不動産登記法 第96条(買戻しの特約の登記の登記事項)
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買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金額)及び契約の費用並びに買戻しの期間の定めがあるときはその定めとする。
この条文の基本情報
買戻しの特約の登記の登記事項とは何ですか?
定義買戻しの特約の登記の登記事項とは、不動産登記法第96条に定められた規定で、「買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第96条(買戻しの特約の登記の登記事項)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第96条の条文原文は「買戻しの特約の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、買主が支払った代金(民法第五百七十九条の別段の合意をした場合にあっては、その合意により定めた金…」で始まります。
- 不動産登記法第96条は第三節 権利に関する登記に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第96条の前の条は不動産登記法第95条です。
- 不動産登記法第96条の次の条は不動産登記法第97条です。
- 不動産登記法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法96条は、買戻しの特約の登記の登記事項として、買主が支払った代金、契約の費用、買戻しの期間の定めを掲げる。登記により買戻権を第三者に対抗できる。
Q · 登記簿の「買戻特約」って、具体的に何が書いてあるんですか?
代金額・契約の費用・買戻期間の三つが公示されます
不動産登記法96条により、買戻しの特約の登記には、第59条各号の共通事項に加えて、買主が支払った代金(民法579条の別段の合意があればその金額)、契約の費用、そして買戻しの期間の定めがあるときはその期間が記録されます。この三つは、売主がいくら返せば所有権を取り戻せるか、いつまで取り戻せるかを示す数値であり、購入希望者・融資する金融機関・相続人の全員が登記事項証明書から読み取れます。買戻期間は売買契約の日から10年が上限で、定めがなければ5年です(民法580条)。
解説
登記事項証明書の甲区に、所有権移転登記のすぐ下へ小さく並ぶ行がある。「買戻特約 売買代金〇〇円 契約費用〇円 期間〇年」。不動産登記法96条は、この一行に何を書かせるかを決めている条文だ。59条各号の共通事項に加えて、買主が支払った代金(2020年4月施行の民法改正で、当事者が別段の合意をすればその金額でよくなった)、契約の費用、そして期間の定めがあればその期間。なぜ金額まで公開するのか。買戻しとは、売主がその金額を返せば売買契約を一方的に解除して所有権を取り戻せる権利(民法579条)だからである。つまり登記簿に刻まれた数字は、あなたが今いくらでこの家を失いうるかの値札だ。その家をローンで買おうとしている人、相続で受け取った人、担保に取ろうとしている銀行、全員がこの三つの数字を見て判断を変える。
法的な位置づけ
不動産登記法96条は、買戻しの特約の登記における登記事項を定める規定である。第59条各号に掲げる権利に関する登記の共通事項のほか、買主が支払った代金(民法579条の別段の合意をした場合はその合意により定めた金額)、契約の費用、及び買戻しの期間の定めがあるときはその定めが登記事項とされる。買戻権の内容を公示し、第三者への対抗の基礎を形成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書の甲区下段を確認する 所有者欄だけで折りたたまず、所有権移転登記に付記された「買戻特約」の行を探す。買主が支払った代金、契約の費用、買戻しの期間、そして原因日付(売買契約の日)の四点をメモする
- 2.契約書の特約条項と登記内容を照合する 売買契約書の買戻特約条項に書かれた金額・費用・期間と、登記された内容が一致しているか一行ずつ突き合わせる。ずれがあれば売主(自治体なら担当課)へ書面で確認し、記録を残す
- 3.売主側は所有権移転登記と同時に買戻特約を登記する 買戻しの特約は売買契約と同時にしたものだけが効力を持ち(民法579条)、登記をしなければ第三取得者に対抗できない(民法581条)。所有権移転登記と同時申請で処理し、念書だけで済ませない
- 4.期間内に処分したいときは事前承諾を打診する 自治体の分譲地などは要綱や契約書に「事前承諾があれば譲渡可」の条項が置かれていることが多い。売却活動を始める前に担当課へ当たり、承諾書または抹消の実務ルートを確認する
- 5.期間満了後は抹消登記を申請する 原則は買戻権者との共同申請(不動産登記法60条)。売買契約の日から10年を経過していれば、現在の所有権登記名義人が単独で抹消を申請できる(同法69条の2、令和5年4月1日施行)。相続人調査を始める前にこの経路を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1買戻特約とは何ですか?
売主が買主に支払った代金と契約の費用を返還して売買契約を解除し、所有権を取り戻せる特約です(民法579条)。売買契約と同時にしなければ効力を持ちません。
Q2買戻特約の登記事項には何が記録されますか?
不動産登記法96条により、59条各号の共通事項のほか、買主が支払った代金、契約の費用、買戻しの期間の定めがあるときはその期間が記録されます。
Q3買戻特約の登記は甲区と乙区のどちらに載りますか?
所有権に関する事項なので甲区です。所有権移転登記に付記する形(付記登記)で記録されるため、所有者欄のすぐ下に小さく並びます。見落としやすい位置です。
Q4買戻期間は最長何年ですか?
