不動産登記法 第62条(一般承継人による申請)
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登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承継があったときは、相続人その他の一般承継人は、当該権利に関する登記を申請することができる。
この条文の基本情報
一般承継人による申請とは何ですか?
定義一般承継人による申請とは、不動産登記法第62条に定められた規定で、「登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第62条(一般承継人による申請)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第62条の条文原文は「登記権利者、登記義務者又は登記名義人が権利に関する登記の申請人となることができる場合において、当該登記権利者、登記義務者又は登記名義人について相続その他の一般承…」で始まります。
- 不動産登記法第62条は第一款 通則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第62条の前の条は不動産登記法第61条です。
- 不動産登記法第62条の次の条は不動産登記法第63条です。
- 不動産登記法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法62条は、登記の当事者に相続や合併が生じたとき、その一般承継人が被相続人名義のまま登記を申請できると定める。相続登記を中間に挟む必要はない。
Q · 父が生前に売った不動産、先に相続登記を入れないと買主へ移せないの?
不要。62条で父名義のまま買主へ直接移せます
不動産登記法62条により、登記義務者である売主が死亡しても、相続人その他の一般承継人が被相続人名義のまま買主への所有権移転登記を申請できます。売買がすでに済んでいる以上、相続人は所有権を確定的に取得しておらず、実体としての権利変動は被相続人から買主への一本だからです。先に相続登記を入れると、固定資産評価額の0.4% の登録免許税と司法書士報酬が余分にかかります。申請には一般承継を証する情報(不動産登記令7条1項5号イ)の添付が必要です。
解説
父親が生前に自宅を売却し、代金も受け取っていた。だが所有権移転登記を入れる前に亡くなった。ここで多くの人は、まず相続人名義に登記し直してから買主へ移す、と考える。登録免許税が二重、司法書士報酬も二重。その一本は要らない。不動産登記法62条は、登記権利者・登記義務者・登記名義人に相続その他の一般承継が生じたとき、相続人その他の一般承継人がその登記を申請できると定める。登記名義は父のまま、直接買主へ移転登記が入る。中間省略ではない。父はすでに売っており、相続人は所有権を確定的に取得していないからだ。逆側も同じで、買主が死んでも相続人が権利者として申請できる。会社の吸収合併も一般承継だから、消滅会社が果たすはずだった登記義務は存続会社に乗る。知らずに相続登記を一本挟んだ瞬間、評価額の0.4%が消える。
法的な位置づけ
不動産登記法62条は、一般承継人による登記申請を定める規定である。登記権利者、登記義務者または登記名義人となるべき者について相続、合併その他の一般承継が生じた場合に、その相続人その他の一般承継人が、被相続人または消滅会社の名義のまま当該権利に関する登記を申請する適格を有する旨を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被相続人が生前に負っていた登記義務を洗い出す 売買契約書、代金領収書、登記原因証明情報、抵当権抹消の弁済証書などの原本をまず確保する。遺産分割の話に入る前に、亡くなった人が何を約束し終えていたかを確定させる
- 2.一般承継を証する情報をそろえる 相続の場合は被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人全員の戸籍謄本、合併の場合は合併の記載がある登記事項証明書を取得する。不動産登記令7条1項5号イの添付情報にあたる
- 3.被相続人名義のまま共同申請する 相続人その他の一般承継人を登記義務者として、買主と共同で所有権移転登記を申請する。相続登記は挟まない。登記識別情報を提供できないときは事前通知または資格者代理人の本人確認情報(同法23条)で代替する
- 4.非協力の相続人がいるなら早期に判決ルートへ切り替える 義務者側の相続人が一人でも応じないと申請は止まる。粘って説得するより、所有権移転登記手続請求訴訟を提起し、確定判決で不動産登記法63条1項の単独申請に移行したほうが結局速い
よくある質問 AI による整理
Q1一般承継人による申請とは?
登記の当事者となるべき人に相続や合併が起きたとき、その相続人や存続会社が代わりに登記を申請できる仕組みです。不動産登記法62条が根拠で、被相続人名義のまま申請できます。
Q2売主が亡くなったら誰が登記を申請するの?
相続人その他の一般承継人が登記義務者の地位を承継し、買主と共同で申請します。原則として登記義務者側は相続人全員が申請人になるのが実務の扱いです。
Q3相続登記を先に入れないと移転登記できない?
