要点不動産登記法 100 条は、受託者の任務が死亡・後見開始・破産等の五事由で終了し新受託者が選任された場合、新受託者が単独で権利移転の登記を申請できると定める。辞任は対象外。
Q · 家族信託の受託者が亡くなったら、次の受託者ひとりで名義を移せますか?
死亡なら新受託者が単独で申請できる。辞任なら共同申請
不動産登記法 100 条 1 項により、受託者の任務が死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定、合併以外の理由による解散、裁判所又は主務官庁の解任命令の五事由で終了し、新受託者が選任されたときは、新受託者が単独で権利移転の登記を申請できます。前受託者の相続人の同意も遺産分割協議書も不要です。ただし辞任や委託者・受益者の合意による解任は五事由に含まれず、60 条の共同申請に戻り、前受託者の協力が必要になります。
家族信託で受託者になっていた長男が、ある朝倒れて亡くなった。信託した実家の登記名義は長男のまま。次の受託者へ名義を移すには亡くなった人の相続人全員の実印が要る、と思うだろうか。要らない。不動産登記法 100 条 1 項は、死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、合併以外の理由による解散、裁判所又は主務官庁の解任命令、この五つの事由で受託者の任務が終わり新受託者が選ばれた場合に限り、新受託者が単独で権利移転の登記を申請できるとする。原則は 60 条の共同申請、つまり相手方の協力が絶対条件だ。その原則を外す例外リストがここにある。裏を返せば、リストに載っていない事由、とりわけ「辞任」と「委託者・受益者の合意による解任」は、前の受託者と共同でしか申請できない。円満に降りたはずの人が印鑑を押さない、それだけで信託財産の名義が凍りつく。
不動産登記法 100 条は、信託財産に属する不動産について、受託者の任務が法定の五事由により終了し新受託者が選任された場合に、新受託者が単独で権利移転の登記を申請できる旨を定める規定である。受託者が複数のときは、残存する受託者が単独で権利の変更の登記を申請する(同条 2 項)。共同申請主義を定める 60 条の特則にあたる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
信託財産である不動産の登記名義を、任務が終了した受託者から新受託者へ移す登記です。登記原因は相続ではなく受託者の変更で、不動産登記法 100 条が申請方法を定めます。
死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定、合併以外の解散、裁判所又は主務官庁の解任命令の五事由なら新受託者が単独で申請できます(100 条 1 項)。
辞任は 100 条 1 項の五事由に入らないため、60 条の共同申請に戻ります。前受託者の登記識別情報と印鑑証明書が必要で、協力が得られないと登記が止まります。
受託者の変更に伴う権利移転の登記は非課税です(登録免許税法 7 条 1 項 3 号)。相続登記の税率 0.4% と比べると、評価額次第で数十万円の差が生じます。
任務終了を証する公的書面(死亡の記載のある戸籍、審判書、破産手続開始決定書、解任命令の裁判書)、新受託者の選任を証する情報、就任承諾書、住所証明情報などです。
登記の目的は移転ではなく権利の変更の登記で、残った受託者が単独で申請します(100 条 2 項)。信託財産は受託者の合有とされるためです。
不要です。権利移転(又は変更)の登記に伴い、信託目録の受託者の表示は登記官が職権で変更します(不動産登記法 101 条)。信託の登記自体は残ります。
100 条自体に申請期限の定めはありません。ただし前受託者名義のまま放置すると第三者への処分リスクが残るため、任務終了を知った時点で動くのが実務です。
信託財産は受託者個人の相続財産に含まれないため、相続を登記原因にしません。登記原因は受託者の変更で、新受託者が単独で申請します(不動産登記法 100 条 1 項)。遺産分割協議書も相続人の同意も不要です。業界裏話ヒント:この移転登記には登録免許税がかかりません(登録免許税法 7 条 1 項 3 号)。相続登記の 0.4% と比べると、評価額 3,000 万円で 12 万円の差が出ます
できません。単独申請が認められるのは死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定、合併以外の解散、裁判所又は主務官庁の解任命令の五つだけで、辞任と合意による解任は 60 条の共同申請に戻ります。業界裏話ヒント:問題のある受託者を降ろすなら、合意解任ではなく裁判所への解任申立て(信託法 58 条 4 項)を選ぶと、相手の協力なしで登記まで完走できます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 申請の構造 | 100 条:五事由による任務終了時、新受託者(又は他の受託者)が単独申請 | — |
| 登記の目的 | 受託者変更による権利の移転(1 項)/任務終了による権利の変更(2 項) | — |
| 信託目録の扱い | 受託者欄は 101 条により登記官が職権で変更、再申請不要 | — |
| 対象外となる場面 | 辞任、委託者・受益者の合意による解任は対象外で 60 条に戻る | — |
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