人事訴訟法 第33条(事実の調査)
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- 裁判所は、前条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、事実の調査をすることができる。
- 2.裁判所は、相当と認めるときは、合議体の構成員に命じ、又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所に嘱託して前項の事実の調査(以下単に「事実の調査」という。)をさせることができる。
- 3.前項の規定により受命裁判官又は受託裁判官が事実の調査をする場合には、裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
- 4.裁判所が審問期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
- 5.事実の調査の手続は、公開しない。ただし、裁判所は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。
- 6.裁判所は、相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、第四項の審問期日における手続を行うことができる。
- 7.前項の審問期日に出頭しないでその手続に関与した当事者は、その審問期日に出頭したものとみなす。
この条文の基本情報
事実の調査とは何ですか?
定義事実の調査とは、人事訴訟法第33条に定められた規定で、「裁判所は、前条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、事実の調査をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第33条(事実の調査)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第33条の条文原文は「裁判所は、前条第一項の附帯処分についての裁判又は同条第三項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、事実の調査をすることができる。」で始まります。
- 人事訴訟法第33条は第二節 附帯処分等に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第33条の前の条は人事訴訟法第32条です。
- 人事訴訟法第33条の次の条は人事訴訟法第34条です。
- 人事訴訟法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法33条は、離婚訴訟で親権者の指定や養育費・財産分与などの附帯処分を裁判する際、裁判所が事実の調査をできると定める。その手続は原則非公開である。
Q · 離婚裁判で、裁判所は当事者が出した証拠以外のことも調べるの?
はい、親権や養育費の判断では職権で調べられます
人事訴訟法33条1項により、裁判所は附帯処分(子の監護に関する処分、財産分与など)や親権者の指定について裁判する際、事実の調査をすることができます。実務では家庭裁判所調査官(同法34条)が家庭訪問や子との面談、学校への照会を行います。手続は非公開ですが(5項)、当事者は同法35条により裁判所の許可を得て記録を閲覧・謄写できます。
解説
離婚訴訟で親権や養育費を決めるとき、裁判所はあなたの知らないところで情報を集めている。人事訴訟法33条が認める「事実の調査」がそれだ。通常の民事訴訟なら、当事者が出した証拠しか裁判官は見てはいけない。だがこの条文は、子の親権・監護・養育費・財産分与といった附帯処分の判断について、その原則を外す。家庭裁判所調査官があなたの自宅を訪ね、子どもの通う学校に照会をかけ、子ども本人と面談する。その調査報告書が、あなたが法廷で述べた主張よりも重い比重で親権の帰趨を決めることがある。さらに5項は、この手続が公開されないと定める。あなたが知っておくべきは、非公開であっても当事者には記録の閲覧・謄写の道がある(人事訴訟法35条)という点だ。調査報告書を読まずに判決を待つ当事者と、読んで意見書で反論する当事者では、結果が変わる。
法的な位置づけ
人事訴訟法33条は、離婚等の人事訴訟において、附帯処分(子の監護に関する処分、財産分与等)および親権者の指定について裁判をするに当たり、裁判所が当事者の主張立証に限られず事実の調査をすることができる旨を定める規定である。審問期日への立会権、手続の非公開、音声通話による審問も併せて規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.監護実績の資料を時系列で整理する 母子手帳、通院記録、保育園・学校の連絡帳、行事参加の写真、送迎記録などを時系列にまとめ、調査官調査の前に提出できるよう準備する
- 2.調査官調査・家庭訪問に臨む 調査は観察の場でもあることを意識し、相手方への非難よりも子の日常をどう支えてきたかを具体的に説明する。子への発言の誘導は避ける
- 3.審問期日の立会い・参加方法を確認する 33条4項の立会権を確認し、DV等で立会いに不安がある場合は裁判所に事情を伝える。遠方の場合は6項の電話会議等の利用を申し出る
- 4.調査報告書を閲覧・謄写する 報告書提出後、速やかに人事訴訟法35条に基づき閲覧・謄写を申請し、事実誤認や一方的な記載がないかを確認する
- 5.判決前に意見書で反論する 不利な記載や事実誤認があれば、判決言渡し前に客観資料を添えた意見書を提出し、必要に応じて再調査を申し出る
よくある質問 AI による整理
Q1人事訴訟法33条の事実の調査とは?
