要点不動産登記法 4 条は、同一不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後によると定める。付記登記の順位は主登記の順位による。
Q · 同じ土地に抵当権が複数あるとき、どっちが先に回収できるの?
原則は登記の前後、つまり受付番号の順で決まります
不動産登記法 4 条 1 項により、同一の不動産について登記した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後によって決まります。実務上は法務局が申請に付す受付番号(同法 19 条)の前後がそのまま順位になり、契約日や代金支払日は考慮されません。ただし保存・工事の先取特権(民法 339 条)や法定納期限等前の租税債権(国税徴収法 16 条)など、登記の前後によらず優先する例外があります。
同じ土地に抵当権が三つ付いているとき、競売で回収できるのは1番から順番である。売却代金が2番の途中で尽きれば、3番の債権者は一円も受け取れない。その順番を決めるのが登記の先後、正確には登記官が付す受付番号の前後だ。契約書の日付が一日早くても、印鑑を押した順番が先でも、順位表は動かない。さらに知っておくべきは、日本が「順位上昇の原則」を採る国だという点である。1番抵当が完済されて抹消されると、2番が自動的に1番へ繰り上がる。空いた順位を所有者が誰かのために取っておくことはできない。そして2項の付記登記は、この順位を引き継ぐ仕組みだ。1番抵当権の債権が別の金融機関へ譲渡されても、付記登記である限り順位は1番のまま。登記簿に並ぶ債権者の顔が変わっても、あなたの土地における力関係は一ミリも変わらない。
不動産登記法 4 条は権利の順位を定める規定であり、同一の不動産について登記された権利の優劣は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記の前後によって決せられる。2 項は付記登記の順位を主登記の順位に従わせ、権利の内容変更や移転があっても既存の順位が維持される仕組みを定める。
同一の不動産に複数の権利が登記されたときの優劣のことです。不動産登記法 4 条 1 項により、法令に別段の定めがある場合を除き登記の前後で決まります。
既にされた権利の登記を変更・更正し、又は所有権以外の権利を移転する等の登記です。主登記と一体で公示され、順位は主登記の順位によります(同条 2 項)。
先順位の権利が消滅して抹消されると、後順位の権利が当然に繰り上がる考え方です。空いた順位を所有者が誰かのために留保しておくことはできません。
決まりません。本条が見るのは法務局が申請を受け付けた前後だけです。契約日が早くても、受付番号が後なら順位も後になります。
あります。不動産の保存・工事の先取特権は登記の前後によらず抵当権に優先し(民法 339 条)、法定納期限等前の租税債権も優先します(国税徴収法 16 条)。
甲区・乙区の各欄にある「順位番号」と「受付年月日・受付番号」の列です。所有者名より先にこの二列を確認するのが実務の読み方です。
受付が一つでも先なら差押えが優先し、後から入る所有権移転登記はその負担を引き継ぎます。決済直前の登記情報再取得が防御手段になります。
下がりません。付記登記の順位は主登記の順位によるため、債権譲渡で債権者の名前が変わっても 1 番抵当は 1 番のままです(同条 2 項)。
受付番号の前後で決まる。法務局は申請の到達順に受付番号を付し(不動産登記法19条)、その番号がそのまま順位になる。同時に到達したと扱われる場合は同順位となる。業界裏話ヒント:だから決済実務では、司法書士が資金実行の直前に登記情報を再取得し、その足で申請する。売主に別の債権者がいる案件で「書類は昨日預かったので今日の午後に出します」と言う相手なら、その半日をどう扱うかを必ず確認すること
順位の面では、2番抵当があれば自動的に1番へ上がるので他人に迷惑はかからない。困るのはあなた自身で、売却も借換えも古い抵当権の抹消が済むまで進まない。業界裏話ヒント:債権者が既に消滅した明治大正期の担保権でも、不動産登記法70条の特例で被担保債権額等を供託すれば単独で抹消申請できる道がある。相続した実家に古い担保が残っていても、相手を探し出せないから詰みだと諦める前に、司法書士にこの条文を出して相談する
できる。抵当権の順位変更は各抵当権者全員の合意と利害関係人の承諾により行い、登記をしなければ効力を生じない(民法374条)。この登記は付記登記でされ、本条2項により順位は主登記の順位を基準に整理される。業界裏話ヒント:全部を入れ替える順位変更のほかに、特定の相手にだけ自分の順位を譲る順位譲渡・順位放棄(民法376条)という部分的な手法がある。追加融資の交渉で銀行が渋ったとき、順位そのものを動かさずに実質を渡せるこの選択肢を知っているかどうかで、話の進み方が変わる
一律に危険ではないが、仮登記に基づく本登記の順位は仮登記の順位による(不動産登記法106条)ため、後から入るあなたの登記は順位で飛び越される可能性がある。中身と現在の効力を確認せずに買うのが危険なのであって、仮登記の存在自体が結論ではない。業界裏話ヒント:長年放置された仮登記は、原因となった請求権が時効消滅していることも多い。売主に仮登記権利者の抹消承諾書を決済条件として取らせるのが定石で、これを条件に入れられるかが交渉力の見せどころになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文が定めること | 不登法 4 条:登記した権利の順位は登記の前後による | — |
| 順位を動かす効果 | 受付の前後で確定し、付記登記は主登記の順位を承継 | — |
| 実務で見るタイミング | 担保設定・売買・競売配当のすべての場面 | — |
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