要点不動産登記法58条は、共用部分である旨の登記の手続を定める。申請できるのは表題部所有者または所有権の登記名義人に限られ、他の権利の登記があればその名義人の承諾が必要となる。
Q · マンションの集会室や管理人室は、規約で共用部分と決めておけばそれで安心なんですか?
規約だけでは足りず、登記しなければ第三者に対抗できません
建物の区分所有等に関する法律4条2項により、規約で共用部分と定めても、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できません。その登記手続を定めるのが不動産登記法58条です。申請できるのは表題部所有者または所有権の登記名義人に限られ(2項)、抵当権など所有権等以外の権利の登記があるときはその登記名義人の承諾が必要です(3項)。登記がされると登記官が職権で権利に関する登記を抹消し(4項)、登記記録上の所有者欄が消えます。規約を廃止した場合は、廃止の日から1か月以内に表題登記の申請義務が生じます(6項)。
マンション一階の管理人室、屋上の集会室、住民専用のトランクルーム。構造上は独立した部屋で、その気になれば単独で売買できてしまう。建物の区分所有等に関する法律4条2項は、規約でこれらを共用部分と定めることを認めるが、同じ項がすぐに釘を刺す。その旨の登記をしなければ第三者に対抗できない、と。その登記の手続を組み立てているのが不動産登記法58条である。この登記が入ると何が起きるか。登記官が職権で所有権の登記を抹消する(4項)。登記記録から所有者の名前が消え、その建物は誰か一人の資産ではなくなる。だからこそ、抵当権が付いていればその抵当権者の承諾なしには申請できない(3項)。裏返せば、権利の登記が一つも入っていない間は誰の承諾も要らない。管理組合が部屋を取得した日から登記までの空白期間が、そのまま資産を持っていかれるリスクの窓になる。
不動産登記法58条は、共用部分である旨の登記および団地共用部分である旨の登記に関する規定である。登記事項、申請適格者の限定、利害関係人の承諾要件、登記官による職権抹消、規約廃止後の表題登記申請義務を定め、規約で共用部分と定められた建物を登記記録上も共用部分として公示する手続を構成する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
構造上は独立した専有部分になりうる部屋を、規約で共用部分と定めたものです。管理人室、集会室、住民専用の倉庫などが典型で、法定共用部分と異なり登記しなければ第三者に対抗できません。
廊下や階段など構造上当然に共用となるのが法定共用部分で登記は不要です。専有部分になりうる部屋を規約で共用と定めるのが規約共用部分で、不動産登記法58条の登記がなければ対抗できません。
規約を証する情報(管理規約または公正証書)が中心です。所有権等以外の権利の登記があるときは、その登記名義人の承諾を証する情報も添付します(58条3項、不動産登記令7条)。
一団地内の複数棟の区分所有者が共用する集会所などについて、団地共用部分と定めた旨を公示する登記です。共用すべき者の所有建物を登記事項とする点が、単棟の共用部分の登記と異なります。
廃止の日から1か月以内に、その建物の表題登記を申請しなければなりません(58条6項)。廃止後に所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に申請します(同7項)。
10万円以下の過料の対象となります(164条、最新の改正状況をご確認ください)。加えて表題登記が入るまで所有権の登記名義人が存在せず、売買も担保設定もできない状態が続きます。
できません。法人化していない管理組合は登記名義人になれず、共用部分である旨の登記は名義を書き換える登記でもありません。登記官が職権で権利に関する登記を抹消します(58条4項)。
共用部分である旨の登記は表示に関する登記に位置づけられるため、原則として土地家屋調査士の業務です。承諾書の取得や既存の権利の登記が絡む場面では司法書士との連携が必要になります。
要る。建物の区分所有等に関する法律4条2項は、規約で共用部分と定めても登記しなければ第三者に対抗できないとする。総会決議も規約も、外部からは見えないからだ。申請できるのは表題部所有者か所有権の登記名義人に限られる(不動産登記法58条2項)。業界裏話ヒント:古い物件ほど未登記のまま放置され、売却時の調査で初めて発覚する。管理会社に指摘義務はなく、自分で登記事項証明書を取る以外に発見手段はない。
申請できない(58条3項)。承諾がない限り登記は入らず、規約で共用部分と定めていても第三者に対抗できない状態が続く。抵当権を弁済して抹消する以外の抜け道はない。業界裏話ヒント:金融機関が承諾に応じるのは代替担保が用意できるときだけである。だから分譲時の売買契約書に、管理人室等の抵当権抹消を引渡し条件として書き込めるかが、事実上唯一の交渉機会になる。
表題部に共用部分である旨が記録され、甲区も乙区も存在しない状態になる。登記官が職権で表題部所有者の登記や権利に関する登記を抹消するからだ(58条4項)。所有者欄の空白は異常ではなく、正常な姿である。業界裏話ヒント:逆に、集会室のはずなのに甲区へ個人名や法人名が残っていれば未登記のサインだ。管理規約と登記の食い違いを契約前に突けば、売主側に是正費用を負担させる材料になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記の目的 | 58条:規約で定めた共用部分・団地共用部分である旨を公示する | — |
| 申請適格者 | 表題部所有者または所有権の登記名義人に限定(2項) | — |
| 第三者の承諾の要否 | 所有権等以外の権利の登記があれば承諾が必須(3項) | — |
| 申請期限と制裁 | 登記自体に期限なし。ただし規約廃止後は1か月(6項・7項)、違反は過料(164条) | — |
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