不動産登記法 第10条(登記官の除斥)
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登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。以下この条において同じ。)が登記の申請人であるときは、当該登記官は、当該登記をすることができない。登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族が申請人を代表して申請するときも、同様とする。
この条文の基本情報
登記官の除斥とは何ですか?
定義登記官の除斥とは、不動産登記法第10条に定められた規定で、「登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第10条(登記官の除斥)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第10条の条文原文は「登記官又はその配偶者若しくは四親等内の親族(配偶者又は四親等内の親族であった者を含む。」で始まります。
- 不動産登記法第10条は第二章 登記所及び登記官に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第10条の前の条は不動産登記法第9条です。
- 不動産登記法第10条の次の条は不動産登記法第11条です。
- 不動産登記法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法10条は、登記官本人や配偶者・四親等内の親族が申請人であるとき、その登記官が当該登記をすることを禁じる除斥規定。離婚した元配偶者や元親族も対象に含まれる。
Q · 法務局の担当登記官が自分の親戚だったら、その人が登記してくれるの?
できません。同じ登記所の別の登記官が担当します
不動産登記法10条により、登記官本人、その配偶者、四親等内の親族が申請人であるときは、その登記官は当該登記をすることができません。かつて配偶者又は四親等内の親族であった者、つまり離婚した元配偶者や離縁した元親族も含まれます。親族が申請人を代表して申請する場合も同様です。ただし禁じられるのはその登記官個人の職務執行だけで、申請自体は有効であり却下事由(同法25条)にもなりません。同じ登記所の別の登記官が処理し、担当できる者がいなければ法務局又は地方法務局の長の指定(同法9条)によって処理されます。
解説
法務局の窓口に座る登記官にも、絶対に手を触れない書類がある。自分の家族が出した登記申請だ。不動産登記法10条は、登記官本人、その配偶者、四親等内の親族が申請人であるとき、その登記官はその登記をすることができないと定める。いとこ(四親等の血族)まで、義理の兄弟姉妹(二親等の姻族)まで届く。しかも括弧書きが効いている。「配偶者又は四親等内の親族であった者を含む」、つまり離婚した元配偶者、離縁で切れた元親族も対象だ。関係が終わっても利害の記憶は終わらないという前提で書かれている。あなたが登記の正しさを疑うとき、確認できるのは書類の中身だけではない。誰がその登記を実行したのかも、制度上の争点になりうる。
法的な位置づけ
不動産登記法10条は登記官の除斥を定める規定であり、登記官本人又はその配偶者若しくは四親等内の親族(過去にその関係にあった者を含む)が申請人であるとき、当該登記官による当該登記の実行を禁じる。親族が申請人を代表して申請する場合にも適用され、登記官の指定(同法9条)により他の登記官が事務を処理する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請前に担当登記官と自分の関係を確認する 小規模な登記所や地元の出張所に申請するときは、登記官の氏名から親族関係の有無を意識する。血族はいとこまで、姻族は配偶者の兄弟姉妹やその子まで、さらに離婚・離縁で切れた元関係まで対象になる
- 2.該当しそうなら申請前に登記所へ申し出る 担当が決まる前に窓口または電話で申し出れば、内部の事務分担で処理が済む。10条は登記官個人の職務執行を止めるだけで、申請の適法性には影響せず却下事由(同法25条各号)にもならない
- 3.決済日が動かせない取引は段取りを先に組む 登記官が実質一人の小規模庁では、法務局又は地方法務局の長が指定を動かして他の登記官に処理させる(同法9条)。指定には時間がかかるため、売買決済や融資実行の日程が固定されている案件は事前調整を行う
- 4.完了後に判明したら記録を確保する 登記事項証明書と登記完了証で処理日を押さえ、除斥事由に当たる親族関係を戸籍で立証できる形に整える。申請書等の附属書類は正当な理由があるときに限り閲覧できる(同法121条、最新の改正状況をご確認ください)
- 5.監督法務局の長へ審査請求する 登記官の処分に対しては監督法務局又は地方法務局の長へ審査請求できる(同法156条、157条)。登記の内容自体にも誤りがあるなら手続の瑕疵と併せて主張し、審理の入口を広げる
よくある質問 AI による整理
Q1登記官の除斥とは?
登記官本人・配偶者・四親等内の親族が申請人のとき、その登記官が当該登記を処理できなくなる制度です。不動産登記法10条が根拠で、実際に不正があったかは問いません。
Q2四親等内の親族はどこまで含まれる?
