不動産登記法 第53条(建物の表題部の更正の登記)
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- 第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。)又は第四十四条第一項各号(第二号及び第六号を除く。)に掲げる登記事項に関する更正の登記は、表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物の場合にあっては、所有者)以外の者は、申請することができない。
- 2.第五十一条第五項及び第六項の規定は、建物が区分建物である場合における同条第五項に規定する登記事項に関する表題部の更正の登記について準用する。
この条文の基本情報
建物の表題部の更正の登記とは何ですか?
定義建物の表題部の更正の登記とは、不動産登記法第53条に定められた規定で、「第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第53条(建物の表題部の更正の登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第53条の条文原文は「第二十七条第一号、第二号若しくは第四号(同号にあっては、法務省令で定めるものに限る。」で始まります。
- 不動産登記法第53条は第三款 建物の表示に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第53条の前の条は不動産登記法第52条です。
- 不動産登記法第53条の次の条は不動産登記法第54条です。
- 不動産登記法第53条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第53条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第53条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法53条は、建物の表題部の更正の登記を、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外は申請できないと定める。買主や金融機関は誤りを発見しても申請できない。
Q · 登記簿の床面積が実際と違うんですが、買主の私が直せますか?
直せません。申請できるのは名義人だけです
不動産登記法53条により、建物の表題部の更正の登記を申請できるのは表題部所有者又は所有権の登記名義人に限られます(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)。買主も、融資する金融機関も、隣地所有者も、誤りを発見しただけでは申請人になれません。実務では、売買契約書の特約に「決済日までに売主の費用と責任で表題部の更正の登記を完了する」と入れて、名義人を動かす形で対応します。なお法務局側の過誤であれば、登記官の職権更正(67条2項)の余地があります。
解説
登記簿の床面積が実際と3 ㎡違う。気付くのはたいてい、売却の決済直前か、住宅ローンの審査中だ。ここで多くの人が最初の一歩を踏み外す。それは「変更」ではなく「更正」である。変更の登記(51条)は増築などで後から状態が変わった場合、更正の登記(53条)は最初の登記が初めから誤っていた場合を指す。そして53条が定めているのは訂正の方法ではなく、訂正できる人間の範囲だ。表題部所有者または所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)以外は、申請することができない。つまり買主のあなたも、融資する銀行も、隣地の所有者も、誤りを見つけただけでは一行も直せない。鍵を握っているのは名義人ただ一人であり、あなたにできるのは、その名義人を動かす仕掛けを契約書に埋め込んでおくことだけである。
法的な位置づけ
不動産登記法53条は、建物の表題部に関する更正の登記の申請適格を定める規定であり、27条1号・2号・4号及び44条1項各号に掲げる登記事項の更正について、表題部所有者又は所有権の登記名義人以外の者による申請を排除する。区分建物の場合には51条5項・6項が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.誤りの内容と発生時期を特定する 登記事項証明書と建築確認関係書類・竣工図面・現況を並べ、床面積・種類・構造のどの登記事項が、いつから食い違っているかを特定する。当初からの誤りなら更正の登記(53条)、増築等による後発的変更なら変更の登記(51条)と、入口が分かれる
- 2.法務局の登記官に過誤の有無を照会する 誤りの原因が登記官側の錯誤又は遺漏であれば、監督法務局又は地方法務局の長の許可を得た職権更正で処理される余地がある(67条2項、利害関係人がいる場合はその承諾が必要)。見積りを取る前にこの照会を先に済ませ、負担の所在を記録に残す
- 3.申請人になれるかを確認し、なれなければ契約で動かす 53条により申請できるのは表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分である旨の登記等がある建物では所有者)に限られる。自分が名義人でないなら、売買契約書の特約に「決済日までに売主の費用と責任で表題部の更正の登記を完了する」と書き込む
- 4.土地家屋調査士に更正の登記を依頼する 表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務であり、司法書士は受任できない(土地家屋調査士法3条)。見積書に現況測量費が含まれているかを確認し、必要性を事前に切り分ける
- 5.更正後の登記事項証明書で決済条件との整合を再確認 更正完了後、登記事項証明書を取り直し、金融機関の担保評価や住宅ローン控除の床面積要件など、当初の食い違いが引き起こしていた問題が解消したかを確認する(要件の最新の改正状況は別途確認)
よくある質問 AI による整理
Q1更正の登記とは何ですか?
登記が最初から誤っていた場合に、その記載を正しい内容に訂正する登記です。不動産登記法53条は、建物の表題部についてその申請適格を表題部所有者又は所有権の登記名義人に限定しています。
Q2表題部の更正の登記は誰が申請できますか?
表題部所有者又は所有権の登記名義人だけです。共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記がある建物では所有者が申請人になります。それ以外の者の申請は却下されます。
Q3更正の登記はいつまでに申請しないといけませんか?
