受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

健康増進法 第75条

クイックジャンプ

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十二条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 健康増進法第75条は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
  2. 健康増進法第75条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第七十二条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法…」で始まります。
  3. 健康増進法第75条は第九章 罰則に置かれています。
  4. 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
  5. 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 健康増進法第75条の前の条は健康増進法第74条です。
  7. 健康増進法第75条の次の条は健康増進法第76条です。
  8. 健康増進法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式健康増進法(平成十四年法律第百三号)第75条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103
  • 本サイト収録健康増進法(平成十四年法律第百三号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/75

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点健康増進法75条は、従業者が業務に関し72条又は74条の違反をしたとき、行為者に加え法人又は人にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。

Q · 社員が誇大な健康広告で命令違反をしたら、会社まで罰金を科されるの?

科されうる。会社にも同じ条文の罰金刑が及ぶ

健康増進法75条は両罰規定です。従業者や代理人が会社の業務に関して72条(誇大表示等に関する命令違反など)または74条の違反をすると、行為者本人に加えて法人または個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。法人に拘禁刑は科せないため、法人への刑は罰金に限られます。判例は事業主の選任・監督上の過失を推定するため、事前の研修記録や広告審査記録がなければ免責は困難です。

解説

罰せられるのは、広告文を書いた担当者一人ではない。健康増進法75条は、従業員や代理人が「業務に関し」72条または74条の違反をしたとき、手を動かした本人に加えて、その会社や個人事業主にも同じ条文の罰金刑を科す。これを両罰規定(一つの違反で、行為者と事業主の両方を罰する仕組み)という。72条は誇大な健康効果表示をめぐる国の命令に従わなかった場合、74条は許可のない特別用途表示などが中心である。効いてくるのは判例の考え方だ。事業主は、従業者の選任・監督に落ち度がなかったと証明しない限り責任を免れにくい(過失推定)。社内に研修記録や広告審査の記録がなければ、「担当者が勝手にやった」は通らない。法人に拘禁刑は科せないため、法人への刑は罰金に限られ、上限も個人と同額である。本当の痛手は金額ではなく、刑事罰を受けた法人という記録が取引先の信用に残ることだ。

法的な位置づけ

健康増進法75条は、法人の代表者または法人もしくは人の代理人・使用人その他の従業者が、その業務に関し同法72条または74条の違反行為をした場合に、行為者を処罰するとともに、当該法人または人に対しても各本条の罰金刑を科すと定める両罰規定である。判例上、事業主の選任・監督上の過失が推定されると解されている。

よくある質問 AI による整理

Q1両罰規定とは何ですか?

従業者が業務に関して違反行為をしたとき、行為者本人に加えて、その法人や個人事業主にも刑罰を科す規定です。健康増進法では75条がこれにあたります。

Q2健康増進法の誇大表示に罰則はありますか?

誇大表示(65条)そのものに直接の罰則はありません。消費者庁の勧告を経て命令が出され、その命令に違反したときに72条の罰則が適用され、75条で法人にも及びます。

Q3健康増進法75条で法人が受ける罰金はいくらですか?

法人には「各本条の刑」、つまり72条・74条に定める罰金刑が科されます。上限は行為者個人と同額で、72条違反なら最大100万円です。

Q4アフィリエイターの違反で広告主は処罰されますか?

雇用契約がなくても、広告主が事実上指揮監督していれば「従業者」にあたると解される余地があります。委託契約の内容と指示の実態次第で結論が分かれます。

Q5両罰規定で会社が免責される条件は?

判例は、事業主が従業者の選任・監督その他違反防止に必要な注意を尽くしたことを証明すれば免責されうるとします。違反前から存在する客観的な記録が必要です。

Q6健康増進法違反の時効は何年ですか?

72条・74条の罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算するため、違反表示が続いていれば起算が遅れる余地があります。

Q7両罰規定で法人に拘禁刑は科されますか?

科されません。法人は身体を拘束できないため、75条により法人に科されるのは罰金刑のみです。拘禁刑の対象は違反行為をした個人です。

Q8健康増進法の受動喫煙違反も両罰規定の対象ですか?

