不動産登記法 第4条(権利の順位)
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- 同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。
- 2.付記登記(権利に関する登記のうち、既にされた権利に関する登記についてする登記であって、当該既にされた権利に関する登記を変更し、若しくは更正し、又は所有権以外の権利にあってはこれを移転し、若しくはこれを目的とする権利の保存等をするもので当該既にされた権利に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下この項及び第六十六条において同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた権利に関する登記をいう。以下この項において同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後による。
この条文の基本情報
権利の順位とは何ですか?
定義権利の順位とは、不動産登記法第4条に定められた規定で、「同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第4条(権利の順位)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第4条の条文原文は「同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後による。」で始まります。
- 不動産登記法第4条は第一章 総則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第4条の前の条は不動産登記法第3条です。
- 不動産登記法第4条の次の条は不動産登記法第5条です。
- 不動産登記法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法4条は、同一不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後によると定める。付記登記の順位は主登記の順位による。
Q · 同じ土地に抵当権が複数あるとき、どっちが先に回収できるの?
原則は登記の前後、つまり受付番号の順で決まります
不動産登記法4条1項により、同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後によって決まります。実務上は法務局が申請に付す受付番号(同法19条)の前後がそのまま順位になり、契約日や代金支払日は考慮されません。ただし保存・工事の先取特権(民法339条)や法定納期限等前の租税債権(国税徴収法16条)など、登記の前後によらず優先する例外があります。
解説
同じ土地に抵当権が三つ付いているとき、競売で回収できるのは1番から順番である。売却代金が2番の途中で尽きれば、3番の債権者は一円も受け取れない。その順番を決めるのが登記の先後、正確には登記官が付す受付番号の前後だ。契約書の日付が一日早くても、印鑑を押した順番が先でも、順位表は動かない。さらに知っておくべきは、日本が「順位上昇の原則」を採る国だという点である。1番抵当が完済されて抹消されると、2番が自動的に1番へ繰り上がる。空いた順位を所有者が誰かのために取っておくことはできない。そして2項の付記登記は、この順位を引き継ぐ仕組みだ。1番抵当権の債権が別の金融機関へ譲渡されても、付記登記である限り順位は1番のまま。登記簿に並ぶ債権者の顔が変わっても、あなたの土地における力関係は一ミリも変わらない。
法的な位置づけ
不動産登記法4条は権利の順位を定める規定であり、同一の不動産について登記された権利の優劣は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後によって決せられる。2項は付記登記の順位を主登記の順位に従わせ、権利の内容変更や移転があっても既存の順位が維持される仕組みを定める。
手順
- 1.登記事項証明書で順位番号と受付年月日を書き出す 対象不動産の登記事項証明書を取得し、甲区・乙区それぞれの順位番号、受付年月日、受付番号、権利者を一覧に書き出す。所有者名より先にこの列を確認し、自分が何番目に位置するかを特定する
- 2.先順位の権利が実体として生きているか点検する 先順位の抵当権について被担保債権が完済されていないかを確認する。完済済みであれば順位に関係なく抹消を請求でき、順位表そのものが変わる。古い担保が残る場合は抹消手続の可否を司法書士に確認する
- 3.借換え・追加融資は抹消と設定を同日連件申請にする 既存担保の抹消を先行させると順位上昇で後順位担保が1番へ繰り上がり、新規融資が1番を取れなくなる。抹消と新規設定を同じ日の連件申請とすることを、交渉の初回に条件として提示する
- 4.資金実行の直前に登記情報を再取得してから振り込む 順位は受付の瞬間に確定するため、確認から実行までの時間差がそのまま相手方の債権者に与える猶予になる。差押え・仮登記・処分禁止の仮処分が入っていないことを確認してから資金を動かす
よくある質問 AI による整理
Q1登記の順位とは何ですか?
同一の不動産に複数の権利が登記されたときの優劣のことです。不動産登記法4条1項により、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後で決まります。
Q2付記登記とは何ですか?
既にされた権利の登記を変更・更正し、又は所有権以外の権利を移転する等の登記です。主登記と一体で公示され、順位は主登記の順位によります(同条2項)。
Q3順位上昇の原則とは何ですか?
先順位の権利が消滅して抹消されると、後順位の権利が当然に繰り上がる考え方です。空いた順位を所有者が誰かのために留保しておくことはできません。
Q4登記の順位は契約書の日付で決まりますか?
決まりません。本条が見るのは法務局が申請を受け付けた前後だけです。契約日が早くても、受付番号が後なら順位も後になります。
Q5抵当権より優先する権利はありますか?
あります。不動産の保存・工事の先取特権は登記の前後によらず抵当権に優先し(民法339条)、法定納期限等前の租税債権も優先します(国税徴収法16条)。
Q6登記事項証明書のどこで順位を確認できますか?
甲区・乙区の各欄にある「順位番号」と「受付年月日・受付番号」の列です。所有者名より先にこの二列を確認するのが実務の読み方です。
Q7差押えの登記が先に入るとどうなりますか?
