要点不動産登記法 104 条の 2 は、信託の併合・分割等による信託の登記の抹消と新たな信託の登記を、権利の変更の登記と同時に申請すべきものとし、当該変更の登記の当事者を受益者と定める。
Q · 家族信託の不動産を別の信託に移すとき、名義が変わらないのに登記は必要ですか?
必要です。所有権移転ではなく権利の変更の登記になります
不動産登記法 104 条の 2 により、信託の併合・分割等で不動産が別の信託の信託財産となった場合、受託者の名義が同じでも「権利の変更の登記」を申請します。このとき旧信託の信託の登記の抹消と新たな信託の信託の登記を、権利の変更の登記と同時に申請しなければならず、別々に出すと 25 条の却下事由になります。また 2 項により登記権利者・登記義務者は受益者とされ、受益者には 22 条本文(登記識別情報の提供)が適用されません。
不動産の名義人は一文字も変わらないのに、登記を入れ直さなければならない。信託にだけ存在するこの奇妙な手続を仕切るのが本条である。あなたが受託者として父の土地を預かる家族信託を組んだとする。数年後、その土地をあなた自身の財産(固有財産)に戻す、あるいは別に組成した第二の信託へ移す。登記簿の「所有者 あなた」という記載は動かない。動くのは帰属の実質だけだ。だから所有権移転登記ではなく「権利の変更の登記」を使う。そして本条 2 項の核心は、当事者の指定にある。申請するのは名義人であるあなたではなく、受益者だ。受益者は登記名義人ではないから登記識別情報(旧・権利証)を持っていない。そこで 22 条本文の適用が外され、権利証なしで申請できる仕組みになっている。この一点を外したまま申請書を組むと、法務局の窓口で申請人適格を欠くとして戻される。
不動産登記法 104 条の 2 は、受託者の名義を変えずに不動産の帰属のみが移る場合の登記手続を定める。1 項は信託の併合・分割等に伴う信託の登記の抹消及び他の信託の信託の登記を権利の変更の登記と同時に申請すべきものとし、2 項は当該登記の登記権利者・登記義務者を受益者とし、22 条本文の適用を除外する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
受託者の名義を変えずに、不動産が固有財産と信託財産の間、または信託 A と信託 B の間で帰属を変える場合に用いる登記です。所有権移転登記ではありません。
不動産登記法 104 条の 2 第 1 項により、権利の変更の登記の申請と同時に申請します。先に抹消だけ出すことはできず、連件で一括提出するのが実務です。
併合は複数の信託の信託財産を一つの信託に集約すること、分割は一つの信託の信託財産の一部を別の信託へ移すことです。定義は信託法 2 条 10 項・11 項にあります。
受益者が登記義務者となる場合、22 条本文が適用されないため登記識別情報(旧・権利証)の提供は不要です。受益者は登記名義人ではないためです。
登記記録とは別に作成され、委託者・受託者・受益者や信託の目的、財産の管理方法などを記録する帳面です。甲区の名義に現れない信託の中身はここで公示されます。
104 条の 2 第 1 項に反する申請となり、25 条の却下事由に該当します。補正で救える性質ではなく、権利の変更の登記自体が通らないため決済日が崩れます。
受託者の変更は権利の移転の登記であり、本条の権利の変更の登記とは別扱いです。不動産登記法 100 条により新受託者の単独申請が認められる場面があります。
信託法 14 条により、不動産が信託財産に属することは登記しなければ第三者に対抗できません。登記が遅れた期間はそのまま対抗力の空白になります。
所有権移転登記ではなく、信託財産から固有財産への「権利の変更の登記」になる。本条 2 項により登記権利者はあなた(受託者)、登記義務者は受益者であり、信託の登記の抹消も同時に申請する(104 条)。業界裏話ヒント:信託契約に受託者が固有財産で取得できる旨の許容条項がないと、信託法 31 条の利益相反行為として、後日ほかの受益者から効力を争われる余地が残る。契約書の一行の有無が、数年後の登記の通りやすさを決める。
しない。自己信託(信託宣言)による権利の変更の登記は 98 条 3 項により受託者が単独で申請でき、本条 2 項も括弧書きでこれを明文で除外している。業界裏話ヒント:自己信託は公正証書その他の書面等によらなければ効力が生じず(信託法 4 条 3 項)、その書面が登記の添付情報になる。単独申請で手続が軽い分、債権者から詐害信託として取り消される争い(信託法 11 条)を正面から受けやすい類型でもある。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記の種類 | 104 条の 2:権利の変更の登記(受託者は同一のまま帰属のみ移る) | — |
| 申請の当事者 | 受益者(信託管理人があるときは信託管理人)を登記権利者・登記義務者とする | — |
| 登記識別情報 | 受益者には 22 条本文を適用せず、提供不要 | — |
| 同時申請の要否 | 1 項により信託の登記の抹消・新たな信託の登記と同時申請が必須、違反は 25 条の却下事由 | — |
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