要点不動産登記法 102 条は、受託者の解任や信託の変更を命ずる裁判があったとき、裁判所書記官が職権で遅滞なく信託の変更の登記を登記所に嘱託すべきことを定める。主務官庁の処分も同じ。
Q · 裁判で受託者が解任されたら、信託目録の書き換えは自分で申請しないといけないの?
申請は不要です。裁判所書記官が職権で登記所に嘱託します
不動産登記法 102 条 1 項により、受託者の解任の裁判、信託管理人・受益者代理人の選任もしくは解任の裁判、信託の変更を命ずる裁判があったときは、裁判所書記官が職権で遅滞なく信託の変更の登記を登記所に嘱託します。当事者の申請は不要で、解任された受託者の同意も要りません。主務官庁が同様の処分をした場合も同じです(2 項)。ただし嘱託が及ぶのは裁判または処分で決まった範囲に限られ、それ以外の信託目録の記録事項は、受託者が同法 103 条により自ら申請する義務を負います。
受託者が裁判で解任されたのに、登記簿の信託目録には解任された受託者の名前が残ったまま、という事態は制度上想定されていない。不動産登記法 102 条が、裁判所書記官と主務官庁に「自分から登記所へ連絡しろ」と義務づけているからだ。押さえるべき点は二つ。第一に、これは職権かつ義務であり、当事者の誰かが申請するのを待たない。裁判が確定して受託者や信託管理人が入れ替わったのに、あなたが登記を忘れたせいで公示が古いまま、という穴を塞いでいる。第二に、嘱託されるのは信託目録の記録事項、つまり誰が受託者か、信託管理人や受益者代理人は誰か、信託の内容がどう変わったかという部分であって、不動産そのものの権利の登記が同時に片付くわけではない。両者は別系統で動く。この区別を知らずに登記事項証明書を取り寄せると、あなたは片方だけを見て安心することになる。
不動産登記法 102 条は、信託の変更の登記に関する職権嘱託義務を定める規定である。裁判所書記官は、受託者の解任の裁判、信託管理人もしくは受益者代理人の選任・解任の裁判、または信託の変更を命ずる裁判があったときに、職権で遅滞なく信託の変更の登記を登記所へ嘱託しなければならない。主務官庁が同内容の処分をした場合も、同様の嘱託義務を負う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
信託の登記がされた不動産について、委託者・受託者・受益者や信託条項などを記録した登記記録の一部です。登記事項証明書を取ると、権利部とは別のページとして綴じられて出てきます。
当事者の申請ではなく、裁判所や官公署が自ら登記所に依頼して行う登記です。不動産登記は申請主義が原則ですが、102 条のように法律が定めた場合に限り、国家機関側から登記が動きます。
102 条は「遅滞なく」嘱託せよと定めるだけで、具体的な日数の定めはありません。裁判の確定から登記所での処理完了まで数日から数週間かかることがあり、その間の証明書は古い記載のままです。
見られます。信託目録は登記記録の一部なので、手数料を払えば誰でも登記事項証明書として交付を請求できます。受託者が誰に交代したかという情報は公開情報になります。
委託者と受益者の合意による解任のほか、任務違反など重要な事由があるときは、委託者または受益者の申立てにより裁判所が解任できます(信託法 58 条)。この裁判が 102 条の嘱託の原因になります。
受益者のために、その権利に関する裁判上・裁判外の行為をする権限を持つ者です。受益者が多数いる信託などで置かれ、その選任・解任の裁判も 102 条により職権で嘱託されます。
信託行為の当時に予見できなかった特別の事情が生じた場合に、裁判所が信託の目的や条項の変更を命じる裁判です(信託法 150 条)。当事者間の合意がなくても信託の内容が動く例外的な場面です。
嘱託が届く前の登記簿は、すでに解任された受託者を表示したままです。決済直前に登記事項証明書を取り直し、必要なら裁判の確定証明書で現在の受託者を確認することが実務上の防衛線になります。
解任の裁判に基づく信託の変更の登記は、裁判所書記官が職権で登記所に嘱託する(102 条 1 項)ため、当事者の申請は不要である。ただし嘱託が及ぶのは裁判で決まった部分だけで、他の登記事項は受託者に申請義務がある(103 条)。業界裏話ヒント:嘱託が登記簿へ反映されるまでの日数はばらつく。確定直後に取った証明書が古い記載のままでも異常ではないので、取引相手には確定証明書を添えて説明できる状態を作っておくと話が早い。
主務官庁とは、その信託を監督する立場にある行政庁(役所)を指す。公益的な信託のように行政の監督下にある類型では、主務官庁が受託者の解任や信託の変更を命じる権限を持ち、その結果を自ら登記所に嘱託する(102 条 2 項)。通常の民事信託や家族信託でこの項が動くことはまずない。業界裏話ヒント:公益信託の監督の仕組みは近年の法改正で組み替えられている(最新の改正状況をご確認ください)。古い解説書の主務官庁の記述をそのまま前提にしない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記を動かす主体 | 102 条:裁判所書記官または主務官庁が職権で嘱託 | — |
| 発動の原因 | 受託者の解任等の裁判、または主務官庁の処分 | — |
| 当事者の関与 | 申請も同意も不要、本人が何もしなくても登記が動く | — |
| 見落としたときのリスク | 嘱託到達までのタイムラグ中に第三者取引が入る | — |
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