家族の口コミより速い
Q3勧告を受けたら、すぐ指定取消になるんですか?
ならない。91条の2は勧告、公表、命令、公示の四段構えで、指定取消・効力停止は92条の別条である。命令にも正当な理由なく従わない場合などに取消が検討される。実務のポイント:取消は入居者の行き場を奪うため、行政は極めて慎重で、実務上は新規受入停止や介護報酬の返還請求で着地させることが多い。経営者が本当に備えるべきは取消ではなく報酬返還である
間違えやすい点 AI による整理
- 「行政に通報しても、結局は指導で終わって何も変わらない」と諦めている人が多い。しかし公表(第2項)と公示(第4項)を軽視しすぎている。介護施設にとって都道府県サイトへの掲載は、入居希望者・ケアマネジャー・職員採用のすべてに効く。取消より前の段階で、経営に直接刺さる
- 「都道府県に言わないと意味がない」と考えて市町村を飛ばす人がいる。だが問いの立て方が逆である。第5項は市町村に通知義務を課しており、市町村は保険者として給付記録も実地指導の情報も持っている。近い窓口に情報を入れる方が、動く確率は高い
- 家族から見れば「職員が足りない」という一つの不満だが、法律から見れば1項1号(人員基準)、2号(設備運営基準)、3号(便宜提供)の三つの別々の入口である。どの号に当たる事実かを整理せずに漠然と訴えると、行政の側で処理の筋道が立たず止まる。この落差が申し出を無力化する
- 「勧告は行政処分だから不服申立てできる」と思い込んでいる施設経営者がいる。勧告は行政指導であり、原則として処分性がなく取消訴訟の対象にならない(役所があなたに直接下す法的効果ある決定ではないため)。争えるのは第3項の命令や92条の取消の段階である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 段階 | 91条の2:勧告、公表、命令、公示による是正 | 90条:報告徴収・立入検査による事実確認 92条:指定の取消・効力停止 |
| 法的性質 | 勧告は行政指導、命令は行政処分 | 調査権限の行使 不利益処分 |
| 施設への影響 | 公表・公示による評判上の影響、命令不履行は取消事由につながり得る | 記録提出・検査受忍の負担 介護報酬の受領不能、事実上の事業継続困難 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも主管機関が機構に限期改善を命じ、改善しない場合に罰鍰や公告などの監督手段をとる仕組みがある
ドイツの介護保険では品質審査の結果に基づき、介護金庫が欠陥の是正を求める仕組みがある。施設監督は州法(Heimrecht)も関与する
米国ではメディケア・メディケイド対象のナーシングホームに対し、是正計画、民事制裁金、新規入所者への支払停止などの段階的制裁が定められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の入居する特養で、夜勤者が一人で40床を見ている状態が半年続いている。施設に言っても改善しない。88条1項の人員基準を下回っているなら、これは91条の2第1項1号の勧告事由そのものだ。市町村の介護保険課に事実と日付を添えて申し出れば、第5項の通知義務が動く
- あなたが特養の施設長側だとしたら。県から勧告書が届いた。期限は1か月。ここで対応を誤ると第2項の公表で施設名が県のウェブサイトに載り、入居待機者の家族が検索で見つける。稼働率が落ちてから慌てても遅い。勧告の段階が、最後の内輪で収まる機会である
- 退居を求められた入居者の家族が、荷物の引き取りも次の施設探しも施設が何もしてくれないと訴える。88条5項の便宜提供義務に係る話で、91条の2第1項3号の勧告事由になる。行き先の斡旋を「サービス外」と言われて諦めた人は多い
- もし勧告に従わないまま命令まで進んだら、どうなる? 命令は第4項で公示され、さらに従わなければ92条の指定取消・効力停止に直結する。取り消されれば介護報酬が入らない。施設は事実上の廃業に追い込まれる
- 県庁への情報提供から返答が来ないまま3週間。この間にも夜勤体制は変わらない。実は都道府県は権限を持つが現場の目を持たない。手元の記録を市町村に回した方が速い場合がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事実を日付単位で記録する。面会日時、その時間帯の職員数、対応内容、誰に何を伝えたか2. まず施設の苦情窓口と運営推進会議に正式に申し出て、回答を書面で求める3. 改善がなければ市町村の介護保険課へ。第5項の通知義務に触れつつ、1項各号のどれに当たる事実かを整理して提出4. 並行して国民健康保険団体連合会の苦情処理窓口(法176条)も使える5. 身体的虐待の疑いがあれば高齢者虐待防止法の通報へ切り替える、こちらは即時性が高い
訴えられた側:1. 勧告書を受領したら、記載された期限と各号の該当理由を即日確認する2. 期限内の改善が物理的に可能かを判断し、困難なら理由を付して県と事前協議する。無言で期限を越えるのが最悪手である3. 人員基準違反なら派遣・スポット採用を含めて数字を満たす経路を先に確保4. 改善報告は証跡(勤務表、雇用契約、研修記録)を添付5. 第3項の命令まで進んだ場合は行政事件訴訟の対象になりうるため、この段階で弁護士を入れる
時効(請求できる期限):この条文自体に時効はない。動く期限は勧告書・命令書に都道府県知事が個別に定める期限である。その期限を徒過すると第2項の公表、第3項の命令へ進む。第3項の命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)
学説
通説:91条の2第1項の勧告は行政指導であり法的拘束力を持たない。第3項の命令は相手方に義務を課す行政処分であり、審査請求や取消訴訟の対象となり得る。
公表の性質をめぐる議論:勧告不従時の公表は情報提供であると同時に事実上の制裁として機能するため、法律上の根拠を要し、比例原則に配慮した運用が求められるとの見解が有力である。
- 介護保険法 第88条人員・設備運営基準、勧告事由の実体
- 介護保険法 第92条指定の取消・効力停止、最終段階の処分
- 介護保険法 第90条報告徴収・立入検査、事実確認の権限
- 介護保険法 第176条国保連による苦情処理・指導助言
- 行政手続法 第32条行政指導の一般原則、勧告の限界
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 第21条虐待発見時の通報義務、別経路の救済
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