不動産登記法 第21条(登記識別情報の通知)
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登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならない。ただし、当該申請人があらかじめ登記識別情報の通知を希望しない旨の申出をした場合その他の法務省令で定める場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
登記識別情報の通知とは何ですか?
定義登記識別情報の通知とは、不動産登記法第21条に定められた規定で、「登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第21条(登記識別情報の通知)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第21条の条文原文は「登記官は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合において、当該登記を完了したときは、法務省令で定めるところにより、速やかに、当該申請人に対し…」で始まります。
- 不動産登記法第21条は第一節 総則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第21条の前の条は不動産登記法第20条です。
- 不動産登記法第21条の次の条は不動産登記法第22条です。
- 不動産登記法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法21条は、申請人自らが登記名義人となる登記の完了時に、登記官が速やかに登記識別情報を通知すると定める。ただし申請人が事前に通知不要を申し出た場合は通知されない。
Q · 家を買ったら届く12桁の紙、シールを剥がしていいの?
原則剥がさない。再発行も番号変更もできない
不動産登記法21条により、登記が完了して申請人自らが登記名義人となる場合、登記官は速やかに登記識別情報を通知します。届いた通知書の目隠しシールは、原則そのまま保管してください。この12桁は制度上、再発行も番号変更もできず、第三者に見られた時点でコピーされたのと同じ状態になります。開封は売却や抵当権設定の当日、司法書士の面前で足ります。万一漏洩したら不動産登記規則65条の失効の申出で自ら無効化できます。
解説
家を買って所有権移転登記が終わると、法務局から「登記識別情報通知書」という紙が届く。目隠しシールの下に12桁の英数字が印字されている、あれである。これがかつての「権利証」に代わるものだ。あなたが知っておくべきは、この12桁が「紙」ではなく「情報」だという一点である。権利証の時代は、紙そのものを金庫に入れておけば安全だった。だが登記識別情報は、シールを剥がして誰かに見られた瞬間、コピーされたのと同じ状態になる。紙を取り返しても意味がない。不動産登記法21条は「申請人自らが登記名義人となる場合」に、登記官が速やかに通知しなければならないと定める。裏を返せば、あなたが登記名義人にならない登記(抵当権抹消の債務者側など)では通知は来ない。そして但書、あなたは事前に「通知不要」と申し出ることもできる。この選択肢の存在を知らないまま、多くの人が漫然と12桁を受け取り、机の引き出しに放り込んでいる。
法的な位置づけ
不動産登記法21条は、登記識別情報の通知手続を定める規定である。登記官は、当該登記により申請人自らが登記名義人となる場合に限り、登記完了後速やかに、法務省令の定める方法で当該申請人に登記識別情報を通知する。登記識別情報は、平成16年改正で登記済証(いわゆる権利証)に代えて導入された、次回の登記申請における本人確認手段である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた通知書はシールを剥がさず保管場所を決める 法務局から届いた登記識別情報通知書は、目隠しシールを剥がさないまま保管する。中身の12桁が正しいかは次の登記のときに司法書士が確認するため、自分で開封する必要は原則ない。保管場所は他の重要書類と分け、家族に口頭で共有しておく
- 2.共有名義なら共有者ごとの保管状況を記録する 共有名義の場合、登記識別情報は共有者それぞれに別々に通知される。誰が何通をどこで保管しているかを一覧にして共有者全員が把握できる状態にしておく。将来の売却では全員分が必要になり、1人分の欠落だけで代替手続の費用が発生する
- 3.オンライン受領なら期限内に必ずダウンロードする オンライン申請で登記識別情報を電子的に受け取る場合、ダウンロード可能期間を過ぎると受領できなくなる。登記完了通知を受けたらその日のうちにダウンロードし、暗号化した領域に保存する。期限切れは実質的に紛失と同じ扱いになる
- 4.漏洩に気付いた日に失効の申出を出す シールが剥がれていた、家族以外の目に触れた、写真に写ったなど漏洩の疑いに気付いたら、その日のうちに不動産の管轄法務局へ不動産登記規則65条の失効の申出を行う。併せて不正登記防止申出も検討する。失効させれば以後はその12桁で登記できなくなる
- 5.紛失したまま決済が迫ったら代替手続を即決する 決済日が近い段階で登記識別情報が見つからない場合、事前通知制度は返送期限の関係で実務上使いにくい。資格者代理人による本人確認情報の提供を選び、面談日程と追加報酬の負担者を当日中に確定させる。放置すると決済日がずれる
- 6.売却・抵当権設定の当日に司法書士の面前で開封する 登記識別情報を実際に使うのは、売却による所有権移転登記または抵当権設定登記の当日のみ。その場で司法書士の面前でシールを剥がし、そのまま提供する。事前に自宅で開封しない運用を徹底することで、漏洩リスクの大半が消える
よくある質問 AI による整理
Q1登記識別情報とは何ですか?
