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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

不動産登記法 第98条(信託の登記の申請方法等)

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  1. 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
  2. 2.信託の登記は、受託者が単独で申請することができる。
  3. 3.信託法第三条第三号に掲げる方法によってされた信託による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請することができる。

この条文の基本情報

信託の登記の申請方法等とは何ですか?

定義信託の登記の申請方法等とは、不動産登記法第98条に定められた規定で、「信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第98条(信託の登記の申請方法等)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第98条の条文原文は「信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。」で始まります。
  3. 不動産登記法第98条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第98条の前の条は不動産登記法第97条です。
  7. 不動産登記法第98条の次の条は不動産登記法第99条です。
  8. 不動産登記法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第98条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/98

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法98条は、信託の登記を所有権移転等の登記と同時に申請すべきものと定める。信託の登記自体は受託者が単独で申請でき、自己信託による権利の変更の登記も同様である。

Q · 家族信託で不動産を預けるとき、信託の登記はいつ出せばいいの?

同時申請が必須。信託の登記だけ後日追加はできません

不動産登記法98条1項により、信託の登記は所有権移転など当該信託に係る権利の登記と同時に申請しなければなりません。信託の登記だけを後日追加する申請は受理されず、やり直す場合は権利変動の登記から組み直すことになります。一方2項は信託の登記を受託者の単独申請と定め、3項は自己信託(信託法3条3号)による権利の変更の登記も受託者が単独で申請できるとしています。ただし同時に出す所有権移転登記は共同申請が原則(同法60条)である点に注意が必要です。

解説

親から相続した収益ビルを信託銀行に預ける、あるいは自分の会社の株式ではなく不動産を家族信託に組み入れる。その手続きの最後に立ちはだかるのが不動産登記法98条だ。ここには一般人がほぼ知らない鉄則が書かれている。信託の登記は、所有権移転などの登記と「同時に」申請しなければならない。後から思い出して「じゃあ信託の登記も追加で」とはできない。同時申請という一文が意味するのは、信託契約書を作った日ではなく、法務局の窓口に書類を出す一瞬に、すべてが揃っていなければならないということだ。一方で2項は救いでもある。信託の登記だけは受託者が単独で申請できる。通常の不動産登記は登記権利者と登記義務者の共同申請が原則(同法60条)だが、信託の登記はその例外に位置づけられている。認知症で判断能力を失った親(委託者)の協力を待たなくても、受託者一人で信託の登記部分は動かせる。この非対称を知っているかどうかで、家族信託の実務スピードが変わる。

法的な位置づけ

不動産登記法98条は、信託の登記の申請手続を定める規定である。1項は信託の登記を権利の保存・設定・移転・変更の登記と同時に申請すべきものとし、2項は信託の登記を受託者の単独申請とする。3項は信託法3条3号の方法による信託(自己信託)に基づく権利の変更の登記も受託者の単独申請と定め、共同申請の原則(同法60条)の例外を構成する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.登記申請日を先に固定してから契約日を決める 信託契約の締結日を先に決めて登記を後追いさせると、委託者の体調変化や書類不備で同時申請要件が崩れる。司法書士と法務局への申請予定日を先に押さえ、そこから逆算して公証役場の予約と契約締結日を決める
  2. 2.登記識別情報と印鑑証明書の所在を確認する 同時に出す所有権移転登記は共同申請が原則(同法60条)のため、委託者側の登記識別情報(権利証)と発行3か月以内の印鑑証明書が必要になる。紛失していれば事前通知や本人確認情報の手当てが要り、日程が数週間ずれる
  3. 3.信託目録に記録する内容を確定する 信託の目的、信託財産の管理方法、受益者に関する事項、信託終了の事由などを、同法97条・不動産登記規則176条に沿って整理する。ここで曖昧に書くと、後日の信託の変更の登記(同法100条)でやり直しになる
  4. 4.所有権移転登記と信託の登記を同一の申請で同時に提出する 1項の同時申請要件を満たすため、法務局の窓口またはオンライン申請で、権利変動の登記と信託の登記を一体の申請として提出する。片方だけ先行させる運用は認められない
  5. 5.完了後に登記事項証明書で信託目録の記載を検証する 登記完了後、登記事項証明書(信託目録付き)を取得し、権利部に信託の登記が入っているか、信託目録の内容が契約書と一致しているかを一行ずつ突き合わせる。ここまでやって初めて第三者対抗力(信託法14条)が確認できる

よくある質問 AI による整理

Q1信託の登記とは何ですか?

その不動産が受託者の固有財産ではなく信託財産であることを登記簿上で公示する登記です。信託目録が作成され、信託の目的や受益者などが記録されます。

Q2信託目録には何が記載されますか?