売買契約の日から10年が上限です。これを超える定めは10年に短縮され、後からの伸長はできません。期間を定めなかった場合は5年以内に行使する必要があります(民法580条)。
Q5買戻特約の登記はいつ申請しますか?
特約は売買契約と同時にする必要があり、登記は所有権移転登記と同時に申請するのが実務です。移転登記の後から特約だけ追加する運用は制度上できません。
Q6買戻特約の登記は誰が申請しますか?
原則は登記権利者(売主=買戻権者)と登記義務者(買主)の共同申請です(不動産登記法60条)。抹消も原則共同申請ですが、69条の2の例外があります。
Q7買戻権が行使されると所有権はどうなりますか?
期間内に代金および契約の費用を提供して行使すると(民法583条1項)、売買契約が解除され所有権は売主に復帰します。登記記録上は所有権移転の登記で処理されます。
Q8買戻特約付きの不動産に住宅ローンは使えますか?
金融機関からは所有権が巻き戻りうる担保物件と評価されるため、買戻特約の抹消を融資実行の条件とされることが多くあります。事前に金融機関へ登記事項を提示して確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記簿に古い買戻特約が残ってるんですが、これ消せますか?
原則は買戻権者との共同申請(不動産登記法60条)ですが、令和3年改正で新設された同法69条の2により、売買契約の日から10年を経過していれば現在の所有権登記名義人が単独で抹消を申請できます(令和5年4月1日施行)。実務のポイント:この単独抹消を使わず、買戻権者の相続人探しから始めてしまう例が今も残っている。10年経過が登記記録から読めるなら、実費は数万円規模で終わる話である
Q2買戻特約付きの安い土地って、買っても平気なんですか?
期間内は売主が代金と契約の費用を返して解除できる(民法579条、583条)ため、その間に投じた造成費や内装費は戻らない前提で考える必要があります。判断材料は96条が公示させる代金額・契約費用・期間の三つです。実務のポイント:自治体の分譲では、要綱や契約書に「事前承諾があれば譲渡可」という条項が置かれていることが多い。諦める前に担当課へ先に当たると、抹消や承諾の実務ルートが見つかる
Q3買戻しって、要するに借金の担保ですよね?
実際に担保目的で使われる例は多く、その場合は清算義務や仮登記担保に関する法理との関係が問題になります。買戻特約付売買が担保目的と評価されるかは実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:売って住み続け後で買い戻すと持ちかけられたら、その場で買戻特約の登記の有無を確認する。登記がなければ第三者に対抗できず(民法581条)、買い戻す権利は事実上の口約束にすぎない
間違えやすい点 AI による整理
- 「買戻特約を登記できるか」を考えている時点で、問いが一つ手前でずれている。買戻しの特約は売買契約と同時にしなければ成立しない(民法579条)ため、決済が終わってから登記だけ後付けする道は制度上存在しない。検討すべきは「契約書の第何条に、いつ入れるか」であって、登記の可否ではない
- 買戻期間の上限が10年であること(民法580条)は比較的知られている。深刻なのはその先だ。期間は後から伸長できず、期間の定めを置かなければ5年で切れる。登記の期間欄が空白なら、買戻権者は5年で権利を失う。取り戻すつもりだった不動産が、気付かないうちに確定的に他人のものになる
- 買主から見れば「安く買えたおまけ条件」でも、金融機関から見れば「いつ所有権が巻き戻るか分からない担保物件」である。この落差は住宅ローン審査で表面化し、買戻特約の抹消が融資実行の条件に据えられる。安く買えた分が、資金調達の壁として跳ね返る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 不登法96条:買戻特約の登記に固有の登記事項(代金額・契約費用・期間)を定める | 不登法59条:権利に関する登記に共通する登記事項を定める 不登法69条の2:買戻特約の登記の単独抹消の特例を定める |
| 登場する場面 | 買戻特約を登記記録に載せるとき | すべての権利の登記(所有権・抵当権等)に常に適用 買戻期間が過ぎた古い登記を消すとき |
| 申請の構造 | 共同申請(不登法60条)、所有権移転登記と同時申請が実務 | 登記の種類に応じた申請構造に従う 売買契約の日から10年経過後は所有権登記名義人の単独申請可 |
| 読み手にとっての意味 | いくら返せば所有権が巻き戻るか、いつまでかを読み取れる | 順位番号・受付年月日・登記原因など基礎情報を読み取れる 相続人調査をせずに登記を清算できる出口 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も買回の期間を最長5年(民法380条)とし、日本の10年より短い。登記実務では所有権移転登記に買回特約を併記するが、公示事項の法定は日本の不登法96条ほど細分化されていない
韓国も売買契約と同時の特約を要求し、不動産の환매期間は5年を超えられない。登記により第三者対抗力を得る構造は日本と同型
ドイツの Wiederkauf は債権的権利であり、不動産では通常 Vormerkung(仮登記)で保全する。日本のように登記事項が法定された独立の登記類型とは構成が異なる
フランスの réméré は買戻期間を最長5年とし、日本の買戻しの直接の系譜上の起源とされる。日本は期間上限を10年とした点で分岐している