できます。生前に売却済みの不動産は相続人のものになっていないため、相続登記は実体に反する余計な一本です。挟むと評価額の0.4% の登録免許税を捨てることになります。
Q4一般承継を証する情報って何を出すの?
相続なら被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍と相続人の戸籍、合併なら合併の記載がある登記事項証明書です。不動産登記令7条1項5号イが添付を求めています。
Q5合併で消滅した会社の登記義務はどうなる?
吸収合併も一般承継なので、消滅会社が負っていた登記義務は存続会社に承継されます。存続会社が62条で申請人となり、消滅会社名義のまま買主へ移転登記できます。
Q6相続人が複数いる場合は全員で申請するの?
登記権利者側は保存行為として一人でも申請できるとされる一方、登記義務者側は原則として相続人全員が申請人になります。事案により解釈が分かれる論点です。
Q762条を使うと登録免許税はいくら安くなる?
不要な相続登記を省けるため、固定資産評価額の0.4% が丸ごと不要になります。評価額3,000万円なら12万円、加えて司法書士報酬の二重負担も避けられます。
Q8相続人が協力しないときはどうすればいい?
所有権移転登記手続請求訴訟を提起し、確定判決を得て不動産登記法63条1項の単独申請に切り替えます。説得を続けるより結果的に早い場合が多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1売主が亡くなったら、契約って白紙になるんじゃないんですか?
なりません。売買契約上の義務は相続人に包括承継され(民法896条)、登記を移す義務もそのまま引き継がれます。相続人は不動産登記法62条により、被相続人名義のまま買主への移転登記を申請できます。実務のポイント:相続人が複数いても遺産分割協議の成立を待つ必要はない。売却済みの不動産はもう分割対象の遺産ではないからだ。司法書士はこれを知っているが、聞かれない限り自分から説明しない
Q2亡くなった親の権利証(登記識別情報)が見つからないんですが、詰みですか?
詰みません。登記識別情報を提供できない場合は、不動産登記法23条の事前通知か、資格者代理人による本人確認情報の提供で代替できます。62条による申請でも扱いは同じです。実務のポイント:本人確認情報の作成報酬は数万円かかる一方、事前通知は無料だが登記完了まで二週間ほど延びる。決済日を動かせるなら事前通知、動かせないなら本人確認情報。この二択を先に司法書士へ投げると話が早い
間違えやすい点 AI による整理
- 相続が起きたらまず相続人名義に登記しないと先へ進めない、と思われている。実際は逆で、売買がすでに済んでいる不動産に相続登記を挟むのは実体に反する余計な一本であり、評価額の0.4%の登録免許税を捨てるだけになる
- 「62条を使えば相続人の一人だけで申請できますか」という問いの立て方そのものがずれている。62条が答えているのは誰が申請人になれるかであって、共同相続人の内部で何人必要かではない。登記権利者側は保存行為として一人でも可とされる一方、登記義務者側は原則として相続人全員が申請人になる、というのが実務の扱いである(この点は事案により解釈が分かれる)
- 一般承継イコール相続、と理解している人が多い。相続は含まれるが、それだけではない。会社の合併も一般承継であり、包括遺贈を受けた受遺者も相続人と同一の権利義務を有する(民法990条)以上ここに入る。M&Aの現場で、消滅会社が抱えたまま未了だった登記義務をこの条文一本で処理できると気付いていない法務担当者は少なくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 使う場面 | 62条:当事者に相続・合併が起き、申請人が死亡・消滅した | 63条1項:相手方が登記申請に協力しない 76条の2:自分が相続で取得した不動産の名義を自分に変える |
| 申請の形 | 一般承継人が申請人となる共同申請 | 確定判決に基づく単独申請 相続人による単独申請(相続人申告登記も可) |
| 登記名義の動き | 被相続人・消滅会社名義のまま買主へ直接移転 | 判決主文どおりに移転(中間の名義は不要) 被相続人から相続人へ名義が移る |
| 期限・制裁 | 申請期限なし、過料の定めなし | 判決確定後に申請、期限の定めなし 取得を知った日から3年以内、10万円以下の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も相続による包括承継を前提に、義務者が死亡した場合に相続人が登記申請人となる扱いを採る。ただし台湾では相続登記そのものに期限と過怠金の制度があり、期限設計が日本と異なる。
韓国は条文の構造も文言も日本62条とほぼ同型で、包括承継人が被相続人名義のまま登記を申請できる。日本統治期の登記制度が土台になった名残であり、実務上の論点もよく似ている。
