金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第85条(事業主の責務)
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事業主は、その事業に支障のない範囲内で、その従業員を対象とする国、地方公共団体又は次条の金融経済教育推進機構による安定的な資産形成に資する制度の利用の促進のための取組並びに安定的な資産形成に関する教育及び広報に協力するよう努めるものとする。
この条文の基本情報
事業主の責務とは何ですか?
定義事業主の責務とは、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条に定められた規定で、「事業主は、その事業に支障のない範囲内で、その従業員を対象とする国、地方公共団体又は次条の金融経済教育推進機構による安定的な資産形成に資する制度の利用の促進のため…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条(事業主の責務)は、日本の金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に含まれる条文です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条の条文原文は「事業主は、その事業に支障のない範囲内で、その従業員を対象とする国、地方公共団体又は次条の金融経済教育推進機構による安定的な資産形成に資する制度の利用の促進のため…」で始まります。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条は第一節 安定的な資産形成の支援等に置かれています。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律の公布日は平成12年5月31日です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条の前の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第84条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条の次の条は金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第86条です。
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000101 - 本サイト収録
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/412AC0000000101/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融サービス提供法85条は、事業主が事業に支障のない範囲で、国・自治体・J-FLECの従業員向け資産形成の取組や金融教育に協力するよう努めると定める。罰則はない。
Q · 会社が金融教育やNISAセミナーを何もしていないのは法律違反ですか?
努力義務なので、実施しなくても違法ではなく罰則もない
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律85条は、事業主に、国・地方公共団体・金融経済教育推進機構(J-FLEC)による資産形成制度の利用促進や金融教育・広報へ「協力するよう努める」ことを求める努力義務規定です。しかも「事業に支障のない範囲内で」と限定されており、罰則も行政処分もありません。ただし企業型確定拠出年金を導入している会社には、確定拠出年金法22条に基づく加入者への投資教育の努力義務が別途あります。
解説
会社の掲示板に「新 NISA 入門セミナー」の案内が貼られるようになった背景には、この一条がある。事業主(従業員を雇う会社や個人事業主)は、国・地方公共団体・金融経済教育推進機構(通称 J-FLEC)が進める資産形成制度の利用促進や、金融教育・広報に「協力するよう努める」ものとされた。押さえるべき点は三つある。第一に、これは努力義務(守らなくても罰則も行政処分もなく、目指す方向を示すだけの規定)である。第二に、「事業に支障のない範囲内で」という歯止めが付いている。第三に、協力する相手は国・自治体・J-FLEC であり、特定の銀行や証券会社ではない。したがって、社内で開かれる「勉強会」の実態が特定商品の販売会であれば、それは本条が想定する協力とは別物である。会社が用意した場で何を聞き、何を断るか。その判断の物差しが、この一文に書かれている。
法的な位置づけ
金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律第85条は事業主の責務を定める規定であり、事業主が事業に支障のない範囲内で、従業員を対象とする国・地方公共団体・金融経済教育推進機構による資産形成制度の利用促進の取組、ならびに資産形成に関する教育および広報に協力するよう努めるべき旨を定める努力義務規定である。
手順
- 1.自社の義務の範囲を確認する 本条は罰則のない努力義務であることを前提に、企業型DCの有無を確認する。DCを導入している場合は確定拠出年金法22条の投資教育と一体で年間計画を立てる
- 2.中立的な講師・主体を選ぶ 企画段階で、J-FLECの講師派遣や自治体の講座など中立的な主体を優先して検討する。金融機関に依頼する場合は、勧誘や個別相談の有無を事前に書面で取り決める
- 3.参加形態と労働時間の扱いを決める 任意参加なら案内文に「任意参加」と明記し、不参加を評価に反映しない。出席を義務付ける場合は労働時間として扱い、賃金の支払対象とする
- 4.個人情報の扱いを整える 従業員の氏名や連絡先を講師側へ提供する場合は、事前に本人同意を取得する。アンケートの個別相談欄は任意回答とし、回収方法を明示する
よくある質問 AI による整理
Q1事業主の責務 金融経済教育とは?
金融サービス提供法85条が定める、事業主が従業員向けの資産形成制度の利用促進や金融教育に、国・自治体・J-FLECと協力するよう努める責務です。
Q2J-FLECとは何ですか?