登記完了時に登記名義人へ通知される12桁の英数字です。次に登記を申請するときの本人確認手段で、旧制度の登記済証(権利証)に代わるものです。根拠は不動産登記法21条。
Q2権利証と登記識別情報は何が違うの?
権利証は紙そのものが本人確認手段でしたが、登記識別情報は紙ではなく12桁の情報が本体です。見られた時点でコピーされたのと同じになり、紙を取り返しても安全性は戻りません。
Q3登記識別情報はいつ届きますか?
21条は「登記を完了したとき、速やかに」と定めます。実務では決済から数日から2週間程度で法務局から書面が届くことが多く、オンライン申請なら電子的に受領します。
Q4登記識別情報の再発行はできる?
できません。制度上、再交付の仕組みが存在しません。紛失した場合は不動産登記法23条の代替手続(事前通知、資格者代理人の本人確認情報、公証人の認証)で登記します。
Q5登記識別情報が漏れたらどうすればいい?
不動産登記規則65条の失効の申出により、その登記識別情報を自ら無効化できます。併せて不正登記防止申出も検討します。不正登記が入ってから争うより費用も時間も桁違いに安く済みます。
Q6抵当権抹消でも登記識別情報は通知される?
通知されません。21条は「申請人自らが登記名義人となる場合」に限定しています。抹消登記では新たに登記名義人になるわけではないため、届かないこと自体は異常ではありません。
Q7オンライン申請だと登記識別情報はどう受け取る?
登記・供託オンライン申請システムからダウンロードして受領します。ダウンロード可能期間を過ぎると受け取れなくなり、実質的に紛失と同じ扱いで代替手続が必要になります。
Q8登記識別情報を提供できないと登記は却下される?
却下されません。不動産登記法23条が代替ルートを用意しています。ただし資格者代理人による本人確認情報の作成には数万円から10万円超の報酬が別途かかります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記識別情報通知書のシールって、剥がして中身を確認したほうがいいんですか?
原則として剥がさないほうがよい。剥がした時点で第三者が見得る状態になり、法的には再発行も番号変更もできない(不動産登記法21条、同規則63条)。中身の12桁が正しいかは、次の登記のときに司法書士が確認する。実務のポイント:司法書士の間では「シールが剥がれている通知書は、それだけで失効申出を検討すべき」という感覚が共有されている。剥がした瞬間の管理責任は完全にあなた側に移る
Q2紛失したら不動産を売れなくなるんですか?
売れる。所有権は登記記録で証明されるので、識別情報がなくても売買契約も所有権移転登記もできる(不動産登記法23条の代替手続)。ただし司法書士による本人確認情報の作成で数万円から10万円超の追加報酬が発生する。実務のポイント:この費用を売主買主どちらが負担するかは法律に定めがなく、実務上は売主負担が通例だが交渉の余地がある。売買契約書の特約に一行入れておくかどうかで、決済日に揉めるかが決まる
Q3共有名義で買った場合、通知書は1通ですか?
共有者ごとに別々に通知される。21条は「申請人自らが登記名義人となる場合」に、その申請人に対して通知すると定めており、共有者それぞれが登記名義人になるためである。実務のポイント:夫婦共有で買った家を離婚時に処分する場面で、片方が「持っていない」「渡さない」と言い出すケースが実際にある。共有名義の時点で、保管場所を双方が知っている状態にしておくかどうかで、後の交渉コストが変わる
Q4「通知はいらない」と申し出ることもできると聞きましたが、そのほうが安全ですか?
