人事訴訟法 第3条の4(子の監護に関する処分についての裁判に係る事件等の管轄権)
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- 裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有するときは、第三十二条第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判、同項の親権行使者の指定についての裁判及び同条第三項の親権者の指定についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。
- 2.裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有する場合において、家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第三条の十二各号のいずれかに該当するときは、第三十二条第一項の財産の分与に関する処分についての裁判に係る事件について、管轄権を有する。
この条文の基本情報
子の監護に関する処分についての裁判に係る事件等の管轄権とは何ですか?
定義子の監護に関する処分についての裁判に係る事件等の管轄権とは、人事訴訟法第3条の4に定められた規定で、「裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有するときは、第三十二条第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判、同…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 人事訴訟法第3条の4(子の監護に関する処分についての裁判に係る事件等の管轄権)は、日本の人事訴訟法に含まれる条文です。
- 人事訴訟法第3条の4の条文原文は「裁判所は、日本の裁判所が婚姻の取消し又は離婚の訴えについて管轄権を有するときは、第三十二条第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判、同…」で始まります。
- 人事訴訟法第3条の4は第一款 日本の裁判所の管轄権に置かれています。
- 人事訴訟法の公布日は平成15年7月16日です。
- 人事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 人事訴訟法第3条の4の前の条は人事訴訟法第3条の3です。
- 人事訴訟法第3条の4の次の条は人事訴訟法第3条の5です。
- 人事訴訟法第3条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第3条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000109 - 本サイト収録
人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第3条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000109/3_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点人事訴訟法3条の4は、離婚訴訟の国際裁判管轄があれば親権者・監護者の指定も日本で裁判できるが、財産分与は家事事件手続法3条の12の要件を別に満たす必要があると定める。
Q · 国際離婚を日本の裁判所で起こしたら、親権も財産分与もまとめて決めてもらえるの?
親権は一緒に決まるが、財産分与は別要件を満たす必要がある
人事訴訟法3条の4第1項により、日本の裁判所が離婚訴訟の管轄権を持てば、子の監護者・親権者の指定の裁判も同じ訴訟で扱えます。子が外国に住んでいても同様です。一方、第2項により財産分与は、家事事件手続法3条の12各号(相手方の住所が日本、夫婦双方が日本国籍、日本在住の申立人と最後の共通の住所が日本、または特別の事情)のいずれかに当たる場合に限られます。
解説
国際離婚で本当に怖いのは、離婚そのものより離婚のあとに残るものだ。人事訴訟法3条の4第1項は、日本の裁判所が離婚または婚姻取消しの訴えを扱えるなら、その訴訟の中で子の監護者・親権者を決める裁判(32条1項・3項)も一緒にできると定める。子が外国に住んでいても、である。ところが2項は扱いが違う。財産分与だけは、家事事件手続法3条の12の各号(相手方の住所が日本にある、夫婦がともに日本国籍、最後の共通の住所が日本にあった、または衡平上の特別の事情)のどれかに当たらなければ、日本の裁判所は手を出せない。つまり、日本で離婚判決を取り親権者にもなれたのに、お金の清算だけ門前払いという事態が制度上あり得る。しかも財産分与の請求は離婚の時から2年で消える(民法768条2項但書)。あなたが訴状を出す前に確かめるべきは、この2項の入口を自分が通れるかどうかだ。
法的な位置づけ
人事訴訟法第3条の4は、離婚又は婚姻取消しの訴えに付随する附帯処分の国際裁判管轄を定める規定である。子の監護に関する処分及び親権者・親権行使者の指定は離婚訴訟の管轄に連動させ、財産の分与に関する処分は家事事件手続法第3条の12各号の管轄原因を追加の要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.離婚の訴えの管轄を確認する 人事訴訟法3条の2の各号(被告の住所、双方の日本国籍、最後の共通の住所と原告の住所など)のどれに当たるかを確認する。ここが立たなければ本条の連動は一切使えない
- 2.財産分与の管轄原因を号ごとに検討する 家事事件手続法3条の12の1号から4号のいずれで管轄を拾えるかを検討し、相手の住所、双方の国籍、最後の共通の住所などの基礎事実を資料で固める
- 3.訴状に附帯処分の申立てと管轄原因を明記する 親権者指定と財産分与の附帯処分を申し立て、特に財産分与については2項の管轄原因を主張レベルで書き込む
- 4.管轄が立たない見込みなら協議と期限管理を優先する どの号にも当たらない見込みなら、訴状提出前に協議での分与合意を目指す。離婚後の請求期間(改正後5年、施行前離婚は2年)を逆算して動く
よくある質問 AI による整理
Q1国際離婚 日本で裁判できる?