対象外です。75条が両罰の対象とするのは72条と74条のみで、受動喫煙関係の義務違反の制裁は刑罰ではなく過料(行政上の金銭的制裁)です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1従業員が勝手にやったことでも、会社が罰金を払うことになるんですか?

なりうる。最高裁(最判昭和40.3.26)は、両罰規定の事業主責任について、従業者の選任・監督上の過失を推定し、事業主が注意を尽くしたことを証明すれば免責の余地がある、という立場をとる。本条にも同じ考え方が及ぶと解される。実務のポイント:免責の証明に使えるのは、事件より前の日付が入った記録だけである。発覚後に慌てて作った社内規程は、ほぼ相手にされない

Q2会社が罰金刑を受けたら、社長も前科持ちになるんですか?

本条で罰金を科されるのは法人そのものであり、代表者個人が当然に処罰されるわけではない。ただし、代表者自身が違反行為をすれば「行為者」として個人も処罰される(本条の「行為者を罰するほか」)。実務のポイント:個人事業主は条文上の「人」として罰金を受けるため、前科は本人に付く。法人成りしているかどうかで、同じ違反でも誰の記録に残るかが変わる

Q3同じ広告で景品表示法でも処分されるって聞きました。二重に罰せられるんですか?

景品表示法5条の不当表示と健康増進法65条の誇大表示は重なりうる。消費者庁は、二つの法律を一体として運用するための留意事項を公表している。実務のポイント:健康増進法の罰金は上限が低いが、景品表示法には売上額の3%の課徴金があり、措置命令違反には法人に3億円以下の罰金という重い規定がある。本当に警戒すべき出口はそちら側である

間違えやすい点 AI による整理

  • 経営者から見れば「社員が勝手にやった」は免罪符だが、判例から見れば監督の不備を自分で認める一言に近い。事業主の過失は推定されるので、黙っていても無罪にはならない。審査フローや研修の記録を示して初めて免責の可能性が開ける。この落差を知らない会社ほど、取調べで不利な供述をする
  • 罰金の上限が100万円以下と聞いて胸をなで下ろす経営者は多い。だが深刻なのは金額ではない。法人が刑事罰を受けた事実は、取引先の与信審査、自治体の入札参加資格、金融機関の口座審査などで不利に扱われうる。さらに同じ表示は景品表示法の課徴金にもつながりうるため、損失は健康増進法の罰金だけでは済まない
  • 「受動喫煙の違反でも会社が罰金を取られるのか」という質問は、問いの立て方そのものが誤っている。健康増進法の受動喫煙関係の制裁は刑罰ではなく過料(行政上の金銭的制裁)であり、両罰の対象は72条と74条に限られている。喫煙対策と広告表示とでは、リスクの性質がまったく違う
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割75条:行為者処罰に加え、法人・人にも刑を科す両罰規定72条:誇大表示等に関する命令違反などを処罰する本条(罰則本体)
74条:無許可の特別用途表示等を処罰する本条(罰則本体)
処罰される者行為者+その法人または人(事業主)違反行為をした者(行為者)
違反行為をした者(行為者)
法人に科される刑各本条の罰金刑のみ(拘禁刑は科せない)75条経由で72条の罰金刑(上限100万円)
75条経由で74条の罰金刑
事業主が争う主な論点「業務に関し」該当性、「従業者」該当性、選任・監督上の過失の有無命令の存在・適法性と違反の有無
特別用途表示への該当性と許可の有無

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
食品安全衛生管理法第49条

台湾も食品関連の刑事罰について、行為者に加えて法人・自然人に罰金を科す両罰規定を置く。健康食品の虚偽誇大表示は健康食品管理法による行政罰が中心である

韓国
건강기능식품에 관한 법률(양벌규정)

韓国も多くの行政刑罰法規に양벌규정を置く。憲法裁判所が事業主の過失を問わない양벌규정を違憲とした経緯があり、免責条項を明記するのが通例

中国
中華人民共和国刑法 第30条・第31条

中国は刑法総則で単位犯罪を定め、単位に罰金を科すとともに直接責任者を処罰する双罰制を採る

ドイツ
OWiG § 30・§ 130

ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料(Geldbuße)と監督義務違反で企業責任を処理する点が日本と大きく異なる