統一的な買戻し制度はなく、契約上のオプションとして構成される。record notice のため deed または memorandum を recorder's office に記録するのが実務
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 移住支援で市から相場の半額で買った宅地を、3年目の転勤で売りたくなったらどうなるか。甲区には買戻特約の登記が残っており、市は代金と契約費用を返して土地を取り戻せる立場にある。契約書の特約条項と登記された期間、この二つを確認しないまま売却活動を始めると、買主が現れても決済直前で話が飛ぶ
- あなたが売主側で、事業資金が要るから自宅を知人に売り、後で買い戻す約束をした。痛いのは二点。買戻しの特約は売買契約と同時でなければ成立せず(民法579条)、さらに登記をしなければ、知人がその先へ転売した第三取得者に対抗できない(民法581条)。念書だけで登記を打たなかった売主は、家も金も失う側に回る
- 相続した実家の登記簿に、40年前の買戻特約が残っていた。買戻権者は既に死亡し相続人も辿れず、売却も融資も止まる。だが売買契約の日から10年を過ぎていれば、現在の所有権登記名義人は単独で抹消を申請できる(不動産登記法69条の2)
取るべき行動
被害を受けた側:買戻特約付きの不動産を持っている、または買おうとしているなら。1. 登記事項証明書で代金額・契約費用・期間、そして売買契約の日付を確認2. 契約書本体の特約条項と登記内容が一致しているか照合、ずれていれば売主側へ確認3. 期間内の転売は、契約書に承諾条項があれば売主(自治体なら担当課)の事前承諾で通る運用が多い、先に打診する4. 期間満了済みなら抹消へ。売買契約の日から10年経過していれば単独申請可(不動産登記法69条の2)
訴えられた側:あなたが買戻権を握る売主側なら。1. 特約は売買契約と同時、登記は所有権移転登記と同時申請、この二つを外すと権利が第三者に通らない(民法579条、581条) 2. 期間は必ず明記、無記載なら5年で失権(民法580条) 3. 行使は期間内に代金と契約費用を現実に提供することが要件(民法583条)、内容証明で提供の事実を残す4. 担保目的での利用は清算義務の問題を招くため、実務上の評価が分かれる点を前提に設計する
時効(請求できる期限):買戻期間は売買契約の日から起算し、10年を超えられない。これを超える定めは10年に短縮され、後からの伸長は不可。期間の定めを置かなかった場合は5年以内に行使しなければならない(民法580条)。行使には期間内に代金および契約の費用を提供することが必要(民法583条1項)。抹消の単独申請が使えるのは、売買契約の日から10年経過後(不動産登記法69条の2、令和5年4月1日施行)
学説
実務上の一般的理解(買戻しの担保的機能):買戻特約付売買は、条文上は解除権留保型の売買であるが、実際には債権担保の手段として用いられる例が多い。担保目的と評価される場合には清算義務や仮登記担保に関する法理との整合が問題となり、契約形式のみで処理できないというのが実務の共通認識である。
公示主義からの説明:不動産登記法96条が代金額・契約の費用・期間を法定登記事項としたのは、買戻権という所有権を巻き戻す強力な権利を、登記記録から誰でも読み取れる情報へ変換し、第三取得者と担保権者の取引安全を確保するためであると説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 旧不動産登記法を全部改正し、オンライン申請制度の導入に合わせて登記事項を条文ごとに整理。買戻しの特約の登記の登記事項が現行96条として置かれた
- 平成29年(2017年)民法改正に伴う整備(令和2年4月1日施行) 民法579条が代金額について別段の合意を認めたことに対応し、登記事項を「売買代金」から「買主が支払った代金(民法579条の別段の合意をした場合はその合意により定めた金額)」へ改正した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正。オンライン申請制度の導入に伴い登記事項を条文ごとに整理し、買戻しの特約の登記の登記事項が現行96条として置かれた
- 2.平成29年(2017年) 改正:民法(債権関係)改正に伴う整備。民法579条が代金額について別段の合意を認めたことに対応し、登記事項を「売買代金」から「買主が支払った代金(別段の合意をした場合はその金額)」へ改めた(令和2年4月1日施行)
- 3.令和3年(2021年) 新設:民法等の一部を改正する法律により69条の2を新設。売買契約の日から10年を経過した買戻特約の登記について、所有権の登記名義人による単独抹消申請を認めた(令和5年4月1日施行)
- 不動産登記法 第59条権利に関する登記の共通登記事項、本条の基礎
- 不動産登記法 第60条登記権利者と登記義務者の共同申請の原則
- 不動産登記法 第61条登記原因証明情報の提供義務
- 不動産登記法 第69条の2買戻特約の登記の単独抹消の特例
- 不動産登記法 第105条仮登記による買戻権の順位保全
- 民法 第579条買戻特約の実体法上の要件と効果
- 民法 第580条買戻期間の上限と伸長禁止
- 民法 第581条買戻特約の登記による第三者対抗力
- 民法 第583条買戻権行使時の代金等の提供要件
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