被告の住所が日本にある、夫婦双方が日本国籍である等、人事訴訟法3条の2の管轄原因があれば日本の裁判所で離婚訴訟を起こせます。
Q2国際離婚 親権 どこの国で決める?
日本で離婚訴訟の管轄が認められれば、人事訴訟法3条の4第1項により、子が外国に住んでいても日本の裁判所が親権者を指定できます。
Q3国際離婚 財産分与 日本の裁判所でできる?
離婚訴訟の管轄に加え、家事事件手続法3条の12各号のいずれかに当たる必要があります。相手方の住所が日本なら最も確実に管轄が立ちます。
Q4海外にある財産 財産分与の対象になる?
日本に財産分与の管轄が立てば外国所在の財産も分与の対象として判断されえますが、外国での執行はその国の承認手続に左右されます。
Q5財産分与 請求期限 いつまで?
令和6年民法改正で離婚後2年から5年に延長されました(2026年4月1日施行)。施行前の離婚は従前の2年が適用される経過措置に注意が必要です。
Q6相手が海外在住 離婚訴訟 起こせる?
相手が日本に住所を持たなくても、夫婦双方が日本国籍、最後の共通の住所が日本で原告が日本在住など、3条の2の各号に当たれば起こせます。
Q7日本の離婚判決 外国で有効?
外国での効力はその国の承認制度次第です。日本で勝訴しても、相手国で承認されなければ親権や財産の執行に使えない場合があります。
Q8附帯処分とは 離婚訴訟
離婚訴訟の中で併せて申し立てる子の監護、親権者指定、財産分与、年金分割などの処分を指します(人事訴訟法32条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本で離婚の裁判をしたら、親権も財産分与も全部まとめてやってくれるんですよね?
子の監護者・親権者の指定はまとめて扱えます(本条1項、人事訴訟法32条1項・3項)。ただし財産分与は2項により、家事事件手続法3条の12の要件を別に満たす必要があります。実務のポイント:相手が日本に住所を持たない場合、実務では同条第4号の「相手方が申立てに応じるとき」を取りにいきます。相手が管轄を争わずに応じた瞬間に扉が開くため、弁護士は相手に代理人が付く前の連絡の仕方から設計しています
Q2日本の裁判所で親権者に指定されたら、子どもを日本に連れて帰れますか?
別問題です。本条1項が与えるのは親権者を「決める」管轄であり、国境を越えて子を現実に移す手続は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による返還手続など、まったく別の軌道で進みます。実務のポイント:先に子を日本へ連れ帰ってから日本で訴訟を起こすと、相手国から不法な連れ去りと評価され、返還を命じられる場合があります。順序を誤ると、有利にするつもりの一手が最大の不利になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本で離婚できますか」という問いの立て方そのものが、すでに間違っている。本条が示すのは、国際離婚が離婚・子・お金という三つの独立した管轄判断の束だという構造だ。問うべきは「離婚の訴えは日本で立つか」「附帯処分として親権は一緒に決まるか」「財産分与は家事事件手続法3条の12を通るか」の三つであり、この分解をせずに弁護士に相談すると、答えも半分しか返ってこない
- 「離婚が認められれば財産分与も当然ついてくる」と考えるのは自然だが、2項はそう書いていない。1項の子に関する裁判は離婚訴訟の管轄に完全連動するのに対し、財産分与だけは別途3条の12の要件審査を通る。同じ訴訟の同じ附帯処分でありながら、子とお金で管轄のルートが分かれている
- あなたから見れば離婚は一つの出来事だが、法律から見れば管轄の判断は三回ある。その落差を知らないまま訴状を出すと、日本で離婚と親権を取った翌年、財産の清算のために相手の居住国で弁護士を探し直すことになる。訴訟を一つ終えた疲労のあとに、時効の時計付きでもう一回戦が始まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 人訴3条の4:附帯処分(親権・監護・財産分与)の管轄 | 人訴3条の2:離婚等の人事訴訟本体の管轄 人訴3条の5:特別の事情による訴えの却下 |
| 管轄の決まり方 | 親権・監護は離婚管轄に自動連動、財産分与は家事3条の12の追加要件 | 被告住所・双方日本国籍・最後の共通の住所など各号列挙 管轄があっても衡平・子の利益等から却下しうる出口規定 |
| 当事者の実務上の意味 | 訴状で親権と財産分与の管轄を別々に主張する必要 | まず日本で離婚が起こせるかの入口判断 被告側が管轄ありでも却下を求める防御手段 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は婚姻事件の管轄規定に渉外事件の管轄原因を置き、関連する家事事件の合併審理を認める。財産と子で管轄ルートを分ける日本型の明文区分は見られない
2022年全面改正の国際私法で婚姻関係事件の特別管轄を明文化。附帯的な子の監護・財産分与も関連事件として扱われうる
ドイツは離婚と Folgesachen の Verbund を管轄面でも認めるが、EU 域内では Brüssel IIb-VO と扶養規則が優先し、財産問題は別の EU 規則で規律される
