要点不動産登記法 67 条は、登記官が登記の錯誤・遺漏を発見したとき当事者へ通知し、登記官の過誤によるときは法務局長の許可を得て職権更正すると定める。第三者があれば承諾が必要。
Q · 法務局から「登記に錯誤がある」と通知が来たら、私が費用を払って直すんですか?
登記官の過誤なら職権で無料更正、申請人の誤記なら申請が必要
不動産登記法 67 条 1 項により、登記官は錯誤・遺漏を発見したら遅滞なく通知します。この通知自体は処分ではありません。誤りが登記官の過誤によるものなら、同条 2 項で法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権更正され、申請も登録免許税も不要です。申請書側の誤記なら更正登記の申請が必要になります。ただし登記上の利害関係を有する第三者(抵当権者等)があるときは、その承諾がなければ職権更正はできません。
登記簿に書かれた自分の名前の漢字が一字違う、地番が隣の土地になっている、抵当権の債権額の桁がずれている。こうしたミスを見つけたとき、多くの人は「また申請書を書いて手数料を払わないといけないのか」と身構える。だが不動産登記法 67 条は違う道を用意している。登記官が自らミスを発見したら、まずあなたに通知する義務を負う。そしてそのミスが登記官自身の過誤(役所側のうっかり)であれば、法務局長の許可を得て、登記官が職権で更正する。あなたの申請も、あなたの負担する登録免許税も要らない。ここで決定的なのは「誰のミスか」の切り分けだ。あなたが申請書に書き間違えたなら、あなたが更正登記を申請する(登録免許税がかかる)。役所が入力を誤ったなら、67 条 2 項の職権更正で無料。通知が届いたとき、その一枚に書かれた法的性質を読み取れるかどうかで、あなたの財布と手間が分かれる。
不動産登記法 67 条は、登記の錯誤・遺漏に関する登記官の通知義務と職権更正を定める規定である。登記官は誤りを発見した場合に登記権利者及び登記義務者へ遅滞なく通知し、誤りが登記官の過誤に起因するときは、監督する法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権で更正する。登記上の利害関係を有する第三者がある場合は、その承諾が要件となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記の一部に錯誤又は遺漏がある場合に、当初から正しい内容だったものとして是正する登記です。登記の同一性が保たれる範囲で用いられ、同一性を失う場合は抹消して入れ直します。
不動産登記法 67 条 2 項の職権更正は登記官が自らの過誤を是正する手続のため、申請人が更正登記を申請する場合と異なり、申請も登録免許税の負担も生じません。
まず登記事項証明書と申請時の書類の控えを一字ずつ照合し、誤りの発生地点を特定します。申請書が正しければ登記官の過誤の可能性が高く、管轄法務局に職権更正の申出をします。
判断の基準は申請情報・添付書面の記載です。申請書どおりに記録されていなければ登記官の過誤、申請書自体が誤っていれば申請人側の誤記となり、手続も費用負担も別物になります。
登記権利者及び登記義務者(いない場合は登記名義人)に届きます。それぞれ二人以上いるときは一人への通知で足り、さらに 4 項により代位者にも通知しなければなりません。
条文は「遅滞なく」と定めるだけで具体的な日数の定めはありません。法務局又は地方法務局の長の許可を要するため、申請人側が期日を管理できない点に注意が必要です。
登記事項証明書は売買・融資・税務申告の基礎資料になるため、地積や持分の誤りが取引条件や課税計算に連鎖します。売却後に契約不適合責任を問われる可能性もあります。
国家賠償法 1 条により、公務員が職務上故意又は過失で違法に損害を与えた場合、国に賠償責任が生じ得ます。ただし過誤と損害の因果関係の立証が実務上の壁になります。
違う。67 条 1 項の通知は、登記官が誤りを発見したことをお知らせする事務連絡であり、あなたへの処分でも督促でもない。むしろ役所側が自らの過誤を疑っている場面かもしれない。業界裏話ヒント:通知文には「誰の過誤か」が明示されないことがある。そこで踏み込んで「これは登記官の過誤による職権更正の対象か」と窓口に確認するかどうかで、登録免許税を払うか払わないかが分かれる。多くの人はこの一言を聞かない
そのとおり。67 条 2 項ただし書は、登記上の利害関係を有する第三者(抵当証券の所持人・裏書人を含む)がある場合、その承諾があるときに限り職権更正できると定める。役所のミスでも第三者の権利を無断で動かせないという建前だ。業界裏話ヒント:金融機関は「承諾書」という言葉に警戒するが、更正内容が自らの担保価値に影響しないと分かれば実務上は速やかに応じることが多い。更正前後の登記記載を並べた比較表を添えて依頼すると、行内の稟議が一段階早く回る
更正は登記の一部に錯誤・遺漏がある場合に、当初から正しい内容だったものとして直す手続。抹消は登記そのものを消す手続で、更正の範囲を超えて登記の同一性が失われる場合に使う。67 条が扱うのは前者だ。業界裏話ヒント:更正で処理できるか抹消して入れ直すかは「登記の同一性が保たれるか」で決まり、この線引きは登記官の判断に幅がある。事前に管轄法務局へ相談し、方針を口頭で確認してから書類を揃えるのが実務の定石
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|---|---|---|
| 手続の主体 | 67 条:登記官が職権で更正(登記官の過誤の場合) | — |
| 発動の要件 | 登記官が錯誤・遺漏を発見し、かつ原因が登記官の過誤であること | — |
| 第三者の関与 | 登記上の利害関係を有する第三者の承諾があるときに限り更正可 | — |
| 申請人の費用負担 | 申請不要・登録免許税不要 | — |
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