登記所における事務は、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)が取り扱う。
要点不動産登記法 9 条は、登記所における事務を登記官が取り扱うと定める。登記官は法務局又は地方法務局の長が指定した法務事務官で、自己の名で申請の受否を処分する。
Q · 登記の申請を却下したのは、法務局という役所ですか、それとも人ですか?
組織ではなく、指定を受けた登記官個人が処分します
不動産登記法 9 条により、登記所における事務を取り扱うのは登記官です。登記官とは、登記所に勤務する法務事務官のうち、法務局又は地方法務局の長が指定した者をいいます。登記官は個々の申請について自己の名で受否を判断する独任制の行政庁であり、却下決定書にも記名されます。したがって不服がある場合は、当該登記官を経由して、監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求を行います(同法 156 条)。
登記所の窓口の向こうに座っているのは、ただの窓口係ではない。不動産登記法 9 条は「登記所における事務は、登記官が取り扱う」と定め、その登記官を「登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者」と定義する。この一文に、知らないままだと損をする仕掛けがある。登記官は上司の決裁で動く一般職員ではなく、自分の名で処分を下す独任制の行政庁(役所として自分の名前で決定を出せる立場)である。あなたの申請を却下するのも、誤った登記を実行するのも、組織ではなく記名された一人の判断だ。だからこそ不服があるとき、あなたには審査請求という道が開いている(同法 156 条)。逆に言えば、登記官の権限は原則として形式的審査権にとどまる。書類の形が整っているかを見る権限であって、中身が真実かを調べ尽くす権限ではない。この線引きが見えた瞬間、登記制度があなたを守る範囲と、守らない範囲がはっきり分かれる。
不動産登記法 9 条は、登記所の事務処理主体を定める規定であり、当該事務を取り扱う者を登記官とし、登記官を登記所に勤務する法務事務官のうち法務局又は地方法務局の長が指定した者と定義する。登記官は個々の申請につき自己の名で受否の処分を行う独任制の行政庁として位置づけられ、その審査権は原則として形式的審査権にとどまる。
登記所に勤務する法務事務官のうち、法務局又は地方法務局の長が指定した者をいいます(不動産登記法 9 条)。登記申請の受否を自己の名で処分する立場の公務員です。
登記所は登記事務を取り扱う官署の呼称で、実際には法務局・地方法務局とその支局・出張所がこれに当たります。処分をするのは官署ではなく、そこに配置された登記官個人です。
法務省の職員として登記所に勤務する法務事務官であることが前提で、その中から法務局又は地方法務局の長が指定します。司法書士や土地家屋調査士とは別の公務員のポストです。
原則として形式的審査権にとどまり、提出書類が法定の形式を満たすかを審査します。申請人となるべき者以外の者による申請を疑うに足りる相当な理由があるときのみ、本人確認調査を行います(同法 24 条)。
却下決定書に記載された登記官名と根拠条項を確認します。形式不備なら補正して再申請、判断そのものに不服なら審査請求へ進みます。却下事由は同法 25 条に列挙されています。
当該登記官を経由して、監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求を行います(同法 156 条)。審査請求前置の規定はないため、取消訴訟を直接選ぶこともできます。
ありません。登記を信じて取引しても、それだけで権利を取得できるわけではありません。だからこそ登記官の形式的審査を通った登記でも、実体的な権利関係の確認が別途必要になります。
そのとおりです。申請の経路が電子化されても、事務を取り扱い受否を決めるのは指定を受けた登記官個人であるという 9 条の建て付けは変わりません。
独立の趣旨は違うが、自分の名で処分を出す点は共通する。登記官は法務局又は地方法務局の長の指定を受けた法務事務官であり(同法 9 条)、監督は受けるが、個々の申請の受否は登記官の判断として外に出る。だから 10 条が自己・配偶者・四親等内の親族が申請人のときの除斥を定めている。業界裏話ヒント:10 条にはただし書があり、他に登記官がいないときは除斥されず、その旨を記録したうえで処理される。除斥は絶対の壁ではなく、記録に残して透明化する仕組みだ
登記官の審査は原則として形式的審査なので、形が整っていれば通ってしまう。ただし申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があるときは調査義務が生じ(同法 24 条)、これを怠れば国家賠償法 1 条の過失が問題になる。業界裏話ヒント:日本の登記に公信力はない。登記を信じて買っても、それだけで所有権は手に入らない。だから実務では登記の確認に加え、登記識別情報と本人確認情報を二重に取る
構造としてはそのとおりで、審査するのは当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長である(同法 156 条 1 項)。ただし 157 条により、登記官自身が理由ありと認めれば相当の処分をし、局長が理由ありと認めれば登記官に処分を命じる。業界裏話ヒント:不動産登記法に審査請求前置の規定はないため、審査請求を経ずに最初から取消訴訟へ行ける。それでも実務が先に審査請求を投げるのは、費用がほぼかからず結論が早いからだ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 不動産登記法 9 条:事務を取り扱う主体(登記官)の定義 | — |
| 働く場面 | すべての登記事務に常時適用される前提規定 | — |
| 違反・逸脱の効果 | 指定を受けない者の処分は権限のない処分として争われうる | — |
| 利用者の打ち手 | 処分をした登記官名を特定し、審査請求の相手方を確定する(156 条) | — |
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