委託者・受託者・受益者に関する事項、信託の目的、信託財産の管理方法、信託終了の事由その他の信託の条項などが記録されます(同法97条、不動産登記規則176条)。

Q3信託の登記をしないとどうなりますか?

登記簿上は受託者個人の財産にしか見えません。信託の登記は信託財産であることの第三者対抗要件(信託法14条)であり、これを欠くと受託者の債権者に対して信託財産の独立性を主張しづらくなります。

Q4信託の登記はいつ申請しますか?

所有権移転など権利変動の登記を申請するのと同じ時に申請します。98条1項が同時申請を要求しているため、実質的には権利変動の登記を出す日が唯一の機会になります。

Q5受益者が信託の登記を申請することはできますか?

受益者は受託者に代位して信託の登記を申請することができます(同法99条)。受託者が登記を怠っている場面で受益者側から動かすための手当てです。

Q6受託者が交代したら登記は必要ですか?

必要です。受託者の変更は信託目録の記録事項の変更にあたるため、信託の変更の登記の手続(同法100条)によって登記記録を現状に合わせます。

Q7信託が終了したときの登記はどうなりますか?

信託財産に属する不動産の権利が移転する登記と、信託の登記の抹消を同時に申請します(同法104条)。入口の98条と出口の104条が対になる構造です。

Q8信託の登記に必要な書類は何ですか?

一般に信託契約書(登記原因証明情報)、信託目録に記録する情報、委託者の登記識別情報と印鑑証明書、受託者の住所証明情報などが必要です。具体的な組合せは事案ごとに司法書士へ確認してください。

この条文についての質問 AI による整理

Q1所有権移転の登記だけ先に済ませて、信託の登記は後日でもいいんですか?

できません。本条1項が同時申請を明文で要求しており、信託の登記のみを後日追加する申請は受理されません。やり直すなら権利変動の登記から組み直すことになります。実務のポイント:司法書士が家族信託の見積もりで登記費用を高めに出すのは、この同時申請のやり直しリスクを織り込んでいるからです。安さで選んだ結果、一度で通らず二度手間になるケースが実務で起きている

Q2受託者が単独で申請できるなら、委託者の印鑑証明書はいらないということですか?

違います。単独申請できるのは信託の登記の部分だけで、同時に出す所有権移転登記は共同申請が原則(同法60条)です。委託者側の登記識別情報と印鑑証明書は依然として必要になります。実務のポイント:2項の単独申請を「全部一人でできる」と誤読して書類準備を怠り、申請直前に委託者の意思確認が取れなくなって頓挫する事例が、認知症案件で繰り返されている

Q3自己信託の場合、相手方がいないのにどうやって登記するんですか?

3項が答えです。信託法3条3号の方法(信託宣言、いわゆる自己信託)による権利の変更の登記は、受託者が単独で申請できます。同一人物の中で財産の性質が変わるだけなので、共同申請の相手方が構造上存在しないためです。実務のポイント:自己信託は公正証書等によらなければ効力が生じない(信託法4条3項)ため、登記の前段階で公証人が関与します。この順序を飛ばすと登記以前に信託自体が成立していないことになる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託契約を結べば財産は守られる」と考えている人が多いが、契約の効力と第三者対抗力は別物だ。信託の登記がなければ、受託者の個人債権者に対して「これは信託財産だから差し押さえられない」と主張しづらくなる。契約書の完成度ではなく、登記簿の記載が守りの実体である
  • 受託者が単独申請できるという2項を「信託関係の登記は全部一人でできる」と拡大解釈する誤りが実務で起きる。単独申請できるのは信託の登記部分であり、所有権移転登記の方は原則どおり共同申請(同法60条)である。1項が同時申請を要求する以上、単独申請できる部分だけ先行させることはできない
  • 「登記は司法書士に任せておけばいい」という前提そのものが、家族信託では危うい。同時申請の要件を満たすには、信託契約の締結タイミング、委託者の意思能力の維持、登記識別情報の所在、この三つが同じ時点で揃っている必要がある。専門家に渡す前の段取りが、あなたの側の仕事として残っている
比較の観点この条文ほかの条文
申請人の構造98条:信託の登記は受託者の単独申請、自己信託による権利の変更の登記も単独申請60条:登記権利者と登記義務者の共同申請が原則
99条:受益者が受託者に代位して信託の登記を申請できる
タイミングの要件98条1項:権利の保存・設定・移転・変更の登記と同時に申請60条:同時性の要件はなく、個々の権利変動ごとに申請
104条:信託終了時に権利移転の登記と信託の登記の抹消を同時に申請
登記記録への効果信託目録が作成され、信託財産であることが公示される(97条・規則176条)権利部の記載が変わるのみで、信託財産か固有財産かは判別できない
信託目録が閉鎖され、信託財産としての公示が終了する
怠った場合のリスク信託の登記を欠くと信託財産の第三者対抗力(信託法14条)を欠く権利変動自体を第三者に対抗できない(民法177条)
終了後も信託目録が残り、実体と登記記録が食い違う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
信託法第4條第1項・土地登記規則(信託登記)

