不動産登記法 第67条(登記の更正)
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- 登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三項及び第七十一条第一項において同じ。)に通知しなければならない。ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞれ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。
- 2.登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなければならない。ただし、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この項において同じ。)がある場合にあっては、当該第三者の承諾があるときに限る。
- 3.登記官が前項の登記の更正をしたときは、その旨を登記権利者及び登記義務者に通知しなければならない。この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。
- 4.第一項及び前項の通知は、代位者にもしなければならない。この場合においては、第一項ただし書の規定を準用する。
この条文の基本情報
登記の更正とは何ですか?
定義登記の更正とは、不動産登記法第67条に定められた規定で、「登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第67条(登記の更正)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第67条の条文原文は「登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者(登記権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登…」で始まります。
- 不動産登記法第67条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第67条の前の条は不動産登記法第66条です。
- 不動産登記法第67条の次の条は不動産登記法第68条です。
- 不動産登記法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法67条は、登記官が登記の錯誤・遺漏を発見したとき当事者へ通知し、登記官の過誤によるときは法務局長の許可を得て職権更正すると定める。第三者があれば承諾が必要。
Q · 法務局から「登記に錯誤がある」と通知が来たら、私が費用を払って直すんですか?
登記官の過誤なら職権で無料更正、申請人の誤記なら申請が必要
不動産登記法67条1項により、登記官は錯誤・遺漏を発見したら遅滞なく通知します。この通知自体は処分ではありません。誤りが登記官の過誤によるものなら、同条2項で法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権更正され、申請も登録免許税も不要です。申請書側の誤記なら更正登記の申請が必要になります。ただし登記上の利害関係を有する第三者(抵当権者等)があるときは、その承諾がなければ職権更正はできません。
解説
登記簿に書かれた自分の名前の漢字が一字違う、地番が隣の土地になっている、抵当権の債権額の桁がずれている。こうしたミスを見つけたとき、多くの人は「また申請書を書いて手数料を払わないといけないのか」と身構える。だが不動産登記法67条は違う道を用意している。登記官が自らミスを発見したら、まずあなたに通知する義務を負う。そしてそのミスが登記官自身の過誤(役所側のうっかり)であれば、法務局長の許可を得て、登記官が職権で更正する。あなたの申請も、あなたの負担する登録免許税も要らない。ここで決定的なのは「誰のミスか」の切り分けだ。あなたが申請書に書き間違えたなら、あなたが更正登記を申請する(登録免許税がかかる)。役所が入力を誤ったなら、67条2項の職権更正で無料。通知が届いたとき、その一枚に書かれた法的性質を読み取れるかどうかで、あなたの財布と手間が分かれる。
法的な位置づけ
不動産登記法67条は、登記の錯誤・遺漏に関する登記官の通知義務と職権更正を定める規定である。登記官は誤りを発見した場合に登記権利者及び登記義務者へ遅滞なく通知し、誤りが登記官の過誤に起因するときは、監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権で更正する。登記上の利害関係を有する第三者がある場合は、その承諾が要件となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書と申請書控えを一字ずつ照合 登記事項証明書を取得し、申請時に提出した申請情報・添付書面の控えと、氏名の漢字・住所・地番・地積・持分・債権額の桁を一項目ずつ突き合わせる。どこが食い違うかを特定した時点で、誤りの原因が申請側か登記官側かの見当がつく
- 2.管轄法務局に職権更正の申出をする 申請書の記載自体が正しく、記録された登記だけが食い違っている場合は登記官の過誤の可能性が高い。更正登記を申請する前に、管轄法務局の登記官へ67条2項の職権更正の対象かを照会し、根拠資料を添えて申出をする。先に申請してしまうと納付済みの登録免許税は戻りにくい
- 3.利害関係を有する第三者の承諾書を並行取得 抵当権者、抵当証券の所持人・裏書人など登記上の利害関係を有する第三者がいる場合、その承諾がなければ職権更正はできない(67条2項ただし書)。誤りに気付いた当日に金融機関の担当者へ一報を入れ、更正前後の登記記載を並べた比較表を添えて承諾書を依頼する
- 4.申請人側の誤記であれば更正登記を申請 照合の結果、申請書自体の誤記だったときは職権更正の対象外となるため、更正登記を申請する。登録免許税が必要となり、66条により登記上の利害関係を有する第三者の承諾書等の添付が求められる場面もある
- 5.更正完了の通知を受けて記録を再確認 職権更正がされた場合、67条3項により更正した旨が登記権利者・登記義務者へ通知され、4項により代位者にも通知される。通知を受けたら改めて登記事項証明書を取得し、更正内容が意図どおりかを確認し、金融機関や税務資料の差し替えまで完了させる
よくある質問 AI による整理
Q1更正登記とは何ですか?
