要点不動産登記法 3 条は、登記できる権利を所有権・地上権・永小作権・地役権・先取特権・質権・抵当権・賃借権・配偶者居住権・採石権の十種類に限定する。使用貸借は登記できない。
Q · 登記簿に載せられる権利って、どこまで決まっているんですか?
所有権や抵当権など十種類だけで、使用貸借は登記できません
不動産登記法 3 条は、登記の対象を不動産の表示と、所有権・地上権・永小作権・地役権・先取特権・質権・抵当権・賃借権・配偶者居住権・採石権の十種類の権利の保存等(保存・設定・移転・変更・処分の制限・消滅)に限定しています。この十個は限定列挙であり、無償で借りる使用貸借や占有権は登記できません。登記できない権利は民法 177 条の対抗要件を備えられないため、所有者が売却・相続で代わった瞬間、新所有者に権利を主張できなくなります。賃借権のように列挙されていても実際には登記されにくい権利については、借地借家法 10 条・31 条が代替の対抗要件を用意しています。
十個。不動産登記に載せられる権利は、この数で打ち止めだ。所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権、配偶者居住権、採石権。3条はこの限定列挙で、登記制度の入口に線を引いている。線の外側にあるものは、どれだけ現実の生活を支えていても登記簿には載らない。親の土地を無償で借りて家を建てた使用貸借がその代表だ。ここで効いてくるのが、登記できない権利は原則として新しい所有者に対抗できないという民法177条の構造である。あなたが二十年住んでいても、地主が土地を売った瞬間、買主から明渡しを求められる側に立つ。逆に言えば、自分の立場をこの十個のどれかに翻訳できるかどうかが、生活基盤が法的に守られるかどうかの分岐点になる。
不動産登記法 3 条は、登記の対象範囲を画する規定である。登記は不動産の表示、または所有権・地上権・永小作権・地役権・先取特権・質権・抵当権・賃借権・配偶者居住権・採石権という十種類の権利の保存、設定、移転、変更、処分の制限、消滅についてのみ行われる。列挙されない権利関係は、現実に存在しても登記記録には反映されない。
登記の対象範囲を定める規定です。不動産の表示と、十種類の権利の保存・設定・移転・変更・処分の制限・消滅についてのみ登記できると限定しています。
十種類です。所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権、配偶者居住権、採石権。この列挙は限定列挙で、外の権利は登記できません。
できません。3 条の十種類に含まれていないためです。占有は現実の支配状態であり、登記による公示になじまないと整理されています。
譲渡担保という名称では登記できません。実務では所有権移転登記の形式をとり、原因を売買や譲渡担保と記録して対応しています。列挙外の権利を既存の枠に翻訳する典型例です。
所有権以外の権利です。地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権、配偶者居住権、採石権が乙区に、所有権は甲区に記録されます。
他人の土地で岩石や砂利を採取する権利で、採石法に基づく物権です。3 条 10 号で登記でき、土地を手放さずに採取関係を公示できます。
工事に着手する前です。着手前に工事費用の予算額を登記しなければ効力が生じません(民法 338 条)。着工後に気づいても後戻りできません。
2024 年 4 月 1 日からです。取得を知った日から 3 年以内に申請しなければ、正当な理由なく怠った場合 10 万円以下の過料の対象となります(不動産登記法 76 条の 2)。
登記できない。3条の十個に使用貸借(民法593条)は入っていないからだ。土地が売られれば新所有者から明渡しを求められる。業界裏話ヒント:親の土地に建てるなら、固定資産税相当額を明確に超える地代を払って賃貸借に切り替える手がある。そうすれば建物を自分名義で登記するだけで土地の買主に対抗できる(借地借家法10条)。税務の扱いが絡むので、税理士と司法書士を同じ席に座らせて設計する
登記はできるが、賃借人には賃貸人へ登記手続を請求する権利がないと解されており(大判大正10.7.11)、貸主が拒めばそれまでだ。実務は借地借家法10条の建物登記、31条の建物引渡しで対抗力を代替している。業界裏話ヒント:事業用定期借地や大型テナントでは「賃貸人は賃借権設定登記に協力する」の一行を契約書に入れる交渉が普通に通る。この一行の有無が、貸主が破産したときに残れるかを分ける
必要である。配偶者居住権は3条9号で登記でき、登記が第三者への対抗要件になる(民法1031条2項)。協議書だけでは、建物を相続した子が売れば買主に負ける。なお配偶者短期居住権(民法1037条)は3条の列挙になく、登記できない。業界裏話ヒント:登記は建物所有者との共同申請だから、関係がこじれてからでは動かない。遺産分割協議書に「成立後速やかに配偶者居住権設定登記手続をする」と書き込むのが定石
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 不登法 3 条:登記できる権利の範囲を十種類に限定 | — |
| 問いの立て方 | そもそも登記できる権利か | — |
| 外れたときの帰結 | 登記手段自体が存在せず、民法 177 条の対抗要件を備えられない | — |
| 実務で効く場面 | 使用貸借・占有・譲渡担保など列挙外の関係の翻訳作業 | — |
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