台湾も、登記または登録を要する財産権については信託登記をしなければ第三者に対抗できないとする公示主義を採る。信託登記と所有権移転登記を併せて申請する運用も日本と近い

韓国
신탁법 제4조・부동산등기법(신탁등기)

韓国も信託の公示を対抗要件とし、信託登記は権利変동の登기と併せて申請する構造をとる。受託者による申請を認める点も共通する

ドイツ
—

ドイツには英米型トラストに相当する制度がなく、Treuhand は債権的構成にとどまるため、登記簿上で信託財産を公示する仕組みが存在しない。信託財産の独立性の確保方法自体が日本と異なる

アメリカ
Uniform Trust Code および各州の recording statutes

米国はコモンロー上の二重所有権により受益者が衡平法上の権利を持つため、日本のような信託登記による対抗要件構成を必ずしも要しない。もっとも deed in trust の recording は実務上重視される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 認知症が進み始めた82歳の父の自宅とアパートを、長男が受託者となる家族信託に組み入れることにした。公証役場で信託契約を締結した翌週、司法書士が法務局へ向かう。このとき所有権移転登記(委託者から受託者へ)と信託の登記は、一つの申請書のセットとして同時に出される。片方だけ先に出すという運用は認められない
  • もし、所有権移転登記だけ済ませて信託の登記を忘れたらどうなる? 登記簿上、その不動産は受託者個人の財産に見える。受託者に借金があれば、債権者は差押えを試みる。信託の登記は信託財産であることを第三者に対抗する要件(信託法14条)であり、これを欠くと信託財産の独立性を主張できない
  • 受託者になった長男が、委託者である父の署名をもらいに行こうとして「認知症で意思確認が取れない」と司法書士に止められた。だが信託の登記そのものは2項で単独申請できる。問題は同時に申請すべき所有権移転登記の方であり、そこが動かないと1項の同時申請要件を満たせない。ボトルネックはどちらかを正確に見分ける必要がある
  • 自己信託(信託宣言)を使った事業承継。オーナー自身が自分の財産を自分で受託者として管理する形をとる。3項はこの信託法3条3号の方法による権利の変更の登記を、受託者の単独申請と定めている。共同申請の相手方が構造上存在しない類型への手当てだ
  • 信託契約の締結から登記まで3週間放置していた間に、委託者が急死した。相続が開始すれば信託財産の移転自体が争点になる。信託契約は有効でも、登記が未了なら相続人が「聞いていない」と争う余地が広がる。契約日と登記日の空白は、そのまま紛争の入口になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 登記事項証明書を取得し、権利部に信託の登記(信託目録の記載)があるか確認する。所有権移転だけで信託の登記がなければ、対抗力に穴がある2. 未了なら受託者に是正を求める。2項により受託者は単独で信託の登記を申請できるので、委託者側の協力なしでも動かせる余地がある3. 受託者が動かない場合、信託法上の受託者の義務違反(信託法29条以下)として、受益者の立場から是正を求める4. 受託者の債権者による差押えが現実化している段階なら、第三者異議の訴え(民事執行法38条)を視野に、直ちに弁護士へ

訴えられた側:1. 受託者として同時申請要件の不備を指摘された場合、まず登記申請の受理状況を法務局で確認する。却下されたのか補正で済むのかで対応が分かれる2. 却下されていれば再申請だが、その間の期間について受益者への説明責任が生じる3. 委託者の意思能力に疑義が生じている場合、成年後見等の手続きと信託の関係を整理し直す必要がある4. 登記の遅延によって受益者に損害が生じたと主張されたら、遅延の原因が自らの怠慢か、外部要因(書類の不備、委託者側の事情)かを時系列で立証する

時効(請求できる期限):本条自体に申請期限の定めはないが、1項の同時申請要件は物理的な同時性を要求するため、実質的には権利変動の登記を出す日が唯一の機会となる。信託の登記を怠ったことによる損害賠償請求権には、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が適用される

学説

通説:98条1項の同時申請要件は、受託者名義となった不動産が信託財産であることを権利変動と同じ時点で公示し、外形と実体の乖離が生じる期間をゼロにする趣旨と解される。2項・3項の単独申請は、公示の即時性を確保しつつ手続の目詰まりを避けるための調整規定と位置づけられる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)により、オンライン申請への対応を含む新法体系が整備され、信託に関する登記の規定が97条以下に配置された
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:信託法の全部改正に伴う関係法律の整備により、新設された自己信託(信託法3条3号)に対応する規律が置かれ、共同申請の相手方が存在しない類型についての単独申請が手当てされた

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不動産登記法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 権利に関する登記

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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