登記の一部に錯誤又は遺漏がある場合に、当初から正しい内容だったものとして是正する登記です。登記の同一性が保たれる範囲で用いられ、同一性を失う場合は抹消して入れ直します。
Q2職権更正に登録免許税はかかりますか?
不動産登記法67条2項の職権更正は登記官が自らの過誤を是正する手続のため、申請人が更正登記を申請する場合と異なり、申請も登録免許税の負担も生じません。
Q3登記の間違いを見つけたらどうすればいいですか?
まず登記事項証明書と申請時の書類の控えを一字ずつ照合し、誤りの発生地点を特定します。申請書が正しければ登記官の過誤の可能性が高く、管轄法務局に職権更正の申出をします。
Q4登記官の過誤かどうかはどう判断しますか?
判断の基準は申請情報・添付書面の記載です。申請書どおりに記録されていなければ登記官の過誤、申請書自体が誤っていれば申請人側の誤記となり、手続も費用負担も別物になります。
Q5不動産登記法67条の通知は誰に届きますか?
登記権利者及び登記義務者(いない場合は登記名義人)に届きます。それぞれ二人以上いるときは一人への通知で足り、さらに4項により代位者にも通知しなければなりません。
Q6職権更正はいつまでにされますか?
条文は「遅滞なく」と定めるだけで具体的な日数の定めはありません。法務局又は地方法務局の長の許可を要するため、申請人側が期日を管理できない点に注意が必要です。
Q7登記の錯誤を放置するとどうなりますか?
登記事項証明書は売買・融資・税務申告の基礎資料になるため、地積や持分の誤りが取引条件や課税計算に連鎖します。売却後に契約不適合責任を問われる可能性もあります。
Q8登記官の過誤で損害が出たら賠償請求できますか?
国家賠償法1条により、公務員が職務上故意又は過失で違法に損害を与えた場合、国に賠償責任が生じ得ます。ただし過誤と損害の因果関係の立証が実務上の壁になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1法務局から「登記に錯誤がある」って通知が来たんですが、これって私が何か悪いことをしたんですか?
違う。67条1項の通知は、登記官が誤りを発見したことをお知らせする事務連絡であり、あなたへの処分でも督促でもない。むしろ役所側が自らの過誤を疑っている場面かもしれない。実務のポイント:通知文には「誰の過誤か」が明示されないことがある。そこで踏み込んで「これは登記官の過誤による職権更正の対象か」と窓口に確認するかどうかで、登録免許税を払うか払わないかが分かれる。多くの人はこの一言を聞かない
Q2明らかに法務局の入力ミスなのに、抵当権を付けている銀行が承諾してくれないと直せないんですか?
そのとおり。67条2項ただし書は、登記上の利害関係を有する第三者(抵当証券の所持人・裏書人を含む)がある場合、その承諾があるときに限り職権更正できると定める。役所のミスでも第三者の権利を無断で動かせないという建前だ。実務のポイント:金融機関は「承諾書」という言葉に警戒するが、更正内容が自らの担保価値に影響しないと分かれば実務上は速やかに応じることが多い。更正前後の登記記載を並べた比較表を添えて依頼すると、行内の稟議が一段階早く回る
Q3更正登記と抹消登記って、何が違うんですか?