金融経済教育推進機構の略称で、同法86条以下を根拠に設立された組織です。中立的な立場から金融経済教育の推進や講師派遣、相談対応を担います。
Q3J-FLEC 講師派遣 会社で使える?
企業や団体向けに講師派遣の仕組みが用意されています。利用条件や費用の扱いは変わることがあるため、申込前にJ-FLECの最新案内を確認してください。
Q4社内マネーセミナー 勤務時間外 参加は強制できる?
事実上強制すれば労働時間に当たり、賃金の支払いが必要になりえます。本条は従業員に受講を義務付ける根拠にはなりません。
Q5職域セミナー 金融機関 勧誘 断れる?
断ってかまいません。本条が想定する協力相手は国・自治体・J-FLECであり、特定金融機関の商品勧誘に従う義務は従業員にはありません。
Q6金融経済教育 企業 義務化 いつから?
令和5年(2023年)改正で本条の努力義務が設けられたとされます。法的な「義務化」ではなく努力義務で、施行日は公式資料で確認が必要です。
Q7従業員の連絡先を金融機関に渡していい?
本人の同意なく従業員の個人データを金融機関へ渡すと、個人情報保護法27条の第三者提供規制に抵触しうるため、事前の同意取得が必要です。
Q8金融教育 福利厚生 人的資本開示に使える?
従業員の資産形成支援は人材育成や福利厚生の取組として、人的資本開示や採用広報の材料になりえます。開示方法は各社の判断です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の NISA セミナーに出ないと、評価に響いたりしますか?
本条(85条)は事業主に協力を「努める」よう求める規定で、従業員に受講を義務付けるものではない。参加しなかったことを理由に評価を下げる根拠は本条にはない。実務のポイント:業務命令で出席を義務付けた場合、その時間は原則として労働時間になり、賃金の支払対象になる(労働基準法32条、最判平成12.3.9三菱重工長崎造船所事件)。会社側がこれを意識して案内に「任意参加」と書くことは多く、その二文字があなたの自由の証拠になる
Q2セミナーに来た銀行の人に個別相談を勧められたんですけど、会社公認なら安心ですよね?
本条が想定する協力相手は国・地方公共団体・金融経済教育推進機構(85条、86条)であり、会社が個々の金融機関の商品にお墨付きを与える仕組みではない。商品を売る側は、顧客の最善の利益を考えて誠実・公正に業務を行う義務を負っている(同法2条、現行条番号を要確認)。実務のポイント:職域セミナーは金融機関にとって効率のよい顧客獲得の場でもある。勧められた商品の信託報酬を、同じ指数に連動する低コスト商品と比べるだけで、判断材料はほぼ揃う
Q3うちの会社、金融教育を何もやってないけど、これって法律違反?
違反ではない。本条(85条)は「努めるものとする」という努力義務で、しかも「事業に支障のない範囲内で」と限定されており、罰則も行政処分もない。実務のポイント:ただし企業型確定拠出年金を導入している会社は別で、加入者への投資教育が確定拠出年金法22条の努力義務として別途定められている。DC があるのに教育がまったくないのであれば、本条より先にそちらを人事に指摘するほうが筋が通る
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が開くセミナーだから中立だろう」と思いがちだが、本条が協力相手として挙げているのは国・地方公共団体・金融経済教育推進機構だけで、個々の金融機関の営業活動まで正当化しているわけではない。会社の会議室で開かれたという事実は、内容の中立性を何も保証しない
- 「会社には金融教育をする義務があるのか、ないのか」という問いの立て方がそもそもずれている。本条は努力義務で、しかも「事業に支障のない範囲内で」と限定されているため、義務の有無で白黒をつける規定ではない。問うべきなのは、会社が実際に場を設けたとき、その中身が誰の利益を向いているかである
- 人事担当者の感覚では、福利厚生の一環として気軽に開いた昼休みの勉強会である。しかし法律上は、出席が事実上強制されていれば労働時間(賃金を支払うべき時間)に当たりうる。善意の企画と未払い賃金請求とのあいだのこの落差に、企画した側が足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 85条:事業主(従業員を雇う会社・個人事業主) | 2条:金融サービスの提供等に係る業務を行う者 86条:金融経済教育推進機構(J-FLEC) |
| 規範の内容 | 国・自治体・J-FLECの取組や金融教育・広報への協力に努める | 顧客の最善の利益を勘案し、誠実かつ公正に業務を遂行する 金融経済教育を推進する機構の根拠 |
| 強度・限定 | 努力義務、「事業に支障のない範囲内で」の限定付き | 業務遂行上の一般的義務 組織の設置・目的に関する規定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では主管機関(金融監督管理委員会)側が金融教育・宣導を担う構造で、事業主に協力努力を求める明文規定は見当たらない
