感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第65条(不服申立て)
クイックジャンプ
- この法律に規定する事務のうち保健所設置市等の長が行う処分(第一号法定受託事務に係るものに限る。)についての審査請求の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができる。
- 2.保健所設置市等の長が、第三章又は第六十四条の規定によりその処理することとされた事務のうち第一号法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、地方自治法第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があったときは、当該裁決に不服がある者は、同法第二百五十二条の十七の四第五項から第七項までの規定の例により、厚生労働大臣に対して再々審査請求をすることができる。
この条文の基本情報
不服申立てとは何ですか?
定義不服申立てとは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条に定められた規定で、「この法律に規定する事務のうち保健所設置市等の長が行う処分(第一号法定受託事務に係るものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条(不服申立て)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条の条文原文は「この法律に規定する事務のうち保健所設置市等の長が行う処分(第一号法定受託事務に係るものに限る。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条は第十四章 雑則に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第64条の5です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条の2です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法65条は、保健所設置市等の長の処分に対する審査請求の裁決に不服がある者が、厚生労働大臣に再審査請求できると定める。対象は第一号法定受託事務に係る処分に限られる。
Q · 保健所の入院措置や就業制限に納得できないとき、国(厚生労働大臣)まで不服を申し立てられる?
法定受託事務の処分なら、知事の裁決後に大臣へ申し立てられる
感染症法65条1項により、保健所設置市等の長が行う第一号法定受託事務に係る処分については、都道府県知事への審査請求の裁決に不服があれば、厚生労働大臣に再審査請求ができます。保健所長など委任を受けた職員の処分なら、市長等への審査請求、知事への再審査請求を経て、同条2項により大臣へ再々審査請求ができます。ただし審査請求をしても処分の効力は原則止まりません。
解説
多くの人は、区役所や市役所の決定に不服を申し立てても「同じ役所が自分の判断を見直すだけ」で終わると思っている。感染症の分野では違う。東京23区、政令市、中核市など保健所を持つ自治体が、入院措置、就業制限、消毒命令のように第一号法定受託事務(本来は国が責任を持つべき仕事で、自治体が法律に基づいて代わりに処理しているもの)の処分を出した場合、本条により争いの場を国まで上げられる。市長などが自ら出した処分なら、まず都道府県知事に審査請求(処分の見直しを求める申立て)をし、その裁決(審査請求への答え)に不服があれば厚生労働大臣に再審査請求をする。保健所長のように権限の委任を受けた職員が出した処分なら、市長などへの審査請求、知事への再審査請求、大臣への再々審査請求と、最大三段で争える。窓口の保健所職員が出した決定でも、その上には国まで続く救済ルートがある。そう知っているかどうかで、通知書を受け取ったあとの一手が変わる。
法的な位置づけ
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第65条は、保健所設置市等の長が行う第一号法定受託事務に係る処分について、審査請求の裁決に不服がある者に厚生労働大臣への再審査請求を認め、委任を受けた職員等の処分については地方自治法第252条の17の4第5項から第7項の例による大臣への再々審査請求を認める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の処分者名と教示欄を確認 届いた処分通知書の処分者が「市長・区長」か「保健所長」かを確認し、処分日と教示欄(審査請求先・期限)を撮影して保存する。処分者により本条1項と2項のどちらのルートかが決まる
- 2.期限内に書面で審査請求をする 処分を知った日の翌日から3か月以内に、教示に従い市長等または都道府県知事へ審査請求書を提出する。処分を止める必要があれば、同時に執行停止を申し立てる
- 3.裁決内容を読み次の手段を選ぶ 裁決書が届いたら、その週のうちに厚生労働大臣への再審査請求(または再々審査請求)と取消訴訟のどちらに進むかを比較し決める。訴訟は裁決を知った日から6か月以内
- 4.厚生労働大臣へ再審査請求を提出 原裁決を知った日の翌日から1か月以内に、厚生労働大臣宛ての再審査請求書(委任処分なら再々審査請求書)を提出する。原裁決の不当な点を具体的に記載する
よくある質問 AI による整理
Q1感染症法65条とは?