受付が一つでも先なら差押えが優先し、後から入る所有権移転登記はその負担を引き継ぎます。決済直前の登記情報再取得が防御手段になります。
Q8付記登記された抵当権の順位は下がりますか?
下がりません。付記登記の順位は主登記の順位によるため、債権譲渡で債権者の名前が変わっても1番抵当は1番のままです(同条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ日に二人が登記を申請したら、どっちが勝つんですか?
受付番号の前後で決まる。法務局は申請の到達順に受付番号を付し(不動産登記法19条)、その番号がそのまま順位になる。同時に到達したと扱われる場合は同順位となる。実務のポイント:だから決済実務では、司法書士が資金実行の直前に登記情報を再取得し、その足で申請する。売主に別の債権者がいる案件で「書類は昨日預かったので今日の午後に出します」と言う相手なら、その半日をどう扱うかを必ず確認すること
Q2住宅ローンを完済したのに抵当権抹消をしていません。放っておいて大丈夫ですか?
順位の面では、2番抵当があれば自動的に1番へ上がるので他人に迷惑はかからない。困るのはあなた自身で、売却も借換えも古い抵当権の抹消が済むまで進まない。実務のポイント:債権者が既に消滅した明治大正期の担保権でも、不動産登記法70条の特例で被担保債権額等を供託すれば単独で抹消申請できる道がある。相続した実家に古い担保が残っていても、相手を探し出せないから詰みだと諦める前に、司法書士にこの条文を出して相談する
Q3抵当権の順位って、後から入れ替えられるんですか?
できる。抵当権の順位変更は各抵当権者全員の合意と利害関係人の承諾により行い、登記をしなければ効力を生じない(民法374条)。この登記は付記登記でされ、本条2項により順位は主登記の順位を基準に整理される。実務のポイント:全部を入れ替える順位変更のほかに、特定の相手にだけ自分の順位を譲る順位譲渡・順位放棄(民法376条)という部分的な手法がある。追加融資の交渉で銀行が渋ったとき、順位そのものを動かさずに実質を渡せるこの選択肢を知っているかどうかで、話の進み方が変わる
Q4仮登記が付いている物件は買わない方がいいんですか?
一律に危険ではないが、仮登記に基づく本登記の順位は仮登記の順位による(不動産登記法106条)ため、後から入るあなたの登記は順位で飛び越される可能性がある。中身と現在の効力を確認せずに買うのが危険なのであって、仮登記の存在自体が結論ではない。実務のポイント:長年放置された仮登記は、原因となった請求権が時効消滅していることも多い。売主に仮登記権利者の抹消承諾書を決済条件として取らせるのが定石で、これを条件に入れられるかが交渉力の見せどころになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「先に契約した方が勝つ」と考えて日付を気にする人が多いが、問いの立て方そのものが外れている。本条が見るのは契約日でも代金支払日でもなく、法務局が申請を受け付けた前後だけである。二重譲渡で敗れた買主は、契約書を握りしめたまま所有権を失う(民法177条)。あなたが守るべきは契約日ではなく、登記申請の時刻だ
- 「登記は早い者勝ち」というルール自体は多くの人が知っている。だが例外の深刻さを知らない。不動産の保存・工事の先取特権は登記の前後によらず抵当権に優先し(民法339条)、法定納期限等より後に設定された抵当権は国税に劣後する(国税徴収法16条)。建物の引渡しを受けた借家人は、賃借権の登記がなくても新所有者に対抗できる(借地借家法31条)。順位表の上位に、登記簿には映らない権利が割り込んでくる
- 登記簿を見て「債権者が知らない会社に変わっている、何かあったのか」と不安になる場面がある。あなたから見れば債権者の交替という新しい出来事だが、法律から見れば1番抵当権という一個の権利が同一性を保ったまま続いているだけである(本条2項の付記登記)。この落差を埋めないまま「新しい担保が付いた」と誤読すると、交渉のカードを一枚落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文が定めること | 不登法4条:登記した権利の順位は登記の前後による | 不登法19条:申請の受付順に受付番号を付す手続 不登法106条:仮登記に基づく本登記の順位は仮登記の順位による |
| 順位を動かす効果 | 受付の前後で確定し、付記登記は主登記の順位を承継 | 順位そのものを生む技術的基準(受付番号) 本登記時に順位が仮登記の時点へ遡り、中間の登記を飛び越す |
| 実務で見るタイミング | 担保設定・売買・競売配当のすべての場面 | 決済当日の申請順・同日申請の優劣判定 仮登記付き物件の購入可否判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も抵当権の順位を登記の先後で決する点は同じ。土地法43条が登記に絶対的効力を与えるため、登記名義を信頼した第三者の保護は日本より強い構成になっている
条文構造は日本の本条とほぼ並行し、1項で登記の順序、2項で付記登記の順位を定める。ただし韓国は物権変動につき登記を効力要件とするため、登記のない権利は順位以前に成立しない点で分岐する
ドイツも登記の順序で順位を決するが、順位確定主義を採り、所有者土地債務(Eigentümergrundschuld)により空いた順位を所有者が保持できる。日本の順位上昇の原則と正反対の設計
米国は州ごとに録付法の類型が分かれ、単純な先録優先(race)だけでなく、後行取得者の善意の有無を要件とする類型がある。受付順のみで決する日本より、主観的要素が順位判断に入り込む
