健康増進法 第76条
クイックジャンプ
- 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。
- 一第三十二条第三項、第三十四条第三項又は第三十六条第四項の規定に基づく命令に違反した者
- 二第三十三条第三項、第三十五条第三項又は第三十七条の規定に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 健康増進法第76条は、日本の健康増進法に含まれる条文です。
- 健康増進法第76条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 健康増進法第76条は第九章 罰則に置かれています。
- 健康増進法の公布日は平成14年8月2日です。
- 健康増進法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 健康増進法第76条の前の条は健康増進法第75条です。
- 健康増進法第76条の次の条は健康増進法第77条です。
- 健康増進法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000103 - 本サイト収録
健康増進法(平成十四年法律第百三号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000103/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点健康増進法76条は、受動喫煙対策に関する知事等の命令に違反した者、及び喫煙室の標識等に関する一部の義務に違反した者を、五十万円以下の過料に処すると定める。
Q · 受動喫煙対策に違反すると、店はいきなり50万円取られるの?
多くは命令違反が前提で、最大50万円の過料。前科はつかない
健康増進法76条の前半の号は、知事等の命令(32条3項・34条3項・36条4項)への違反が対象です。通常は指導、勧告、公表を経てから命令が出るため、一度の注意でいきなり過料になる構造ではありません。一方、後半の号(33条3項・35条3項・37条違反)は命令を前提にしません。過料は刑罰ではなく、地方裁判所が非訟事件手続で決定するもので、前科にはなりません。
解説
受動喫煙対策の違反で店がいきなり50万円を取られることは、普通はない。健康増進法76条の構造を知れば、それがよく分かる。前半の号が対象にしているのは、都道府県知事(保健所設置市・特別区では市長・区長)の「命令」に違反した者である。知事の命令は、32条3項、34条3項、36条4項に基づくものだ。命令が出るまでには、通常、指導から勧告、公表という段階を踏む。過料は、そのすべてを無視し続けた者が最後に受け取る請求書である。ところが後半の号は性質が違う。33条3項、35条3項、37条の規定に違反した場合は、命令を待たずに直接過料の対象になる。どれも喫煙室の標識などに関する直接の義務規定である。さらに、過料は刑罰の「罰金」ではない。行政上の秩序罰(ルール違反に対する金銭的なペナルティで、前科はつかない)であり、地方裁判所が非訟事件手続(通常の裁判とは違う簡易な手続)で決める。あなたが店の経営者なら、怖がるべきは50万円という数字ではない。「公表」の段階で店名が出ることのほうが、売上には効く。
法的な位置づけ
健康増進法76条は、受動喫煙防止規制の実効性を担保する罰則規定であり、管理権原者等に対する都道府県知事等の命令に違反した者、ならびに喫煙専用室の標識等に関する一部の直接義務に違反した者を、五十万円以下の過料に処する旨を定める。過料は行政上の秩序罰であり、刑事罰である罰金とは区別される。
よくある質問 AI による整理
Q1健康増進法76条とは何ですか?
受動喫煙規制の命令違反や、喫煙室の標識等に関する一部の義務違反に対して、五十万円以下の過料を定める罰則規定です。
Q2受動喫煙の過料はいくらですか?
健康増進法76条の対象となる違反は五十万円以下の過料です。より軽い違反類型には、別の条文で低い上限額が定められています。
Q3受動喫煙の過料は誰が決めるのですか?
都道府県知事等の通知を受けた地方裁判所が、非訟事件手続によって過料の裁判をします。保健所が直接徴収するものではありません。
Q4喫煙専用室の標識がないと違法ですか?
喫煙専用室を設ける場合、標識の掲示は義務です。標識まわりの義務の一部は、命令を経ずに直接76条の過料の対象になる号に含まれます。
Q5保健所の勧告を無視するとどうなりますか?
勧告に従わない場合、施設名の公表や命令に進む可能性があります。その命令にも違反すると、76条により五十万円以下の過料の対象になります。
Q6過料の通知に不服があるときは?
