要点不動産登記法101条は、信託財産の不動産について受託者変更等の三類型の登記をするとき、登記官が職権で信託の変更の登記をしなければならないと定める。受託者による別途の申請は不要。
Q · 受託者が代わったら、信託目録の変更登記も別に申請しないといけないの?
不要です。三つの場面では登記官が職権で信託目録を直します
不動産登記法101条により、信託財産に属する不動産について、受託者変更に伴う権利の移転の登記(信託法75条1項・2項)、受託者の任務終了等に伴う権利の変更の登記(同法86条4項本文)、受託者である登記名義人の氏名・名称・住所の変更または更正の登記がされるときは、登記官が職権で信託の変更の登記をします。受託者側で申請すべきは権利部の登記一本のみで、信託目録のための申請書も登録免許税も存在しません。ただし受益者の変更や信託の目的の変更は職権の対象外で、受託者が遅滞なく申請する義務を負います(103条1項)。
登記は申請しなければ動かない。それが日本の不動産登記の大原則である。101条は、その原則に三つだけ穴を開けた条文だ。信託された不動産には、権利部という表の帳簿と、その先にぶら下がる信託目録という二枚目の帳簿がある。受託者が交代したり、引っ越したり、受託者法人が商号を変えたりすると、二枚とも同時に古くなる。原則として受託者は信託目録の変更を遅滞なく申請する義務を負う(103条1項)。ところが1号から3号の場面だけは、登記官が職権で目録を直す。あなたが入れるべき登記は権利部側の一本だけで、目録のための申請書も、そのための登録免許税も存在しない。しかも受託者交代による移転登記は新受託者の単独申請ででき(100条1項)、登録免許税は非課税(登録免許税法7条1項3号)。相続登記の重さを想定して身構えている人ほど、この軽さを知らないまま、二重の手間と二重の報酬を払っている。
不動産登記法101条は、登記官が職権で信託の変更の登記をすべき場合を定める規定である。信託財産に属する不動産につき、信託法75条1項・2項による権利の移転の登記、同法86条4項本文による権利の変更の登記、受託者である登記名義人の氏名・名称・住所の変更または更正の登記がされるときが対象であり、受託者の申請を要しない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
信託の登記がされた不動産について、委託者・受託者・受益者や信託条項を記録した登記記録の一部です。権利部の記載とセットで公示され、登記事項証明書に添付されて出てきます。
当事者の申請なしに登記官が自ら信託目録の記載を書き換える手続です。不動産登記法101条が定める三類型に限られ、権利部の登記内容から目録の記載が機械的に導ける場面だけが対象です。
直りません。受益者の変更は101条の職権対象外です。受託者が遅滞なく信託の変更の登記を申請する義務を負います(103条1項)。信託の目的や信託財産の処分の制限の変更も同じく申請が必要です。
受託者は所有権の登記名義人なので、氏名・住所の変更登記は変更から2年以内が申請義務です。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります(76条の5、164条2項。最新の改正状況をご確認ください)。
101条の職権による信託の変更の登記には、当事者が納める登録免許税は生じません。申請という手続自体が存在しないためです。権利部側で入れる登記の課税関係は、その登記の種類によって判断します。
登記記録の一部なので、手数料を納めれば誰でも登記事項証明書の交付を請求できます。受益者や信託条項が第三者に見えるため、信託契約の設計段階で記載範囲を検討する実務上の論点があります。
影響します。金融機関や買主は登記事項証明書で受託者の同一性を確認するため、目録の氏名・住所が現状とずれていると審査や決済が止まります。権利部の変更登記を先に入れれば目録も職権で直ります。
残った受託者が単独で権利の変更の登記を申請でき(100条2項)、その登記がされると信託目録の受託者欄から欠けた受託者の記載が職権で消えます。動ける受託者が1人でも残れば手続は止まりません。
その場面では不要です。101条1号により、受託者変更による権利の移転の登記をすれば、登記官が職権で信託の変更の登記をします。103条1項の受託者の申請義務は、この三場面には及びません。業界裏話ヒント:見積書に「信託変更登記」が独立の行で立っていたら、その中身が受益者変更など職権の対象外のものかを確認する。1号から3号の話なら申請という手続自体が存在しないので、根拠を聞ける
なりません。信託財産は受託者の固有財産と分離され、死亡から新受託者の就任までの間は信託財産自体が法人とみなされます(信託法74条1項)。新受託者が就任すれば任務終了時に遡って承継したとみなされ(同75条1項)、移転登記は新受託者の単独申請で足ります(不動産登記法100条1項)。業界裏話ヒント:この移転登記は登録免許税が非課税(登録免許税法7条1項3号)。相続登記の税率を想定して身構える人ほど、この差を知らない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記が動く契機 | 101条:登記官の職権(権利部の登記が引き金) | — |
| 対象となる変更事由 | 受託者変更に伴う移転・変更、受託者の氏名・名称・住所の変更または更正の3類型 | — |
| 当事者の負担 | 申請書・添付書類・登録免許税いずれも不要(権利部側の登記のみ) | — |
| 怠った場合のリスク | 職権のため懈怠という状態が生じない | — |
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