確定給付企業年金法 第72条(基金が締結した基金資産運用契約の相手方の行為準則)
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基金が締結した基金資産運用契約の相手方は、法令及び基金資産運用契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。
この条文の基本情報
基金が締結した基金資産運用契約の相手方の行為準則とは何ですか?
定義基金が締結した基金資産運用契約の相手方の行為準則とは、確定給付企業年金法第72条に定められた規定で、「基金が締結した基金資産運用契約の相手方は、法令及び基金資産運用契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第72条(基金が締結した基金資産運用契約の相手方の行為準則)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第72条の条文原文は「基金が締結した基金資産運用契約の相手方は、法令及び基金資産運用契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。」で始まります。
- 確定給付企業年金法第72条は第七章 行為準則に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第72条の前の条は確定給付企業年金法第71条です。
- 確定給付企業年金法第72条の次の条は確定給付企業年金法第73条です。
- 確定給付企業年金法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法72条は、基金資産運用契約の相手方に法令・契約の遵守と基金のための忠実な業務遂行を義務づける。運用損失そのものは違反にならない。
Q · 企業年金の運用で損が出たら、運用会社の法律違反になるの?
損失だけでは違反にならず、利益相反など過程が問われる
確定給付企業年金法72条は、基金資産運用契約の相手方に、法令・契約の遵守と基金のための忠実な業務遂行を義務づけています。求められるのは結果の保証ではないため、市場下落による損失それ自体は違反になりません。問題となるのは、契約で定めた運用方針からの逸脱、虚偽報告、系列商品の優先採用など、基金以外の利益を優先した判断の過程です。責任追及は契約当事者である基金が行います。
解説
会社の企業年金は会社の金庫の中にはない。基金型の確定給付企業年金では、積立金は信託銀行、生命保険会社、投資一任業者(顧客から運用判断を丸ごと任される資産運用会社)などとの契約によって、外部のプロに預けられる。本条は、その受け手に「法令と契約を守り、基金のため忠実に業務を遂行せよ」と命じる。ここでいう「忠実」は、ただ真面目に働けという意味ではない。自社やグループ会社、ほかの顧客の利益を基金の利益より優先してはならない、という受託者責任(他人の財産を預かる者が負う、預け主の利益を最優先する義務)を指す。系列の投資信託を割高な手数料で組み入れる、親密な取引先の株主総会で基金の利益と関係なく会社提案に賛成し続ける。こうした行為は、運用成績が悪くなくても本条の問題になりうる。退職後に受け取る年金の原資を預かっているのは、あなたが名前も知らない金融機関かもしれない。その会社が誰のために動く義務を負っているかは、この一文で決まる。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法72条は、基金型確定給付企業年金において、基金が締結した基金資産運用契約の相手方に課される行為準則を定める規定である。相手方は法令及び当該契約を遵守し、基金のため忠実に業務を遂行する義務を負う。この忠実義務は、自己又は第三者の利益を基金の利益に優先させてはならないという受託者責任を内容とする。
よくある質問 AI による整理
Q1確定給付企業年金法72条とは何ですか?
基金から年金資産の運用を受託した信託会社・生命保険会社・投資一任業者等に、法令と契約の遵守、基金のための忠実な業務遂行を義務づける規定です。
Q2基金資産運用契約とは何ですか?
基金型の確定給付企業年金で、基金が積立金の運用を信託会社、生命保険会社、投資一任業者などに委ねるために結ぶ契約です(同法66条関連)。
Q3企業年金の受託者責任とは?
他人の年金資産を預かる者が、自社や第三者ではなく預け主(基金)の利益を最優先して行動する責任です。本条の忠実義務がその中核です。
Q4運用会社の忠実義務違反になる行為は?
合理的理由のない系列商品の優先採用、割高な手数料の取引選択、基金の利益と無関係な議決権行使、虚偽報告などが問題となりえます。
Q5企業年金の運用損失 誰が責任を負う?
市場変動による損失自体は原則として誰の義務違反にもなりません。運用方針からの逸脱や利益相反があれば、運用機関の契約責任が問題になります。
Q6基金型と規約型の確定給付企業年金の違いは?
基金型は別法人の企業年金基金が運営し、規約型は事業主が労使合意の規約に基づき外部機関と契約して運営します。本条は基金型の運用受託者が対象です。
Q7年金運用会社の不正は どこに相談する?
確定給付企業年金は厚生労働省(地方厚生局)、運用機関の業務は金融庁が監督します。加入者は代議員等を通じて基金の理事会に問題提起するのが現実的です。
Q8本条違反で損害賠償請求はできる?
基金は契約違反として民法415条に基づく損害賠償を請求しうる立場にあります。請求権は原則として契約当事者である基金にあり、時効にも注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1運用で年金資産が大きく減ったら、運用会社を訴えられるんですか?
損失が出たという事実だけでは難しい。本条が求めるのは法令・契約の遵守と基金のための忠実な業務遂行であり、市場環境による損失は義務違反にならない。訴えの足場になるのは、契約で定めた運用方針からの逸脱、虚偽報告、利益相反取引などの過程の問題である。実務のポイント:勝敗を分けるのは契約書に添付された運用ガイドライン(投資対象や比率の上限)で、ここが曖昧な基金ほど責任追及が難しい。契約時の細部こそ最大の防御になる
Q2運用会社が親会社グループの投資信託ばかり買うのは違法ですか?