略式手続による過料の裁判には告知から1週間以内に異議を申し立てられます。通常の裁判には2週間以内に即時抗告ができます(非訟事件手続法)。
Q7受動喫煙で店名が公表されることはありますか?
勧告に従わない管理権原者について、知事等が公表できる仕組みがあります。公表は過料より前の段階で行われうるため、実務上の影響が大きいです。
Q8喫煙室の基準違反は誰の責任ですか?
原則としてその場所の管理権原者が責任を負います。共用部はビル所有者・管理者、専有部はテナントと整理されるのが一般的ですが、契約次第で変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って払ったら前科になるんですか? 罰金と何が違うの?
前科にはなりません。76条の過料は行政上の秩序罰で、刑法上の罰金とは別物です。警察も検察も関与せず、都道府県知事等からの通知を受けた地方裁判所が非訟手続で決めます(非訟事件手続法119条以下)。実務のポイント:前科がつかないぶん、裁判所の手続は書面中心で迅速です。言い分があるなら、通知が来た段階で事情を書面にまとめておかないと、反論の機会がほとんどないまま決定が出ることがあります
Q2保健所に一回注意されただけで、いきなり50万円取られることはありますか?
命令違反の号(32条3項・34条3項・36条4項)については、原則として指導、勧告、公表、命令という段階を経たうえでの話です。一度の注意で即過料になる構造ではありません。ただし33条3項・35条3項・37条違反は命令を前提にしていません。実務のポイント:自治体は「公表」に慎重ですが、一度公表されれば記録はネット上に残り続けます。過料の額よりも、公表の手前で止めることのほうが本当の勝負です
Q3ビルのオーナーとテナント、どっちが責任を負うんですか?
対象になるのは、その場所の「管理権原者」(喫煙室の設置や撤去を決める権限を持つ者)です。共用部ならビルの所有者・管理者、専有部なら原則としてテナント、という切り分けが一般的です(30条・32条)。ただし個別の契約関係によって判断が変わります。実務のポイント:賃貸借契約書に喫煙設備の管理責任を明記していないと、保健所はまず登記上のオーナーに連絡してきます。契約更新の際に一行加えておくだけで、無用な巻き込まれを防げます
間違えやすい点 AI による整理
- 「受動喫煙の違反で罰金を取られたら前科がつく」と心配する経営者は多い。だが76条が定めるのは過料であり、刑法上の罰金ではない。警察の捜査も検察の起訴もなく、前科にもならない。その代わり、地方裁判所が非訟手続で決定するため、通常の刑事裁判のような丁寧な審理は期待しにくい
- 50万円という上限額だけを見て「払えばいい」と割り切る店がある。これは深刻度の読み違いである。過料に至るまでの公表の段階で、自治体のウェブサイトに施設名が載りうる。口コミサイトやSNSで拡散されたときの損害は、50万円では済まないことが多い
- 「保健所が来るのは客から通報があったときだけ、だから黙っていれば大丈夫」という発想は、問いの立て方そのものがずれている。後半の号(標識などの直接義務)は命令を前提にしない。是正の機会が与えられる保証はないものとして準備するのが筋である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 健康増進法76条:命令違反・一部直接義務違反に50万円以下の過料 | 健康増進法77条:より軽い違反類型の過料(上限額と対象は現行文言を要確認) 健康増進法32条:管理権原者への勧告・公表・命令の根拠 |
| 命令の要否 | 前半の号は命令違反が前提、後半の号は命令不要 | 対象類型により異なる(要確認) 制裁ではなく、過料の前段階となる行政措置 |
| 決定する機関 | 地方裁判所(非訟事件手続) | 地方裁判所(非訟事件手続) 都道府県知事(保健所設置市・特別区は市長・区長) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は禁菸場所で喫煙した個人と、標示を怠った場所の責任者の双方に行政罰(罰鍰)を科す。即時処分型の色彩が強く、日本の段階的手続とは設計が異なる
韓国も금연구역違反に과태료を科す。喫煙者個人への과태료が日常的に執行される点で日本より直接的
