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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

仲裁法 第49条(暫定保全措置命令に係る違反金支払命令)

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  1. 裁判所は、暫定保全措置命令(第二十四条第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる措置を講ずることを命ずるものに限る。以下この条において同じ。)について確定した執行等認可決定がある場合において、当該暫定保全措置命令を受けた者(以下この条において「被申立人」という。)がこれに違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該暫定保全措置命令の申立てをした者(第六項において「申立人」という。)の申立てにより、当該暫定保全措置命令の違反によって害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度を勘案して相当と認める一定の額の金銭の支払(被申立人が暫定保全措置命令に違反するおそれがあると認める場合にあっては、被申立人が当該暫定保全措置命令に違反したことを条件とする金銭の支払)を命ずることができる。
  2. 2.裁判所は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による金銭の支払命令(以下この条において「違反金支払命令」という。)を、執行等認可決定と同時にすることができる。この場合においては、違反金支払命令は、執行等認可決定が確定するまでは、確定しないものとする。
  3. 3.第一項の申立てに係る事件は、第五条第一項及び第二項の規定にかかわらず、執行等認可決定をした裁判所及び第四十七条第一項の申立て(同項第二号に係るものに限る。次項において同じ。)に係る事件が係属する裁判所の管轄に専属する。
  4. 4.裁判所は、第二項前段の規定に基づき、違反金支払命令を執行等認可決定と同時にした場合において、執行等認可決定を取り消す裁判が確定したとき又は第四十七条第一項の申立てが取り下げられたときは、職権で、違反金支払命令を取り消さなければならない。
  5. 5.違反金支払命令は、確定しなければその効力を生じない。
  6. 6.違反金支払命令により命じられた金銭の支払があった場合において、暫定保全措置命令の違反により生じた損害の額が支払額を超えるときは、申立人は、その超える額について損害賠償の請求をすることを妨げられない。
  7. 7.違反金支払命令が発せられた後に、仲裁廷又は第四十七条第三項に規定する裁判機関により、暫定保全措置命令が取り消され、変更され、又はその効力を停止されたときは、違反金支払命令を発した裁判所は、被申立人の申立てにより、違反金支払命令を取り消すことができる。
  8. 8.第四十七条第三項の規定は第一項の申立てについて、第四十四条第四項及び第七項の規定は第一項及び前項の申立てについての決定について、それぞれ準用する。

この条文の基本情報

暫定保全措置命令に係る違反金支払命令とは何ですか?

定義暫定保全措置命令に係る違反金支払命令とは、仲裁法第49条に定められた規定で、「裁判所は、暫定保全措置命令(第二十四条第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる措置を講ずることを命ずるものに限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 仲裁法第49条(暫定保全措置命令に係る違反金支払命令)は、日本の仲裁法に含まれる条文です。
  2. 仲裁法第49条の条文原文は「裁判所は、暫定保全措置命令(第二十四条第一項第一号、第二号、第四号又は第五号に掲げる措置を講ずることを命ずるものに限る。」で始まります。
  3. 仲裁法第49条は第八章 仲裁判断の承認及び執行決定等に置かれています。
  4. 仲裁法の公布日は平成15年8月1日です。
  5. 仲裁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 仲裁法第49条の前の条は仲裁法第48条です。
  7. 仲裁法第49条の次の条は仲裁法第50条です。
  8. 仲裁法第49条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第49条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000138
  • 本サイト収録仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第49条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/415AC0000000138/49

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点仲裁法49条は、確定した執行等認可決定がある暫定保全措置命令に違反し又は違反のおそれがあるとき、裁判所が申立人への違反金の支払を命じられると定める。

Q · 仲裁人の「資産を動かすな」という命令を相手が破ったら、何かペナルティはあるの?