離婚訴訟の親権・養育費・財産分与などの判断について、裁判所が当事者の提出証拠に限られず自ら事実を調べる手続です。
Q2事実の調査と証拠調べの違いは?
証拠調べは民事訴訟法の厳格な方式に従いますが、事実の調査は方式が柔軟で、家庭訪問や照会、子との面談など多様な方法をとれます。
Q3離婚裁判の家庭訪問は拒否できる?
法的な強制力はありませんが、非協力的な態度も報告書に記録され、親権判断で不利に評価されるおそれがあります。
Q4審問期日とは何をする日?
裁判所が当事者の陳述を直接聴いて事実の調査をする期日です。33条4項により、他の当事者も原則として立ち会えます。
Q5事実の調査はどれくらいの期間かかる?
法律上の期限はなく、事案により異なります。調査官調査は数週間から数か月程度かかることがあり、その間も訴訟は続きます。
Q6離婚裁判の審問はオンラインで参加できる?
33条6項により、裁判所が相当と認め当事者の意見を聴いたうえで、電話会議等の方法で審問期日の手続を行えます。
Q7事実の調査は傍聴できる?
33条5項により手続は非公開です。ただし裁判所が相当と認める者については傍聴を許すことができます。
Q8事実の調査は地元の裁判所でもしてもらえる?
33条2項により、裁判所は相当と認めるときは他の家庭裁判所や簡易裁判所に嘱託して事実の調査をさせることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査官って何者ですか、裁判官とは違うんですか?
家庭裁判所調査官は心理学・社会学・教育学などの専門知識を持つ裁判所職員で、裁判官とは別の職種です。33条1項の事実の調査の実務を担い、子の意向調査や家庭訪問を行います。実務のポイント:調査官は「どちらの親がより良いか」ではなく「子の福祉にとってどうか」という視点で書きます。自分の正当性や相手の非を並べ立てるより、子の日常をどう支えてきたかを具体的に語る当事者の方が、報告書の評価は高くなる
Q2調査の中身は非公開なんですよね、自分も見られないんですか?
5項の非公開は第三者の傍聴を制限する規定で、当事者の閲覧を封じるものではありません。人事訴訟法35条により、当事者は裁判所の許可を得て記録の閲覧・謄写ができます。実務のポイント:許可制なので、子の利益を害するおそれがある部分は制限されることがあります。それでも申請しない当事者が相当数いる。報告書を読んだ側と読まない側では、判決前の最後の反論機会の使い方が決定的に変わる
Q3相手が審問で何を話したか、私も聞けるんですか?
4項により、他の当事者は審問期日に立ち会えるのが原則です。ただし但書があり、立会いによって調査に支障が生じるおそれがあると裁判所が認めれば排除されます。実務のポイント:DV や強度の対立がある事案では但書が発動しやすい。立ち会えなかった場合でも、審問の結果は記録に残り閲覧の対象になりうる。立会いを拒まれた時点で諦めず、記録側からアプローチする
間違えやすい点 AI による整理
- 調査官の調査は「参考程度」だと思われがちだが、実務では親権判断の中核になる。裁判官が自ら子どもに面談することは稀で、報告書の記載がほぼそのまま事実認定に取り込まれる。参考程度と思って調査に非協力的な態度を取った当事者が、その態度自体を報告書に書かれて不利になるケースは珍しくない
- 「非公開の手続だから、自分も中身を見られない」と多くの当事者が諦めている。これは前提が違う。5項の非公開は傍聴人を排除する規定であって、当事者の記録閲覧を封じるものではない。人事訴訟法35条により、当事者は裁判所の許可を得て調査結果の記録を閲覧・謄写できる。問うべきは「見られるか」ではなく「いつ申請するか」だ
- あなたから見れば調査官の訪問は「家庭の事情を説明する場」だが、調査官から見ればそれは「観察の場」である。何を話したかと同じ重みで、どう振る舞ったか、子どもがあなたにどう接したかが記録される。この視点の落差に気付かないまま「言いたいことは言った」と満足して帰る当事者が、報告書を読んで初めて愕然とする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 人訴法33条:附帯処分・親権者指定のための事実の調査の権限と手続 | 人訴法34条:家庭裁判所調査官に事実の調査をさせる権限 人訴法35条:事実調査部分の記録の閲覧・謄写 |
| 誰が動くか | 裁判所(受命裁判官・受託裁判官を含む) | 家庭裁判所調査官 当事者が申請し、裁判所が許可 |
