表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は、申請することができない。
要点不動産登記法 31 条は、表題部所有者の氏名・住所の変更登記や更正登記を、表題部所有者以外の者は申請できないと定める。買主でも申請適格はなく、30 条または 74 条が迂回路となる。
Q · 買った家の登記簿の一番上に載っている前の持ち主の住所、自分で直せますか?
直せない。本人に申請してもらうか 74 条で迂回する
不動産登記法 31 条により、表題部所有者の氏名・名称・住所の変更登記および更正登記は、表題部所有者本人以外の者は申請できません。代金を全額払った買主でも申請適格はなく、申請すれば 25 条 4 号(申請の権限を有しない者の申請)で却下され、補正では治りません。取り得る道は二つで、売主本人(死亡していれば 30 条の一般承継人)に申請してもらうか、表題部に触れず 74 条により自分名義の所有権保存登記を入れて表題部所有者欄の役目を終わらせるかです。
登記簿には二つの階層がある。上段の表題部には、その土地や建物が「どこにあり、どんな形で、誰のものとして最初に記録されたか」が書かれる。そこに載っている人が表題部所有者である。不動産登記法31条は、その氏名・名称・住所の変更登記と更正登記について、表題部所有者以外の者は申請できないと言い切る。買主でも、隣人でも、代金を全額払った人でも、他人の表題部の住所を一文字も直せない。あなたが所有権の登記のない建物を買い、決済直前に「表題部所有者の住所が20年前のまま」と気付いたとき、あなた自身の手ではどうにもならない。取れる道は二つ。売主本人に申請してもらうか、表題部に触らず74条で自分名義の所有権保存登記を入れて、表題部所有者欄そのものを役目終わりにするか。この二択を持っているかどうかで、決済が予定どおり進むか一か月ずれるかが決まる。
不動産登記法 31 条は、表示に関する登記のうち、表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記および更正の登記について、申請適格を表題部所有者本人に限定する規定である。適格を欠く第三者の申請は 25 条 4 号により却下され、相続人その他の一般承継人については 30 条が例外を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
所有権の登記がない不動産について、登記記録の表題部に所有者として記録されている者です(2 条 10 号)。権利部の所有権登記名義人とは別の概念で、31 条の申請適格はこの表題部所有者に限られます。
表題部の書き換えではなく、74 条 1 項の所有権保存登記で自分名義を入れるのが本筋です。保存登記が入ると表題部所有者に関する登記事項には抹消の記号が記録され、表題部を直す必要自体が消えます。
表題部は不動産の物理的現況と最初の所有者を記録する階層、権利部は所有権や抵当権など権利関係を記録する階層です。住所変更登記の義務化(76 条の 5)が及ぶのは権利部の所有権登記名義人のみです。
30 条により相続人その他の一般承継人が申請できます。さらに 74 条 1 項 1 号で相続人が直接、自分名義の所有権保存登記に進む選択肢もあり、表題部を経由しないほうが早い場面も多くあります。
旧住所から現住所までの移転履歴をつなぐ住民票の除票または戸籍の附票が中心です。氏名変更なら戸籍謄本、法人の名称・本店変更なら登記事項証明書で沿革を証明します。
保存期間経過で廃棄された除票は復元できません。実務では不在籍証明書・不在住証明書、登記済証、印鑑証明書を添えた上申書で同一性を補完します。登記所ごとの運用差があるため事前相談が有効です。
「山田太郎外 7 名」のような記録では本人を特定できず、31 条により誰も直せません。令和元年制定の表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律により、登記官の職権探索という別経路が用意されました。
25 条 4 号の「申請の権限を有しない者の申請」として却下されます。添付書類を足しても補正では治らず、申請人そのものを差し替えるしかありません。却下は登録免許税や日程に直接響きます。
取られない。表題部所有者の氏名・住所の変更登記に申請義務も過料もない。2026年4月1日施行の住所等変更登記の義務化(76条の5)が対象とするのは権利部に記録された所有権の登記名義人であり、2条10号の表題部所有者はそこに含まれない(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:義務がないから放置され、20年後の売却や相続で除票が取れず、上申書と印鑑証明の束を作る側に回る。住所がつながっている今が最も安い。
代理と申請適格は別の話である。専門家は本人の代理人として申請できるだけで、申請人は31条により表題部所有者本人のままであり、適格のない者の申請は25条4号で却下されて補正でも治らない。業界裏話ヒント:氏名・住所の変更登記は表示に関する登記に属し、実務上その申請代理は土地家屋調査士の領域とされる。事務所に持ち込んで話が進まないのは能力ではなく担当領域の線引きの問題であり、最初から相談先を分けると数週間短縮できる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が申請できるか | 31 条:表題部所有者本人のみ | — |
| 何を動かすか | 31 条:表題部所有者の氏名・名称・住所の変更/更正 | — |
| 適格を欠いた場合の帰結 | 31 条:25 条 4 号で却下、補正不可 | — |
| 実務上どちらを選ぶか | 31 条:本人が存命で協力が得られるときの最短路 | — |
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