韓国は退職年金制度の加入者教育を使用者の責務として定めており、日本の確定拠出年金法22条に近い位置づけ
米国は雇用主による投資教育の提供を義務付けるのではなく、投資助言と区別される「教育」の範囲を示すことで提供を後押ししている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 人事部から「来週の昼休みに資産形成セミナーを開催、全員参加」というメールが届いた。講師は会社のメインバンク系証券会社の営業担当で、終了後に個別相談の予約票が回ってくる。これは本条にいう国の取組への協力なのか、それとも職場を使った販売会なのか。主催者と講師の所属を見れば、答えの半分は出る
- あなたは従業員30人の会社の社長で、J-FLEC の講師派遣を使えば社内で金融講座を開けると知った。出席を業務命令にするなら、その時間は労働時間として賃金の支払対象になる。善意の研修でも、扱いを誤れば未払い賃金の火種になる
- もし上司から「会社の DC は元本確保型のままにしておけ」と言われたら、どう受け止めるべきか? 会社の役割は、加入者が自分で判断できる材料を提供することであり、特定の運用方法を選ばせることではない。本条の「協力」も、確定拠出年金法上の投資教育も、あくまで判断材料の提供にとどまる
- 年末調整の書類締切まであと3日。iDeCo の掛金払込証明書をどこに添付するのか分からず、経理に聞くのも気が引ける。こうした素朴な疑問を職場で解消できるようにすることが、まさに本条が会社に期待している協力である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社内セミナーの案内を受けたら、主催者、講師の所属、参加が任意かどうか、勤務時間として扱われるかを確認する2. 講師が金融機関の営業担当で、個別相談や商品の勧誘につながる場合、相談票の提出や連絡先の提供は断ってよい3. 勤務時間外なのに参加が事実上強制されているなら、労働時間に当たらないか人事に確認し、案内メールを保存しておく4. 中立的な相談先が必要なら、J-FLEC の相談窓口を自分で利用する
訴えられた側:1. 本条は努力義務なので、実施しなくても罰則はない。実施するなら、講師は J-FLEC や自治体など中立な主体を優先する2. 金融機関に講師を依頼する場合は、勧誘や個別相談をするかどうかを事前に取り決める。従業員の連絡先を本人の同意なく渡せば、個人情報保護法27条の第三者提供規制に抵触しうる3. 出席を義務付けるなら労働時間として扱う4. 企業型 DC がある会社は、確定拠出年金法22条の投資教育と一体で年間計画を組む
時効(請求できる期限):本条は努力義務なので、それ自体の時効や履行期限はない。特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお、出席を義務付けたセミナーが労働時間に当たる場合、未払い賃金の請求権は労働基準法115条により5年(当分の間は3年、附則による経過措置)で時効にかかる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正(要検証) 「金融サービスの提供に関する法律」が「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に改称され、金融経済教育推進機構の設立とあわせて事業主の協力努力義務が新設されたとみられる。施行日と条番号の変遷は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:金融商品の販売等に関する法律として制定。本条に相当する事業主の責務規定は当時存在しなかった
- 2.令和5年(2023年) 改正:法律名を金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律に改称し、金融経済教育推進機構の設立規定とあわせて事業主の協力努力義務を設けたとされる。施行日と条番号の変遷は要確認
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第1条法の目的、国民の安定的な資産形成
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第86条協力相手である機構の根拠規定(現行効力を要確認)
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第2条金融事業者の最善利益義務(現行効力を要確認)
- 確定拠出年金法 第22条企業型 DC 加入者への投資教育努力義務
- 消費者教育の推進に関する法律 第7条事業者の消費者教育への協力努力(現行効力を要確認)
- 租税特別措置法 第37条の14NISA 非課税口座制度の根拠
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