21条但書で通知不要の申出は可能である。通知を受けなければ漏洩リスクはゼロになるが、次の登記では必ず代替手続(事前通知または本人確認情報)が必要になり、そのたびに費用と時間がかかる。実務のポイント:この選択肢を実際に使うのは、当面売却も担保設定も予定がなく、かつ管理に自信がない相続人などに限られる。ほとんどのケースでは通知を受けて、シールを剥がさず保管するほうが合理的である
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記識別情報通知書を持っていること」が権利の証明だと思われがちだが、法的にはそうではない。所有権を証明するのは登記記録そのもの(登記簿)であり、識別情報は次の登記を申請するときの本人確認手段にすぎない。だから紛失しても所有権は1ミリも減らない。減るのは「次の登記手続がスムーズにできる」という利便性だけである
- 紛失のリスクは知っていても、その深刻度を取り違えている人が多い。本当に怖いのは紛失ではなく漏洩だ。紛失なら代替手続で登記できるが、漏洩した場合、その12桁は無効化するまで生き続ける。失効の申出(不動産登記規則65条)という手続で自ら失効させられるが、この制度の存在を知らないまま、シールを剥がされた通知書を放置している人が圧倒的に多い
- 「登記識別情報は必ず届くもの」と考えて待っている人がいるが、そもそも21条は『申請人自らが登記名義人となる場合』に限定している。抵当権抹消登記で所有者が申請人になっても、あなたは新たに登記名義人になるわけではないから通知は来ない。届かないこと自体が異常とは限らない、という前提の理解が抜けている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 21条:登記完了後、登記識別情報を「通知する」場面 | 22条:次の登記を申請するとき情報を「提供する」場面 23条:情報を「提供できない」場面の救済 |
| 行為の主体 | 登記官(国の側の義務) | 登記義務者となる登記名義人(申請人の側の義務) 登記官・資格者代理人・公証人(三ルートの担い手) |
| 発動条件 | 申請人自らが登記名義人となる登記が完了したこと | 登記権利者と登記義務者が共同して権利に関する登記を申請すること 登記識別情報を提供できない正当な理由があること |
| 使わない・使えない場合の帰結 | 但書の申出をすれば通知されない。以後は毎回23条ルートになる | 提供がなければ23条へ移行する 事前通知は費用ゼロだが期限厳守、本人確認情報は数万〜10万円超 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は登記完了後に所有権状・他項権利証明書という紙の書状を交付する証書方式を維持しており、日本のような識別番号方式には移行していない。本人確認は印鑑証明書と書状の提出で担保される
韓国は2011年の全部改正で登記畢証から登記畢情報へ移行し、日本の登記識別情報にきわめて近い制度を採用している。継受方向は日本 → 韓国であり、失効に相当する手続も置かれている
中国は登記完了後に不動産権属証書または登記証明を交付する証書方式。識別番号による本人確認ではなく、実名認証と登記機関による審査で本人性を担保する
ドイツには権利証も識別情報も存在しない。Grundbuch そのものに公信力が認められ、公証人による契約の認証と登記官の審査で本人性を担保するため、名義人が番号を保管する負担が構造的に生じない
フランスは公証人が不動産取引に必須で介在する仕組みをとり、識別情報に相当する制度を持たない。本人確認コストが個人ではなく公証人制度側に配分されている点が日本と対照的
米国の大半の州は証書登録(recording)方式で、権原保険(title insurance)が実質的なリスク吸収装置として機能する。識別番号の管理を個人に負わせる日本型とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- マイホームの決済が終わり、2週間後に法務局から封筒が届く。中の書面には目隠しシールが貼られている。ここで多くの人が「中身を確認しよう」とシールを剥がす。その瞬間、この情報の安全性は一段下がる。剥がす必要は原則ない。次に使うのは売却時か抵当権設定時で、そのとき司法書士の面前で剥がせばよい
