確定給付企業年金法 第84条(厚生労働大臣の承認による終了)
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- 事業主は、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合がないときは当該厚生年金保険の被保険者の過半数を代表する者の同意を得たときは、厚生労働大臣の承認を受けて、規約型企業年金を終了することができる。
- 2.前項の場合において、実施事業所が二以上であるときは、同項の同意は、各実施事業所について得なければならない。
- 3.第五条第二項及び第三項の規定は、第一項の終了の承認があった場合について準用する。この場合において、同条第三項中「承認を受けた規約」とあるのは、「承認を受けた旨」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
厚生労働大臣の承認による終了とは何ですか?
定義厚生労働大臣の承認による終了とは、確定給付企業年金法第84条に定められた規定で、「事業主は、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合が…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 確定給付企業年金法第84条(厚生労働大臣の承認による終了)は、日本の確定給付企業年金法に含まれる条文です。
- 確定給付企業年金法第84条の条文原文は「事業主は、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合があるときは当該労働組合、当該厚生年金保険の被保険者の過半数で組織する労働組合が…」で始まります。
- 確定給付企業年金法第84条は第十章 確定給付企業年金の終了及び清算に置かれています。
- 確定給付企業年金法の公布日は平成13年6月15日です。
- 確定給付企業年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 確定給付企業年金法第84条の前の条は確定給付企業年金法第83条です。
- 確定給付企業年金法第84条の次の条は確定給付企業年金法第85条です。
- 確定給付企業年金法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第84条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/413AC0000000050 - 本サイト収録
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/413AC0000000050/84
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点確定給付企業年金法84条は、厚生年金被保険者の過半数労組または過半数代表者の同意と厚生労働大臣の承認により、規約型企業年金の終了を認める。事業所が複数なら各事業所で同意が必要。
Q · 会社の企業年金って、従業員全員が反対しなくても終わらせられるの?
個人の同意は不要。過半数代表の同意と大臣承認で終了できる
確定給付企業年金法84条1項により、事業主は、実施事業所の厚生年金保険被保険者の過半数で組織する労働組合、それがなければ過半数代表者の同意を得て、厚生労働大臣の承認を受ければ規約型企業年金を終了できます。加入者一人ひとりや受給者の同意は条文上の要件ではありません。事業所が複数ある場合は、同条2項により各事業所で同意が必要です。
解説
会社の企業年金は、あなたが同意しない限り消えないと思っていないだろうか。実際は、職場の厚生年金被保険者の過半数で組織する労働組合、そうした組合がなければ過半数代表者、この一者の同意と厚生労働大臣の承認がそろえば、規約型の確定給付企業年金(会社が約束した額を将来払う年金)は終了できる。あなた一人の同意は要らない。しかも同意を数える母数は「厚生年金の被保険者」なので、厚生年金に入っていない短時間労働者は数に入らない。事業所が複数あれば、事業所ごとに同意を取り直す必要がある。本社で組合が賛成しても、地方工場の過半数代表者が反対すればその工場では終了できない。年金の行方は、過半数代表者を選ぶ日にもう半分決まっている。だから職場の代表選びは形だけの手続ではない。
法的な位置づけ
確定給付企業年金法84条は、規約型企業年金の任意終了の手続を定める規定である。事業主は、実施事業所の厚生年金保険被保険者の過半数で組織する労働組合またはその過半数代表者の同意を得たうえで、厚生労働大臣の承認を受けることにより制度を終了できる。実施事業所が複数の場合、同意は事業所ごとに要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.終了理由と代替措置を文書化する 積立状況、終了を必要とする理由、確定拠出年金への移行や前払い退職金などの代替措置、加入者ごとの分配見込額を整理し、説明資料にまとめる
- 2.事業所ごとに同意主体を確定する 実施事業所ごとに、厚生年金保険被保険者の過半数で組織する労働組合があるかを確認する。ない事業所では投票や挙手など民主的な手続で過半数代表者を選出し、経過を記録する
- 3.説明会を開き同意を取得する 各事業所で加入者向け説明会を開き、質疑を経たうえで労働組合または過半数代表者から書面の同意を得る。受給者への説明も並行して行い、後の紛争を減らす
- 4.厚生労働大臣に終了承認を申請する 全事業所の同意がそろったことを確認し、終了承認申請書に同意書等を添えて厚生労働大臣(地方厚生局経由)に申請する。承認後は準用される第5条2項・3項に沿った対応を行う
- 5.積立金の分配・移換と清算を進める 承認後、積立不足があれば事業主が掛金を一括拠出し、残余財産を加入者等に分配または移換する。加入者への個別通知と記録保存を徹底する
よくある質問 AI による整理
Q1規約型企業年金とは何ですか?
事業主が労使合意の規約に基づき、信託会社や生命保険会社などと契約して外部で積み立てる確定給付企業年金です。基金を設立する基金型と対になる形態です。
Q2企業年金 廃止 どうなる?
制度が終了すると積立金は加入者等に分配されるか、要件を満たせば企業型確定拠出年金などへ移換されます。将来の給付約束は終了時点で途切れます。
Q3確定給付企業年金を終了するには何が必要?
過半数労組または過半数代表者の同意(事業所ごと)と、厚生労働大臣の承認の二つが必要です(確定給付企業年金法84条1項・2項)。
Q4過半数代表者は会社が指名できる?
できません。投票や挙手など民主的な手続で選ばれる必要があり、会社の指名による選出では同意の有効性が争われる余地があります。
Q5企業年金の終了に反対できる?
個人に拒否権はありませんが、過半数代表者の選出や説明会の場で意見を述べられます。給付が大きく減るなら労働契約法10条による不利益変更として争う道もあります。
Q6企業年金 終了 承認 どこに申請?
