健康増進法 第14条(調査票の使用制限)
クイックジャンプ
国民健康・栄養調査のために集められた調査票は、第十条第一項に定める調査の目的以外の目的のために使用してはならない。
この条文の基本情報
調査票の使用制限とは何ですか?
定義調査票の使用制限とは、健康増進法第14条に定められた規定で、「国民健康・栄養調査のために集められた調査票は、第十条第一項に定める調査の目的以外の目的のために使用してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第14条(調査票の使用制限)は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第14条の条文原文は「国民健康・栄養調査のために集められた調査票は、第十条第一項に定める調査の目的以外の目的のために使用してはならない。」で始まります。
- 健康増進法第14条は第三章 国民健康・栄養調査等に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第14条の前の条は健康増進法第13条です。
- 健康増進法第14条の次の条は健康増進法第15条です。
- 健康増進法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法14条は、国民健康・栄養調査で集めた調査票を、第10条1項の調査目的以外に使用することを禁じる。行政の別部署での流用も許されない。
Q · 国の栄養調査で出した血液検査や食事の記録、役所の別の仕事に使われることはあるの?
使えない。調査目的以外の使用は本条で禁止されている
健康増進法14条により、国民健康・栄養調査のために集められた調査票は、第10条1項の目的(国民の身体の状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにし、健康増進施策の基礎資料を得ること)以外に使用できません。保健指導の勧誘名簿や他部署の事務への転用も目的外使用にあたります。統計法40条も調査票情報の目的外利用を禁じており、保護は二重です。研究目的の利用は、統計法33条などの正規の提供手続を経る必要があります。
解説
体重計に乗り、採血を受け、一日に食べたものをグラム単位で記録する。国民健康・栄養調査の対象世帯に選ばれると、あなたの家族の身体と食卓が丸ごと行政に差し出される。それでも協力できる法的な根拠が、本条の一文である。集められた調査票は、第10条1項の目的(国民の身体の状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにし、健康増進施策の基礎資料を得ること)以外には使えない。保健所の別の部署が生活保護や税の事務に転用することも、条文上は閉ざされている。押さえておきたいのは、禁止の対象が「調査票」そのものだという点である。誰の手元にあっても、目的外の使用は許されない。さらに統計法40条も、統計調査の調査票情報を目的外に利用することを禁じており、鍵は二重にかかっている。ただし、捜査機関が令状で差し押さえる場面との関係については、実務上、解釈が分かれうる。調査員が玄関先で協力を求めてきたとき、聞くべきなのは「断れますか」より先に「この記録はどこまで流れますか」である。
法的な位置づけ
健康増進法14条は、国民健康・栄養調査の調査票の使用制限を定める規定であり、同調査のために集められた調査票を、第10条1項に定める調査目的、すなわち国民の身体の状況、栄養摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、健康増進施策の基礎資料を得ること以外の目的に使用することを禁止する。
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康・栄養調査とは何ですか?
健康増進法10条に基づき国が毎年行う調査で、身長・体重・血圧・血液検査などの身体状況、1日の食事内容、生活習慣を世帯単位で把握し、健康増進施策の基礎資料とします。
Q2国民健康・栄養調査の対象世帯はどうやって選ばれる?
健康増進法11条により、厚生労働大臣が調査地区を定め、その地区内で都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長)が調査世帯を指定します。
Q3国民健康・栄養調査ではどんなことを調べる?
主に身体状況調査(身長・体重・腹囲・血圧・血液検査・問診)、栄養摂取状況調査(1日の食事記録)、生活習慣調査(質問票)の3つで構成されます。
Q4栄養調査の血液検査の結果は会社や保険会社に伝わる?
伝わりません。調査票は健康増進法14条で調査目的以外の使用が禁止されており、勤務先の健診データや民間保険会社へ流れる法的なルートは存在しません。
Q5調査票を目的外に使った職員はどうなる?
本条違反として違法な取扱いになります。統計法40条違反や公務員の守秘義務の問題も生じ、被害を受けた人は国家賠償法1条に基づく請求を検討できます。
Q6国民健康・栄養調査の結果はいつ公表される?
例年11月に実施され、集計結果の概要は厚生労働省のウェブサイトで公表されます。公表されるのは集計値で、個々の世帯の回答が公表されることはありません。
Q7健康増進法14条の「調査票」には電子データも含まれる?
条文は「集められた調査票」と定めており、その記載内容を入力・保管した情報についても、目的外使用を禁じる本条と統計法40条の趣旨が及ぶと解されます。
Q8自治体が栄養調査のデータで保健指導の案内を送るのは違法?
調査票を使って個人を特定し保健指導へ勧誘すれば、第10条1項の統計目的を外れるため、善意の施策であっても本条違反になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国の栄養調査って、断ったら罰則があるんですか?
第11条2項は、指定された調査世帯に協力する義務を定めている。ただし、健康増進法には協力を拒否したこと自体を罰する規定は置かれていない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:回収率が下がると統計に偏りが出て、自分の世代や地域の健康施策が実態からずれていく。協力するかどうかは、自分の地域の施策の精度に直接はね返る
Q2提出した自分の調査票を、あとで見せてもらうことはできますか?
個人情報保護法の開示請求で取り寄せられると考えがちだが、統計調査の調査票情報には、統計法52条により同法の開示請求などの規定が適用されない。本条と統計法40条で目的外の利用を封じる代わりに、個別に開示するルートも閉じている構造である。実務のポイント:記入した内容を手元に残したいなら、提出前に自分で控えを撮っておくしかない
Q3大学の研究で、国民健康・栄養調査の個票は使えるんですか?