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済当日、司法書士が現金の受け渡しを確認してから法務局へ走る。もし同じ日の午前中に、売主の債権者が仮差押えの登記を入れていたら? 受付番号が一つでも先なら、あなたが払った数千万円は所有権の安全を買えていない。だからプロは資金実行の直前に登記情報を取り直す
- 住宅ローンの借換えを進めている。あなたは「先に今の銀行の抵当権を抹消してから、新しい銀行に設定してもらおう」と考えた。だが2番目に古いカードローンの担保が残っていた。1番を抹消した瞬間、それが自動的に1番へ繰り上がり、借換え先の銀行は2番にしか入れない。融資は白紙に戻る
- 相続した実家の登記簿に、昭和初期の抵当権が残っている。債権者だった会社はとうに存在しない。それでも順位は生きたまま、買主も銀行も逃げていく
- 友人が工事代金を払えず、リフォーム業者から「不動産工事の先取特権を付ける」と言われて相談してきた。不動産の保存・工事の先取特権は、登記の前後にかかわらず抵当権に優先する(民法339条)。本条1項の「法令に別段の定めがある場合」の代表例が、ここで顔を出す
- 買い受ける予定の土地に、五年前の売買予約を原因とする仮登記が付いている。決済まであと十日。仮登記が本登記されれば順位は仮登記の時点に遡り(不動産登記法106条)、その後に入ったあなたの所有権登記は順位で飛び越される。この十日で確認すべきは価格ではなく、その仮登記の中身だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず登記事項証明書を取得し、自分より先に何番で誰が入っているか、受付年月日と受付番号を書き出す2. 先順位の権利が本当に有効か点検する。被担保債権が既に完済されていれば順位に関係なく抹消を請求できる3. 仮登記が先にあるなら、本登記されたときに自分が飛ばされる範囲を確認し、仮登記権利者との交渉または承諾の要否を詰める4. 例外ルート(民法339条の先取特権、国税徴収法16条、借地借家法31条)に自分が乗れないか検討する。順位で負けても、法令の別段の定めで逆転できる場合がある
訴えられた側:1. 自分の順位が争われたら、受付番号と受付年月日という客観的事実を最初に示す。契約日や口頭の合意より、この二つが決定的である2. 付記登記で順位を承継している場合は、主登記の順位番号を明示し、権利の同一性を主張する(本条2項) 3. 相手が仮登記の順位保全を主張してきたら、仮登記の原因となった予約や請求権が現在も有効か、消滅時効にかかっていないかを確認する4. 順位変更の合意を求められた場合、応じる義務はない。順位変更は全当事者の合意と登記が効力要件である(民法374条)
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、順位は登記申請が法務局に受け付けられた瞬間に確定するため、実務上の時間単位は日ではなく時である。関連する請求権には一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される。仮登記に基づく本登記は、原因となった請求権自体が時効消滅すれば行使できなくなる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(順位上昇主義):日本法は、先順位の権利が消滅すれば後順位の権利が当然に順位を繰り上げる順位上昇主義を採り、所有者による順位の留保を認めない。順位確定主義を採り所有者土地債務を認めるドイツ法との対比で、担保取引の設計に決定的な差を生むと説明される。
通説(形式的順位と別段の定めの関係):本条1項の「法令に別段の定めがある場合を除き」は、登記による画一的処理を原則としつつ、保存・工事の先取特権、租税債権、対抗力を備えた賃借権など、登記簿に現れない実質的優先を個別法令が割り込ませる入口と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正(平成17年施行) 明治32年制定の旧不動産登記法を全部改正し、旧法における順位の規定を現行4条へ再編。あわせて実務・先例で運用されていた付記登記の意義を2項で条文上明確化し、オンライン申請の導入に対応した受付・順位の枠組みが整備された
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、受付の前後により権利の順位を決する枠組みが導入された。ドイツの土地登記簿制度を参照しつつ、民法177条の対抗要件主義と接続する技術的基盤として機能した
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正により、旧法の順位規定が現行4条へ再編された。あわせて実務・先例で運用されていた付記登記の意義を2項で条文上明確化し、オンライン申請の導入に対応した受付・順位の枠組みが整備された
- 不動産登記法 第19条受付番号による前後の確定手続
- 不動産登記法 第66条権利の変更・更正登記を付記登記で行う要件
- 不動産登記法 第105条仮登記をすることができる場合
- 不動産登記法 第106条本登記の順位が仮登記の順位に遡る効力
- 民法 第177条不動産物権変動の対抗要件、順位ルールの実体法上の前提
- 民法 第373条抵当権相互の順位も登記の前後による旨の実体規定
- 民法 第339条保存・工事の先取特権が抵当権に優先する別段の定め
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