厚生労働大臣への承認申請で、実務上は地方厚生(支)局が窓口になります。事業所ごとの同意書や選出経過の記録を添えて提出します。
Q7企業年金終了は違法にならない?
84条の同意と承認を経ていれば手続としては適法です。ただし行政の承認と民事上の有効性は別で、不利益変更の合理性は裁判で別途争われ得ます。
Q8企業年金 終了 退職者 同意 必要?
84条の終了手続では、受給者(退職者)の同意は条文上の要件に含まれていません。給付減額の規約変更とは手続が異なる点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1年金もらってるOBの同意って要らないんですか?
本条1項が要件にしているのは、実施事業所の厚生年金被保険者の過半数労組または過半数代表者の同意と大臣承認だけで、受給者の同意は条文上の要件になっていない。規約変更で給付を減らす場合は受給者の同意手続が別に定められているのと比べると、落差は大きい。実務のポイント:減額ではなく終了という形を選ぶと、受給者の同意手続を通らずに済むことがある。ただし受給者から民事で争われるリスクは消えない
Q2パートは同意の人数に入るの?
数えるのは「厚生年金保険の被保険者」の過半数(本条1項)なので、厚生年金に入っていないパートは分母に入らない。社会保険の適用拡大で加入者が増えた職場では、分母もそのぶん変わる。実務のポイント:適用拡大のタイミングと終了手続の時期が重なると、同じ職場でも過半数の中身が変わる。会社がいつの時点の名簿で数えたかを確認する価値はある
間違えやすい点 AI による整理
- 「年金は自分の財産だから、本人の同意なしに廃止されるはずがない」と思われがちだが、本条が求めるのは過半数労組または過半数代表者の同意であり、加入者一人ひとりの同意ではない。条文上、すでに年金を受け取っている退職者(受給者)の同意も要件に挙がっていない。個人の拒否権は、この手続には組み込まれていない
- 「厚生労働大臣の承認があるから、国が従業員を守ってくれる」という期待は危うい。承認は法令や規約の要件を満たしているかを確認する手続であり、終了が労働条件の不利益変更として妥当かを審査するものではない。この点を争うなら、労働契約法10条などの民事ルートで別に戦うことになる。行政の承認と民事上の有効性は、別々の土俵にある
- 「同意の数え方はただの事務手続」と軽く見られがちだが、分母は厚生年金被保険者だ。パートを多く抱える事業所では、厚生年金に入っている人だけの過半数で終了が決まる。誰が数に入るかの線引きが、そのまま結論を左右する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 場面 | 84条:規約型企業年金の任意終了 | 3条:確定給付企業年金の実施(導入) 83条:規約型企業年金の終了事由 |
| 労使の関与 | 過半数労組または過半数代表者の同意(事業所ごと) | 過半数労組または過半数代表者の同意 終了事由の列挙で、84条の承認も事由の一つとして位置付けられる |
| 行政の関与 | 厚生労働大臣の終了承認 | 厚生労働大臣による規約の承認 各事由の発生で終了(承認の要否は事由による) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は2005年の新制で確定拠出型の個人口座制に移行し、旧制の勞工退休準備金は年資保留の形で残る。日本のように労使同意で DB 制度そのものを終了させる手続の構図とは異なる
米国の単一事業主 DB プランの任意終了は、全給付を賄える資産がある standard termination と、PBGC が関与する distress termination に分かれ、終了時の給付保障が制度化されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし会社から「企業年金を終了し、確定拠出年金へ移行します。過半数代表者の同意を得る予定です」と通知が来たら、あなたに何ができる? 答えは、代表者に説明会の開催と、自分の給付がいくら減るかの試算の開示を求めることだ。同意書に署名されてからでは、個人として止める手段はほとんど残らない
- あなたは人事部長。業績悪化で DB の積立不足が経営を圧迫し、役員会は制度終了を決めた。本社には過半数組合があるが、物流センター2か所には組合がない。本条2項により事業所ごとの同意が要るので、センター単位で過半数代表者を適正に選出し直す必要がある。選出手続に瑕疵があれば、大臣承認の申請そのものが揺らぐ
- 過半数代表者の選挙まであと1週間。候補は会社が推した課長一人だけ。ここで誰も手を挙げなければ、年金終了への同意はその課長の署名一枚で済んでしまう
取るべき行動
被害を受けた側:1. 終了の通知を受けたら、終了理由・自分への分配額の試算・DC への移換の有無を書面で求める2. 過半数代表者が適正に選ばれたか(会社の指名ではないか、投票や挙手の手続があったか)を確認する3. 事業所が複数あれば、自分の事業所で同意が取られたかを確かめる4. 給付が大きく減るなら、退職金規程との関係で労働条件の不利益変更(労働契約法10条)として争えるか、社会保険労務士や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 事業主の側では、終了理由と代替措置(DC への移行、前払い退職金など)を文書にまとめ、事業所ごとに説明会を開く2. 過半数代表者の選出を民主的な手続でやり直し、議事録を残す3. 積立不足があれば一括拠出が必要になる前提で資金計画を立てる4. 受給者への説明も行い、後の民事紛争の火種を減らす。手続の適法性と不利益変更の合理性は別々に固める
時効(請求できる期限):本条の同意と承認申請に特定の法定期限はない。不利益変更を理由に未払い分などを請求する場合は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。退職金に当たる部分は労働基準法115条の5年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)制定 確定給付企業年金法の制定時に置かれた終了手続規定。その後の個別改正の有無と内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:確定給付企業年金法の制定に伴い、規約型企業年金の終了手続として新設。過半数労組等の同意と厚生労働大臣の承認という二重の要件を設けた。その後の個別改正の有無は要確認
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