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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

不動産登記法 第108条(仮登記を命ずる処分)

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  1. 裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。
  2. 2.前項の申立てをするときは、仮登記の原因となる事実を疎明しなければならない。
  3. 3.第一項の申立てに係る事件は、不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
  4. 4.第一項の申立てを却下した決定に対しては、即時抗告をすることができる。
  5. 5.非訟事件手続法第二条及び第二編(同法第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第五十九条、第六十六条第一項及び第二項並びに第七十二条を除く。)の規定は、前項の即時抗告について準用する。

この条文の基本情報

仮登記を命ずる処分とは何ですか?

定義仮登記を命ずる処分とは、不動産登記法第108条に定められた規定で、「裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第108条(仮登記を命ずる処分)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第108条の条文原文は「裁判所は、仮登記の登記権利者の申立てにより、仮登記を命ずる処分をすることができる。」で始まります。
  3. 不動産登記法第108条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第108条の前の条は不動産登記法第107条です。
  7. 不動産登記法第108条の次の条は不動産登記法第109条です。
  8. 不動産登記法第108条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第108条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第108条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/108

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法108条は、裁判所が仮登記の登記権利者の申立てにより仮登記を命ずる処分をできると定める。原因事実の疎明で足り、この決定を得れば登記義務者の協力なく単独で仮登記を申請できる。

Q · 売主が実印を押してくれないとき、自分だけで仮登記を入れる方法はありますか?

裁判所の決定を得れば、相手の同意なく単独で仮登記を申請できます

不動産登記法108条1項により、仮登記の登記権利者は裁判所に「仮登記を命ずる処分」を申し立てることができます。申立てでは仮登記の原因となる事実を疎明すれば足り(同条2項)、証明までは要求されません。事件は不動産の所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄です(同条3項)。この決定を得れば、共同申請の原則(同法60条)の例外として、登記権利者が単独で仮登記を申請できます(同法107条1項)。却下決定には即時抗告ができます(同条4項)。

解説

「売主が実印を押してくれない。だから登記できない」。不動産取引で最も多い行き詰まりが、この一点だ。登記は原則として登記権利者と登記義務者の共同申請(不動産登記法60条)だから、相手が協力を拒めば、代金を払ったあなたでも順位を確保できない。そこで108条が効く。裁判所に申し立てて「仮登記を命ずる処分」を得れば、相手の承諾がなくても、あなた一人で仮登記を入れられる(107条1項)。しかも求められるのは「証明」ではなく「疎明」、つまり一応確からしいと裁判官に思わせる程度でよい。申立先は不動産の所在地を管轄する地方裁判所の専属管轄。本訴の判決を待つ間に、相手はもう一人の買主に売り、先に登記を入れてしまう。その競走に割り込むための通路が、この一条である。

法的な位置づけ

不動産登記法108条は、裁判所による仮登記を命ずる処分を定める規定である。仮登記の登記権利者は、仮登記の原因となる事実を疎明して、不動産の所在地を管轄する地方裁判所に申立てをすることができる。共同申請主義(同法60条)の例外として、この処分を得た登記権利者による単独申請(同法107条1項)を可能にする手続的根拠であり、申立てを却下する決定に対しては即時抗告が認められる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.仮登記できる権利かを確認する 自分の権利が不動産登記法105条の仮登記の対象(手続要件を欠く場合、または将来の請求権を保全する場合)に当たるかを確認する。対象外なら民事保全法の処分禁止の仮処分など別ルートを検討する
  2. 2.疎明資料を一式そろえる 売買契約書、代金の振込記録、合意の経緯が残るメールやメッセージ履歴を集める。求められるのは証明ではなく疎明なので、完璧な証拠一式が整うまで待たずに動く
  3. 3.不動産所在地の地方裁判所に申し立てる 不動産の所在地を管轄する地方裁判所に仮登記を命ずる処分を申し立てる(108条1項・3項)。専属管轄なので申立先を誤ると却下・移送となり、その分だけ順位確保が遅れる
  4. 4.却下されたら即時抗告を検討する 申立てを却下する決定が出た場合は即時抗告ができる(108条4項)。抗告期間は短い不変期間なので、決定の告知を受けたその日から準備を始める
  5. 5.決定正本を得たら即日、単独で仮登記を申請する 決定正本を受け取ったら、その日のうちに管轄の法務局へ仮登記を単独申請する(107条1項)。仮登記の順位は申請の受付順で決まるため、一日寝かせるだけで順位を失うことがある

よくある質問 AI による整理

Q1仮登記を命ずる処分とは何ですか?

