表題部所有者又はその持分についての変更は、当該不動産について所有権の保存の登記をした後において、その所有権の移転の登記の手続をするのでなければ、登記することができない。
要点不動産登記法 32 条は、表題部所有者の変更は所有権保存登記をした後に所有権移転登記の手続によらなければ登記できないと定める。保存登記前に売却しても、買主名義への直接変更はできない。
Q · 保存登記をしていない新築の家を売ったら、表題部所有者を買主の名前に変えられますか?
変えられません。保存登記と移転登記の二本立てが必要です
不動産登記法 32 条により、表題部所有者の変更は、所有権の保存の登記をした後に所有権の移転の登記の手続によらなければ登記できません。したがって、保存登記前に建物を売却した場合は、まず表題部所有者(原始取得者)名義で所有権保存登記を入れ、その上で買主への所有権移転登記を行います。登記が二本必要になり、登録免許税も保存分と移転分の二回分が発生します。ただし区分建物には 74 条 2 項の特則があり、買主が直接保存登記できます。相続で取得した場合も 74 条 1 項 1 号で相続人名義の直接保存登記が可能です。
新築した建物の登記簿を開くと、最上段の表題部に所有者の氏名が載っている。ところがこの氏名、後から別人に書き換えることができない。A が建てた家を、保存登記をしないまま B に売ったとする。B が「表題部所有者を B に変えてください」と法務局に頼んでも、32 条が正面から拒む。やるべき順序はこうだ。まず A 名義で所有権保存登記を入れ、その上で A から B への所有権移転登記をする。つまり登記が二本必要になり、登録免許税も二回分かかる。なぜこんな面倒を強いるのか。答えは、権利がどう動いたかの履歴を登記簿に残すためだ。A から B へ渡った事実を消して B だけを載せてしまうと、後から A の債権者や相続人が現れたとき、誰がいつ権利を得たのか外部から追跡できなくなる。あなたが払う二回分の税金は、その履歴の連続性の代金である。
不動産登記法 32 条は、表題部所有者またはその持分の変更について、所有権の保存の登記を経た上で所有権の移転の登記の手続によらなければ登記することができない旨を定める規定である。表題部の所有者欄を直接他人名義へ書き換える手続を制度上排除し、権利変動の過程を権利部に連続して公示することを担保する機能を有する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
建物や土地の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者のことです(不動産登記法 2 条 10 号)。まだ所有権の登記がない不動産について、新築時の表題登記で原始取得者が記録されます。
氏名や住所の変更・更正は 31 条により表題部所有者自身が申請できます。32 条が塞いでいるのは所有者そのものが別人に入れ替わる場合であり、同一人の表示の変更はまったく別の手続です。
まず表題登記の有無を確認し、表題部所有者の名義で所有権保存登記を入れ、その上で買主へ所有権移転登記をします。買主名義へ一足飛びに登記する方法はなく、登録免許税も二回分が必要です。
相続人は表題部所有者の一般承継人として、自分の名義で直接所有権保存登記ができます(74 条 1 項 1 号)。売買で取得した場合と違い、保存と移転で二重の登録免許税を払う必要はありません。
当初から真の所有者と異なる者が記録されていた場合は、33 条の更正登記で修正できます。32 条が禁じるのは登記後に所有者が入れ替わる「変更」であり、当初からの誤りは別枠の手続です。
区分建物には 74 条 2 項の特則があり、表題部所有者から所有権を取得した買主が直接保存登記できます。分譲事業者が住戸ごとに保存登記を入れる負担を避けるための例外で、一戸建てには使えません。
新築建物の表題登記は所有権取得の日から 1 か月以内が義務で(47 条)、怠ると 10 万円以下の過料の対象になります(164 条)。一方、所有権保存登記そのものには申請義務がありません。
登記がなければ第三者に所有権を対抗できず(民法 177 条)、抵当権も設定できないため住宅ローンの実行が止まります。売買の決済そのものが組めなくなる点が実務上の急所です。
一戸建てや事務所などの通常の建物ではできない。所有権保存登記を申請できるのは表題部所有者本人かその相続人など一般承継人に限られ(不動産登記法 74 条 1 項 1 号)、売買で買った人は含まれないからだ。業界裏話ヒント:分譲マンションなどの区分建物だけは 74 条 2 項の特則があり、表題部所有者から買った人が直接保存登記できる。マンションでの経験談をそのまま一戸建てに当てはめると、決済当日に止まる
保存登記と移転登記の二本を打つ以上、原則として避けられない。住宅用家屋であれば軽減税率の適用余地があり(租税特別措置法 72 条の 2、73 条、最新の改正状況をご確認ください)、負担そのものは下がる。業界裏話ヒント:本当の分岐点は登記の場面ではなく、建物を建てる請負契約の段階にある。材料の提供者や代金支払の内容によって誰が原始取得者になるかが決まり、そこで最終取得者を表題部所有者にできれば、移転登記が丸ごと不要になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 使う場面 | 32 条:登記後に所有者が別人へ入れ替わった(売買等) | — |
| 申請できる人 | 保存登記は表題部所有者、移転登記は売主と買主の共同申請 | — |
| 必要な登記の本数 | 2 本(所有権保存登記+所有権移転登記) | — |
| 登録免許税の負担 | 保存分と移転分の二回分が発生する | — |
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