米国は子の監護管轄を子の home state 基準で離婚管轄と切り分けており、日本の1項の連動型とは発想が逆
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アメリカ在住の夫と別居し、子を連れて日本に帰国した。日本で離婚訴訟は起こせるとして、向こうに残した預金と現地の不動産の清算は、同じ法廷で一緒に片付くのか? 夫が日本に住所を持たず管轄を争ってくるなら、2項の入口は一気に狭くなる。しかも離婚判決が確定した日から2年、その時計は判決と同時に動き出す
- 日本人の妻から日本の裁判所に離婚訴訟を起こされた外国籍の夫の側に立ってみる。子はこちらの国で学校に通い、生活の本拠もここにある。それでも1項により、日本の裁判所は親権者を指定できてしまう。応訴して争うか、無視して放置するか。放置した先に出た日本の判決が、子の住む国で承認・執行されるかどうかは、そこからさらに別の戦いになる
- 別居中の夫婦がともに日本国籍で、二人ともシンガポール在住。離婚訴訟は日本で起こせるうえ、財産分与も家事事件手続法3条の12第2号(夫婦がともに日本国籍)で日本に管轄が立つ。国籍が揃っているというだけで、二つの扉が同時に開く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 離婚の訴えが日本で立つか(人事訴訟法3条の2)をまず確認2. 次に財産分与について家事事件手続法3条の12のどの号で拾えるかを検討し、該当号の基礎事実(相手の住所、双方の国籍、最後の共通の住所)を資料で固める3. 訴状に附帯処分の申立てを明記し、2項の管轄原因も主張レベルで書き込む4. どの号にも当たらない見込みなら、訴状提出前に協議での分与合意を取りにいく。離婚確定後2年で権利が消える点を逆算して動く
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、離婚本体と附帯処分それぞれについて日本に管轄があるかを個別に検証する2. 財産分与について3条の12の号に当たらないと考えるなら、応じる姿勢を示す前に管轄を争う。無警戒に応訴すると第4号の入口を自分で開けることになる3. 子が外国に生活の本拠を持つ場合、1項で管轄は立つものの、人事訴訟法3条の5の特別の事情による却下を主張する余地を検討4. 放置は最悪手。欠席判決が出た後の外国での承認阻止は、応訴より費用も時間もかかる
時効(請求できる期限):財産分与の請求は離婚の時から2年(民法768条2項但書、除斥期間であり中断しない)。年金分割の請求も原則として離婚等の日の翌日から2年(厚生年金保険法、最新の改正状況をご確認ください)。国際裁判管轄の有無は職権調査事項であり、当事者が争わなくても裁判所が判断する。なお人事訴訟の国際裁判管轄には管轄の合意や応訴による創設の規定が置かれていない点に注意
学説
立法趣旨(子と財産の分離):子の監護・親権は離婚と切り離すと子の福祉の判断が分断されるため離婚管轄に連動させ、財産分与は財産所在や当事者間の公平を個別に測るため家事事件手続法の管轄原因を要求したと説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)新設、令和元年(2019年)4月1日施行 人事訴訟法等の一部を改正する法律により、人事訴訟の国際裁判管轄を定める3条の2から3条の5が新設され、その一環として本条が追加された。従来は明文規定がなく、判例(最大判昭和39.3.25、最判平成8.6.24など)の蓄積で処理されていた附帯処分の国際裁判管轄が、子に関する裁判は離婚管轄に連動、財産分与は家事事件手続法3条の12を経由という形で立法的に整理された
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:人事訴訟法制定(旧人事訴訟手続法を全面改正)。当時は国際裁判管轄の明文規定なし
- 2.平成30年(2018年) 新設:人事訴訟法等の一部を改正する法律により3条の2から3条の5とともに本条を新設(令和元年4月1日施行)
- 3.令和6年(2024年) 改正:民法等の一部を改正する法律(共同親権導入等)に伴い、親権行使者の指定の裁判が附帯処分の対象として本条に加わった。施行日と改正文言は e-Gov で要確認
- 人事訴訟法 第3条の2離婚の訴えの国際裁判管轄、本条の前提条件
- 人事訴訟法 第3条の3併合請求における管轄権の特則
- 人事訴訟法 第3条の5特別の事情による訴えの却下、管轄の出口制御
- 人事訴訟法 第32条附帯処分の裁判、本条が管轄を定める対象
- 家事事件手続法 第3条の12財産分与の管轄原因、本条2項の参照先
- 家事事件手続法 第3条の8子の監護に関する審判事件の単独管轄
- 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律 第32条子の返還申立事件の管轄、親権裁判と別軌道
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