親族の範囲は民法725条が定め、六親等内の血族・配偶者・三親等内の姻族です。うち四親等内なので、血族はいとこまで、姻族は配偶者の兄弟姉妹やその子まで届きます。
Q3元配偶者や元親族も除斥の対象?
対象です。10条の括弧書きが「配偶者又は四親等内の親族であった者を含む」と定めており、期間の制限もありません。離婚や離縁から何年経っていても、その登記官は手を引きます。
Q4登記官が親族の代理人として申請したらどうなる?
10条後段が適用され、その登記官は当該登記をすることができません。申請人本人が親族でなくても、登記官やその親族が申請人を代表して申請する形なら除斥されます。
Q5商業登記でも登記官の除斥はある?
あります。商業登記法6条が同趣旨の規定を置き、登記官やその配偶者・四親等内の親族が申請人である場合の職務執行を制限しています。登記制度に共通する公正確保の仕組みです。
Q6相続登記の義務化と登記官の除斥は関係ある?
直接の関係はありませんが実務上は影響します。相続登記は2024年4月から義務化され期限管理が必要なため、担当替えの調整で日数が延びないよう早めに登記所へ申し出るのが安全です。
Q7除斥に違反して登記した登記官はどうなる?
10条違反は職務上の義務違反として公務員の懲戒の問題になり得ます。ただし登記の実体的効力とは別問題で、当事者の是正手段は審査請求(同法156条)です。
Q8登記官の除斥は司法書士にも適用される?
適用されません。10条が拘束するのは登記官という公務員の職務執行だけです。司法書士の利益相反的な受任制限は司法書士法および会則の規律によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担当の登記官が親戚だったら、その登記所では登記できないんですか?
登記所は変わりません。管轄は不動産の所在地で法定され、当事者は選べません(管轄外の申請は同法25条1号で却下)。10条が止めるのはその登記官個人の職務執行だけで、同じ登記所の別の登記官が処理します。実務のポイント:登記官が実質一人という小規模庁では、法務局又は地方法務局の長が指定を動かして他の登記官に処理させる(同法9条)。決済日が動かせない取引なら、事前に登記所へ相談して段取りを組んでおく
Q2除斥に違反して登記されたら、その登記は無効になるんですか?
当然に無効となるわけではありません。10条は登記官の職務執行を禁じる規定で、登記の実体的効力を直接定めたものではないため、実体関係に符合する登記は有効とする見解が有力です。ただし実務上、解釈が分かれています。是正の道は審査請求(同法156条、157条)です。実務のポイント:審査請求は登記官を経由して監督法務局の長へ出す仕組みで、登記官自身が理由ありと認めれば自ら相当の処分をする。入口で解決する例がある
間違えやすい点 AI による整理
- 四親等という範囲を知っている人でも、括弧書きの重さを見落とす。「配偶者又は四親等内の親族であった者を含む」の一言で、離婚しても離縁しても除斥は続く。しかも何年前までという期間の制限が書かれていない。十年前に別れた相手の登記でも、その登記官は手を引く
- 「除斥に該当する登記官が処理したら、その登記は無効になるのか」という問いの立て方自体が的を外している。10条は登記官個人の職務執行を禁じる規定であり、登記の実体的効力を直接定めた規定ではない。実体関係に符合する登記は有効とする見解が有力だが、実務上、解釈が分かれている論点でもある。狙うべきは登記の無効主張ではなく、審査請求(同法156条)による処分の是正だ
- 除斥に当たると登記所ごと変わると思われがちだが、動くのは担当する人だけだ。管轄は不動産の所在地で法定されており、当事者にも登記官にも動かせない。気を利かせて隣町の登記所に持ち込めば、管轄違いで却下される(同法25条1号)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 10条:登記官個人の職務執行を禁じる | 9条:誰に事務を処理させるかの指定 25条:申請そのものを却下する事由 |
| 発動の要件 | 登記官・配偶者・四親等内の親族(元関係を含む)が申請人または代表者 | 登記所の事務処理体制上の必要 管轄違い、方式不備など法定の各号該当 |
| 当事者への効果 | 担当者が替わるだけ、申請は有効に存続 | 指定された別の登記官が処理 申請が却下され、登録免許税の還付等の処理が必要 |
| 違反・不服時の手段 | 審査請求(156条)、登記官の懲戒問題 | 指定は内部処分、当事者に選択権なし 却下決定に対する審査請求(156条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は登記法に個別規定を置かず、行政程序法の公務員自行迴避規定が本人・配偶者・前配偶者・四親等内の血親・三親等内の姻親を対象とする。前配偶者を明文で含む点は日本10条の括弧書きと同じ発想