53条に申請期限の定めはなく、懈怠に対する過料の規定(164条)も及びません。ただし後発的な変更に当たる場合は、変更があった日から1か月以内の申請義務(51条1項)が別に走ります。
Q4買主が登記の誤りを更正できますか?
できません。決済前の買主は表題部所有者でも所有権の登記名義人でもないため、53条により申請人になれません。売主に更正の登記を申請させる特約を契約書に入れるのが実務対応です。
Q5共用部分である旨の登記がある建物は誰が申請しますか?
53条1項の括弧書きにより「所有者」が申請人になります。共用部分である旨の登記がある建物には所有権の登記名義人が存在しないため、申請適格を所有者と書き分けています。
Q6区分建物の表題部の更正で51条が準用されるのはなぜですか?
区分建物は一棟の建物の表示が全体で連動するため、53条2項が51条5項・6項を準用し、他の区分所有者に代わって申請できる仕組み等を及ぼしています。
Q7更正の登記の代理は司法書士に頼めますか?
表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務です(土地家屋調査士法3条)。権利に関する登記を扱う司法書士は、表題部の更正の登記を受任できません。
Q8表題部の更正の登記に登録免許税はかかりますか?
表示に関する登記は原則として登録免許税が課されません。実際の負担は土地家屋調査士の報酬と、必要になる場合の現況測量費が中心になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記の床面積が実際と違うんですが、放っておくとまずいですか?
更正の登記に申請義務も期限もなく(53条は申請できる者を定めるだけで、過料規定の164条も及ばない)、放置しても罰は来ない。問題が噴き出すのは売却・融資・相続の場面で、決済直前の発覚は日程を吹き飛ばす。実務のポイント:金融機関の担保評価は登記床面積で走る。実際より小さく登記されていれば融資可能額もその分下がる。売る前ではなく借りる前に直した方が、費用は早く回収できる
Q2不動産屋さんに「司法書士に頼めばいい」と言われたんですが、それで直りますか?
直らない。表示に関する登記の申請代理は土地家屋調査士の業務であり(土地家屋調査士法3条)、司法書士の業務範囲は権利に関する登記である。同じ登記簿でも、表題部と権利部で担当する士業が分かれている。実務のポイント:多くの調査士事務所は司法書士と提携しているので窓口はどちらでもよい。見るべきは見積書に現況測量費が入っているかで、必要か否かで数万円から十数万円動く
Q3間違えたのは法務局なのに、こちらが費用を払うんですか?
登記官の過誤による錯誤又は遺漏であれば、登記官が監督法務局又は地方法務局の長の許可を得て職権で更正する(67条2項、利害関係人がいる場合はその承諾が必要)。申請人が出した資料の誤りであれば自費での更正申請になる。実務のポイント:まず登記官へ申し出て過誤の所在を記録に残し、それから見積りを取る。順序を逆にすると、職権更正で済んだ案件に調査士費用を払うことになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「パンフレットは55 ㎡なのに登記は51 ㎡、更正登記で直せますか」という問いは、問いの立て方から誤っている。区分建物の登記床面積は壁の内側線で囲まれた部分(内法)で算定され、販売パンフレットは壁の中心線(壁芯)で算定される。算定方法が違うだけで登記は誤っていない。更正の対象がそもそも存在しないので、直しようがない
- 増築したときの登記と、最初から床面積が誤っていたときの登記を同じものだと思っている人が多い。前者は変更の登記で、変更があった日から1ヶ月以内の申請義務があり、怠れば過料の対象になる(51条1項、164条)。後者の更正の登記に申請義務の規定はなく、放置しても行政上のペナルティは来ない。だからこそ誤りが何十年も温存され、売却と相続の場面で一斉に噴き出す
- 登記の誤りは更正の登記で全部直せる、そこまでは知っている人でも、更正に限界があることまでは知らない。訂正の前後で建物の同一性が保たれる範囲でしか使えず、実質的に別の建物と評価されるほどの差異があれば、滅失の登記と新たな表題登記という遠回りになる。どこまでが同一性の範囲かは、実務上、判断が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 使う場面 | 53条 更正の登記:登記が最初から誤っていた | 51条 変更の登記:増築等で後から状態が変わった 67条 職権更正:誤りの原因が登記官側にある |
| 申請できる人 | 表題部所有者又は所有権の登記名義人(共用部分の登記がある建物は所有者) | 表題部所有者又は所有権の登記名義人(同様に限定) 申請不要。登記官が監督法務局等の長の許可を得て職権で更正 |
| 申請義務と期限 | 義務規定なし、期限なし、164条の過料も及ばない | 変更があった日から1か月以内の申請義務、懈怠は過料の対象(164条) 義務の主体は登記官側。当事者に期限なし |
| 費用の出どころ | 原則として申請人(名義人)の自費。負担者は条文でなく契約で決まる | 原則として申請人(名義人)の自費 登記官の過誤に基づくため申請人の調査士費用は原則発生しない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は登記完了後に錯誤又は遺漏を発見したとき、書面で上級機関の査明・核准を得なければ更正できないとし、行政庁の内部統制で改ざんを抑止する。申請人の資格で絞る日本53条とは制御の掛け方が異なる