ドイツは前主が登記されていることを申請の前提とする Voreintragung 原則を採るが、40条で相続人についてはその例外を認め、相続登記を挟まずに処分の登記ができる。到達点は日本62条と同じで、原則と例外の組み立て方が逆になっている。
米国は検認(probate)を通じて遺産管理人が被相続人の不動産を処分し、deed を交付する構造。登記(recording)は対抗要件にすぎず、申請人適格を条文で補充する日本型の設計とは前提が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済日の三日前に売主が急死したら、その契約はどうなる? 契約自体は生きている。相続人が62条で登記義務者の地位をそのまま引き継ぐだけだ。ただし被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を揃え、相続人全員の関与にこぎつけるまでに、融資実行の期限が先に来る。今日中に金融機関へ状況を入れないと、ローンの再審査で一か月が飛ぶ
- あなたが相続人の側で、亡くなった親が生前に土地を売っていたという通知が買主から届いた。契約書のコピー付きだ。知らなかったでは通らない。登記義務はすでにあなたに乗っている。ただし代金が本当に支払われたのかを確かめる権利まで失ったわけではなく、未払いなら同時履行の抗弁で引換給付を求められる
- 合併の翌月、法務局から補正の連絡が入った。消滅会社名義のまま買主へ移転登記できるのかという確認だった。答えは62条、できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 売主の死亡を知ったら、売買契約書・代金領収書・登記原因証明情報の原本をまず確保する2. 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍で相続人全員を確定3. 不動産登記法62条により相続人を登記義務者として共同申請、一般承継を証する情報(不動産登記令7条1項5号イ)を添付する4. 相続人が協力しないなら所有権移転登記手続請求訴訟を提起し、確定判決で単独申請(同法63条1項)へ切り替える
訴えられた側:1. 被相続人が生前に負った登記義務は相続人に承継される。拒み続けても判決を取られ結局登記は入る、と先に理解しておく2. 売買契約が本当に成立し代金が支払済みかを契約書と入金記録で確認3. 代金未払いなら同時履行の抗弁を主張し、登記と引換給付を求める4. 争わないなら62条で申請に協力。被相続人の登記識別情報が見つからなくても、事前通知または資格者代理人の本人確認情報(同法23条)で代替できる
時効(請求できる期限):登記申請そのものに期限はない。ただし買主の所有権移転登記請求権は債権として消滅時効(民法166条1項、権利を行使できることを知った時から5年)にかかりうる。もっとも判例は、買主が目的物の引渡しを受けて占有を継続している間は同請求権の消滅時効は進行しないとする。これとは別に、自分名義への相続登記は2024年4月1日施行の申請義務(不動産登記法76条の2、相続の開始および所有権取得を知った日から3年以内、10万円以下の過料)の対象となる
学説
通説・登記実務:62条は申請人適格を補充する手続規定であり、実体的な権利変動を作り出すものではない。したがって被相続人が生前に売却を終えた不動産については、相続人名義への中間登記を経ずに買主への移転登記を通すことが実体に忠実な処理であるとされる。
申請人の人数に関する実務の扱い:登記権利者側については保存行為として相続人の一人からの申請も可とされる一方、登記義務者側については原則として相続人全員が申請人になる必要があるとされる。この点は事案により解釈が分かれ、事前に管轄法務局へ照会する実務が一般的である。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 オンライン申請の導入と権利証から登記識別情報への移行を柱とする全部改正により、一般承継人による申請の規律が現行62条として整備された。旧法下の同趣旨の規定を実質的に引き継いだもので、要件そのものの大幅な変更ではない
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:不動産登記法の全部改正。オンライン申請の導入と、権利証から登記識別情報への移行を柱とする改正の中で、一般承継人による申請の規律が現行62条として整備された。旧法下の同趣旨の規定を実質的に引き継いだもので、要件そのものの大幅な変更ではない。
- 不動産登記法 第60条共同申請主義、62条はその申請人適格の補充
- 不動産登記法 第61条登記原因証明情報の提供義務
- 不動産登記法 第63条判決による単独申請、非協力時の代替経路
- 不動産登記法 第22条登記識別情報の提供義務と例外
- 不動産登記法 第76条の2相続登記の申請義務、62条とは別軌道
- 民法 第896条相続による包括承継、一般承継の実体法的根拠
- 会社法 第750条吸収合併による権利義務の包括承継
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