保健所設置市等の長が行う第一号法定受託事務の処分について、審査請求の裁決に不服がある場合、厚生労働大臣への再審査請求を認める規定です。
Q2保健所設置市等とはどこですか?
保健所を設置する政令指定都市、中核市、その他政令で定める市、そして東京23区(特別区)を指します。これらの自治体の長の処分が本条の対象です。
Q3再審査請求の期限はいつまで?
原則として審査請求の裁決があったことを知った日の翌日から1か月以内、かつ裁決の日の翌日から1年以内です(行政不服審査法62条)。
Q4就業制限の審査請求はどこに出す?
市長等が出した処分なら都道府県知事に、保健所長が委任に基づき出した処分ならまず市長等に提出します。通知書の教示欄で宛先を確認してください。
Q5再審査請求と取消訴訟はどちらを先にすべき?
法律上の順序はなく自由に選べます(行政事件訴訟法8条)。入院措置など期間が短い処分では、執行停止を含め間に合う手段を優先して比較します。
Q6教示がなかった場合はどうなる?
行政不服審査法は処分庁に不服申立ての教示を義務付けています。教示がない、または誤っていた場合、申立人を救済する規定が適用されうるので、慌てず相談を。
Q7第一号法定受託事務とは何ですか?
本来国が果たすべき役割に係る事務で、法律により自治体が処理するものです(地方自治法2条9項1号)。感染症法では65条の2で範囲が特定されます。
Q8保健所のない町村の処分も65条の対象?
対象外です。本条は保健所設置市等の長の処分が前提です。保健所のない地域では都道府県知事が処分するため、不服申立てのルートが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の入院の決定って、本当に国にまで文句を言えるんですか?
第一号法定受託事務に係る処分であれば言える。市長などの処分は知事への審査請求を経て厚生労働大臣へ再審査請求(本条1項)、保健所長などへの委任による処分なら三段目として大臣へ再々審査請求(本条2項)ができる。実務のポイント:入院が30日を超える場合、感染症法25条により大臣へ直接審査請求できる特例がある。三段の階段を上る前に、この近道が使えないか確認しておく価値がある
Q2再審査請求までやらないと裁判は起こせないんですか?
原則としてその必要はない。行政事件訴訟法8条の自由選択主義により、審査請求を経ずに取消訴訟を起こすことも、審査請求の裁決後に再審査請求をせず提訴することもできる。実務のポイント:入院や就業制限は期間が短く、決着前に処分が終わると訴えの利益が失われるおそれがある。不服申立てを全段やり切ることより、執行停止を含めて間に合う手段を選ぶことの方が実務では重要になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「区や市の決定なのだから、文句は区や市にしか言えない」と思われがちだが、第一号法定受託事務に係る処分については、地方自治法255条の2により都道府県知事が審査庁となり、本条によりさらに厚生労働大臣まで上がれる。自治体の内部で完結する一般の処分とは構造が違う
- 再審査請求まで終わらないと裁判ができない、という前提そのものが誤っている。行政事件訴訟法8条は自由選択主義を採っており、本条の再審査請求は選択肢にすぎない。入院措置のように時間との勝負になる処分では、再審査請求を待たずに取消訴訟と執行停止の申立てを検討すべき場面がある
- 審査請求をすれば強制入院や就業制限はひとまず止まる、と期待する人は多い。法律から見れば、審査請求をしても処分の効力は原則として止まらない(行政不服審査法25条1項)。申し立てた側は「争っているから待ってもらえる」と思い、行政は粛々と執行を続ける。このずれに気付かないまま期限と損失だけが積み上がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申立ての相手 | 感染症法65条:知事の裁決後に厚生労働大臣(委任処分は三段目で大臣) | 感染症法25条:入院30日超の患者は大臣に直接審査請求 地方自治法255条の2:法定受託事務の審査請求先の一般則(市町村長の処分は知事) |
| 対象となる処分 | 保健所設置市等の長等が行う第一号法定受託事務に係る処分 | 30日を超える入院に係る処分に限定 法定受託事務に係る処分全般 |
| スピード感 | 段階的審査のため決着まで時間がかかりうる | 大臣は短期間で裁決する仕組みで、長期入院の迅速救済を図る 一段目の審査のみを定める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では直轄市・県市政府の行政処分に対し中央主管機関へ訴願でき、地方の処分を中央が審査する構造は日本の本条と類似する
韓国では行政審判委員会が審査を担い、地方自治体の処分も上級の委員会で審査される