裁判所が相手に違反金を申立人へ払わせられる

仲裁法49条により、暫定保全措置命令について確定した執行等認可決定(47条)があれば、裁判所は申立人の申立てで、被申立人に相当額の違反金の支払を命じることができます。違反の「おそれ」の段階でも、違反を条件とする支払命令が可能です。違反金は国庫ではなく申立人に支払われ、実損が上回れば超過分を損害賠償で請求できます(6項)。ただし命令は確定するまで効力を生じません(5項)。

解説

「仲裁人の命令は紙切れだ」という常識は、2024年4月1日に終わった。それまで仲裁廷が出す「資産を動かすな」「証拠を消すな」という暫定保全措置命令(仲裁人が最終判断の前に出す仮の命令)には強制力がなかった。相手が無視すれば、あなたは改めて裁判所に保全処分を求めるしかなかった。改正後の本条では、裁判所の執行等認可決定(仲裁廷の命令を裁判所が正式に後押しする決定)が確定していれば、裁判所が一定額の金銭を相手からあなたへ払わせる命令を出せる。違反があった場合だけでなく、違反の「おそれ」がある段階でも、違反を条件とする支払命令を出せる。罰金と違い、お金は国庫ではなく申立人に入る。実際の損害がその額を超えれば、超過分は別に損害賠償で請求できる(6項)。ただし対象は24条1項1・2・4・5号の措置に限られ、命令は確定するまで効力を生じない(5項)。

法的な位置づけ

仲裁法49条は違反金支払命令を定める規定であり、仲裁廷の暫定保全措置命令(24条1項1・2・4・5号に限る)について確定した執行等認可決定がある場合に、被申立人の違反又は違反のおそれを要件として、裁判所が申立人への相当額の金銭支払を命じる間接強制型の制度である。2023年改正で新設された。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.暫定保全措置の類型を確認する 仲裁廷に求める暫定保全措置が仲裁法24条1項1・2・4・5号のどれに当たるかを特定する。これ以外の号の措置では違反金支払命令を使えないため、申立ての組み立て段階で対象号に寄せる
  2. 2.執行等認可決定と違反金支払命令を同時に申し立てる 暫定保全措置命令が出たら、47条1項の執行等認可決定の申立てと同時に違反金支払命令を求める(49条2項)。別々に申し立てると二段階の審理となり、その間に資産が動くおそれがある
  3. 3.違反の「おそれ」と相当額の根拠を立証する 資産搬出の手配、ログの自動削除予定など違反のおそれを示す証拠を集める。あわせて、害される利益の内容・性質、侵害の態様・程度を具体的な数字で示し、相当額の根拠を構成する
  4. 4.命令確定まで不服申立てに備える 違反金支払命令は確定しなければ効力を生じない(5項)。相手方の即時抗告に備え、反論資料を準備しておく。同時申立ての場合、認可決定の確定まで違反金支払命令も確定しない点に注意する
  5. 5.超過損害を別途請求する 違反金を受領しても実損がこれを上回る場合、6項に基づき超過額を損害賠償として請求する。消滅時効(民法166条・724条)の起算点を把握して期限内に動く

よくある質問 AI による整理

Q1違反金支払命令とは何ですか?

仲裁廷の暫定保全措置命令を守らせるため、裁判所が被申立人に一定額の金銭を申立人へ支払うよう命じる制度です。仲裁法49条が根拠です。

Q2仲裁法49条はいつから施行されていますか?

令和5年(2023年)の仲裁法改正で新設され、令和6年(2024年)4月1日から施行されています。それ以前の暫定措置命令には強制手段がありませんでした。

Q3違反金支払命令の対象になる暫定保全措置は?

仲裁法24条1項1・2・4・5号の措置に限られます。それ以外の号の措置は対象外なので、申立ての段階でどの号に当たるかを確認する必要があります。

Q4違反金支払命令はどこの裁判所に申し立てる?

執行等認可決定をした裁判所、または47条1項2号の申立てに係る事件が係属する裁判所の専属管轄です(3項)。5条の一般管轄は使えません。

Q5違反金支払命令に不服があるときは?