裁判所が仮登記の登記権利者の申立てにより発する決定です(不動産登記法108条1項)。この決定があれば、登記義務者の協力がなくても仮登記を単独で申請できるようになります。

Q2仮登記は自分ひとりで申請できますか?

原則は共同申請ですが、108条の処分を得た場合または登記義務者の承諾がある場合は、登記権利者が単独で申請できます(不動産登記法107条1項)。

Q3仮登記を命ずる処分はどこの裁判所に申し立てますか?

不動産の所在地を管轄する地方裁判所です(不動産登記法108条3項)。専属管轄なので、自分の住所地や相手の住所地の裁判所には申し立てられません。

Q4疎明とは何ですか?

一応確からしいと裁判官に思わせる程度の心証をつけることです。厳格な証明より低い水準で、即時に取り調べられる資料で足ります。108条2項はこの疎明を要件としています。

Q5申立てが却下されたら即時抗告はいつまでにできますか?

却下決定に対しては即時抗告ができます(108条4項)。期間は原則として裁判の告知を受けた日から1週間の不変期間とされますが、準用規定の最新状況は必ず確認してください。

Q6仮登記を入れると所有権は移転しますか?

移転しません。仮登記は順位を保全する登記であり、対抗力は本登記をして初めて生じます。ただし本登記の順位は仮登記の順位によります(不動産登記法106条)。

Q7仮登記から本登記にするにはどうしますか?

本登記の要件が整った段階で本登記を申請します。所有権に関する仮登記に基づく本登記では、登記上の利害関係を有する第三者の承諾が必要です(不動産登記法109条1項)。

Q8仮登記を命ずる処分の申立てに必要な資料は何ですか?

仮登記の原因となる事実を疎明する資料です。売買契約書、代金の振込記録、合意の経緯が残るメール等が典型で、証明に足りる完全な証拠一式までは求められません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1仮登記を命ずる処分って、いわゆる仮処分とは違うんですか?

別物である。民事保全法の処分禁止の仮処分(同法53条)は原則として担保金の提供を求められるが、不動産登記法108条の処分は非訟手続で、担保提供が要件とされていない。効果も違い、108条は仮登記を入れる権限を与えるだけで、相手の処分行為そのものを禁止するわけではない。実務のポイント:実務では、現金が用意できないときは108条、確実に処分を止めたいときは仮処分と使い分ける。担保金を積めるかどうかで最初の一手が変わる

Q2相手が「そんな契約はしていない」と全面否認していても、申立ては通りますか?

通りうる。108条2項が求めるのは疎明であり、相手の言い分を排斥するだけの証明までは要らない。本案の勝敗は後で争う設計になっている。実務のポイント:だからこそ決定が出ても安心はできない。相手は仮登記の抹消を求める訴えで反撃してくる。決定を得た直後に、所有権に関する仮登記に基づく本登記で必要となる登記上の利害関係人の承諾(109条1項)まで並行して固めておくと、反撃が来ても崩れない

間違えやすい点 AI による整理

  • 「まず裁判で勝ってから登記すればいい」という問いの立て方そのものがずれている。判決までの一年の間に売主は第三者へ売却でき、その第三者が先に本登記を備えれば、勝訴判決を手にしたあなたが対抗要件で負ける(民法177条)。争うべき相手は所有権ではなく時間である
  • 仮登記は「仮」だから弱い、という程度の理解で止まっている人が多い。実際には本登記をした時点で順位が仮登記の日に遡り(106条)、その間に入った第三者の登記は本登記の際に処理される。仮登記の効力を軽く見積もることが、順位をひとつ落とす直接の原因になる
  • 裁判所の処分と聞くと証拠を完璧に固めなければ通らないと身構えるが、108条2項が要求するのは「疎明」であって証明ではない。即時に取り調べられる資料で一応確からしいと言えれば足りる。ハードルは本訴より一段低く設定されている
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面108条:裁判所が仮登記を命ずる処分をする場面107条:処分または承諾に基づき仮登記を単独申請する場面
60条:登記を共同申請する原則の場面
誰が判断・関与するか不動産所在地を管轄する地方裁判所(専属管轄)登記官(決定正本または承諾情報を審査)
登記権利者と登記義務者の双方
必要な心証・要件仮登記の原因となる事実の疎明で足りる108条の決定または登記義務者の承諾があること
義務者の申請意思と登記識別情報等の添付
不服申立て却下決定に対して即時抗告ができる(4項)登記官の処分に対する審査請求(156条以下)
相手が応じないなら訴訟または108条ルートへ

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地法第79條之1(預告登記)

台湾は預告登記により請求権を保全する。原則は登記名義人の同意書を要するが、法院の假處分裁定によることもでき、裁判所を通じて相手の同意を代替する点で日本の108条と発想が近い