- 親が亡くなって相続登記をした。あなたが新しい登記名義人になったので、あなた宛に登記識別情報が通知される。ところが兄弟3人の共有名義にした場合、通知は3人それぞれに別々に発行される。1通ではない。将来売却するとき、3人全員が自分の12桁を持ち寄る必要がある。1人が紛失していれば、その1人分だけ本人確認情報等の代替手続が要る
- もし、登記識別情報通知書を失くしたらどうなる? 再発行は一切ない。制度上、再交付の仕組みが存在しない。代わりに(1)事前通知制度、(2)司法書士等による本人確認情報の提供、(3)公証人による認証、の3つの代替ルートで登記できる。ただし本人確認情報の作成報酬は数万円から10万円超、これが紛失の実質的なコストになる
- 投資用マンションを買った直後、あなたのもとに「登記識別情報の管理サービス」を名乗る業者から電話が来た。登記簿は誰でも閲覧できるため、新しい所有者情報は公開情報である。12桁を聞き出そうとする電話は、それ自体が詐欺のシグナル。法務局が電話で識別情報を尋ねることはない
- 決済まであと3日。売主として登記識別情報を用意する段になって、10年前の通知書が見つからない。この段階からでは事前通知制度は使えない(買主が代金を払った後に登記が完了する保証がないため実務上敬遠される)。司法書士に本人確認情報を作ってもらう必要があり、面談の日程確保と追加報酬の話を今日中に始めないと決済がずれる
取るべき行動
被害を受けた側:識別情報が漏洩した、または漏洩の疑いがあると気付いたら、1. その日のうちに不動産の所在地を管轄する法務局へ失効の申出(不動産登記規則65条)を行う、申出は登記名義人本人または代理人が可能2. 併せて「不正登記防止申出」(登記名義人の申出により3か月間、登記申請時に通知が来る制度)を検討3. 既に不正な登記が入っていれば、抹消登記手続請求訴訟と併せて処分禁止の仮処分を申し立てる、この順序を逆にすると係争中に転売される
訴えられた側:識別情報を提供できないまま登記手続の当事者になった場合、1. 紛失であることを認め、代替手続を選ぶ。事前通知制度(不動産登記法23条1項)は費用ゼロだが、法務局からの通知に2週間以内(国内の場合)に返送する必要があり、決済実務では敬遠される2. 資格者代理人による本人確認情報の提供(同条4項1号)が実務の主流、報酬は数万円から10万円超3. 公証人の認証(同項2号)は比較的安価だが、対応可能な公証役場を先に確認する
時効(請求できる期限):登記識別情報の通知自体に申請人側の期限はないが、オンラインで受け取る場合はダウンロード可能期間(登記完了時から一定期間、法務省令で定める)を過ぎると受領できなくなる。失効の申出に期限はなく、いつでも可能。事前通知制度を使う場合の返送期限は、通知を発した日から2週間(外国に住所がある場合は4週間、不動産登記規則70条8項)。この期限を1日でも過ぎると登記申請は却下される
学説
通説:登記識別情報は権利を表章する証書ではなく、次回の登記申請における申請人の本人性を担保する手続的手段にすぎないと解される。したがって紛失しても実体上の権利には影響せず、失われるのは手続の簡便さのみであるとされる。
実務通説:登記識別情報の管理責任は通知を受けた登記名義人に帰属し、漏洩時のリスク管理手段として不動産登記規則65条の失効の申出および不正登記防止申出を早期に用いるべきであるという運用が、司法書士実務において広く共有されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 従来の登記済証(いわゆる権利証)制度に代えて登記識別情報制度を新設し、オンライン申請に対応した本人確認手段へ転換した。本条はその通知手続を定める新設規定である
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、登記完了時に登記済証(いわゆる権利証)を交付する制度が確立した。紙の書面そのものが本人確認手段として機能する仕組みであった
- 2.平成16年(2004年) 新設:不動産登記法の全部改正により登記済証制度が廃止され、登記識別情報制度が導入された。本条はその通知手続を定める新設規定であり、オンライン申請に対応した本人確認手段への転換を担う
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