統計的な研究であれば、統計法33条や33条の2に基づいて調査票情報の提供を申請し、利用できる場合がある。審査を経ずに知り合いの職員から個票を受け取れば、本条と統計法40条の両方に抵触しうる。実務のポイント:申請から提供までは数か月かかるのが通例である。論文の締切から逆算して、研究計画の段階で最初に出すべき書類である
間違えやすい点 AI による整理
- 「協力すれば個人情報を国に握られる」と悩む人は多いが、問いの立て方がずれている。論点は国に渡るかどうかではなく、渡った後どこまで流れるかである。本条はその出口を、第10条1項の目的という一本に絞っている
- 目的外使用の禁止は知っていても、「匿名化して集計すれば、何に使ってもよい」と考える職員や研究者がいる。本条が縛っているのは調査票そのものである。個票を別の目的で名簿と照合すれば、最終的な出力が集計値であっても目的外使用になる
- 協力した世帯から見れば、調査票は「出したら終わり」の紙である。法から見れば、厚生労働省、都道府県、研究機関を経由して長く保管される情報資産である。保管のどの段階でも目的外使用は禁じられていて、どこか一か所で破られれば国家賠償の問題になりうる。提出した後こそ、本条の出番になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 健康増進法14条:集められた調査票の使用目的 | 健康増進法10条:調査の実施と目的そのもの 統計法40条:統計調査の調査票情報の利用・提供 |
| 誰に向けた規範か | 調査票を扱うすべての者(国・都道府県・受託者など) | 調査を実施する厚生労働大臣 行政機関の長等 |
| 調査協力世帯から見た意味 | 提出後のデータの出口を一本に絞る約束 | 何のために調査されるのかの根拠 統計一般の目的外利用禁止による二重の鍵 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では健康調査専用の使用制限条文ではなく、公務機関の目的外利用制限(個資法)と統計法上の個別資料保護という一般規定で規律される構造
韓国の国民健康栄養調査は国民健康増進法に根拠を置き、調査資料の保護は統計法の秘密保護規定が担う。日本と同様の二層構造
ドイツは連邦統計法で統計上の秘密(Statistikgeheimnis)を厳格に定め、個票の統計目的外利用を原則禁止する。健康調査もこの一般原則に服する
米国の NHANES は NCHS が実施し、収集目的以外での識別可能情報の利用を連邦法で禁じる。統計機関の守秘義務違反には刑事罰も定められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 11月、保健所から「国民健康・栄養調査にご協力ください」という封書が届いた。血液検査まであると知り、その結果が勤務先の健診データや保険会社に流れないかと手が止まった。調査票は調査目的以外に使えず、民間の保険会社に渡る法的なルートは存在しない
- 県の健康増進課の職員が、栄養調査で把握した「血圧の高い世帯」を、自分の課の保健指導を勧誘する名簿に転用しようとしたら、どうなるか。善意の健康施策であっても、統計の基礎資料という目的を外れて個人に働きかければ、本条違反になりうる。「健康のためだから」は言い訳にならない
- 調査の集計を委託された研究室で、あなたは個票データを企業との共同研究に「ついでに」流用した。最終成果が集計値であっても、目的外使用である
- 調査票の提出期限まであと二日。家族の一人が「飲酒量は正直に書きたくない」と言い出した。正直に書いても問題ない理由は、その数字が健康統計にしか使えないと法律で約束されている点にある。少なめに書いた数字は、そのまま国の飲酒対策の前提をゆがめる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 目的外使用を疑う具体的な事実(どの部署から、何の情報を前提に連絡が来たか)を日時と一緒に記録する2. 情報公開法または自治体の情報公開条例に基づき、調査票の取扱要領、委託契約、管理記録を請求する3. 担当課と厚生労働省に書面で事実確認を求める4. 損害がある場合は、国家賠償法1条による請求を弁護士と検討する。調査票情報には統計法52条で個人情報保護法の開示請求が適用されない点に注意する
訴えられた側:1. 個票を扱う業務が第10条1項の目的に収まるかを、着手前に所管課と文書で確認する2. 委託研究では、契約上の利用範囲と統計法上の二次利用承認の範囲を照らし合わせる3. 流用を指示されたら、本条と統計法40条を示し、書面での指示を求める4. 漏えいが起きたら直ちに報告する。統計調査の秘密漏示には刑事罰があり、隠蔽が最も重い結果を招く
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。国家賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(国家賠償法4条により民法724条が適用される)。処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)制定 栄養改善法を廃止して健康増進法を制定した際、国民栄養調査を国民健康・栄養調査に改め、調査票の目的外使用を禁じる本条を置いた。その後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:栄養改善法を廃止して健康増進法を制定した際、国民栄養調査を国民健康・栄養調査に改めるとともに、調査票の目的外使用を禁じる本条を設けた。その後の改正の有無は要確認
- 健康増進法 第10条使用が許される唯一の目的を定める
- 健康増進法 第11条調査世帯の指定と協力義務
- 健康増進法 第12条調査票を集める調査員の任命
- 統計法 第40条統計調査の調査票情報の目的外利用禁止
- 統計法 第52条調査票情報への個人情報保護法の適用除外
- 統計法 第33条調査票情報の研究用提供手続
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める