要点不動産登記法 53 条は、建物の表題部の更正の登記を、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外は申請できないと定める。買主や金融機関は誤りを発見しても申請できない。
Q · 登記簿の床面積が実際と違うんですが、買主の私が直せますか?
直せません。申請できるのは名義人だけです
不動産登記法 53 条により、建物の表題部の更正の登記を申請できるのは表題部所有者又は所有権の登記名義人に限られます(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)。買主も、融資する金融機関も、隣地所有者も、誤りを発見しただけでは申請人になれません。実務では、売買契約書の特約に「決済日までに売主の費用と責任で表題部の更正の登記を完了する」と入れて、名義人を動かす形で対応します。なお法務局側の過誤であれば、登記官の職権更正(67 条 2 項)の余地があります。
登記簿の床面積が実際と 3 ㎡違う。気付くのはたいてい、売却の決済直前か、住宅ローンの審査中だ。ここで多くの人が最初の一歩を踏み外す。それは「変更」ではなく「更正」である。変更の登記(51条)は増築などで後から状態が変わった場合、更正の登記(53条)は最初の登記が初めから誤っていた場合を指す。そして 53条が定めているのは訂正の方法ではなく、訂正できる人間の範囲だ。表題部所有者または所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)以外は、申請することができない。つまり買主のあなたも、融資する銀行も、隣地の所有者も、誤りを見つけただけでは一行も直せない。鍵を握っているのは名義人ただ一人であり、あなたにできるのは、その名義人を動かす仕掛けを契約書に埋め込んでおくことだけである。
不動産登記法 53 条は、建物の表題部に関する更正の登記の申請適格を定める規定であり、27 条 1 号・2 号・4 号及び 44 条 1 項各号に掲げる登記事項の更正について、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者による申請を排除する。区分建物の場合には 51 条 5 項・6 項が準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記が最初から誤っていた場合に、その記載を正しい内容に訂正する登記です。不動産登記法 53 条は、建物の表題部についてその申請適格を表題部所有者又は所有権の登記名義人に限定しています。
表題部所有者又は所有権の登記名義人だけです。共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物では所有者が申請人になります。それ以外の者の申請は却下されます。
53 条に申請期限の定めはなく、懈怠に対する過料の規定(164 条)も及びません。ただし後発的な変更に当たる場合は、変更があった日から 1 か月以内の申請義務(51 条 1 項)が別に走ります。
できません。決済前の買主は表題部所有者でも所有権の登記名義人でもないため、53 条により申請人になれません。売主に更正の登記を申請させる特約を契約書に入れるのが実務対応です。
53 条 1 項の括弧書きにより「所有者」が申請人になります。共用部分である旨の登記がある建物には所有権の登記名義人が存在しないため、申請適格を所有者と書き分けています。
区分建物は一棟の建物の表示が全体で連動するため、53 条 2 項が 51 条 5 項・6 項を準用し、他の区分所有者に代わって申請できる仕組み等を及ぼしています。
表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務です(土地家屋調査士法 3 条)。権利に関する登記を扱う司法書士は、表題部の更正の登記を受任できません。
表示に関する登記は原則として登録免許税が課されません。実際の負担は土地家屋調査士の報酬と、必要になる場合の現況測量費が中心になります。
更正の登記に申請義務も期限もなく(53条は申請できる者を定めるだけで、過料規定の164条も及ばない)、放置しても罰は来ない。問題が噴き出すのは売却・融資・相続の場面で、決済直前の発覚は日程を吹き飛ばす。業界裏話ヒント:金融機関の担保評価は登記床面積で走る。実際より小さく登記されていれば融資可能額もその分下がる。売る前ではなく借りる前に直した方が、費用は早く回収できる
直らない。表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務であり(土地家屋調査士法 3条)、司法書士の業務範囲は権利に関する登記である。同じ登記簿でも、表題部と権利部で担当する士業が分かれている。業界裏話ヒント:多くの調査士事務所は司法書士と提携しているので窓口はどちらでもよい。見るべきは見積書に現況測量費が入っているかで、必要か否かで数万円から十数万円動く
登記官の過誤による錯誤又は遺漏であれば、登記官が監督法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権で更正する(67条2項、利害関係人がいる場合はその承諾が必要)。申請人が出した資料の誤りであれば自費での更正申請になる。業界裏話ヒント:まず登記官へ申し出て過誤の所在を記録に残し、それから見積りを取る。順序を逆にすると、職権更正で済んだ案件に調査士費用を払うことになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 使う場面 | 53 条 更正の登記:登記が最初から誤っていた | — |
| 申請できる人 | 表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分の登記がある建物は所有者) | — |
| 申請義務と期限 | 義務規定なし、期限なし、164 条の過料も及ばない | — |
| 費用の出どころ | 原則として申請人(名義人)の自費。負担者は条文でなく契約で決まる | — |
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