不動産登記法 第58条(共用部分である旨の登記等)
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- 共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。)及び第四十四条第一項各号(第六号を除く。)に掲げるもののほか、次のとおりとする。
- 一共用部分である旨の登記にあっては、当該共用部分である建物が当該建物の属する一棟の建物以外の一棟の建物に属する建物の区分所有者の共用に供されるものであるときは、その旨
- 二団地共用部分である旨の登記にあっては、当該団地共用部分を共用すべき者の所有する建物(当該建物が区分建物であるときは、当該建物が属する一棟の建物)
- 2.共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をする建物の表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
- 3.共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記は、当該共用部分又は団地共用部分である建物に所有権等の登記以外の権利に関する登記があるときは、当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)の承諾があるとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者の承諾を得たときに限る。)でなければ、申請することができない。
- 4.登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。
- 5.第一項各号に掲げる登記事項についての変更の登記又は更正の登記は、当該共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の所有者以外の者は、申請することができない。
- 6.共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物について共用部分である旨又は団地共用部分である旨を定めた規約を廃止した場合には、当該建物の所有者は、当該規約の廃止の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。
- 7.前項の規約を廃止した後に当該建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、当該建物の表題登記を申請しなければならない。
この条文の基本情報
共用部分である旨の登記等とは何ですか?
定義共用部分である旨の登記等とは、不動産登記法第58条に定められた規定で、「共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第58条(共用部分である旨の登記等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第58条の条文原文は「共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記に係る建物の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号(第三号を除く。」で始まります。
- 不動産登記法第58条は第三款 建物の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第58条の前の条は不動産登記法第57条です。
- 不動産登記法第58条の次の条は不動産登記法第59条です。
- 不動産登記法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法58条は、共用部分である旨の登記の手続を定める。申請できるのは表題部所有者または所有権の登記名義人に限られ、他の権利の登記があればその名義人の承諾が必要となる。
Q · マンションの集会室や管理人室は、規約で共用部分と決めておけばそれで安心なんですか?
規約だけでは足りず、登記しなければ第三者に対抗できません
建物の区分所有等に関する法律4条2項により、規約で共用部分と定めても、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できません。その登記手続を定めるのが不動産登記法58条です。申請できるのは表題部所有者または所有権の登記名義人に限られ(2項)、抵当権など所有権等以外の権利の登記があるときはその登記名義人の承諾が必要です(3項)。登記がされると登記官が職権で権利に関する登記を抹消し(4項)、登記記録上の所有者欄が消えます。規約を廃止した場合は、廃止の日から1か月以内に表題登記の申請義務が生じます(6項)。
解説
マンション一階の管理人室、屋上の集会室、住民専用のトランクルーム。構造上は独立した部屋で、その気になれば単独で売買できてしまう。建物の区分所有等に関する法律4条2項は、規約でこれらを共用部分と定めることを認めるが、同じ項がすぐに釘を刺す。その旨の登記をしなければ第三者に対抗できない、と。その登記の手続を組み立てているのが不動産登記法58条である。この登記が入ると何が起きるか。登記官が職権で所有権の登記を抹消する(4項)。登記記録から所有者の名前が消え、その建物は誰か一人の資産ではなくなる。だからこそ、抵当権が付いていればその抵当権者の承諾なしには申請できない(3項)。裏返せば、権利の登記が一つも入っていない間は誰の承諾も要らない。管理組合が部屋を取得した日から登記までの空白期間が、そのまま資産を持っていかれるリスクの窓になる。
法的な位置づけ
不動産登記法58条は、共用部分である旨の登記および団地共用部分である旨の登記に関する規定である。登記事項、申請適格者の限定、利害関係人の承諾要件、登記官による職権抹消、規約廃止後の表題登記申請義務を定め、規約で共用部分と定められた建物を登記記録上も共用部分として公示する手続を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象建物の登記事項証明書を取得して未登記かを判定 集会室・管理人室・共用倉庫について登記事項証明書を取得し、表題部に共用部分である旨の記録があるか、甲区に個人名や法人名が残っていないかを確認する。甲区が残っていれば未登記のサインである
- 2.規約に共用部分の定めがあるかを原本で照合 管理規約の原本および設定時の総会議事録・公正証書を確認し、対象建物を共用部分と定める条項が存在するかを照合する。規約を証する情報は登記の添付情報になるため、原本の所在を先に押さえる
- 3.所有権等以外の権利の登記の有無を確認し承諾を取得 乙区に抵当権等の登記があれば、その登記名義人(抵当証券が発行されている場合は所持人・裏書人を含む)の承諾を取得する。その権利を目的とする第三者の権利の登記があるときは第三者の承諾も要する(58条3項)
- 4.表題部所有者または所有権の登記名義人が申請 申請適格は表題部所有者または所有権の登記名義人に限られる(58条2項)。規約を証する情報等を添付して、共用部分である旨または団地共用部分である旨の登記を申請する。登記官は職権で表題部所有者の登記・権利に関する登記を抹消する(4項)
- 5.規約を廃止した場合は1か月以内に表題登記を申請 共用部分の定めを規約から廃止したときは、廃止の日から1か月以内に建物の表題登記を申請する(58条6項)。廃止後に所有権を取得した者は取得の日から1か月以内に申請する(7項)。怠れば過料の対象となる(164条)
よくある質問 AI による整理
Q1規約共用部分とは何ですか?
