要点不動産登記法 23 条は、権利証(登記識別情報)を提供できない登記申請について、登記官が登記義務者へ事前通知を発し、法務省令で定める期間内に申出がない限り登記できないと定める規定である。
Q · 権利証(登記識別情報)をなくしても、不動産の名義変更はできますか?
できます。事前通知か本人確認情報で代替します
不動産登記法 23 条により、登記識別情報を提供できない場合でも登記は可能です。登記官が登記義務者へ事前通知を発し、期間内(不動産登記規則 70 条 8 項により原則 2 週間、外国に住所があるときは 4 週間)に申出があれば登記が実行されます。ただし申出を待つ分だけ登記完了が遅れるため、売買決済には使えません。決済当日に登記を完了させる必要がある場合は、4 項 1 号の資格者代理人による本人確認情報、または 4 項 2 号の公証人認証を利用します。
権利証、いま正式には登記識別情報と呼ばれる12桁の英数字を紛失しても、不動産の登記そのものは通る。その抜け道が本条の事前通知である。登記官が売主(登記義務者)に対し、こういう申請が出ているが本当かと本人限定受取郵便で問い合わせ、2週間以内にその通りだと申出が返ってくれば登記が実行される。ところがここに実務の断層がある。返事が届くまで登記は一歩も進まないため、買主も融資銀行も決済当日に代金を出せない。だから売買の現場で事前通知を選ぶ者は誰もいない。代わりに使われるのが4項1号、司法書士や弁護士が本人確認情報を作る道と、4項2号の公証人による認証だ。無料だが決済に使えない道、数万円かかるが即日で終わる道。この分岐を知らないまま見積書を渡されると、なぜこの費用が要るのか最後まで腑に落ちない。
不動産登記法 23 条は事前通知の手続を定める規定であり、登記識別情報を提供できない申請があった場合に、登記官が登記義務者へ申請の事実を通知し、法務省令で定める期間内に真実である旨の申出がされるまで当該登記を実行できないことを規定する。あわせて、所有権に関する申請で住所変更の登記がされている場合の前住所通知(2 項)と、資格者代理人の本人確認情報および公証人認証による適用除外(4 項)を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記識別情報を提供できない申請があったとき、登記官が登記義務者へ「この申請は本当か」と照会する手続です。不動産登記法 23 条 1 項が根拠で、期間内に申出がなければ登記は実行されません。
不動産登記規則 70 条 8 項により、通知を発送した日から原則 2 週間、登記義務者が外国に住所を有する場合は 4 週間です。到達日ではなく発送日から起算される点が急所です。
所有権に関する登記申請で、登記義務者の住所について変更の登記がされている場合です(23 条 2 項)。登記記録上の前の住所にも申請があった旨が通知され、なりすまし売却の警報として機能します。
期間内に申出が登記所へ到達しなければ、その申請は却下されます(法 25 条 10 号)。身に覚えのない通知なら、返事をしないこと自体が防御になります。
申出が届くまで登記官は登記を実行できないため、登記完了が最低でも 2 週間先にずれます。買主の金融機関は所有権移転登記の完了を融資実行の条件とするため、決済当日の資金決済ができません。
決済日のない登記であれば、無料の事前通知で十分に足ります。費用をかけて資格者代理人の本人確認情報を用意する必要は原則ありません。日程に余裕があるかどうかが判断軸です。
申請を受け付けた登記所(法務局・地方法務局およびその支局・出張所)へ提出します。申請書または委任状に押したものと同じ印を押し、期間内に到達させる必要があります(不動産登記規則 70 条)。
4 項 1 号の資格者代理人が本人確認情報を提供し登記官が相当と認めたとき、または 4 項 2 号の公証人認証があり登記官が相当と認めたときです。また 25 条(10 号を除く)の却下事由がある場合も適用されません(3 項)。
再発行の制度はありません(法21条)。代わりに本条の事前通知、4項1号の資格者代理人による本人確認情報、4項2号の公証人認証の三択になります。業界裏話ヒント:盗難や紛失で第三者の手に渡った疑いがあるなら、登記識別情報の失効の申出(不動産登記規則65条)で自分から無効にしてしまう手があります。以後の登記は必ず本人確認ルートを通るため、なりすましの入口が一つ閉じます
申出書に、申請書または委任状へ押したものと同じ印を押し、期間内に登記所へ到達させる必要があります(不動産登記規則70条)。業界裏話ヒント:期間は発送日から起算されるため、本人限定受取郵便を郵便局に取りに行かないまま数日過ぎると、実質の猶予は一週間を切ります。不在票を放置した結果、期限切れで却下され、印紙代を払い直した事例は珍しくありません
4項1号は、司法書士や弁護士が本人と直接面談し、身分証で確認したうえでその内容に職業上の責任を負う仕組みだからです。虚偽があれば懲戒と損害賠償のリスクを負い、それが報酬に反映されます。業界裏話ヒント:金額は不動産の価額や面談回数で決める事務所が多く、決済直前の駆け込み依頼ほど高くなります。契約直後の段階で紛失を打ち明けておけば、通常の報酬体系内で収まることがあります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動する主体と場面 | 23 条:登記識別情報を提供できない申請で、登記官が必ず事前通知を発する | — |
| 当事者に求められる行動 | 登記義務者が期間内に「その通りである」と申出をする | — |
| 行動しなかった場合の結末 | 申出がなければ申請は却下される(25 条 10 号) | — |
| 回避・代替ルート | 4 項 1 号の資格者代理人による本人確認情報、4 項 2 号の公証人認証 | — |
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