フランス
Code pénal art. 121-2

フランスは刑法典総則で法人の刑事責任を一般的に認め、機関または代表者が法人のために行った違反について法人を処罰する

アメリカ
New York Central & Hudson River Railroad Co. v. United States, 212 U.S. 481 (1909)

米国は使用者責任(respondeat superior)の法理で、従業員が職務の範囲内で会社の利益のために行った犯罪について会社の刑事責任を広く認める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • サプリの D2C 企業で、SNS 運用担当が「飲むだけで血糖値が下がる」と投稿し続けた。消費者庁の勧告も、その後の命令も「担当者に任せている」と放置。命令違反の時点で、担当者だけでなく会社も刑事手続の当事者になる
  • もし、成果報酬で頼んだ外部のアフィリエイターが、許可もないのに「トクホ並み」と書いたら、会社は罰せられるのか? 雇用契約がなくても、事実上の指揮監督関係があれば「従業者」に当たりうると解されている。委託の実態次第で判断が分かれるため、契約書と指示記録が結論を左右する
  • 命令書の履行期限まであと10日。広告の差し替えが代理店の手配待ちで止まっている。期限を一日でも過ぎれば72条違反が成立しうるし、その火の粉は75条を通じて会社にも降りかかる
  • 社長はその広告を一度も見ていない。それでも、罰金の名宛人は会社である。
  • 健康食品店を個人で営む友人から相談を受けた。パート従業員が手書きした「病者用」の POP が問題になったという。法人だけでなく「人」も対象なので、個人事業主の店主自身が罰金を受け、その前科は店主本人に付く

取るべき行動

被害を受けた側:1. 誇大な健康効果をうたう広告画面、購入履歴、パッケージを保存する2. 消費者庁や消費生活センター(188番)に情報提供する。72条は命令違反が前提なので、行政が動かなければ刑事手続には進まない3. 返金や損害の回復は別ルートになる。消費者契約法4条(不実告知による取消し)や民法709条で検討する4. 競合事業者として被害を受けているなら、景品表示法上の申出も併せて行う

訴えられた側:1. 勧告・命令の書面を受けたら、直ちに該当表示を全媒体で停止し、是正の記録を残す2. 違反が「業務に関し」て行われたか、選任・監督に過失がなかったかを示す資料(研修記録、審査フロー、承認ログ、外注契約書)を確保する3. 捜査に進んだ場合、法人としての対応窓口を一本化し、早期に弁護士へ相談する4. 景品表示法の措置命令や課徴金と並行しうるため、二つの法律を一体として対応する

時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。行為者・法人とも、72条・74条の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号:長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)で、犯罪行為が終わった時から起算する(同法253条1項)。命令に違反する表示が続いている間は、行為が終わっていないと解される余地がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

過失推定説(判例・通説):事業主の責任は従業者の選任・監督上の過失に基づくものであり、その過失は推定される。事業主が注意を尽くしたことを証明すれば免責されるとして、責任主義との調和を図る。

無過失責任説(旧説):従業者の違反があれば事業主は過失の有無を問わず処罰されるとする見解。責任主義に反するとの批判が強く、現在は支持されていない。

純過失説:事業主の過失は推定されず、検察官が選任・監督上の過失を積極的に立証すべきとする見解。責任主義を徹底するが、判例は採用していない。

改正沿革 AI による整理

  • 平成30年(2018年)改正(要確認) 受動喫煙対策の規定追加に伴う条番号の整理で、両罰規定の位置と引用条文が移ったとみられる。改正前の条番号と具体的な文言の変化は人による検証が必要
  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正に伴い、本条が引用する72条の「懲役」は「拘禁刑」に置き換えられた。法人に科せる刑が罰金だけである点は変わらない

改正の年表

  1. 1.平成14年(2002年) 新設:健康増進法(平成14年法律第103号)の制定に伴い、罰則の両罰規定が置かれた。制定当初の条番号は人による確認を要する
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う整理により、本条が引用する72条の「懲役」が「拘禁刑」に置き換えられた(令和7年6月1日施行)。法人への刑が罰金に限られる点は変わらない

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

健康増進法の全文を見る所属する編章節を開く:第九章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›