構造上は独立した専有部分になりうる部屋を、規約で共用部分と定めたものです。管理人室、集会室、住民専用の倉庫などが典型で、法定共用部分と異なり登記しなければ第三者に対抗できません。
Q2法定共用部分と規約共用部分の違いは?
廊下や階段など構造上当然に共用となるのが法定共用部分で登記は不要です。専有部分になりうる部屋を規約で共用と定めるのが規約共用部分で、不動産登記法58条の登記がなければ対抗できません。
Q3共用部分である旨の登記に必要な書類は?
規約を証する情報(管理規約または公正証書)が中心です。所有権等以外の権利の登記があるときは、その登記名義人の承諾を証する情報も添付します(58条3項、不動産登記令7条)。
Q4団地共用部分である旨の登記とは?
一団地内の複数棟の区分所有者が共用する集会所などについて、団地共用部分と定めた旨を公示する登記です。共用すべき者の所有建物を登記事項とする点が、単棟の共用部分の登記と異なります。
Q5規約を廃止したらいつまでに登記が必要ですか?
廃止の日から1か月以内に、その建物の表題登記を申請しなければなりません(58条6項)。廃止後に所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に申請します(同7項)。
Q6表題登記の申請義務を怠るとどうなりますか?
10万円以下の過料の対象となります(164条、最新の改正状況をご確認ください)。加えて表題登記が入るまで所有権の登記名義人が存在せず、売買も担保設定もできない状態が続きます。
Q7管理組合の名義で共用部分を登記できますか?
できません。法人化していない管理組合は登記名義人になれず、共用部分である旨の登記は名義を書き換える登記でもありません。登記官が職権で権利に関する登記を抹消します(58条4項)。
Q8共用部分の登記は司法書士と土地家屋調査士どちらに依頼しますか?
共用部分である旨の登記は表示に関する登記に位置づけられるため、原則として土地家屋調査士の業務です。承諾書の取得や既存の権利の登記が絡む場面では司法書士との連携が必要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのマンションの集会室、当然に管理組合のものだと思ってたんですけど、登記って要るんですか?
要る。建物の区分所有等に関する法律4条2項は、規約で共用部分と定めても登記しなければ第三者に対抗できないとする。総会決議も規約も、外部からは見えないからだ。申請できるのは表題部所有者か所有権の登記名義人に限られる(不動産登記法58条2項)。実務のポイント:古い物件ほど未登記のまま放置され、売却時の調査で初めて発覚する。管理会社に指摘義務はなく、自分で登記事項証明書を取る以外に発見手段はない。
Q2規約共用部分の登記に抵当権者の承諾が要ると言われました。銀行が断ったらどうなりますか?
申請できない(58条3項)。承諾がない限り登記は入らず、規約で共用部分と定めていても第三者に対抗できない状態が続く。抵当権を弁済して抹消する以外の抜け道はない。実務のポイント:金融機関が承諾に応じるのは代替担保が用意できるときだけである。だから分譲時の売買契約書に、管理人室等の抵当権抹消を引渡し条件として書き込めるかが、事実上唯一の交渉機会になる。
Q3登記事項証明書を見て、共用部分かどうかはどこで分かるんですか?
表題部に共用部分である旨が記録され、甲区も乙区も存在しない状態になる。登記官が職権で表題部所有者の登記や権利に関する登記を抹消するからだ(58条4項)。所有者欄の空白は異常ではなく、正常な姿である。実務のポイント:逆に、集会室のはずなのに甲区へ個人名や法人名が残っていれば未登記のサインだ。管理規約と登記の食い違いを契約前に突けば、売主側に是正費用を負担させる材料になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「管理組合の名義で登記すればいい」という発想そのものが成り立たない。法人化していない管理組合は登記名義人になれず、共用部分である旨の登記は名義を書き換える登記ではなく、名義を消す登記である(58条4項)。目指すゴールの形が、多くの人の想像と違う。
- 規約で共用部分と定めれば足りる、という理解自体は正しい。見落とされているのはその先の深刻度で、未登記のまま名義人が破産・死亡・売却すれば、住民全員が積立金で買った部屋を失う。規約は組合内部の約束にすぎず、外部の債権者や買受人を拘束しない。
- 住民の感覚では、規約から共用部分の定めを外せば元の一室に戻る。登記の世界ではそうならない。表題登記を申請するまで所有権の登記名義人が存在しない状態が続き、売ることも担保に入れることもできない。しかも1か月の期限だけは走り続けている。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記の目的 | 58条:規約で定めた共用部分・団地共用部分である旨を公示する | 47条:新築・未登記建物の表題登記を新たに起こす 51条:既存の表示に関する登記事項の変更を反映する |
| 申請適格者 | 表題部所有者または所有権の登記名義人に限定(2項) | 所有権を取得した者(新築建物の所有者等) 表題部所有者または所有権の登記名義人 |
| 第三者の承諾の要否 | 所有権等以外の権利の登記があれば承諾が必須(3項) | 不要 不要(変更内容による) |