韓国も日本経由で受け継いだ登記制度を持ち、登記官が職権で経正しうる場面と当事者の申請による場面を区分する。制度の骨格は日本に近い
中国は権利者だけでなく利害関係人にも更正登記の申請適格を認め、登記名義人が同意しない場合には異議登記の道を開く。第三者が自力で動ける点で日本53条と正反対の設計
ドイツは登記が実体と一致しない場合、不利益を受ける者に登記名義人への更正同意請求権(BGB § 894)を認め、実体法上の請求権で名義人を動かす。日本は契約特約でこの機能を代替している
米国の多くの州は登記官が実体審査をしない記録制度であり、誤りは当事者間の correction deed の再記録で処理される。行政庁の審査を前提とする日本の表示登記とは制度前提が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済まであと12日、買主側の金融機関から「登記床面積が49.8 ㎡では住宅ローン控除の要件に届かない」と指摘されたら、誰が動けるのか。答えは売主だけである。買主のあなたが土地家屋調査士に依頼しても、53条により申請人になれない。売主に更正の登記を申請させる合意を取り付けるところからしか、時計は動き出さない
- あなたが売主で、買主から「登記では木造になっているが実際は鉄骨造だ、決済前に直してほしい」と求められた。費用を誰が負担するかは条文に一言も書かれていない。53条はあなたにしか申請できないと定めるだけで、申請する義務までは課していない。この非対称そのものが、価格交渉のカードになる
- 相続した実家を売ろうとしたら、登記の建物の種類が「居宅」ではなく「倉庫」だった。祖父の代の表題登記の誤りである。申請できるのは所有権の登記名義人、つまり相続登記を終えた後のあなただけだ。
- マンションの管理組合で、管理人室の床面積が登記と食い違うと分かった。共用部分である旨の登記がある建物について、53条は括弧書きでわざわざ申請人を「所有者」と書き分けている。区分所有者全員で共有している部分を誰の名で申請するのか、理事会が最初にぶつかる壁がここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書と建築確認関係書類・図面を並べ、どの登記事項がいつから誤っているかを特定する2. 法務局の登記官へ過誤の有無を照会、登記官側の誤りなら職権更正(67条2項)で処理される余地がある3. 自分が名義人でないなら申請人になれないので、名義人に更正の登記を申請させる特約を契約書に入れる4. 代理を依頼する相手は土地家屋調査士、司法書士では受任できない
訴えられた側:1. 本当に当初から誤っていたのか、増築・改築による後発的な変更ではないかをまず切り分ける。後者なら変更の登記であり、1ヶ月の申請義務を負うのはあなたの側になる2. 現況と図面の食い違いの原因が違法増築なら、更正の申請が是正指導の端緒になり得るリスクを先に評価する3. 費用負担は条文ではなく契約で決まる。決済前なら価格調整と一体で交渉する
時効(請求できる期限):53条の更正の登記に申請期限の定めはなく、申請懈怠に対する過料の規定(164条)も及ばない。ただし実務上の時計は別に走る:後発的変更に当たる場合は変更があった日から1ヶ月以内(51条1項)、相続で名義人になる場合は相続の開始及び所有権取得を知った日から3年以内の相続登記義務(76条の2、2024年4月1日施行)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
登記実務の通説(同一性説):更正の登記は、訂正の前後で客体の同一性が維持される範囲でのみ用いうる。同一性を欠くほどの差異がある場合には、滅失の登記と新たな表題登記によるべきとされる。実務上、どこまでが同一性の範囲かの線引きは事案ごとに判断が分かれる。
申請適格限定の趣旨に関する理解:53条が申請人を名義人側に限定するのは、登記記録の真実性の回復という要請よりも、名義人の関与なき記録の書き換えを遮断する要請を優先したためと理解される。その結果、誤りに最も早く気付く第三者が自力で動けない構造的な遅れが生じる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)により現行法が成立し、建物の表題部の更正の登記に関する申請適格が本条に整理された。その後の改正の有無および条文引用先の異動は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正(平成16年法律第123号)により現行法が成立し、建物の表題部の更正の登記に関する申請適格が本条に整理された。その後の改正の有無および条文引用先の異動は人的検証が必要
- 不動産登記法 第27条更正の対象となる表示登記事項
- 不動産登記法 第44条建物の表題部の登記事項を列挙
- 不動産登記法 第51条後発的変更の登記、2項の準用元
- 不動産登記法 第67条登記官による職権更正の根拠
- 不動産登記法 第25条申請権限を欠く申請の却下事由
- 土地家屋調査士法 第3条表示登記の申請代理権の専属
- 建物の区分所有等に関する法律 第4条共用部分である旨の登記の前提
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