更正は登記の一部に錯誤・遺漏がある場合に、当初から正しい内容だったものとして直す手続。抹消は登記そのものを消す手続で、更正の範囲を超えて登記の同一性が失われる場合に使う。67条が扱うのは前者だ。実務のポイント:更正で処理できるか抹消して入れ直すかは「登記の同一性が保たれるか」で決まり、この線引きは登記官の判断に幅がある。事前に管轄法務局へ相談し、方針を口頭で確認してから書類を揃えるのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記のミスは全部、自分が申請して直すもの」と思い込んでいる人が多い。だが67条2項は、登記官の過誤による場合に限って職権更正の道を開いている。誤りの原因が申請人側にあるか登記官側にあるかで、手続も費用負担も別物になる。通知が来たとき最初に確認すべきは「誰の過誤か」であって、「いくらかかるか」ではない
- 職権更正は「役所が気付いたら勝手に直してくれる便利な制度」と理解されがちだが、深刻なのはその制約の方だ。2項ただし書により、登記上の利害関係を有する第三者(抵当権者、抵当証券の所持人・裏書人を含む)がいる場合、その承諾がなければ登記官は更正できない。つまり明らかな役所のミスであっても、第三者が首を縦に振らなければ登記簿の誤りはそのまま残る。制度の存在ではなく、制度の限界の方があなたの実務を縛る
- あなたから見れば「登記官が通知してきた=何か処分される」に見えるが、法律から見れば67条1項の通知は更正手続の開始を知らせる情報提供であり、それ自体は権利義務を直接変動させる行政処分ではない。この落差が人を動かなくさせる。督促だと誤解して身構える人も、ただの事務連絡だと軽視する人も、どちらも次の一手を打ち損ねる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 67条:登記官が職権で更正(登記官の過誤の場合) | 66条:当事者が更正登記を申請 71条:登記官が職権で抹消 |
| 発動の要件 | 登記官が錯誤・遺漏を発見し、かつ原因が登記官の過誤であること | 登記に錯誤・遺漏があり、申請人が是正を求めること 登記が25条各号の却下事由に該当することが明らかなこと |
| 第三者の関与 | 登記上の利害関係を有する第三者の承諾があるときに限り更正可 | 第三者の承諾書等があるときに付記登記で更正可 抹消前に通知し、異議がなければ職権抹消 |
| 申請人の費用負担 | 申請不要・登録免許税不要 | 申請が必要・登録免許税が必要 申請不要だが登記そのものが失われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も登記完了後の錯誤・遺漏について、上級機関の査明・許可を経て更正する構造を採る。上級庁の許可を要件とする点は日本の法務局長許可と発想が近い
韓国も登記官が錯誤・遺漏を発見したときの通知義務と、登記官の過誤による場合の直権更正を定める。日本法の影響が濃く、条文構造がほぼ並行している
ドイツは登記所の過誤について職権による Amtswiderspruch(職権異議の記入)と職権抹消を用意し、実体的不一致は § 22の Grundbuchberichtigung で処理する。誤りの類型ごとに手続が分岐する点が日本より細かい
米国は登記簿の公信力を前提とせず、記録所は原則として提出書面を記録するのみ。誤りは当事者が corrective deed を再録するか、権原保険で処理するのが実務で、行政による職権更正という発想は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続登記を済ませて数年後、法務局から突然「登記に錯誤がある」という通知が届いた。差出人は登記官。あなたは何かの督促かと思って封を開ける。これは67条1項の通知で、あなたが何かを請求されているのではない。むしろ「役所側のミスかもしれない」という調査の入口だ。ここで「誰の過誤か」を問い返せる人と、放置する人の差が出る
- 住宅ローンを組んで抵当権設定登記をしたあと、登記事項証明書を取ってみたら債権額が3,000万円のはずが300万円になっていた。銀行が慌てる。この一桁が登記官の入力ミスなら2項の職権更正、司法書士の申請書の誤記なら更正登記の申請。銀行の担当者はどちらか即座に見分ける、あなたも見分けられるようになる