ドイツは取消訴訟の前に原則として異議審査(Widerspruchsverfahren)を経る前置主義をとる点で、日本の自由選択主義と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが政令市で営む弁当店の調理担当者が腸管出血性大腸菌感染症の無症状病原体保有者と判明し、保健所から就業制限の通知が届いた。店の売上は止まる。通知の処分者欄が「市長」か「保健所長」かで、このあと何段階で争えるかが変わる
- もし保健所長名の入院措置に不服を申し立て、市長の裁決でも、知事の裁決でも退けられたら? 次の相手は厚生労働大臣である。本条2項が、地方の判断を国の目で見直させる最後の段を用意している
- あなたは特別区の保健予防課の職員で、住民から再審査請求の教示(不服申立ての方法の案内)がないと抗議された。裁決書の教示欄から大臣への再審査請求を落としていれば、行政不服審査法上の教示義務違反として、自治体の側が手続上の弱点を抱えることになる
- 知事の裁決書が届いたのは3週間前。大臣への再審査請求の期限は、原則として裁決を知った日の翌日から1か月。残りは10日もない
- 介護施設の運営者であるあなたに、施設の一部について消毒命令が出た。費用も営業損失も施設持ちである。命令の根拠や範囲に納得できないとき、市の担当課で口頭で揉めても記録は残らない。書面の審査請求に切り替えた瞬間、争いは制度の上に乗る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の処分者名(市長か保健所長か)、処分日、教示欄を撮影して保存する2. 処分を知った日の翌日から3か月以内に、教示に従って書面で審査請求をする(行政不服審査法18条) 3. 執行を止めたい事情があれば、審査請求と同時に執行停止を申し立てる(同法25条) 4. 裁決に不服なら1か月以内に、本条に基づき厚生労働大臣へ再審査請求をするか、取消訴訟へ移るかを比較する5. 入院期間が30日を超えている場合は、感染症法25条の厚生労働大臣への審査請求の特例を確認する
訴えられた側:処分を出す自治体側の視点で整理する。1. 処分通知と裁決書の教示欄に、審査庁(知事)と、本条に基づく再審査請求先(厚生労働大臣)を正確に記載する。教示を誤ると、行政不服審査法22条の救済規定により申立人に有利に扱われうる2. 保健所長への委任の根拠となる規則を整理し、2項ルートに備えておく3. 処分の必要性を医学的根拠とともに記録し、知事・大臣段階でも説明できる資料にしておく
時効(請求できる期限):審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、処分の日から1年以内(行政不服審査法18条)。再審査請求は原裁決を知った日の翌日から1か月以内、原裁決の日から1年以内(同法62条)。再々審査請求は地方自治法252条の17の4の規定の例による。取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:再審査請求は個別法の定めがある場合に限り認められる例外的な不服申立てであり、行政事件訴訟法8条の自由選択主義の下、取消訴訟との先後は申立人が任意に選択できると解される
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)地方分権一括法 機関委任事務の廃止と法定受託事務の創設に伴い、本条の不服申立ての枠組みが法定受託事務を前提とする形に整理されたとみられる(改正の詳細は要検証)
- 平成26年(2014年)行政不服審査法全部改正に伴う整備 不服申立て手続の一元化に合わせて関連文言が整備されたとみられる(改正の有無・内容は要検証)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第64条保健所設置市等が処理する事務の根拠
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第65条の2第一号法定受託事務の範囲の特定
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第25条長期入院患者の大臣への審査請求特例
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第19条不服申立て対象となる入院措置
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第18条不服申立て対象となる就業制限
- 地方自治法 第255条の2法定受託事務の審査請求先の一般則
- 行政不服審査法 第6条再審査請求は個別法の定めで成立
- 行政事件訴訟法 第8条審査請求と取消訴訟の自由選択
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。