| 当事者にとっての意味 | 審問への立会権、非公開、電話会議での参加 | 家庭訪問・子との面談などを受ける 調査結果を読んで反論する手段 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も家事事件で職権探知を認め、家事調査官が裁判所の命を受けて事実を調査する仕組みをもつ。
韓国の家事訴訟でも裁判所の職権調査が認められ、家事調査官による調査が行われる。
ドイツの家事事件手続では裁判所が職権で必要な事実を調査する原則が明文化されている。
米国の統一法モデルでは、監護の判断のために裁判所が調査・報告を命じられる。採用は州ごとに異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚訴訟の途中、家庭裁判所から「調査官があなたのご自宅を訪問します」と連絡が来た。これは33条1項の事実の調査だ。部屋の片付け具合、子どもの学用品の置かれ方、冷蔵庫の中身まで観察対象になる。この訪問一回が、親権の判断材料として判決文に引用される
- あなたが相手方の立場で、配偶者が審問期日に呼ばれたと知った。4項により、あなたはその期日に立ち会える。ただし但書があり、あなたが立ち会うと調査に支障が生じると裁判所が判断すれば締め出される。DV 事案ではこの但書が発動しやすい
- もし、子どもが調査官との面談で「お父さんと暮らしたい」と言ったとしたら? その発言は調査報告書に記録される。だが裁判所は子の発言をそのまま採用するわけではなく、同居親の影響下にあるかどうかも含めて評価する。片方の親の前で言わされた言葉かどうかを、調査官は見抜く訓練を受けている
- 遠方に転居した当事者が審問期日に出られない。6項の電話会議・ウェブ会議の方法で参加できる。7項により、出頭したものとみなされる。移動費と休業損害を毎回払わずに済む
- 判決言渡しまであと三週間。調査官の調査報告書はすでに提出済みだが、あなたはまだ読んでいない。今すぐ閲覧・謄写を申請して内容を確認し、不利な記載があれば意見書を出す。判決が出てからでは遅い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査官調査の連絡が来たら、監護実績を示す客観資料(母子手帳、通院記録、保育園連絡帳、行事参加の記録)を時系列で整理し、事前に提出する2. 審問期日の通知が来たら、4項により立ち会えるか確認、DV 等で立会いに不安があれば但書の適用を申し出る3. 遠方であれば6項の電話会議・ウェブ会議の利用を申し出る4. 調査報告書が提出されたら直ちに人事訴訟法35条に基づき閲覧・謄写を申請、事実誤認があれば判決前に意見書を提出
訴えられた側:1. 調査に非協力的な態度は報告書に記載され不利に働く、拒否ではなく適切な説明で臨む2. 相手方の主張に事実誤認があれば、調査官面談の場で客観資料を示して具体的に反論3. 子どもへの面談が予定されている場合、子に対して特定の発言を誘導することは逆効果、調査官は誘導の痕跡を見抜く4. 報告書に一方的な記載があれば、閲覧のうえ意見書で反論、必要に応じて調査官の証人尋問を申請する余地もある
時効(請求できる期限):事実の調査自体に特定の期限はないが、調査報告書に対する反論は判決言渡し前に行う必要がある。閲覧・謄写の申請は報告書提出後速やかに。判決に不服がある場合の控訴期間は判決書送達から2週間(民事訴訟法285条)
学説
通説:附帯処分や親権者指定は本質的に非訟的性格をもち、子の福祉の観点から後見的判断が求められるため、弁論主義を後退させ職権による事実の調査を認めたものと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟手続法を全面的に改めた人事訴訟法の制定に伴い、附帯処分等についての事実の調査の規定として設けられた。
- 人事訴訟法 第32条事実の調査の対象となる附帯処分の裁判
- 人事訴訟法 第34条家庭裁判所調査官による事実の調査
- 人事訴訟法 第35条事実の調査の記録の閲覧謄写
- 人事訴訟法 第20条職権による事実探知と証拠調べの原則
- 家事事件手続法 第56条家事審判における職権事実調査の並行規定
- 民法 第819条離婚時の親権者指定、本条の判断対象の実体法根拠
- 民事訴訟法 第179条通常訴訟の証拠原則、本条が修正する対象
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