- もし、あなたが買った土地の登記名義人欄に第三者の抵当権が付いていて、その抵当権の内容を役所が職権で更正しようとしたら? 2項ただし書により、利害関係を有する第三者の承諾がなければ登記官は更正できない。あなたが第三者の立場に立ったとき、承諾を出すか出さないかがあなたの手にある
- 債権者としてあなたが債権者代位(民法423条の7)で相続登記を入れた。その登記に錯誤が見つかった。通知は登記名義人だけでなく、代位者であるあなたにも届く(4項)。代位者が蚊帳の外に置かれない仕組みが条文に埋め込まれている
- 決済まであと5日。売買代金の振込直前に、登記事項証明書の地積が公図と食い違っていることに気付いた。更正が完了しないと融資が実行されない。この段階で「職権更正なら法務局長の許可を待つ」「申請更正なら今日中に書類を揃える」、どちらのルートかで決済に間に合うかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書を取得し、申請時に提出した書類の控えと一字ずつ照合、どこが食い違うか特定する2. 申請書の記載自体が正しかったなら登記官の過誤の可能性が高い、管轄法務局に申出て67条2項の職権更正を求める3. 申請書側の誤りなら更正登記を申請(登録免許税が必要) 4. 抵当権者など利害関係を有する第三者がいるなら、承諾書の取得を同時並行で進める。承諾がなければ職権更正も進まない
訴えられた側:1. 司法書士や不動産業者として申請側にいるなら、まず申請書の控えと登記記録を突き合わせ、誤りの発生地点を客観的に確定する2. 自らの誤記なら速やかに依頼者へ報告し、更正登記の費用負担を明示する3. 登記官の過誤と考えられるなら、根拠資料を添えて職権更正の申出をする4. 第三者の承諾取得の交渉窓口を一本化し、期日から逆算した工程表を依頼者と共有する
時効(請求できる期限):67条の通知および職権更正には条文上「遅滞なく」とあるだけで、申請人側に期間制限は課されていない。ただし誤った登記を放置した結果として損害が生じた場合、その賠償請求権には期間制限がかかる。国の責任を問う場合は国家賠償法4条により民法の消滅時効(知った時から3年、行為時から20年、民法724条)、司法書士など専門家の責任を問う場合は債権の消滅時効(知った時から5年、権利行使可能時から10年、民法166条)が働く(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:67条2項の職権更正は、登記官の形式的審査権限のもとで生じた記録上の過誤を、登記の同一性を保ったまま是正する制度と解される。同一性を失う場合には更正では処理できず、抹消(71条)等によることになる。
通説:2項ただし書の第三者の承諾要件は、公示された登記を信頼して権利を取得した者の地位を、行政の一方的判断で変動させないための調整規定と理解される。承諾が得られない限り、明白な過誤であっても職権更正はできない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治32年(1899年) 新設:旧不動産登記法が制定され、登記記録の錯誤・遺漏に対する是正手続の枠組みが設けられた
- 2.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)。オンライン申請制度の導入とともに条文が全面的に再編され、登記官の通知義務と職権更正が現行67条に整理された
- 不動産登記法 第66条更正登記における第三者の承諾の一般則
- 不動産登記法 第71条職権による抹消手続、更正で処理できない場合の受け皿
- 不動産登記法 第25条申請の却下事由、錯誤・遺漏発生の前段階の審査
- 不動産登記法 第156条登記官の処分に対する審査請求の道
- 不動産登記法 第14条地図・図面の備付け、地積等の誤記の照合基準
- 国家賠償法 第1条登記官の過誤による損害の賠償責任
- 登録免許税法 第5条職権更正における登録免許税の非課税・不要の根拠
- 民法 第177条不動産物権変動の対抗要件、登記の正確性が及ぼす効果
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