要点不動産登記法 104 条は、不動産が信託財産でなくなった場合の信託の登記の抹消を、権利変動の登記と同時に申請すべきものと定める。抹消自体は受託者が単独で申請できる。
Q · 家族信託が終わったら、名義変更と信託の抹消は別々に出してもいいの?
できません。権利変動の登記と同時に申請する必要があります
不動産登記法 104 条 1 項により、不動産が信託財産に属しないこととなった場合の信託の登記の抹消は、権利の移転登記・変更登記または抹消登記と同時に申請しなければなりません。実務では不動産登記令 5 条 2 項により一の申請情報でまとめて申請することが求められ、片方だけを提出すると同法 25 条の却下事由に触れうる形式不備となります。2 項は抹消を受託者の単独申請で行えるとしますが、同時に出す移転登記は原則として共同申請であるため、相手方の書類が揃わなければ抹消も提出できません。
家族信託で父の自宅を受託者として預かっていたとする。父が亡くなり信託は終わり、その自宅は妹に渡すことになった。ここであなたが登記所に出すものは二つある。所有権移転の登記と、信託の登記の抹消だ。104 条 1 項が命じるのは、その二つを「同時に」申請せよということ。順番でもなく、翌日でもなく、同時である。実務ではさらに一段厳しく、不動産登記令 5 条 2 項により一つの申請情報にまとめて出すことが求められる。片方だけを窓口に出せば、その申請は通らない。そして 2 項は、信託の登記の抹消なら受託者が単独で申請できると定める。ところが同時に出す移転登記のほうは、原則として登記権利者と登記義務者の共同申請だ。つまり「単独で申請できる登記なのに、単独では出せない」という奇妙な構造がここに生まれている。この一点を知らずに全部を丸投げすると、見積書の内訳も決済日の意味も読めないまま終わる。
不動産登記法 104 条は、信託財産に属する不動産の権利が移転・変更・消滅により信託財産に属しないこととなった場合における、信託の登記の抹消手続を定める規定である。1 項は当該権利変動の登記申請との同時申請を義務づけ、2 項は信託の登記の抹消につき受託者の単独申請を認める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記簿から「この不動産は信託財産である」という公示を消す登記です。信託そのものの終了ではなく、当該不動産が信託財産から外れた事実を登記簿に反映する手続です。
不動産登記法 104 条 2 項により受託者が単独で申請できます。ただし同時に申請する所有権移転登記は原則として共同申請のため、相手方の協力が実際には必要です。
信託の登記の抹消は不動産 1 個につき 1,000 円が原則です(登録免許税法別表第一)。同時に申請する所有権移転登記の税額は別途発生します。最新の税率はご確認ください。
抹消自体に法定期限はありません。ただし放置すると登記簿に信託の文字が残り、次の売買や融資で説明を求められます。受託者の判断能力低下や死亡で書類収集が難化するため早期処理が実務の相場です。
登記原因証明情報、受託者の資格を証する情報、同時申請する移転登記側の登記識別情報や印鑑証明書などです。信託目録の記載と申請情報が一致しているかの事前照合が重要になります。
複数の登記を一通の申請情報でまとめて申請することです。信託の登記の抹消と権利変動の登記は不動産登記令 5 条 2 項により、この方式によることが求められます。
抹消しません。受託者の交代は不動産が信託財産にとどまったままなので、104 条ではなく 100 条による権利移転登記の問題になります。抹消は信託財産から外れる場合に限られます。
申請情報と信託目録の不一致は補正の最頻出原因です。受益者の変更などがあるなら、抹消の前に信託の変更の登記を検討し、記載を現況に合わせておく必要があります。
抹消の部分は 104 条 2 項で単独申請が認められるが、同時に出す移転登記は原則として共同申請で、登記識別情報や印鑑証明書が要る。さらに不動産登記令 5 条 2 項の一括申請の形式を外すと、不動産登記法 25 条で却下されうる。業界裏話ヒント:補正の最頻出原因は、信託目録の記載と申請情報のわずかな不一致である。信託契約書を作る段階で登記を見据えた文言にしてあるかどうかで、出口の手間が丸ごと変わる
直接の罰則はない。ただし登記簿には信託の登記と信託目録が残り続け、第三者からは処分権限が受託者にあるように見える。これは信託法 14 条の対抗要件の裏返しで、売買や融資のたびに説明を求められる。業界裏話ヒント:放置中に受託者が死亡したり判断能力を失うと、必要な書類の収集難易度が跳ね上がる。終了原因が生じた月のうちに動かすのが実務の相場である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 104 条:不動産が信託財産から外れたときの信託登記の抹消 | — |
| 同時申請の相手方登記 | 権利の移転登記・変更登記または権利の登記の抹消 | — |
| 単独申請の可否 | 抹消は受託者が単独で申請可(2 項) | — |
| 違反した場合 | 同時申請を欠くと 25 条の却下事由に触れうる | — |
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