韓国は不動産登記法に登記官の業務処理制限を置き、本人・配偶者・一定範囲の親族が申請人である場合を対象とする。日本統治期の登記制度を経た共通の構造
ドイツは登記所職員の関与排除を登記法自体に規定し、本人や配偶者等が関係する登記への関与を禁じる。日本10条の直接の範型に位置づけられる系譜
米国の不動産記録は郡レコーダーによる形式的な受理・記録であり、登記官の除斥に相当する一般規定を欠く。利害関係者に対する公証人の認証制限が機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続登記の申請書を出した窓口で、担当官の名札に親戚の名前があったらどうなる? 申請そのものは有効で、却下もされない。担当者が替わって処理されるだけだ。ただし相続登記は2024年4月から義務化され、正当な理由なく3年を過ぎると10万円以下の過料(不動産登記法76条の2、164条)。担当替えの調整で日数が溶けるなら、期限側から逆算して早めに申し出る必要がある
- あなたが登記官の側だとする。義理の兄が住宅ローンの抵当権設定登記を持ち込んできた。二親等の姻族は四親等内の親族に含まれるので、自分で処理すれば10条違反だ。正解は上司に申し出て事件から外れ、記録に残すこと。黙って処理して後で発覚すれば、登記の適正さを疑われるだけでなく、公務員としての懲戒の問題にもなりうる
- 登記官が二人しかいない地方の出張所。片方の登記官の父親が、土地の名義変更を持ち込んだ。残る一人で処理できなければ、法務局又は地方法務局の長が指定を動かし、別の登記官に処理させることになる(同法9条)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書と登記完了証で、いつ処理されたかの記録を押さえる。申請書等の附属書類は正当な理由があるときに限り閲覧できる(同法121条、最新の改正状況をご確認ください) 2. 除斥事由に当たる親族関係を戸籍で立証できる形に整える3. 監督法務局又は地方法務局の長へ審査請求(同法156条)、登記の内容自体にも誤りがあるなら併せて主張する4. 実損が出ているなら国家賠償法1条の請求も検討。ただし除斥違反だけで登記が当然に無効になるとは限らない点は前提に置く
訴えられた側:あなたが申請人側で担当官が親族に当たると気付いたら、申請前に登記所へ申し出るのが最短だ。10条が止めるのは登記官個人の職務執行だけで、あなたの申請の適法性には影響せず、却下事由(同法25条各号)にもならない。隠して処理させると、後日その登記の正当性を疑われ、取引相手や金融機関との関係で不利益を負うのはあなたの側だ。登記官側なら、上司へ報告して事件から外れ、その経緯を記録に残す
時効(請求できる期限):10条自体に期間の定めはない。是正手段である審査請求は、行政不服審査法の審査請求期間の規定が適用除外とされており(同法158条)、登記が存続する限り期間の制限なく申し立てられるとされる(最新の改正状況をご確認ください)。損害賠償は国家賠償法4条により民法724条が準用され、損害及び加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、行為時から20年
学説
有力説(職務執行禁止規定説):10条は登記官の職務執行を禁じる手続規定であり、登記の実体的効力を直接定めるものではないため、実体関係に符合する登記は除斥違反があっても有効と解する。是正は審査請求によるべきとする
外形的公正重視説:登記官は原則として形式的審査権しか持たないにもかかわらず10条が結果の当否を一切問わない構造を採るのは、疑われうる外形そのものを制度から排除する趣旨であり、手続の瑕疵は軽視すべきでないとする
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 オンライン申請制度の導入を含む全部改正(平成16年法律第123号)により、現行の条文体系として整備された。旧法下の同趣旨規定との条番号・文言の異同は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:オンライン申請制度の導入を含む不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)により、現行の条文体系として整備された。旧法下の同趣旨規定との条番号・文言の異同は人的検証が必要
- 不動産登記法 第9条登記官の指定、除斥時に別の担当を立てる根拠
- 不動産登記法 第25条申請の却下事由、除斥は却下事由に含まれない
- 不動産登記法 第60条共同申請主義、申請人の範囲を画する
- 不動産登記法 第156条登記官の処分に対する審査請求
- 不動産登記法 第157条審査請求事件の処理手続
- 商業登記法 第6条商業登記における同一内容の除斥規定
- 民事訴訟法 第23条裁判官の除斥、同種の公正確保法理
- 民法 第725条親族の範囲、四親等の数え方の基準
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