系列商品の採用そのものが直ちに違法となるわけではない。問題は、基金にとって同等以上の条件の代替商品があるのに、グループの利益のためにあえて選んでいないかである。本条の忠実義務に加え、金融商品取引法42条の忠実義務も関わりうる。実務のポイント:理事会で「同種商品との手数料比較表」を一枚出させるだけで、説明できない組入れはたいてい見直される。比較資料の提出を求めること自体が強力な牽制になる
Q3加入者の私が、運用会社に直接文句を言えますか?
基金資産運用契約の当事者は基金と運用機関であり、加入者個人が契約上の請求権を直接持つわけではない。現実的な経路は、代議員会や理事会を通じて基金に動いてもらうことである。基金の理事自身も法令・規約を遵守し基金のため忠実に職務を行う義務を負う(本法70条)。実務のポイント:労働組合側から選ばれる代議員は、運用状況について質問できる立場にある。自分の職場の代議員が誰かを知ることが、実は最初の一手になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「運用で損が出たら運用会社の責任」と考えるのは誤りである。本条が求めるのは結果の保証ではなく、法令と契約の遵守、そして基金のための忠実な業務遂行である。市場下落による損失それ自体は違反にならない。問われるのは、誰の利益のためにその判断をしたかという過程である
- 忠実義務は知っていても、その射程の広さは見落とされがちだ。露骨な横領や虚偽報告だけでなく、系列商品の優先採用、手数料の高い取引の選択、議決権行使の偏りなど、基金の利益を他者の利益の下に置く行為全般が対象になりうる。成績が良くても、利益相反の構造があれば問題は消えない
- 加入者から見れば「年金は会社が払ってくれるもの」だが、法律の構造では、積立金の実務は外部の運用機関の手にあり、その義務の相手は基金である。加入者が運用機関と直接契約しているわけではない。この落差を知らないと、問題が起きたとき誰に何を求めればよいか分からず、基金の理事会を動かすという唯一の現実的な回路を使い損ねる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 72条:基金資産運用契約の相手方(信託会社・生保・投資一任業者等) | 70条:基金の理事 71条:資産管理運用機関等(現行効力を要確認) |
| 義務の相手 | 基金 | 基金 加入者等(規約型の文脈) |
| 立場 | 外部で運用を受託する側 | 運用機関を選び監督する側 規約型で資産管理・運用を担う側 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では勞工退休準備金は公的機関が管理運用し、受託者の忠実義務は信託法の一般原則で規律される。日本のような基金型の民間委託構造とは設計が異なる
韓国では退職年金事業者の責務として、加入者のために誠実に業務を遂行する義務が定められている
米国は受託者に加入者・受益者の排他的利益のための行動を求める排他的利益原則を定め、日本の年金受託者責任論に大きな影響を与えた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 基金の運用報告会で、委託先の運用会社が自社グループの投資信託を次々と組み入れていた。成績は平均並み、ただし信託報酬は同種商品の約二倍。代議員として出席していたあなたは「成績が悪くないなら問題ない」で済ませてよいのか
- 運用会社の担当者として、あなたは上司から「親会社の大口取引先の議案には賛成で」と言われた。基金から一任を受けた株式の議決権である。その指示に従った瞬間、あなたの会社は基金ではなく取引関係のために票を投じたことになる
- 基金の常務理事から相談があった。「委託先が提出してくる運用実績の数字が、よそと比べてきれいすぎる。二週間後の理事会までに、何を確認すればいいか」。ここで報告書を信じるか、資産管理機関の残高証明と突き合わせるかで、基金の運命が分かれる
- もし運用会社が虚偽の基準価額で運用成績を粉飾していたら、どうなる? 本条違反に加え金融商品取引法上の責任も問題となり、基金は契約違反として損害賠償を請求する立場に立つ
- 会社の経営が傾き、DB の積立不足が給付減額の議論に発展した。組合員のあなたは、運用委託先の手数料と利益相反の有無を開示させる材料として、本条を持ち出せる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 基金の理事・代議員であれば、運用機関に対し運用方針、手数料、系列商品の組入比率、議決権行使の記録の開示を契約に基づき求める2. 運用機関の報告と資産管理機関の保管残高を照合する3. 利益相反や虚偽報告の疑いがあれば、厚生労働省(地方厚生局)と運用機関を監督する金融庁への相談を検討する4. 損害が生じていれば、契約違反としての損害賠償請求(民法415条)を弁護士と検討する。加入者個人であれば、まず代議員や労働組合を通じて理事会に問いを届ける
訴えられた側:1. 運用機関の担当者であれば、基金の利益を最優先した判断であることを示す記録(商品選定の比較資料、議決権行使基準と個別判断の理由)を日頃から残す2. 系列商品を採用する場合は、代替商品との手数料・実績比較を文書化する3. 利益相反のおそれがある取引は事前に基金へ開示し、了承を得る4. 指摘を受けたら、社内のコンプライアンス部門と法務を早期に関与させ、基金との協議で是正策を提示する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、契約違反による損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。不法行為構成なら民法724条(知った時から3年)。いずれも最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:本条の忠実義務は信託法上の受託者の忠実義務と同質のものと理解され、利益相反行為の回避が中核となる。結果責任ではなく、基金の利益を唯一の判断基準としたかという過程が問われる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定により、基金資産運用契約の相手方の行為準則として新設
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