要点不動産登記法 33 条は、表題部所有者の更正登記を申請できるのは真の所有者だけであり、かつ現に記録されている表題部所有者の承諾が必要だと定める。
Q · 登記簿の表題部に書かれている所有者の名前が間違っていたら、自分で直せるの?
真の所有者しか申請できず、今の名義人の承諾も必要です。
不動産登記法 33 条 1 項により、表題部所有者の更正登記を申請できるのは当該不動産の真の所有者だけです。しかも 2 項により、現に表題部所有者として記録されている者の承諾がなければ申請できません。共有持分の誤記も同じ構造で、3 項・4 項により、申請できるのは当該共有者に限られ、持分が減る側の他の共有者の承諾が必要です。承諾が得られない場合は、表題部所有者の地位の確認訴訟を提起し、確定判決を承諾に代わるものとして添付するルートに切り替わります。
登記簿の一番上、まだ権利部(甲区)が作られていない段階の「表題部所有者」欄。ここに書かれた名前が間違っていたとき、誰が直せるかを決めるのが不動産登記法 33 条だ。答えは意外なところにある。名前を間違って書かれた本人ではなく、真の所有者しか申請できない。しかも、その真の所有者が単独で動くこともできない。今まさに誤って名義人として載っている相手から承諾をもらわなければ、申請は受理されない。つまり、あなたが本当の所有者であっても、誤記された相手が「承諾しない」と言った瞬間、登記官の窓口では手詰まりになる。共有持分の誤記も同じ構造で、持分が減る側の共有者の承諾が要る。ここで法が用意した唯一の出口が、表題部所有者の地位そのものを裁判で確定させる訴訟だ。承諾書を取りに行くか、判決を取りに行くか。この二択を知っているかどうかで、解決までの時間が数週間と数年に分かれる。
不動産登記法 33 条は、表題部所有者の記載が真実の所有者と異なる場合における更正登記の申請適格と要件を定める規定である。申請権者を当該不動産の真の所有者に限定し(1 項)、申請には現に記録されている表題部所有者の承諾を要求する(2 項)。共有持分の更正についても、申請権者を当該共有者に限り(3 項)、持分が変動する他の共有者の承諾を要件とする(4 項)。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不動産登記法 33 条 1 項により、当該不動産の真の所有者以外は申請できません。誤って名義人として記録されている本人にも申請権はなく、入口が真の所有者に限定されています。
必要です。33 条 2 項により、現に表題部所有者として記録されている者の承諾がなければ申請できません。承諾書には実印の押印と印鑑証明書の添付が実務上求められます。
表題部所有者の地位の確認訴訟を提起し、確定判決を承諾に代わるものとして添付するのが基本ルートです。承諾は金銭以外に代替手段がなく、判決取得までは売却も担保設定も事実上凍結されます。
登記官が職権で更正できるのは登記官自身の過誤による場合(不動産登記法 67 条)に限られます。申請書の記載自体が誤っていた場合は当事者の申請が必要で、33 条の承諾要件が課されます。
更正登記自体に申請期限はありません。ただし建物新築時の表題登記は取得から 1 か月以内が義務(同法 47 条)で、相続登記も 3 年以内の義務化(同法 76 条の 2)があり、誤記を放置すると義務の履行が詰まります。
表示に関する登記は登録免許税が原則かかりません。実際の費用は土地家屋調査士の報酬、印鑑証明書等の取得実費、承諾が得られず訴訟になる場合の弁護士費用が中心となります。
氏名が特定されていない古い表題登記は、承諾を求める相手すら確定できません。この類型は表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律による登記官の職権調査の対象になり得ます。
実務上、金融機関は所有権保存登記と抵当権設定登記を前提に融資します。表題部所有者が真の所有者と異なると保存登記の申請適格(同法 74 条 1 項 1 号)が食い違うため、決済前の是正を求められます。
その相続人全員の承諾が必要になる。相続人が多数に分散していると全員の実印と印鑑証明を集める作業になり、一人でも拒否すれば止まる。業界裏話ヒント:この場合、承諾集めを続けるより、最初から表題部所有者の地位の確認訴訟を選ぶ方が早いことが多い。相続人の一部が所在不明なら不在者財産管理人(民法 25 条)の選任も併用する
法律上、承諾に対価を支払う義務はない。ただし相手に拒否されると手続が止まるため、実務では解決金を支払う例がある。業界裏話ヒント:金額交渉に入る前に、確認訴訟にかかる費用(弁護士費用込みで数十万円規模)を試算しておくこと。要求額がそれを超えるなら、訴訟の方が合理的だという判断材料になり、その計算を相手に示すこと自体が交渉圧力になる
4 項により、承諾が必要なのは「その持分を更正することとなる他の共有者」、つまり持分が変動する共有者に限られる。持分に変化のない共有者の承諾は不要である。業界裏話ヒント:持分割合を全員一律に書き換える更正では結局全員の承諾が要ることになるため、誰の持分が実際に動くかを事前に整理しておくと、集める書類が大幅に減る
表題部所有者の記載自体が当初から誤っていた場合は 33 条の更正登記、既に所有権保存登記まで進んでいる場合は保存登記の抹消や真正な登記名義の回復を検討することになる。業界裏話ヒント:登録免許税と手続の重さが大きく異なるため、法務局の登記相談窓口で事前照会をかけ、どちらの入口かを確定させてから着手する。入口を誤ると却下され、納めた税は原則戻らない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誤りを直す主体 | 不登法 33 条:真の所有者の申請(登記官は職権で直せない) | — |
| 第三者の承諾の要否 | 現に記録されている表題部所有者の承諾が必須(2 項)、共有は持分が減る共有者の承諾(4 項) | — |
| 承諾・要件を欠くときの出口 | 表題部所有者の地位の確認訴訟、確定判決を承諾に代えて添付 | — |
| 登記の区分と担当専門職 | 表示に関する登記、土地家屋調査士の職域(争いになれば弁護士) | — |
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