要点不動産登記法 5 条は、詐欺又は強迫で登記申請を妨げた第三者と、他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、登記がないことを主張できないと定める。
Q · 契約どおり不動産を買ったのに、相手が先に登記してしまったら、もう勝てないのですか?
登記があっても主張できない第三者が二種類ある
不動産登記法 5 条は、登記がないことを主張できない第三者を二類型定めます。1 項は詐欺又は強迫によって他人の登記申請を妨げた第三者、2 項は他人のために登記を申請する義務を負う第三者です。売主の地位を相続した相続人や合併後の存続会社もここに含まれます。ただし 2 項但書により、相手方の登記原因が自己の登記原因より後に生じたときは、なお登記の欠缺を主張できます。
不動産は先に登記した者が勝つ。民法177条のこの原則を、多くの人は動かせない絶対のルールだと思っている。だが不動産登記法5条は、その勝者リストから二種類の人間を外す。一つは、詐欺や強迫であなたの登記申請を妨げた者。「登記は後で一緒にやりましょう」と嘘をつき、その隙に自分が先に登記を入れた者は、登記を持っていてもあなたに「お前には登記がないだろう」と言えない。もう一つは、あなたのために登記を申請する義務を負っていた者。売主の地位を相続した相続人、合併で権利義務を引き継いだ会社、登記手続を任された者がここに入る。自分が果たすべき義務をサボり、その結果生まれた「登記がない状態」を武器にすることは許されない。ただし2項には但書があり、その者自身の権利取得の原因があなたの取得原因より前に生じていた場合は、堂々と登記の欠缺を主張できる。順番が逆転するこの一行を、あなたは見落としてはならない。
不動産登記法 5 条は、登記の欠缺を主張し得ない第三者の類型を定める規定である。1 項は詐欺又は強迫により他人の登記申請を妨げた者、2 項は他人のために登記を申請する義務を負う者を挙げ、いずれも民法 177 条にいう第三者から除外する。ただし 2 項但書により、相手方の登記原因が自己の登記原因の後に生じたときは、なお登記の欠缺を主張できる。
登記がされていない状態を指します。民法 177 条は登記がなければ第三者に対抗できないと定め、不動産登記法 5 条はその欠缺を主張できない第三者の類型を規定しています。
登記がないことを主張するのが信義則に反すると評価される者をいいます。条文ではなく判例が形成した法理で、不動産登記法 5 条が示した発想を判例が拡張したものと理解されています。
民法 177 条が登記を対抗要件とする原則を定め、不動産登記法 5 条はその「第三者」から二類型を除外します。5 条に当たる相手は、登記を握っていても対抗を主張できません。
原則は勝ちますが、詐欺や強迫で相手の登記申請を妨げた場合は不動産登記法 5 条 1 項により登記の欠缺を主張できません。単に先に登記しただけなら同項は及びません。
売主の地位を相続した相続人、合併後の存続会社などの包括承継人、登記手続の委任を受けた者が典型です。自ら登記に協力すべき立場の者は、その欠缺を武器にできません。
相手方の登記原因が自己の登記原因より後に生じたときです。申請義務を承継した相続人でも、自分の権利取得原因が先であれば登記の欠缺を主張でき、結論が反転します。
消滅会社が登記申請義務を負っていた場合、存続会社もその義務を承継するため、不動産登記法 5 条 2 項により登記がないことを主張できません。
先延ばしの理由を述べたメールや LINE、通話録音、司法書士とのやり取りが中心です。欺く意図を推認させる具体的な口実が記録に残っているかが認定を分けます。
終わりとは限らない。相手が詐欺または強迫であなたの登記申請を妨げたと言えれば、不動産登記法5条1項によりその者は登記の欠缺を主張できない。単に待たされただけでは足りず、欺く意図の立証が要る。業界裏話ヒント:決め手は相手が先延ばしの理由を述べた文面。税金の都合、抵当権を先に抹消したいなど具体的な口実が一通残っていると、認定は一気に近づく
ならない。父が負っていた登記申請義務は相続人のあなたに承継されるため、不動産登記法5条2項により買主に対して登記がないことを主張できない。買主から求められれば登記手続に応じる立場になる。業界裏話ヒント:ただし同項但書があり、あなた自身の権利取得原因が買主の取得原因より前に生じていれば主張できる。生前贈与の日付一つで結論が反転する
登記申請の委任を受けた者は他人のために登記を申請する義務を負う第三者にあたり、不動産登記法5条2項によりその者自身は登記の欠缺を主張できない。あわせて委任契約の債務不履行(民法415条)と司法書士法上の懲戒の問題になる。業界裏話ヒント:各都道府県の司法書士会に苦情申立窓口があり、法務局への懲戒請求も別途できる。訴訟より先にそちらを動かすと着手が急に早まることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 不登法 5 条:登記の欠缺を主張できない第三者を除外する | — |
| 働く場面 | 相手が登記を先に備えた後の対抗関係の争い | — |
| 相続・承継との関係 | 包括承継人は申請義務を承継し欠缺を主張できない(2 項) | — |
| 相手が協力しない場合 | 相手の主張資格を封じ、登記請求の前提を作る | — |
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