要点不動産登記法 105 条は、添付情報を提供できないとき(1 号)と、権利変動に関する請求権を保全するとき(2 号)に仮登記ができると定める。本登記により順位は仮登記の時に遡る。
Q · 仮登記って、どういうときに打てるんですか?
書類が足りないときと、将来の請求権を守りたいときの二つです
不動産登記法 105 条は、仮登記ができる場合を二つに限定しています。1 号は、同法 3 条各号の権利について権利変動は既に生じているのに、登記申請時に提供すべき情報のうち法務省令で定めるものを提供できないとき。2 号は、権利の設定・移転・変更・消滅に関する請求権(始期付き・停止条件付き、その他将来確定が見込まれるものを含む)を保全しようとするときです。仮登記自体に対抗力はありませんが、後に本登記をすると順位が仮登記の時点まで遡ります(同法 106 条)。
不動産を買ったのに、まだあなたの名義にできない。理由は驚くほど日常的だ。売主の実印がまだ押せない、印鑑証明書が期限切れ、住宅ローンの実行日が来月、土地の分筆がまだ済んでいない。この「登記できないが、権利はもう自分のもの(あるいは将来自分のものになる)」という宙ぶらりんの数週間に、あなたを守る唯一の手段が仮登記である。不動産登記法 105 条は、その仮登記が使える場面をたった二つに絞っている。一号は「権利変動はもう起きているが、必要書類がそろわない」場合。二号は「まだ権利は動いていないが、将来動く請求権を今のうちに押さえたい」場合。この二つの違いは細かい話に見えて、実は決定的だ。なぜなら仮登記には、後で本登記したときに順位が仮登記の日まで遡るという強烈な効力があるからだ。あなたが仮登記を入れた翌日に売主が別の誰かに二重売買しても、あなたが勝つ。宙ぶらりんの数週間を、あなたは無防備で過ごす必要がない。
不動産登記法 105 条は、仮登記をすることができる場合を定める規定である。同法 3 条各号の権利につき、権利変動は生じているが登記申請に必要な情報の一部を提供できない場合(1 号)と、権利の設定・移転・変更・消滅に関する請求権を保全する場合(2 号)に限られる。仮登記自体に対抗力はなく、本登記により順位が仮登記の時に遡る。
本登記ができない事情があるときに、登記の順位だけを先に確保しておく登記です。不動産登記法 105 条が 1 号(添付情報の不足)と 2 号(請求権の保全)の二つの場合に限って認めています。
仮登記自体に法定の存続期限はありません。ただし保全している請求権が時効で消滅すると、登記簿に残っていても中身は空になります。時効期間は民法 166 条によります。
原則は仮登記名義人との共同申請ですが、仮登記名義人が単独で抹消申請でき、また利害関係人は仮登記名義人の承諾書か判決があれば単独で申請できます(不動産登記法 110 条)。
危険です。先順位の仮登記が本登記になると、後から入ったあなたの所有権登記は登記官の職権で抹消されます(不動産登記法 109 条)。購入前に仮登記の登記原因と日付を必ず確認してください。
先順位の仮登記があると、本登記により金融機関の抵当権まで職権抹消されうるため、融資が実行されないのが通常です。決済前に仮登記の抹消を条件とするのが実務です。
仮登記は順位保全効しかなく、第三者に権利を主張する対抗力はありません。本登記をして初めて対抗力が生じ、その順位が仮登記の時まで遡ります(不動産登記法 106 条)。
できます。贈与者の死亡を始期とする所有権移転請求権として 2 号仮登記を打つ運用があり、始期付き・停止条件付きの請求権も 105 条 2 号の保全対象に含まれます。
本人申請も可能ですが、1 号か 2 号かの判断、登記原因証明情報の作成、承諾書の要否など誤りやすい論点が多く、実務では司法書士に依頼するのが一般的です。
違う。仮登記には順位保全効しかなく、対抗力はない。本登記をして初めて、その効力の順位が仮登記の日まで遡る(不動産登記法 106 条)。業界裏話ヒント:仮登記のまま何年も放置している物件は実務で山ほどある。放置中に保全対象の請求権が時効消滅すると、登記簿上は権利があるように見えて中身は空。買う側は仮登記の登記原因日付を必ず見る
ある。仮登記は原則共同申請だが、義務者の承諾があるとき、または裁判所の仮登記を命ずる処分があるときは単独申請できる(不動産登記法 107 条、108 条)。業界裏話ヒント:この処分は保全処分の一種で、比較的短期間で出ることがある。「協力しないなら裁判所に申し立てる」と伝えた時点で承諾書が出てくるケースが実務では多い
1 号は権利変動が既に発生していて添付情報だけが足りない場合、2 号は請求権を保全する場合。添付書類も登記される内容も違い、誤った号で申請すると却下または後の本登記で紛糾する。業界裏話ヒント:司法書士が最も神経を使う判断がここ。売買代金を全額払ったか、所有権移転時期の特約はどうなっているかで号が変わる。契約書の所有権移転時期条項を先に読む
仮登記担保にあたる可能性が高い。かつては債務額をはるかに超える不動産が丸取りされる弊害があったため、仮登記担保契約に関する法律で清算義務と実行手続が定められた。業界裏話ヒント:清算金の支払いなしに本登記へ進む実行は認められない。通知から 2 か月の清算期間があり、その間に債務を弁済すれば受戻しができる。「もう本登記されたから終わり」と諦める前に、清算手続が踏まれたかを確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 105 条:仮登記ができる場合を 1 号・2 号に限定 | — |
| 発生する効力 | 順位保全のための登記が可能になる(対抗力なし) | — |
| 第三者への影響 | 登記簿上の警告として機能し、買主・金融機関の判断材料になる | — |
| 実務上の着眼点 | 1 号か 2 号かの判定を誤ると却下または後日紛糾 | — |
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