決定に対しては即時抗告ができます(8項による44条7項の準用)。命令は確定するまで効力を生じないため、抗告中は支払義務が発生しません。

Q6暫定保全措置命令が取り消されたら違反金はどうなる?

仲裁廷等が暫定保全措置命令を取消し・変更・効力停止した場合、被申立人の申立てにより裁判所は違反金支払命令を取り消すことができます(7項)。

Q7執行等認可決定の前に違反金を申し立てられる?

単独では確定した執行等認可決定が前提です。ただし2項により、執行等認可決定と同時に違反金支払命令を出してもらうことは可能です。

Q8違反金の支払命令は違反前でも出せる?

出せます。違反するおそれがあると認められれば、違反したことを条件とする金銭の支払を命じることができます(1項括弧書き)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1仲裁人の命令って、前は無視しても本当に何も起きなかったんですか?

旧法のもとでは、仲裁廷の暫定保全措置命令に執行力はなかった。守らせるには、別に裁判所へ保全処分を申し立てる必要があった(仲裁法15条、民事保全法)。令和5年改正で、47条の執行等認可決定と本条の違反金支払命令が新しく設けられた。実務のポイント:違反金の本当の効き目は、実際に払わせることよりも、相手の代理人が依頼者に「無視は高くつく」と説明せざるを得なくなる点にある

Q2違反金って、間接強制とどう違うんですか?

どちらも金銭の負担で相手に義務を守らせる仕組みである。受け取るのが権利者側であること、実損が上回れば超過分を請求できること(本条6項、民事執行法172条4項)も共通している。違いは入口で、間接強制は債務名義を前提とする民事執行の手続、本条は仲裁廷の暫定措置のための専用ルートである。実務のポイント:本条は違反の「おそれ」の段階で条件付きの命令を出せると明記している。まだ破られていない命令にも、先回りで値札を付けられる

Q3違反金っていくらになるんですか?相場はありますか?

条文に定額はない。裁判所が、害される利益の内容と性質、害される態様と程度を考慮し、相当と認める額を決める(本条1項)。新しい制度なので、公開された裁判例の蓄積はまだ少ない。実務のポイント:額を左右するのは、申立人がどれだけ具体的に損害を描けるかである。「資産が移されたら回収不能になる額」を数字で示せる側が、実効性のある値札を手にする

間違えやすい点 AI による整理

  • 違反金は国に納める罰金のようなものと思われがちだが、支払先は申立人である。受け取った額は賠償の上限でもない。損害がそれを超えれば、差額を別に請求できる(6項)
  • 「相手が違反してから動けばいい」という問いの立て方が、そもそも間違っている。本条は、違反の「おそれ」がある段階で違反を条件とする支払命令を出せると定めている。違反される前に値札を付けておくことこそが本来の使い方であり、違反されてから追いかけるのは遅い
  • 執行等認可決定さえ取れば即座に効くと考えがちだが、その重さを見誤っている。違反金支払命令は確定しなければ効力を生じない(5項)。認可決定と同時に出してもらっても、認可決定が確定するまでは確定しない(2項)。不服申立てによって時間を稼がれる可能性は、最初から計画に織り込んでおくべきである
比較の観点この条文ほかの条文
役割仲裁法49条:違反金で暫定保全措置命令を間接強制仲裁法47条:暫定保全措置命令の執行等認可決定
仲裁法15条:裁判所への保全処分申立て
判断主体裁判所(認可決定裁判所等の専属管轄)裁判所
裁判所(民事保全法の手続)
前提要件確定した執行等認可決定(同時申立ても可)+違反又は違反のおそれ仲裁廷の暫定保全措置命令の存在
仲裁合意があっても保全の必要性があれば可
効果申立人への金銭支払義務(超過損害は別途請求可)仲裁廷の命令に国家の承認を与える
仮差押え・仮処分による直接的な保全