| 申請期限と制裁 | 登記自体に期限なし。ただし規約廃止後は1か月(6項・7項)、違反は過料(164条) | 所有権取得の日から1か月以内、違反は過料(164条) 変更があった日から1か月以内、違反は過料(164条) |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は区分所有建物の共同使用部分を別建号として単独登記し、専有部分の移転に随伴させる設計。日本のように「所有者欄を消す」構成ではなく、共有持分として登記記録に残す点が対照的
韓国も規約共用部分について登記を対抗要件とし、規約廃止時の登記処理まで規定する。日本法の構成を強く受け継いでいる
ドイツは Sondereigentum になりうる部分を Vereinbarung により Gemeinschaftseigentum と定めることを認め、Wohnungsgrundbuch への記載で公示する。合意の登記簿記載が第三者効の要件となる点は日本と同旨
フランスは règlement de copropriété(規約)自体を fichier immobilier に公示することで第三者効を確保する。個別建物ごとの登記ではなく規約全体の公示という設計が異なる
米国は declaration(宣言書)を郡の登記所に record することで common elements の範囲が確定する。個別の部屋ごとに所有権登記を抹消する手続は置かれていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、管理組合が積立金で買い取った一階の店舗部分が、まだ前の持ち主の名義のまま登記されていたとしたら? その持ち主が破産すれば、破産管財人はその部屋を換価対象に組み入れる。規約で共用部分と決めていても、登記がなければ管財人にも買受人にも対抗できない(建物の区分所有等に関する法律4条2項)。理事会の議事録は登記の代わりにならない。
- 新築分譲マンションの引渡し当日。管理人室にデベロッパーの抵当権が残ったままだった。この一点で、規約共用部分の登記には金融機関の承諾(58条3項)が必要になり、手続は何年も止まる。
- 総会で集会室を売却して修繕積立金に充てると決議し、規約から共用部分の定めを外した。その日から1か月。理事長として期限内に表題登記を申請しなければ過料の対象になる(58条6項、164条)。しかも表題登記が入るまで所有権の登記名義人が存在せず、買主への移転登記もできない。決済日だけが先に迫ってくる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 集会室・管理人室・倉庫の登記事項証明書を全て取得し、甲区に個人名や法人名が残っていないか確認する2. 残っていれば未登記。管理規約の原本で共用部分の定めがあるかを照合する3. 定めがあるのに未登記なら、表題部所有者または所有権の登記名義人に申請を求める。申請できるのはこの者だけである(58条2項) 4. 抵当権が付いていれば承諾の取得が先(3項)。分譲業者や売主が存続していれば費用負担を求めて交渉する5. 相手が破産・行方不明なら、土地家屋調査士と司法書士に同時に相談する
訴えられた側:規約廃止後の所有者なら、廃止の日から1か月以内に表題登記を申請する(58条6項)。怠れば10万円以下の過料の対象になる(164条、最新の改正状況をご確認ください)。廃止後に所有権を取得した者は、取得日から起算し直す(7項)。抵当権者として承諾を求められた側なら、承諾が担保の放棄と同義であることを前提に、代替担保の差入れや債務の一部弁済を条件として交渉する。無償で応じる義務はない。
時効(請求できる期限):規約を廃止した場合、廃止の日から1か月以内に表題登記の申請義務が生じる(58条6項)。廃止後に所有権を取得した者は取得の日から1か月(同7項)。違反は10万円以下の過料の対象(164条、最新の改正状況をご確認ください)。なお共用部分である旨の登記そのものに申請期限はないが、登記するまで第三者に対抗できない(建物の区分所有等に関する法律4条2項)
学説
通説:共用部分である旨の登記は表示に関する登記に位置づけられ、権利変動を公示する登記ではなく、当該建物が区分所有者の共用に供される客体であることを公示する登記であると解されている。登記により権利に関する登記が職権抹消される点に、本条の特殊性がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 明治32年制定の旧不動産登記法を全部改正し、現行58条として共用部分である旨の登記および団地共用部分である旨の登記の登記事項、申請適格者の限定、利害関係人の承諾要件、職権抹消、規約廃止後の表題登記申請義務を一箇条に整理した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:明治32年制定の旧不動産登記法を全部改正し、現行58条として共用部分である旨の登記および団地共用部分である旨の登記の登記事項、申請適格者の限定、利害関係人の承諾要件、職権抹消、規約廃止後の表題登記申請義務を一箇条に整理した
- 不動産登記法 第44条建物の表示に関する登記事項の一般則
- 不動産登記法 第47条建物の表題登記の1か月以内の申請義務
- 不動産登記法 第51条表示に関する変更登記の申請義務の一般則
- 不動産登記法 第164条申請義務違反に対する過料の制裁
- 建物の区分所有等に関する法律 第4条規約共用部分の設定と登記による対抗要件
- 建物の区分所有等に関する法律 第11条共用部分が区分所有者全員の共有に属する根拠
- 建物の区分所有等に関する法律 第67条団地共用部分の設定根拠
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