ドイツは連邦施設を連邦法、飲食店等を州法が規律し、違反は秩序違反(Bußgeld)として行政庁が科す
米国は州・自治体単位で規制し、事業者への罰金や営業許可への影響を通じて執行する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保健所から勧告書が届いたのに、忙しさにかまけて放置したら、どうなる? 次の段階は店名の公表で、その次が命令になる。命令にも従わなかった時点で、50万円以下の過料が現実に視野に入ってくる
- 居酒屋を開業し、内装業者に喫煙専用室を作ってもらった。業者は「標識は後でいいですよ」と言った。だが標識まわりの義務は命令を経ずに直接過料の対象になる号に入っている。オープン前日の今夜中に、掲示の有無と様式を確認しておく必要がある
- テナントビルのオーナーとして、あなたは共用部の喫煙所を「昔からあるから」とそのまま残していた。誰が管理権原者(その場所の管理について決める権限を持つ人)に当たるのか。テナントとの間でそこが曖昧なままだと、保健所の指導はまずあなたのところに来る
- 常連客が、喫煙室のドアに貼られた標識を剥がして持ち帰った。誰が責任を負うのか。標識の扱いに関する規定は「何人も」を対象にするものがあり、店の外の人間も当事者になりうる(条文の現行文言を要確認)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 職場や店で受動喫煙にさらされている状況を、日時・場所・標識の有無とあわせて写真とメモで記録する2. 管轄の保健所(受動喫煙対策の窓口)に相談し、施設名と具体的な事実を伝える3. 従業員であれば、事業者の配慮義務についても会社の窓口や労働基準監督署に相談できる4. 行政の対応は指導から始まるため、即効性は期待しすぎず、数週間から数か月の単位で経過を見守る
訴えられた側:1. 指導の段階で是正の意思を示し、改善計画と完了報告を写真付きで提出する2. 勧告書が届いたら期限を必ず守る。公表と命令を避けることが最優先3. 標識・喫煙室の基準など、直接過料の対象になりうる義務は、指導を待たずに自主点検する4. 過料の裁判の通知が来たら、陳述の機会や異議・即時抗告の期限を確認し、必要なら弁護士に相談する
時効(請求できる期限):過料そのものに刑事の公訴時効のような期間制限は定められていない。実務上の期限は、勧告・命令に記載された履行期限である。過料の裁判が略式手続(当事者の陳述を聴かずに行う手続)で出された場合、告知を受けた日から1週間以内に異議を申し立てられる(非訟事件手続法122条)。通常の過料の裁判に対する即時抗告は告知から2週間以内(同法67条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であり、刑法総則の適用はなく行政刑罰とは区別される。法律に基づく過料は非訟事件手続法により地方裁判所が科し、条例・規則に基づく過料は地方自治法により長が科す。
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正、令和2年(2020年)4月1日全面施行 望まない受動喫煙の防止を目的とする改正により、受動喫煙規制の命令違反等に対する過料規定が整備された。本条の新設か条番号移動を伴う改正かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 改正:望まない受動喫煙の防止を目的とする改正。令和2年(2020年)4月1日全面施行。受動喫煙規制の命令違反等に対する過料規定が整備された(本条の新設か条番号移動かは要検証)。
- 健康増進法 第29条喫煙禁止場所での喫煙禁止
- 健康増進法 第30条管理権原者の喫煙器具設置禁止等の責務
- 健康増進法 第32条管理権原者への勧告・公表・命令
- 健康増進法 第33条喫煙専用室の設置と標識等の義務
- 健康増進法 第77条より軽い30万円以下の過料(現行効力を要確認)
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄裁判所
- 非訟事件手続法 第122条略式の過料裁判と異議申立て
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める