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
仲裁法第39条・強制執行法第128条

台湾では仲裁廷の暫定措置に直接の執行力を与える制度はなく、当事者は裁判所に仮差押え・仮処分を申し立てる。間接強制の怠金は強制執行法上の制度で、仲裁専用ルートは設けられていない

韓国
중재법 제18조의7

韓国は2016年改正で仲裁廷の暫定的処分の承認・執行制度を導入した。強制は民事執行法の一般手続による

ドイツ
ZPO § 1041

ドイツは裁判所が仲裁廷の暫定措置の執行を許可でき、強制は Zwangsgeld 等の一般執行手段による。Zwangsgeld は国庫に帰属する点で本条と異なる

アメリカ
Federal Arbitration Act(9 U.S.C.)

米国では仲裁廷の暫定的な判断を裁判所が確認して執行し、違反には civil contempt で対応する。扱いは巡回区ごとに分かれる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 海外の取引先と仲裁で争っている。仲裁廷が「係争中の製造設備を国外へ移すな」と命じたのに、相手が搬出業者の手配を始めたらどうなる? 違反を条件とする違反金支払命令を先に取っておけば、搬出を実行した時点で相手に金銭債務が発生する。相手の損得計算そのものが変わる
  • あなたは仲裁の被申立人側企業の法務担当である。仲裁廷から証拠の廃棄禁止命令が出ているのに、社内チャットの90日自動削除が5日後に作動する。設定を止めずに放置すれば、会社の「違反」として違反金支払命令の対象になりうる。今日中に情報システム部へ削除停止を指示しなければ間に合わない
  • 違反金として300万円を受け取った。だが命令違反による実際の損害は900万円だった。差額の600万円は、6項に基づいて別に損害賠償として請求できる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 仲裁廷に暫定保全措置を求める段階で、24条1項のどの号に当たるかを意識して申立てを組み立てる(1・2・4・5号以外は本条の対象外) 2. 命令が出たら、執行等認可決定(47条1項)の申立てと違反金支払命令の申立てを同時に行う(2項) 3. 資産移転の動きや削除予定のログなど、違反の「おそれ」を示す証拠を集めて提出する4. 違反金で損害が埋まらなければ、6項に基づき超過分を別に請求する

訴えられた側:1. 執行等認可決定の段階で認可を拒む事由がないか検討し、争えるなら争う2. 金額が、害される利益の性質や侵害の程度に比べて過大であれば、相当性を争う(1項の考慮要素) 3. 仲裁廷に暫定保全措置命令の取消しや変更を求め、それが認められれば7項に基づき違反金支払命令の取消しを申し立てる4. 命令の内容を即日社内に周知し、自動削除や資産移転の手続を止める

時効(請求できる期限):本条に固有の申立期限はない。ただし違反金支払命令は確定するまで効力を生じない(5項)。決定への不服申立ては即時抗告による(8項による44条の準用)。即時抗告の期間は、民事訴訟法332条により告知から1週間と解される(最新の改正状況をご確認ください)。6項の超過損害の請求には、請求の法的性質に応じて民法166条(5年または10年)または724条(3年、20年)の消滅時効が問題になる

改正沿革 AI による整理

  • 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)4月1日施行 仲裁法の一部を改正する法律により新設された。暫定保全措置命令の執行等認可決定制度(47条)とあわせて、違反金支払命令の仕組みを導入した。UNCITRAL 国際商事仲裁モデル法の2006年改正にある暫定措置の規律への対応である

改正の年表

  1. 1.令和5年(2023年) 新設:仲裁法の一部を改正する法律(令和5年法律第15号)により、暫定保全措置命令の執行等認可決定制度(47条)とともに新設。令和6年(2024年)4月1日施行。UNCITRAL モデル法2006年改正の暫定措置規律への対応

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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