韓国
부동산등기법 제90조(가등기를 명하는 가처분명령)

韓国は日本法を継受し、부동산 소재지 관할 지방법원が가등기가처분명령を発する構造を採る。管轄・単独申請の枠組みまでほぼ同型で、5法域中もっとも日本に近い

ドイツ
BGB § 885 Abs. 1(Vormerkung)

ドイツは Vormerkung の登記に einstweilige Verfügung または承諾を要求する。日本の仮登記制度の系譜上の源流にあたるが、判断を保全処分の枠内で行う点が異なる

アメリカ
Lis Pendens / Notice of Pendency(例:N.Y. CPLR § 6501)

米国は不動産に関する訴訟の係属を公示して第三者に警告する仕組みを採る。順位を遡らせる仮登記ではなく、善意取得を封じる通知として機能する点で構造が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 代金の八割を振り込んだのに、売主が「登記はもう少し待ってくれ」と言い出したらどうなる? 別の買主が現れている典型的な兆候だ。仮登記を命ずる処分は申立てから決定まで早ければ数日、対して本訴の判決は一年先。相手が二重譲渡の本登記を入れる前に順位だけ押さえられるかどうかが分岐点になる。動き出しが一週間遅れただけで、あなたの権利は対抗要件の争いで丸ごと消える
  • 登記簿を取ったら、見覚えのない仮登記が入っていた。あなたは売主側、つまり登記義務者だ。承諾した覚えがないのに登記されたのは、相手が裁判所から108条の処分を得たからである
  • 親から生前に不動産をもらう約束をして、停止条件付きの契約や代物弁済の予約を結んだ。本登記の要件はまだ揃わないが、順位だけは今日押さえたい。親の判断能力に不安が出始めているなら、共同申請が事実上できなくなる前に使う制度がこれだ

取るべき行動

被害を受けた側:1売買契約書、代金の振込記録、合意の経緯が残るメールやLINEを一式そろえる。疎明で足りるので完璧な証拠一式は不要2不動産の所在地を管轄する地方裁判所に仮登記を命ずる処分を申し立てる(108条1項・3項、専属管轄なので申立先を間違えない) 3却下されたら即時抗告できる(同条4項)、期間は短いので決定告知の当日から動く4決定正本を得たら即日、単独で仮登記を申請する(107条1項)。本登記や本訴の準備はその後でよい、まず順位を取る

訴えられた側:1突然仮登記が入っていても、それは本登記ではなく、所有権が移転したわけではないことをまず確認する2そもそも実体上の権利が存在しない、契約はすでに解除済みだと言えるなら、仮登記の抹消登記手続を求める訴えで争う(110条は仮登記名義人等による単独申請を定めるにとどまり、争いがあれば訴訟になる) 3手続は疎明のみで進む設計なので、あなたの反論は本案で戦う建て付けである。慌てて示談金を提示する前に、契約書の解除条項と決済条件を読み直す

時効(請求できる期限):即時抗告は決定の告知を受けた日から起算する一週間の不変期間内(108条5項が準用する非訟事件手続法の即時抗告期間による。最新の改正状況をご確認ください)。申立て自体に法定の期間制限はないが、相手方が第三者へ本登記を完了させた時点で実質的に手遅れになる。被保全権利である債権自体の消滅時効は民法166条(権利行使できると知った時から5年、権利行使できる時から10年)で並行して進行する

学説

通説:108条の処分は非訟事件手続として構成され、民事保全法上の仮処分と異なり担保の提供が要件とされていない。もっとも与えられるのは仮登記を申請する権限にとどまり、相手方の処分行為そのものを禁止する効力はないと理解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法を全部改正して現行法が制定され、裁判所による仮登記を命ずる処分が現行108条として整理された。オンライン申請化に対応した新法体系の中で、単独申請の根拠条文(107条)との対応関係が明確化された
  • 平成23年(2011年)公布、平成25年(2013年)施行 非訟事件手続法の全面改正(平成23年法律第51号)およびその整備法に伴う改正。即時抗告について準用される非訟手続の規定が、現行の準用・除外リストの形に整理された

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 改正:旧不動産登記法を全部改正して現行法が制定され、裁判所による仮登記を命ずる処分が現行108条として整理された。オンライン申請化に対応した新法体系の中で、単独申請の根拠条文(107条)との対応関係が明確化された
  2. 2.平成23年(2011年)公布・平成25年(2013年)施行 改正:非訟事件手続法の全面改正およびその整備法に伴う改正。即時抗告について準用される非訟手続の規定が、現行の準用・除外リストの形に整理された

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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